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プロ野球もWin-Winの関係にすればいいのに

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 「かっとばせ~、ラミレス!」

 この日私は久しぶりに横浜スタジアムに来ていた。

■ファンの応援はすごい

 首位争いには縁が薄い、横浜DeNA対広島戦。観客席は半分以上空いていた。これだけの球場があるのに営業的にはもったいない。首位争いをしている強いチームしか球場を満席にできない。ってことは儲かるのは上位の何チームかだけだ。

 でも、観客席が空いていても応援の声援はすごい。選手毎の応援歌があり、どの打席でも応援バットを鳴らして「かっ飛ばせ~!」の声援が絶えない。ファンは応援することを楽しんでいてストレス発散にもなっている。横浜DeNAベイスターズのファンは点を取ると、ベイスターズの歌を歌って万歳三唱する。

■でも、これでいいの?

 9番バッターが送りバントの構えをしていても「かっ飛ばせ~!」、相手チームのエラーや四球で点を取っても万歳三唱。でも、それで楽しいの?

 相手のエラーだろうと運だろうと、とにかく点を取って勝てば嬉しい。プロ野球の応援はそれが大前提になっている。でもそれだと、せっかく球場に来ても、好きなチームの敗戦が濃厚になった時点で球場に来た楽しみは終わってしまう。負けたチームのファン、つまり球場に来た客の約50%は満足せずに帰ることになる。これって顧客満足度が低すぎないか? 演劇や映画だったら、駄作でなければ大半の人は満足して帰るのに......

 同じスポーツ観戦でも、テニスやゴルフだと違う。好きな選手が負けてしまっても、いいショットを見ることができれば満足する。相手の選手のいいショットにも拍手を送る。観客は好きな選手が勝つところも見たいが、それ以上にプロならではのスーパープレーが見たいのだ。こういった意味では顧客満足度はプロ野球より高そうだ。

■Win-Winの関係

 ビジネスの世界では、Win-Winの関係が大切だと言われている。IT開発におけるベンダーと顧客の関係でも、相手に無理を押し付けて自分だけ得するという関係だといいシステムはできない。長い目で見れば両者が利益を得るような関係にすることがどちらにとっても得になる。

 同じようにスポーツでも対戦する両チームがWin-Winの関係になれないだろうか。もちろん一方は試合の敗者となる。でも試合に負けても興業的には得する仕組み、つまり負けても顧客満足度が高くなる仕組みを作れないだろうか。

 どこかのプロ野球チームのオーナーは、「弱いチームは営業努力が足りない」と言っていた。だが、営業努力を高めれば他のチームが負けて赤字になる。Win-Loseの関係の中で自分だけ勝とうという発想がプロ野球界全体をダメにしてるんじゃないの?

 負けたチームのファンも満足して帰ることができるようになれば球場の空席は減るはずだ。強打者を敬遠せずに勝負する。エラーを恐れずにダイビングキャッチを試みる。他にも、単に勝つこと以外でファンを満足させる方法はあるはずだ。50%の客を満足させるのではなく、常に高い顧客満足度が得られるような仕組みにしてほしいものだ。また、ファンも「いいプレー」のみに拍手を送るようにしようではないか。
 
 と言いつつ、相手のエラーでベイスターズの選手が塁に出ると、私は思わず拍手してしまっていた。(^_^;)
 abekkanでした。

Comment(8)

コメント

オレンジ

野球と聞くと黙ってられませんので突っ込みます。

野球を語るときとゴルフテニスを語るときの視点が違うです。
野球で優勝争いできないのはゴルフで言えば予選落ちだしテニスで言えば二回戦敗退といったところです。
ずーっと予選落ちしてればそりゃ観客も減りますよ。

ゴルフやテニスは目当ての選手がいなくても見る?
それは野球で言えば応援しているチームでなくても大谷や藤浪が見たいというようなものですね。

顧客満足度については見方の違いだと思いますが、とにかく勝てば満足ならば顧客満足度50%はベースなのです。(引き分けはさておいて)
その上でスーパープレイが出たりお互い死力を尽くした試合なら負けても満足ということもあるのでしょう。
これでプラスアルファされるわけです。
逆に演劇や映画は駄作なら顧客満足度0%もあり得るわけで…。

こう書くと野球の顧客満足度は高いと思いませんか?

ちなみに横浜対広島でも観客を増やすことはできます。
ズバリ、先発マエケン。
ではマエケンがノーヒットノーランという偉業を達成したら横浜ファンは満足するのか?
多分、しないでしょう(笑)。

>オレンジさん

突っ込みありがとうございます。

今回のコラムは、書きながら、異議がある人もたくさんいるだろうな、と思ってました。

オレンジさんのおっしゃることも納得できるところがあります。

スポーツや趣味に対するこだわりや思い入れって人それぞれ違います。宴会などでも、誰かがこうすべきだと言い出せば、たいがい反論する人が出てきます。それはそれで盛り上がって面白かったりします。

こういう考えのヤツもいるんだ、くらいに思ってください(笑)。


他の方の突っ込みもお待ちしております。(^^)

名無し

私も本ブログと同じ考えです。

勝ち負けを楽しみとする人もいても良いですが、
それ以上にベース・ボールが面白いという顧客のシェアが多く要るべきと考えます。
また、この事が観客動員数の増減、視聴率の問題に繋がっていると思っております。

レスリングなどでも何連覇と騒いでいたら、
相手選手や、相手国や、他の若手選手本人はつまらないでしょうし、
その関係者は面白くなく、徐々に興味を失っていくでしょう。

もちろん切磋琢磨は重要で、その事が選手を強くしていく事になることは間違いないでしょう。
しかし、卒業・引退し、選手という個人の域を超えて、
若手の育成や、その競技とか業界(オリンピックなどの)が盛り上がるような、
高い視点に活動を進化させるような、大人の成長も良いと思います。

自分が勝つことにこだわり続ける子供のような人が、日本には多いような気がします。

そういえば、スポーツ選手へのマスコミのインタビューで、「次は?」という質問がウザいです。

>名無しさん

コメントありがとうございます。

私は少年野球のコーチもやっていましたが、勝ちにこだわっているチームや監督もいます。勝ちにこだわるとヘタクソな選手は全く試合に出してもらえません。私は、勝ちにこだわるよりスポーツは楽しまなきゃ、と思ってました。勝ちにいくのは受験とか仕事とかだけでたくさん。

また、私はオリンピック選手が「引退してプロになります」って言うのに違和感を感じます。プロってそんなもんだったの? って。

オレンジ

私はあの比較はアンフェアじゃないかと思うので、ホントに考え方の違いなのか?という気はしますが、まあそれはさておき。


オリンピックやアマチュアなら楽しむことが第一義でもいいですが、プロスポーツなら勝ち負けにこだわるのは当然だと思ってます。
偉業は称えられるべきで、それによって競技自体の人気も高まる。
最近だと女子サッカーがいい例ですね。

マスコミの取り上げ方には辟易する事もありますが。


で、コラムの
>試合に負けても興業的には得する仕組み、つまり負けても顧客満足度が高くなる仕組みを作れないだろうか。
この問いかけの答えとして、仕組みではないけどスター選手がいたらある程度改善するかなぁという提案が先のマエケンの話でした。

>オレンジさん
 追加コメントをありがとうございます。(^^)

>オリンピックやアマチュアなら楽しむことが第一義でもいいですが、
>プロスポーツなら勝ち負けにこだわるのは当然だと思ってます。

→もちろん、プロ選手は楽しむんじゃなくて勝ちをめざしてもらわないと、
 しかも、プロらしい勝ち方で!
 観戦する方は楽しませてもらいますが。
 
と、私は思ってます。

やきゅうふぁん

通りかかったので突っ込みを。。。

Win-Winの話で、ベンダーと顧客の関係はごもっとも。
ただそれを野球に当てはめるとチームとチームではなく、チームとファンでは?
「負けても顧客満足度が高くなる仕組み」はファンサービスでしょう。

現状からすべてのチームをWinにすることは不可能です。
ただWin=黒字なのであれば、弱い広島カープでも長年黒字経営しています。
広島は特殊ですが、Win-Winも不可能ではないでしょうね。

>やきゅうふぁん さん

コメントありがとうございます。
チームとファンは、放っておいてもWin-Winになりそうですね。敵にはなりえないですから。
あえて敵である相手チームとの関係を、Win-Winにできたらいいのに、と思って書いてみました。(^.^) 自分だけ相手を蹴落として勝って儲けようと思わないでって!

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