地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

祭の後に続く夢

»

 08/25 ~ 08/27 において Microsoft の行う年に一度の最大規模な技術イベント、Tech・Ed Japan 2010 に社会人になって初めて参加してきました。例年であれば Blog などで流れて来る情報を見ているだけで、うらやましく思っていた中でしたので非常に期待しての参加でした。

 3 日間の中で技術系セッションが70、実機を用いたハンズオン形式が41、他にもシアター形式でのセッションや BOF と呼ばれる著名な方々によるセッションなどなど、ものすごい量の情報に満たされているイベントです。事前に目的意識を持った上でどのセッションに参加するかを決めていかなければ、非常に困惑する程凝縮されたものでした。

 わたしは今回が初参加なのですが、クラウド・仮想化・SQL Server を軸にして 3 日間を過ごしました。欲をいえばもっともっと聞いてみたいセッションばかりなのですが、残念ながら体は1つしかありません。うれしい悲鳴をあげて参加するセッションを選んでいました。

 そして実際に会場に到着し、セッションに参加してみるとそこで話される内容というのがまた非常に新しい知識となるもの、既存の知識をさらに強化してくれるもの、最近はおざなりにされていた「技術者である自分」の根幹を刺激してくれる内容ばかりであったと感じています。日ごろ業務を行っている際にはなかなか感じることの少ない心地好い刺激を受け、もっともっと詳しく知りたい、いま聞いた話を利用して自分の仕事に活かしたいという、知識欲と自分のプロとしての技術者魂とが、大変刺激を受けまくり、テンションが非常に上がった状態になりました。

 そして何よりも、今までネット上でのつながりだけであった方々と実際にお会いすることができたことは最もうれしいことでした。

 もともとわたしはそれほど腕がある技術者とは考えていませんので、会場に集まる、ほとんどが自分よりもはるかにできる方々と話し、その考えを聞くことができたことは大変な刺激と財産になったと感じています。実際にできる方々を目にすることができると、負けてられない、という気持ちが生まれ、自分の中でくすぶっていたものが一気に炎を吹き上げるような感覚、目標がはっきりと見えたのでもう次はやるだけだ、というすっきりとした意識になったのです。

 このように、Tech・Ed 参加中の自分は大きな祭に参加して気持ちが高ぶっているお上りさん的な感じとなっていました。目にするもの、耳にするものすべてが心地好く、すべてが自分の糧となる、そのような感じでした。

 しかし何事にも終わりは訪れます。3日間という時間が過ぎ、ついにイベントが終了しました。その時なんとも言えない寂しさを感じたことを覚えています。最後に参加していたライトニングトークのセッションにて、司会の方が「これで今年の Tech・Ed は終了です。ありがとうございました!」と言われたとき、「ああ、終わったんだな……」と感じました。

 子供のころに感じた祭りが終わるときの寂しさ、それと同じ気持ちがわたしの中にありました。気持ちとしてはもっともっとここにいたい、と思いますが、そうも言ってられませんので、その日の最終便でわたしは帰りました。

 それから時間が経つにつれて、あのとき感じたテンションは少しずつ下がっていきました。ですがそれと同じくして、はっきりと認識できた目標へと進もうという決意に近いものが、自分の中でしっかりと根付いているのが分かりました。

 あの3日間で大きく自分の意識は変化したと思います。変な話ですが、上が見えるのであれば、そこへ向けて努力することは容易いと思います。会社という狭い世界にこもっていることが多かったこともあり、どこかくさっていたところがありましたが、今ではそれもかなり薄まっています。

 極端に言えば、会社がどうこうというのはさておき、プロとして自分をもっと高める気持ちになれたのです。例えそれが仕事として報われなくとも、自分をもっともっと高めたい、そして来年はもっともっと積極的に参加してみたい。そのために少しずつでも行動しよう、そうしたいと思えているからそうする、シンプルなのかどうか微妙ですが、今のわたしはそのような気持ちで一杯です。

 次回以降も可能な限り参加したいと思わせるイベントでした。難しいのは地方から参加する場合、かなりの費用が発生する点ですので、そこだけどうにかできれば……というところですが。

 それでもまた参加したい、そのときには今よりももっと多くのことを知り、多くのことができるようになっていたい。それが今のわたしの夢、というよりも目標です。

 Tech・Ed に参加された皆さん、Microsoft の皆さん、スポンサー企業の皆さん、いろいろな形でこのイベントに関わってくださった皆さん。

 お疲れさまでした! そしてありがとうございます!

Comment(2)

コメント

第3バイオリン

Ahfさん

「Tech・Ed Japan 2010」に参加されて、とても充実した時間を過ごされた様子が伝わってきました。

>そして何よりも、今までネット上でのつながりだけであった方々と実際にお会いすることができたことは最もうれしいことでした。
>目にするもの、耳にするものすべてが心地好く、すべてが自分の糧となる、そのような感じでした。
>子供のころに感じた祭りが終わるときの寂しさ、それと同じ気持ちがわたしの中にありました。

わかります!私がWACATEに参加したときに感じた気持ちと同じです!
勉強会やカンファレンスという場で、意識やスキルの高い人と会話したり
(ときには楽器持ち寄ってセッションしたり 笑)
話題の技術や技法に直接触れることができるのって、ものすごくいい刺激になりますよね。

こういうとき、エンジニアで本当によかったと思います。
また、そのように考える自分は血の一滴までエンジニアだなと実感します(笑)

>例えそれが仕事として報われなくとも、自分をもっともっと高めたい、そして来年はもっともっと積極的に参加してみたい。そのために少しずつでも行動しよう、そうしたいと思えているからそうする、

実は私、WACATEで学んだことを課内に展開したいと思って勉強会を開催したものの、失敗に終わってしまいました。
今から振り返ると、私自身の準備不足なども失敗の原因ではありましたが
「せっかく学んでも、その内容が業務に生かせないのであれば
いったい何のために参加したのだか…」と悩んだこともありました。

しかし、いきなり職場に劇的な変化を起こせなくても
学ぶことそれ自体が無意味なんてことは決してないと気がつきました。
今は「知りたい、学びたい」という気持ちを一番大事にするべきだと考えています。

目の前のテーマに必死になって向き合うこと、
自分が今出せる力と知恵をすべて出し切ること(で、足りないことに気づくこと)、
それを繰り返すことが、いつか何かの形で実になるような気がします。

もちろん、一緒に学んだ仲間も、私の大切な宝物です。

Ahf

第3バイオリンさん、いつもお世話になってます。

先進技術の話を聞いたり、イベントやコミュニティ活動などでスゴイ人と接したりすることがものすごくエネルギー源になりますよね。
こういった刺激があると、まだまだ頑張ろう!、と私も思えます。

>目の前のテーマに必死になって向き合うこと、
>自分が今出せる力と知恵をすべて出し切ること
>(で、足りないことに気づくこと)、
>それを繰り返すことが、いつか何かの形で実になるような気がします。

まさしくその通りだと思います。
その時点でできる事をすべて行う事がまず第一、
そしてそれを継続するのが第二に必要な事だと思います。

熱量が高い時はすぐに結果を求めてしまいがちですが、なかなかそうそう上手くいく事ってないですよね。

私はTwitter上で日々呟いているのでご存知だと思いますが、
私も同じように社内勉強会を開催しています。ですが、一向に社内が改善できる
気配がありません。やり続ければいつかは形になる、そう思い続けてそれでも諦め悪く続けるようにしています。


お互い今後も頑張っていきましょう!

コメントを投稿する