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自動ブレーキが効かなくっても、がんばれ自動自動車

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 ドカーン!

 先日、自動ブレーキシステム搭載車の試乗会で自動ブレーキが効かずに車がフェンスに激突するという事故が起きた。スピードの出しすぎだったのかと言われているが、もしこれがソフトウェアのバグだったりしたらソフト開発者は大変なことになる。

■なかなか実現されない自動自動車

 自動運転する自動車(自動自動車と呼んでおく)の技術は、情報処理試験のエンベデッドシステムでは10年以上前から問題として出題されている。でも未だに実用化に至っていない。法規制の問題もあるが、信頼性の確保に苦労しているのだろう。車載用のソフトウェアは自動販売機やゲームのソフトと違って、バグがあると人身事故に直結する。テストやレビューも厳格だが、それ以前にコーディング規約も厳格だ。

 C言語用のコーディング規約にMISRA-Cというものがある。自動車業界が作った規約だ。「goto文を使ってはいけない」から「コードの一部をコメントアウトすべきではない」まで140件以上の規約がある。なかには、守らなくても安全性に影響がなさそうな規約もある。でもシステム全体で安全性を保障するには、MISRA-C準拠というお墨付きが欲しい。そのために、必要でない(と言ってはいけないかな?)規約を守ろうとしてより多くの労力がかかっている。

■完璧ではない運転手

 運転手は完璧ではない。そもそも運転免許の筆記試験は満点をとらなくても合格できるのだから、最初から不完全な運転手が許されている。それに長年運転してきた人で、一度も事故を起こしたり壁にこすったりしたことがない、という人は少ないのではないだろうか。無傷の運転手よりも、むしろ事故経験のある運転手の方が安心して同乗できる。事故経験があればより注意するだろうし、もしものときにも慌てずに対応できるから。事故経験が運転手を成長させると言えるだろう。

■完璧であるべき自動自動車

 自動自動車は事故経験で成長する、なんてことは許されない。最初から失敗してはいけない。完璧な自動自動車を作り出すためにエンジニアは苦労している。過剰なコーディング規約、過剰なレビュー、過剰なテストを繰り返している。

 そもそも、自動自動車は平均的な人間の運転手よりも運転が上手でありさえすれば、全体の交通事故は減るはずだ。少なくとも飲酒運転や居眠り運転の心配がなくなるだけでもマシだろう。少しのミスは大目に見てあげて早く自動自動車を世に出してくれると楽しいんだけど。そうもいかないんだろうなあ。

 ガガガー!  しまった(゜Д゜)!。コラムのネタを考えながら運転してたらコスっちまった。

 自動自動車よりずっと運転が下手なabekkanでした。

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