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決算を読む習慣 -テレビの時代からインターネットの時代に!

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MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣は簡単か?

 「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」を読みました。

 「決算書って、読むの苦手」「だって担当業務に関係ないし」この本はそんなふうに思っているあなたに読んで欲しい内容です。とあったので、決算書を読むのが苦手な代表として読んでみました。

 少し読み進めると、「う~ん。ぜんぜん頭に入ってこない」という状態になってしまいました。文章を日本語として理解することはできるのですが、それが決算的に何を意味するのかがついていけないのです。まったく興味がない話を友達が熱弁したときに、「ふ~ん、そうなんだー」と聞き流しているような感じになってしまいました。それでもどうにか読み進めていくと、途中の章からやっと理解できるようになってきました。

 この本は、1章の基本的な説明のあと、2章から7章まではECビジネス、広告ビジネス、携帯キャリアなどのビジネス毎の説明に分かれています。興味のないビジネスの話は私の頭が拒否していたのでしょう。だから頭に入ってこなかったのです。ところが興味があるビジネスの話は理解することができました。そういえば最初のほうに、「読者が関心のある章から先に読んでもいいでしょう」と書かれていました。最初からそうすればよかった!

 この本は6つのビジネスについて筆者の鋭い分析が書かれています。各章に4つ~5つの節があり、各節も終わりに要点がまとめてあります。そのまとめだけを見るだけでも、決算書の読み方はともかく、何に着目するとその企業が伸びるのかどうか判断できるのかが分かります。そういった目的で読んでみてもためになる本だと思います。

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「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」

苦手意識がある人に ものを教えるには?

 初心者、特に苦手意識やアレルギーを持っている人にものを教えるのは難しいものです。決算書などに苦手意識を持っている自分がこの本を読むことでそう感じました。

 私はITの仕事に関することを新人に教えたことは何度もあります。けれども新人といえども、IT業界に望んで入ってきた人であり、ITの基礎教育も受けていますので教えるのにそれほど苦労はしませんでした。ところが、ITの知識がないユーザーや、ITに苦手意識を持っているユーザーにITシステムについて教えたり状況を説明するのは難しいものです。日ごろ私たちが普通に使っている言葉も通じなかったりします。「デフォルトって何ですか?」とか。それでは、苦手意識やアレルギーを持っている人にものを教えるにはどうすればいいのでしょうか? 

 前述したように、私は「決算書を読む習慣」を読んだとき、興味がないビジネスの章は理解できませんでしたが、興味があるビジネスの章は理解できました。つまり、興味を持たせることが苦手意識やアレルギーを克服させるために一番大切なのではないでしょうか。

 このITシステムを使うとこんなことができる、こんなに便利になる、と熱く語って興味を持たせるといいのだと思います。興味さえ持ってくれれば、知らない言葉がでてきても理解しようとしてくれる。話し手が理解させようとするだけでは意思疎通はうまくいかないのです。「理解させようとする話し手と、理解しようとする聞き手の協力」がコミュニケーションを成功させるのです。

消える魔球も両者の協力が必要

 その昔、巨人の星星飛雄馬投手が、消える魔球を投げました。消える魔球はマンガならではの魔法ではありません。もっともらしい理論の裏付けがありました。

 ますはボールを地面すれすれに投げて砂ぼこりを巻き上げる。そのあとホップしてストライクゾーンに入る。この砂ぼこりを巻き上げるのが消える魔球の原理だ、と思ったライバルの花形満が再現しようとしますがうまくいきません。地面からの砂ぼこりだけではボールは消えずに見えてしまうのです。

 消える魔球にはもう一つの秘密がありました。星投手が地面の砂を蹴りながら右足を高く振り上げます。すると砂が舞い上がる。そしてそこを通ったボールに砂がつくのです。砂ぼこりを巻き上げる地面と、砂のついたボール。両者が協力することでボールが消えたように見える(というか見えない)のです。話し手と聞き手の協力でコミュニケーションが成立するのと同じようなものなのです。

テレビの時代からインターネットの時代へ 

 巨人の星が放送されていたころは、毎晩テレビで巨人戦が中継されていました。けれども今では(地上波での)テレビのプロ野球中継はずいぶん少なくなりました。テレビ自体もインターネットの普及で昔ほどの影響力はなくなってきています。

 テレビ広告の売り上げ効果は、ユーザー数×ユーザーあたりの売り上げ が指標になりますが、近年では北米のFacebookのユーザーあたりの売り上げは日本のテレビの値に近いところまできているようです。近いうちテレビはネットに逆転されてしまうのでしょうね。そんな話に興味を持った人は、「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」を読んでみてください。

 脱線しすぎた書評を書いてしまった あべっかんでした。

 ※「算数アレルギーや英語嫌いを克服するにはまずは興味を持たせよう」

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