いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

なぜ日本の経営者はITに弱いのか

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年配者と集まるとITに弱くなる

日本の経営者は何故ITに弱いのか。それは、経営者の行動に原因がある。経営者は起業するにあたり、経営者の集まりに参加したりすることが多いようだ。経営者の集まりにいくと、だいたい年功序列で年配者が幅を利かせている。話すことと言えば、過去の成功例が中心の精神論ばかりだ。

そんな昭和で成功した経営者がITを語ることはまず無い。あの頃は、がむしゃらに働けば儲かった。根性論を振りかざして手数をこなせば人に勝てた。年配経営者の言い分を全て否定する気は無いが、時代遅れな感じは否めない。あれを聞き続けて精神論に傾倒することはあっても、ITに関心が向くことはないだろう。

それなりの仕事をしている年配の経営者でも、ITについて話して出てくる話題は、パソコンの操作の仕方がせいぜいだ。色々な経営者と話したことはあるが、その先の話が出た経験は無い。システムを活用することで利益を出すという発想自体が無い。ことITに関して話を絞れば、むしろ素人以下だ。

そういう経営者の集まりに出たとしても、「俺は俺」と言うスタンスでいれば影響されないと思うかもしれない。だが、その場に参加したら、ITに疎い年配の経営者を先達として持ち上げる立場になる。「俺は俺」と言うスタンスで参加すると、総スカンを食らう。どうしても年配の経営者に影響されて、ITへの関心が薄れていってしまう。

成功しているIT企業は若い

技術力の高いIT企業の経営者は、技術者の集まりにも顔を出す。そりゃ、優秀な技術者も欲しいし、自分自身も技術的にキャッチアップしたい等、そういう思いもあるからだろう。技術に関心のある人と集まるので、「技術を活かして」と言う発想になる。結果、技術を活かして事業を運営することができるようになる。

ITを活用できる経営者は、年配者ではなく技術者と集まっているので、技術者から多く影響を受ける。どこにいて心地よいと思うかは、思考パターンを形成する上で重要だ。自分の考え方は、自分が交流している人に影響を受ける。技術者として成長したければ、活発に活動する技術者と交流すべきだろう。

最近では、若い人同士で集まる起業家の集まりが増えているようだ。スティーブ・ジョブズなど、IT系の起業家たちが注目されだした時期だったか。こういう流れが将来、日本に大きな変化をもたらすのではないかと、少し期待していたりもする。

あと面白いのが、成功しているIT企業は今までの型を積極的に破ろうとする傾向が強い。そういう発想を企業でやるのは、今までの常識に縛られない人同士が集まって、自分たちの価値観を実現して形にした結果だ。これから成功していく人たちは、今までに無いような価値観を形にしていくのかと思うと、楽しみでもある。

経営者が話を聞いてくれない理由

経営者と言えど、普段いるのは自分の会社だ。たまに集まる経営者より、社員から受ける影響の方が大きいはずじゃないか?なんて思う人もいるだろう。しかし、実際経営者の人が気にしているのは、同じ経営者同士か、同族経営なら同族の人だ。一社員が何を言おうと、大した影響力は持たない。

考えてもみよう。何十人、何百人と社員がいる訳だ、一人一人の意見を平等に聞いたら会社は統制を失って破綻する。経営者の役割は、話を聞くことでなく、この何十人、何百人の道を指し示すことだ。一社員が口にした希望をそのまま納得させて実行させるのは、芸能人と結婚するくらいに難しい。

そもそも、その何十人、何百人の内、何人がITを活用して価値を創造できると思っているだろうか。一般的な企業であれば、圧倒的多数でITに関心は無い。それどころか、うっとうしい、面倒臭いというイメージを持つ人の方が圧倒的に多い。経営者がITを活用しようと思うはずも無い。

日本では、経営者とか立場を抜きにして、ITを活用しようなんて考える人はただの変人だ。変人の意見を嬉々として聞いている方が普通に考えるとおかしい。経営者が特別ITに関心が無いのではなく、日本という国の国民自体がITに関心が無いのだ。経営者にITの話をしたければ、まず、普通の人の関心を向けることから必要になる。

日本の経営者がITに強くなるには

では、どうすれば日本の経営者がITに強くなるのだろうか。答は簡単だ。十年間何もせずに放っておくだけでいい。だいたいITを嫌がる中心の世代が団塊世代やバブルの世代だ。アナログで仕事を覚えて成功した人たちだ。彼らが寿命で世の中を去るか、現役を引退してくれれば、勝手に相転移が起きて世の中の考え方は変わる。

外国に抜かれるなんて心配も無用だ。十年放っておけなんて言うと、世界に取り残されるんじゃないかと心配になるかもしれないが、それは違う。話も聞かないようなヤツらに青筋立ててITを語ってもは無駄だ。話に興味の無い人たちは放っておこう。そんなことにエネルギーを使っていると、自分のスキルを磨くのが疎かになる。

日本のITを強くするにはどうすればいいのか。それは、どれだけエンジニアが技術を楽しめるかにかかっている。持てる知恵を絞ってさっさと帰ろう。そして、エンジニア同士集まって、飯でも食いながら楽しくコードを書いてればいい。基本的に人間は楽しそうなものに関心を寄せる。自分たちが存分に技術を楽しんでいれば、勝手に優秀な人たちが面白がって寄ってくる。話も聞かないジジイ供は好きにさせておけばいい。

事実、ITが進んでいると言われている国のエンジニアは信じられないくらいに嬉々と振舞っている。それを見るたびに、私は「チクショウ、なんて楽しそうなんだ!」と地団駄を踏んで悔しがっている。そりゃやってる人が楽しそうなので魅力的に見える。優秀な人がやりたいと思って頑張るのも当然だ。

明らかに私たちは努力の方向を間違えている。日本のITを憂いるなら本気で技術を楽しめ。それだけで十分だ。

Comment(3)

コメント

山無駄

なぜ日本の経営者はITに弱いのか?


ITに弱いわけではない。日本の経営者は、経営に弱いのだ。


自ら起業した経営者は別として、日本の経営者は長年勤めたご褒美として今の役職を得ている。
高度成長時代は、最初にビジネスモデルを確立すると、中継ぎ経緯者は何もしなくても会社は
大きくなってっいった。だから経営者は経営ができるから経営者になるのではなく、これまで
の頑張りに応じて経営者にしていただくのだ。だからITが分からない。


ITはただの道具に過ぎない。要はその道具を如何に使うかだ。しかし経営者は経営に弱いので、
道具を使う必要性をこれっぽちも感じていない。必要は成長の母。必要性が分からないから、
勉強しない。勉強しないから成長しない。


これが日本の実態ではないかと…。

仲澤@失業者

以前付き合いのあったとある経営者は、もともと技術者でしたが青年会議所の連中と付き合いが深まるにつれて技術屋的発想から経済を中心とした考えに変わっていってしまいました。


彼は技術は経済や経営のリソースだという意見を持つようになりましたが、最近実際に起こった事実を見ると真逆のものが多いようです。

ksiroi

まぁ本物の技術持ちは雇用主を選べるしね。ダメな経営者はほっとけばいいというのは正しい。
選べない技術者は技術者じゃないんじゃないかなー。

レベルが低い人間はどの世代にも一定割合で居るので、団塊が居なくなることと技術的観点から世の中が良くなるはイコールではないと思う。
ただ時間が解決してくれるって意見には同意で、理由は「アホが寿命で減る」というより「レベルが低い人間が割合で減る」じゃないかと。
んで「スマホしか知らない世代」が台頭してくる20年後にまた同じことを議論されるんじゃないかなと予想。

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