いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

リモート酔い

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■サーバふみふみ 

 リモートでサーバを管理してる人なら大概、経験があると思う。ファイアウォールやら、アクセス権の都合で、目的のサーバにリモートでつなげる前に、別のサーバにリモートで繋げて、そこから目的のサーバへリモートにつなぐやり方だ。俗にいう踏み台というやつだ。

 また、複数台のサーバをリモートで繋げてメンテナンスを行うという作業も、経験のある方が多いんじゃないでしょうか。この踏み台を使ってサーバにアクセスしたり、複数台繋げて同時にメンテナンスをしていると、画面酔いしませんか? 何というのか、頭の中が「ウアーーーー!」となうような、そういうもどかしさをよく感じる。

■GUIを思い切り蹴飛ばしたくなる

 普段、Windowsを使っていると、GUIは操作しやすいと感じる。ExcelやWordのように、ビジュアルがないと意味を成さないソフトも多い。また、デスクトップの画面が出ていると、なんとなく直感的に対応できるので安心感はある。やっぱり見た目で分かるというのは重要だ。

 ただし、これがリモートになると話は違ってくる。1台や2台繋げるなら問題ないが、同時に3つくらい繋げたり踏み台を使うとしんどい。GUIは必要ないものがけっこう多く表示されている。また、見た目も同じなので頭の中が混乱しやすい。意外とカスタマイズも利かなかったりする。

 慣れない内は、WindowsサーバのメンテナンスでGUIが表示されると安心感があった。少し慣れてくると、逆にWindowsかよ……。CUIで操作できるLinuxにしやがれ! と内心思うことが多くなった。

■CUIが廃れない理由が分る気がする

 リモートでメンテナンスをすると、やはりCUIの便利さは圧倒的だと思う。プロンプトにホスト名を常に表示できるので間違いにくい。接続ソフトにもよるが、Logを残せるのでやったことを後から確認するのが楽だ。サーバを踏み台にしても、踏み台の情報が一切表示されないので見たも目すっきりだ。

 GUIでPrint Screenをぽちぽち押してExcelに貼り付けしてると、えらくメンドクサイ。いちいち画面切り替えたり、Windowの位置を調節したりと。GUIで表示される横っちょのスクロールバー。アレの操作が億劫で仕方がない。

 CUIは、慣れないと操作できないという欠点はあるが、必要な情報しか表示されないので、同時にいくつも作業をやる時は混乱しにくい。スクリプト化もやり易い。覚えるまでが大変だが、覚えるとGUIより効率的だ。特にメリットを感じるのは回線が遅い場合だ。やり取りするデータ量が少なくてすむので圧倒的に作業速度に差が出る。

■現実的な対応方法

 ただし、Windowsサーバを使っている現場ではどうしてもコマンドだけで対応というのは難しい。Windows自体、あまりCUIが充実してない。これにはどう対応すればいいのだろうか。

 答えとしては、リモートデスクトップからなるべく接続しないということだ。知られているか知られていないかよく分らないが、Windowsの管理ツールでリモート接続ができるものは多い。"コンピュータの管理"にしても、右クリックするとリモートに繋げる項目があったりする。

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 ADやSQLでも管理ツールがあるので、それをクライアントPCにインストールして接続すれば操作性は高い。また、複雑な操作や決まりきった操作はスクリプトにしてしまうのも有効だ。うまく工夫することで、回線が遅くてもそれなりに作業はできます。

 意外と操作できればOK。で止まってる現場は多い。地道に操作性を改善するだけでも、作業ミスや教育の手間も減る。また、精神的に疲れないので、もっと生産的なことにエネルギーを向けられる。

 なんか、お酒と同じかもしれない。体力任せに酒を飲みまくると、次の日二日酔いだ。力任せに適当な操作で作業するのと、気づかないところで疲れて作業効率が落ちる。そんなことで、リモートで操作するなら、リモート酔い対策も必要じゃないでしょうか。

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