異業種交流会(立食パーティ)の過ごし方
2009年2月27日の「@IT自分戦略研究所 Weekly」に掲載したコラムを紹介します。仕事中にお会いする方に、自分が荒井さんの後輩だと告げると、「ああ、荒井さん! 元気ですか?」という言葉をよくもらいます。人見知りと本人は語っていますが、相手へ与える印象はなかなか強い様子。
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友人の知人が代表を務めるIT企業の異業種交流会に行ってきました。人見知りなので正直乗り気ではなかったのですが、そのネガティブさがそもそもの人見知りの原因なのだろうと思い、奮起して参加してきました。
交流会は150人規模の立食パーティでした。人との距離がとても近く、パーソナルスペースが脅かされる心地悪さを感じながらも、あっという間に2時間がたちました。
参加してみると、案外楽しいものですね。といいたいところですが、結構厳しい2時間でした。いくつかの関門をくぐり抜けたと思うので、書き連ねてみます。
第1関門は、やることがない。知っている人が主催の代表以外おらず、会場の隅でひたすらお酒を飲むこと30分。「どうする? 誰に声掛ける? 見た目で決めよ」とキャバクラのスカウトばりに人間観察し、結局声を掛けられず。こんなことになったのは、一緒にいる友人が丸刈りのひげだからいけないのか、と人のせいにしたくなる……。何とか1人捕まえ話してみるが、ここで第2関門が。
第2関門は自己紹介。自分が何者なのかを簡潔に伝えることはとても難しいものでした。就職活動のとき、30秒と1分の自己紹介を数パターン用意していましたが、パーティの自己紹介では30秒でも長いと感じます。名前と顔を覚えてもらうにはどうすればいいのでしょうか。
何人かと名刺交換し、少しは話が盛り上がりましたが、5分も持てばいい方。その後「さてどうしましょう」という空気が流れ、また気まずくなる……。話を切り上げるタイミングが難しいのです。これが第3関門でした。
交流会では上記3点をうまく切り抜けている人たちがいたので、彼らから学んだことを勝手に解釈して紹介したいと思います。
第1関門「やることがない(出会いがない)」⇒会場の隅にいてはダメだと実感。人から声を掛けられる人は、会場内をよく動き回っています。すれ違った人と共通項を見つけて話し掛けるなど、きっかけづくりがうまいのだと思いました。
第2関門「自己紹介」⇒自分の特技や人となりが分かる“自分史”の準備が必要。自分史はつかみが肝心。「シャンパン王子」と呼ばれている人がいました。本人も自覚していて、「シャンパン王子です♪」と明るくあいさつしていました。すると周囲から「この人ね、年間シャンパン3000本空けてお店から表彰されたのー」という補足説明がありました。交流会での自己紹介のコツは、キャッチコピーくらいの長さの自分史を持っていることかもしれません。「年間3000本」というように、具体的な数字が入っていると印象が強い気がします。「シャンパンが好き→(シャンパンボトルは1人では開けないだろうから)よく人と飲んでいる→社交的な人」という印象が残ります。また、つかみがユニークだと「どんな人と飲むんですか?」「そんなに飲むのはお仕事ですか?」というように質問が続きます。
第3関門「引き際」⇒会話のピークを過ぎた辺りで、「今日はどなたと来ているのですか?」「誰のつながりで来ているのですか?」と聞いて、次の人を紹介してもらう。逆に「○○さん知ってます? 紹介しますよ!」といって、知り合いにバトンタッチしてしまうのもありです。
いろいろなテクニックがあると思うのですが、実践できるかは別の話。次回はあまり気負いすぎず、「1人でも出会えたらいいんじゃない」くらいの気楽さで臨んでみようと思います。