いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

キョドってポン!

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■こんなことって、ありませんでしたか?

 自分に部下がついたり、あるいは業務の引き継ぎで何かを教えているとき、相手が意味不明なことをいい出して、挙動不審になってしまう。挙動不審になったあげく、黙り込んだり怒り出したりしてしまった。そんな経験、ありませんか?

 職場が変わることが多かったので、教える側、教わる側、両方の側面を見てきました。たいがいは教わる側が黙殺されることが多いですね……。しかし、教える側に大きな勘違いがあったりもします。

■NGワード「何で~しなかった?」

 相手がミスをしたとき「何で~しなかった?」という言葉をよく聞きます。しかし、よく考えてみてください。間違えた理由を明確に説明できるレベルなら、そもそも教えてる内容をもう、ほとんど理解しているはずです。

 理解していても、「明確に説明できるかどうか」は別です。「何で~しなかった?」というと次の言葉が出なくなるか、てんでわけの分からないことを話し出します。まず、希望する答えは返ってこないと思った方がいいでしょう。

 このいい方をするなら、「~するな」というべきでしょう。その後に「はい」とか「すいません」と言葉を続けられ、相手を追い詰めずに済むからです。

■落とし穴「~べきだ」、「~のはず」

 うまくいかないとき、「~べきだ」「~のはず」という言葉が頭をよぎりませんか? よく考えてください。「~べきだ」「~のはず」って自分の希望や主張じゃないでしょうか。

 経験上、現実と自分の思いに差があったり、何かの観念に縛られたりしていると「~べき」「~はず」が出てきます。つまり、現象を正しく見ていないときだということです。

 教えるときは、自分の主張でなく、あくまで「事実」を伝える必要があります。また、相手がものを覚えるのは、自分の思っている通りの進み方だとは限らないようです。

■教えている、あなたが焦っていませんか?

 よく急場の引き継ぎで、教えている側が焦っている場面を見かけます。しかし、よく考えてください。急いでいるからといって、焦る必要はありますか? 逆に、急いでいるときほど落ち着く必要があります。

 教える側が焦れば、相手に伝わります。焦りによって相手に一定以上の不安を与えると、パニックを引き起こします。ちょうどテトリスをやっていて、上まで積み重なった感じです。

 詰め込みだけでなく、きっちりと納得をいかせて不安を消していかなくては、後が続かなくなります。

■キョドるとはどういうことか

 「キレる」って思考が停止することみたいですね。人はキレると怒るだけでなく、泣いたり黙ったりと、思うよりいろいろな反応を示すそうです。キョドる(挙動不審になる)というのもその1つだそうです。

 教えているとき、教えている方が思考停止していたら……そりゃ教えられている方は仕事を覚えないでしょう。ましてや、教えている方がイラついたりしたら、なおさら覚えないでしょう。何かが「ポン!」とはじけてしまうかもしれません。相手をキョドらせないというのは、かなり重要じゃなかろうか。

 いろいろ書きましたが、実際は多くの条件を考慮したり、経験や深い思索が必要だったりします。書いた通りにやってもうまくいくことはまれでしょう。

 「教える側」にまわったときは、できなかったころの自分を思い出してみてはいかがでしょうか。

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