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Excel VBA マスターへの道(4) -システムの不備の尻拭いならお任せ

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一応、第3話の続きです。

完璧な勤務時間管理システムを見たことがない

 サラリーマンは勤務時間を記録する。どの会社にも勤務時間を管理するシステムがあるものだ。勤務時間の管理なんてITシステムにとってはお手のものだ。時間を集計すればいいだけだもの。ちゃんと動き始めれば何の問題もない。はずだ。

 ところが、快適で便利な勤務システムというものを私は見たことがない。ちゃんと動き始めれば快適かもしれない。だけど使えない日が何日かある。新しい仕事のコード番号を登録するのが月初めに間に合わない。四月の組織変更の対応が間に合わない。月の終わりや始めには登録の集中や集計でやたらと重くなる。そんなときには勤務時間をとりあえずExcel の表に記録しておく。

システムの不備の尻拭いはExcel VBAが担当

 以前の会社でも、その後の会社でも、勤務システムがあるもののそれだけでは済まなかった。自社の管理用と親会社の管理用にシステムが2つあって両方入力しなくてはいけなかったり。出退勤管理用と仕事の収支計算用に2つあったり。本来は連携しているはずなんだけど、不具合があって別々に入力していたり。それを全社員がやっているのだから相当な時間が無駄になっている。日本にはこんな非効率なことをやっている会社が多いのだろうか? それとも私が関わった会社だけなのか?

 そんなときにユーザーが2つのシステムへの入力を楽にするために、Excel VBAで勤務時間データを整理する処理が作られていた。それはある会社では勤太郎と呼ばれ、別の会社では赤ず勤と呼ばれていた。どこの社員も考えることは同じだなあ、ネーミングの系統まで似ている。そして私は、勤太郎にも赤ず勤にも改良に携わったのだった。

 私が管理職になったとき、メンバーの作業工数を毎月取りまとめて報告しなければいけなかった。これも勤務システムと連動していない。勤務システムから引っ張り出したデータと、別のデータとを付け合わせて上司を満足させるだけのための報告資料を毎月時間をかけて作るのだ。やってられないよ、あ~めんどくさっ、と思ってここでも私はExcel VBAでちょっと楽にするための処理をこしらえたのだった。

 Excel VBAってこういうシステムの不備の尻拭いばかりやっているような気がするぞ。

非公式だから格下になってしまうExcel VBA

 システムの不備の尻拭いにExcel VBAが使われる。トップダウンで生まれたソフトウェアではなく、ユーザーの必要性から生まれるツールに。不便だなあと思った人が非公式に作るのだ。

 そんな非公式なツールに使われるためか、Excel VBAの立場ってあまり強くない。JavaやCやPHPと比べると格下に思われてしまっている。進んで覚えようというプログラマも少ない。まあ、勉強しなくても使おうと思えば使えてしまう簡単な言語ではあるのだけれど。

 Excel VBAは尻拭い役としてみんなの役に立つ。Excel VBAマスターは本格派ではないけれどちょっとしたところでみんなの役に立てる。それでいいんじゃないかなあ。赤ずきんだってきん太郎だって芥川賞作品ほどの本格派の物語ではないけれど、子どもに好かれているのだから(えっ、そこか?!)。第5話につづく。

 あべっかんでした。

 関連する勤務表の話:「無駄な仕事はどんどん減らす意識を持とう」

Comment(4)

コメント

h

勤務時間管理システムって難しいですよね。
私の勤務先では半年くらい前に勤怠管理システムが消滅しました。
(人事だけは結果入力に使用しますが)

弊社では残業代がまともに支払われますが、それをいいことに生活残業を繰り返す馬鹿が多数いました。
そのため残業が必要な場合は上司に対面で許可をとらなければならないようになり、用紙に記入捺印→人事提出→人事が既存システムへ入力という流れになってしまいました。

abekkan

>h さん
コメントありがとうございます。

勤怠管理システム消滅ですか! 時代に逆行ですね。
でも残業しにくい職場になったのはいいことではないでしょうか。

うちの会社だったら、残業しないで帰る場合に上司に対面で許可をとらなければならないとか、もっと逆行するかもしれません(笑)!

F

abekkanさん こんばんは。
「不便だなあと思った人が非公式に作る」に身に覚えがあり過ぎて、ニヤニヤしながら拝読しました。
以前いた会社では、"いっそ今の職務をはずして尻拭い係に任命してほしい"と思うほど、部署内も他部署からも会社全体的にも無駄で不便なシステムやフォーマットだらけ。
これまでフリーランスの仕事が多かった私には、組織が大きくなればなるほど無駄がはびこるものなんだなと、ひとつ発見でした。

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