常駐先で、ORACLEデータベースの管理やってます。ORACLE Platinum10g、データベーススペシャリスト保有してます。データベースの話をメインにしたいです

【小説 非リア充はリア充のために生きる】後編

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 勢い良く扉が開く。
 夏木部長だ。
 手には差し入れの缶コーヒーが握られている。
 ニコニコ顔で桜子にこう問い掛ける。

「終わったか?」

 だが、浮かない桜子の顔を見て、

「まだかぁ......」

 と、ため息をつく。
 時計の針は21時半を指している。

「夏木部長」

 桜子は丁度、彼を訪ねようとしていたところだった。

「なんだ?」
「ちょっとお話があります」

-----------------------------

 サーバ室の隣にある会議室。
 そこには重苦しい空気が流れていた。
 桜子の隣には宮川。
 彼女の目の前には腕を組んで仏頂面の夏木部長。
 先程まで、ざっくばらんで人のよさそうな男だったのに。

「結論から申し上げますと、バッチを24時までに完璧に完了させることは難しいです」
「はぁ!? それを何とかしてもらうためにあんたに来てもらったんだよ」

 夏木部長は声を荒げた。

「申し訳ありません。ですが、今のサーバリソースでは無理です」

 桜子はそう言いながら、膝に乗せた拳を握り締めた。
 
「無理」

 何て言葉、彼女は一番口にしたくない。
 だが、処理したいデータ量に対して、手持ちのリソース(CPU、メモリ、ディスク、そして時間)が足りなさ過ぎる。
 手を打ちたいが、打ちようがないのだ。

「どうすればいいんだ? わしは親会社にどう謝ればいいんだ?」

 24時までにCSVファイルを、本番サーバにマウントされたNASに配置しなければならない。
 なぜなら、それをトリガーとして兜建設のシステムが動き出すのだ。
 配信されたCSVファイルは兜建設のシステムに取り込まれる。
 データベースに登録後、解析データとして再編集され来期の売上予測に使われる。
 CSVファイルが24時までに作られないということは、兜建設のシステムが空振ってエラーになることを意味していた。

「さっきも申し上げた様に、完璧にというのは無理です。全社のデータを一度に取り扱うにはリソースが足りないのです。ですが......データを絞れば可能です。例えば営業所単位にCSVを作る様にSQLを変更します。これなら24時まで二営業所分のデータは提供することが出来ます」

 出来ない完璧を目指すのではなく、出来る代替案を用意する。
 この場ではそれしか出来ないし、それが最善の手だ。

「兜建設にとっては、五月雨に営業所ごとのCSVを受け取ることになります。そのことについては、夏木部長から兜建設に調整をお願いします」

 夏木部長はおもむろに口を開いた。

「わしは現場上がりだ。だから、コンピュータのコの字も知らん。その......リソースがどうのとか言われても分からん。そのわしが親会社を説得出来ると思うか? それは置いといて、あんたとわしは分野は違うがプロだ。わしはどんな無理な仕事も徹夜で終わらせて来た。あんたもプロだろ? プロならやってみせろよ」

 顧客には二種類いる。
 エンジニアの話を聴くか、そうでないか、だ。
 残念ながら、夏木部長は後者らしい。

(徹夜とか、精神論の話じゃ無いんだがなあ......)

 桜子はため息を堪えた。

「宮川、お前もしっかりしろよ!」

 夏木部長は宮川の背中をバシッと叩き、この場を後にした。
 残された宮川が申し訳なさそうにこう言った。

「すいません。うちの部長が失礼なことを......あんな感じだから現場を外されて誰もやりたがらない情シスに飛ばされたんです」

(そうなんだ......)

 なるほど、と合点が行った。
 と同時に、情シスってそんなに貧乏くじか? と思った。

「いいんですよ。こうなるのは何となく分かってましたから」

 桜子は夏木部長に反論する気も無かった。
 そんな時間があるなら、この状況をどう打開すべきか考える時間に使いたい。
 と、強がってはみたが、良い考えが浮かばない。

「ちょっと失礼」

 宮川がスマホ片手に会議室を出て行く。

「ああ......ごめんね。もうちょっとで......多分、終わるから。......大丈夫だって! え? ケーキ? 先に食べてていいよ。ごめん、ホント、ゴメンね」

 扉越しに申し訳なさそうな宮川の声が聞こえる。
 宮川は15分に一度はスマホで誰かとやり取りしていた。
 まあ、話の内容から、その誰かが何者であるかは分かるが。

(ここにもリア充が......)

 こんな感じだからハッキリ言って、宮川は役に立たない。
 桜子は決めた。
 と同時に、扉が開く。

「すいません。お待たせしてしまって」
「宮川さん」
「はい?」
「帰っていいですよ」

-----------------------------

 22時。

「それで俺が呼ばれたという訳ですか」

 雄一は宮川から借りた上着を着ながら、そう言った。

「はい。これ」

 桜子は白いマスクと、自分のメガネを手渡した。

「つけるんですか?」
「うん。流石に素顔だと夏木部長に替え玉だってバレちゃうでしょ」
「安田さんのメガネ、地味ですね」
「文句言わない」

 普段はコンタクトの桜子だが、たまにメガネをかけることもある。
 銀縁の地味なメガネは結構お気に入りなのだ。
 数分前、宮川と雄一は入れ替わった。
 宮川は桜子の提案をあっさり受け入れたのだ。
 桜子としても宮川よりもスキルがある雄一がいてくれた方がまだ良い。
 後は夏木部長にバレない様にするだけだが、まぁ、あのざっくばらんなオヤジのことだ。
 この程度の変装で騙せるだろう。

「......なるほど」

 桜子から状況を聞いた雄一は顎に手をやった。
 何か考えている様子で黙りこくっている。
 ハッと思い付いたように、こう言った。

「安田さん。数時間前、俺にこう言いましたよね」
「何?」
「常識を疑えって」

 確かにそう言った。
 だけど、何で今?
 桜子はそう思った。

「きっと開発サーバの方が優れているんです」

 開発サーバでは30分で終わったバッチ。
 それが、本番サーバでは二時間経った今も終わる気配が無い。

「だけど......そんなことって......」

 それでも桜子は現実を受け入れられない。
 雄一は先生が生徒に教える様に言う。

「安田さん。あなたは出来過ぎ人間だからプロジェクトですぐ主導権を握ってしまう。だからあなたが関わったプロジェクトは全てあなた色に染まってしまうんです」

 褒められているのか......
 否、そうじゃない。
 自分は知らない間に、自分の狭い世界だけで生きていた。
 桜子は雄一の言葉で、それを思い知らされた。
 桜子はスマホを取り出し、宮川に電話を掛けた。

<確かに開発サーバの方が本番サーバより優れています>

 宮川の話を整理するとこうだ。
 プロジェクトが短納期だったため、サーバ設計の期間が十分に取れなかったそうだ。
 そうこうしている内に、開発フェーズが始まった。
 とりあえず、適当なサーバをレンタルすることにした。
 それを開発サーバとして使用した。
 開発と性能測定は、全て開発サーバで行われた。
 そして本番サーバ。
 流石に本番サーバはレンタルという訳には行かない。
 予算と納期の関係から、本番サーバは開発サーバの1/5の性能のものを購入した。

<それでも、開発と同等の性能が出ると思ってたんです>

 事実、1/5にスケールダウンした本番サーバでも求められる性能は出せていた。
 それはただ単に、開発サーバが元々優れ過ぎていたので、1/5にスケールダウンした本番サーバでも性能が維持出来ていただけのことだった。
 だが、今回のバッチで本番サーバのリソース不足が露呈した。

「ありがとうございました」

 電話の向こうから宮川の彼女(と思われる)の、不満の声が聞こえる。
 桜子は丁寧に電話を切った。

「有馬君。ありがとう」

 本番サーバの方が開発サーバより優れているという常識。
 それに囚われた桜子は、あらぬ方向に進んだ挙句、道に迷っていた。
 正しい道を示したのは、数々のプロジェクトで理不尽な目にって来た後輩だった。

「有馬君、やるよ!」

 時計の針は22時半を指していた。
 あと1時間半。
 やるなら、今すぐ。

-----------------------------

 23時。

「おお! 頑張っとるな!」

 さっきの怒りは何処へやら。
 夏木部長は上機嫌で差し入れの缶コーヒーを、桜子と雄一に手渡した。

「ま、方法は何でもいいから終わらせてくれ。それでいいんだよ」

 開発サーバを見ながら、ガハハと笑う。

「宮川、お前も、しっかりこのハッカー殿から学ぶんだぞ!」
「はっ......はい」

 夏木部長は雄一の背中をバシッと叩くと、勢い良く扉を開けて出て行った。

「ふつーバレるでしょ?」
「これ、小説だからねぇ」
「はぁ......」

 おおざっぱな夏木部長は、細かいことは気にしない様だ。
 事実、桜子が今行っている常識外れの打開策を目の当たりにしても、驚いていなかった。

「思ったより時間、掛かってますね......」

 雄一がインポートの進捗状況を見て、呟く。
 本番環境で実行されているバッチを、桜子は中断させた。
 そして、バッチ処理で参照しているテーブルを洗い出した。
 洗い出したテーブルのデータを本番環境からエクスポートし、開発環境にインポート中だ。
 開発環境で同じバッチを流すために。
 本番サーバの5倍の性能を持つ開発サーバなら30分でバッチが完了する。
 出来上がったCSVファイルは、開発サーバで作ろうが、本番サーバで作ろうが同じものだ。
 なぜなら、元になるデータは同じなのだから。

「もっと、もっと......速く......」

 雄一が開発サーバに向かって念じている。
 念じたところで処理が速くなるはずも無い。
 桜子はそう思った。
 だが、突然呼び出されても不満一つ言わずに協力してくれる雄一を有難いと思った。
 時間は無情にも流れて行く。
 バッチ完了が30分として24時から逆算すると、23時半には実行したい。
 今、23時25分。
 インポートは最後のテーブルに入っていた。

「終わった!」

 雄一が手を叩く。
 すかさず、桜子はnenjibat.shを実行させる。
 開発サーバのディスクがカリカリカリと音を立てる。
 それは本番サーバと違い、滑らかだった。
 事実、リソースをモニタリングするとディスクI/O待ちはほぼなく、CPUを有効活用している。
 数個のテーブルがメモリに乗ったのか、ディスクへのアクセスが途中からほぼ無くなった。

(これが5倍の力......)

 ため息が出る。

「こっちが本番環境だろ」

 桜子は一人、開発サーバに突っ込みを入れた。
 そして、ある一つのことに気付いた。

(これがレンタルってことは......)

 否、今はそのことを気にしてる場合じゃない。
 今は目の前の仕事を終わらせるだけ。
 この問題はその後、考えればいい。
 時計の針が23時55分を指した。
 5GByteのCSVファイルが完成した。
 それは開発サーバにマウントされたNASに出力されていた。

「安田さん。やりましたね」
「......うん。だけど......」
「どうしたんですか?」

(私としたことが......)

 時間に追われる余り、最後の詰めを誤った。
 この5GByteのファイルを、開発サーバから本番サーバにどうやって持っていけばいいのか?

(USBに入れて持ち運ぶ? 開発サーバからFTPでアップロードする?)

 どれも時間が掛かり過ぎる。
 とても24時までに終わりそうにない。

「安田さん......」

 雄一が心配そうに桜子の顔を覗き込む。
 彼と目が合う。

(そうだ、今日この男に教わったばかりじゃないか。常識何て......)

「有馬君!」
「はい!」
「開発サーバからNASをアンマウントして」

 雄一が作業している間、桜子は本番サーバのNASをアンマウントした。
 すぐさま、本番サーバの要塞化設定を確認する。
 開発サーバにマウントされていたNASとの通信許可を、要塞化設定に追加した。
 これで、CSVファイルを持つNASと通信出来る。

「アンマウントしました」
「ありがと」

 桜子は開発サーバにマウントされていたNASを、本番サーバにマウントした。
 24時。
 CSVファイルは配信され、そして消滅した。
 桜子は要塞化設定を元に戻した。

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 全てがギリギリだった。
 データの移行も、バッチの実行も、NASの移し替えも、そのどれもがやってみないと時間が分からない。
 だけどやるしかなかった。
 そんな中、一つのミスも無く、時間通りきっちり収まったのは実力よりも運が強かったとしか言いようがない。
 桜子はそう振り返った。

(私も、ちょっと錆びついて来たかね)

 自分の腕を撫でながらそう思った。
 特に、今回は目の前でケーキを喰らう雄一に助けられた。

「何ですか?」
「ん......何でもない」

 桜子は珈琲を口に運んだ。
 深夜のコメダワラ珈琲店。
 客は雄一と桜子しかいない。

「もっと食べる?」
「はい!」

 雄一は桜子のケーキに手を付けた。
 今日のお礼として、お茶に誘ってやった。
 そしたら無邪気に喜んで着いて来た。

「そういえば、ナンパ......成功したの?」
「成功してたらここにいないですよ」

 雄一は笑顔で、生クリームを鼻の頭に付けたまま答える。

「そうだね」

 桜子はなぜか、ホッとした。
 このまましばらく雄一と過ごしていたいが、桜子は朝一で会わなければいけない人物がいる。
 今日は遅くまでいられない。

「今度、プレゼントあげるね」

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 12月25日、13時。

「昨晩はどうもありがとうございました」
「いえいえ、そんな大したことはしていません」

 深々と頭を下げる夏木部長に、福島課長は着席する様に促した。
 ステイヤーシステムの応接セット。
 そこには、夏木部長と宮川。
 向かい合う形で、福島課長、雄一。

「これ、つまらんもんですが」

 菓子折りが机の上に置かれる。
 桜子がお茶を乗せたお盆を持って現れる。

「わぁ、府中屋の栗饅頭。丁度いいですね」

 夏木部長は昨日のことでお礼を言いに来たのだ。
 怒りっぽいが元来、人は好いのだ。
 豪快に笑いながら、昨日の桜子の活躍振りを身振り手振りで福島課長に語ってくれた。

「この宮川に、安田さんの爪の垢を煎じて飲ませたいですよ!」

 バシッと背中を叩かれた宮川はお茶を吹き出しむせかえる。
 涙目の宮川と雄一は一瞬目が合って、笑いが出そうになる。

「それはそうと、夏木部長」

 桜子は居ずまいを正した。

「何ですかな?」
「今回は結果オーライでしたが、来年はどうするつもりですか?」
「う~む」

 夏木部長は顔をしかめ腕を組んだ。

「また、今回みたいに開発サーバで何とかしてくれんか?」

 なるほど、それも手ではある。
 だけど......

「開発サーバってレンタルなんですよね? いつ返却するんですか? それによっては来年同じ手は使えませんよ」
「くっ......。おい、宮川、開発サーバっていつ返すんだ?」

 宮川が手帳をめくる。

「来年3月でレンタル期限切れです」
「そうか......。それなら、レンタル延長するか。いくら掛かりそうだ?」

 宮川が夏木部長を見据える。
 
「部長。ちょっと待ってください」
「な、何だ?」
「情シスなんだから、こんな付け焼刃じゃなく、ちゃんと情報システムの仕事しましょうよ!」
「あ?」

 今まで文句ひとつ言わなかった部下が口答えした。
 そのことに夏木部長は苛立っている様だ。

「システムはこれからもどんどん機能拡張されて行くんです。今のままの構成だと、今回みたいなことが一年に一回どころか毎月、いや毎日だって起きるかもしれませんよ。開発も本番もちゃんと再設計しなおして、しかるべき性能の物にリプレースすべきです」
「だからってお前、そんな金、上が出してくれるわけないだろ? うちは情報資産の投資には消極的なんだから」

 ケンカが始まった。
 その様子を、茶菓子を食いながら桜子と雄一は眺めていた。
 福島課長は、既に席を外していた。

「情報システムの大切さを訴えて予算を勝ち取るのが部長の仕事でしょう! それとも何ですか、部長は今も現場から外されたことに不貞腐れてるんですか。そのことを、仕事をしないことで抗議でもしてるつもりですか?」
「お前......いい加減にしろよ」

 顔をタコの様に真っ赤にした夏木部長は、今にも宮川に掴みかからんばかりだ。
 それにしても、宮川が急にこれだけ男らしくなったのには理由がある。

-----------------------------

 12月25日、8時。

「彼女から、こんなことなら別れるって言われちゃったんですよ」

 出勤前のコメダワラ珈琲店。
 桜子は宮川と向かい合っていた。

「システム関連の仕事って、障害が起きれば昼夜関係無いですからね」

 桜子は仕方なさそうに言った。
 そして、突き放すようにこう続ける。

「彼女さんに、その覚悟が無ければ仕方ないのでは」
「そっ、そんな! 安田さん。そうならない様に、僕にアドバイスをくれるって言ったじゃないですか!」

 宮川は必死だった。
 よっぽど彼女のことが好きなのだろう。

「はい。宮川さんが毎日定時で帰宅出来て、ちゃんと土日祝日も休めて、かつ彼女さんと仲良く出来るにはどうすればいいか教えます」

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 桜子が宮川にアドバイスしたのは、システムのリプレースだった。
 自分がお守りするシステムは、障害の無い物にしてしまえば良い。
 今、宮川は自分の将来のために、それを必死に夏木部長に説いていた。

(愛の力だぞ。がんばれ、がんばれ)

 桜子は心の中で宮川を応援した。
 夏木部長は宮川の熱意に押される形となった。
 だけど、夏木部長は中々首を縦に振らない。

(よし。最後は私が......)

「夏木部長」
「何だ?」
「情シスは夢のある部署だと私は思います。これからDXやAIやIoTで世の中も変わって行くでしょう。その中で情報システムの企業価値は高まるばかりです。それはすなわち、部長の会社での地位も上がるかもしれないということなんです。現場の人たちだって見返すことが出来ますよ」

 桜子の言葉で自尊心をくすぐられた夏木部長は、目を輝かせた。

「宮川」
「はい」
「その......リプレースっていうのは、どこの会社に任せたらいいと思う?」
「え!? えっと......」

 宮川は嬉しそうだ。
 桜子の方を見る。
 桜子は頷いた。
 打ち合わせ通りだ。

「今回のこともありますし、ステイヤーシステムさんにお任せしてはどうでしょうか?」
「うむ」

 夏木部長も頷く。
 そしてこう言った。

「じゃ、上に話してみる」

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 年明け。

「カブト設備工業のサーバリプレースの仕事が取れたぞ」

 新年の挨拶もそこそこに、福島課長が桜子と雄一にそう告げた。

「すごいですね。安田さん。ピンチをチャンスに変えたって感じですね」

 まさにその通りだった。
 あの時、諦めずにやり通した。
 それが評価されたのだ。
 桜子の根回しもあったが。

「ところで、この仕事誰がやるんですかね? 皆、パンパンですよ」

 雄一なりに予防線を張って来た。

「あ、君にまだクリスマスプレゼントあげてなかったね」
「いらないですよ」

 雄一が後ずさる。
 桜子は受注書を手にし、最高の笑顔でこう言った。

「はい。プレゼント」

おわり

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コメント

VBA使い

兜建設「に」とっては


理不尽な目に「遭」って来た


「レンタル期限」切れです


(よし。最後は私が......「)」


(私としたことが......)
→またまたハケ品の春子さんを思い出しましたw


お疲れ様でしたm(_ _)m
シチュエーションは「痛い目見ろ!」っぽい感じでしたね。
あの頃と比べて、雄一はエンジニアとしては成長しましたが、恋愛の方は相変わらずですねw

桜子さんが一番

流石、桜子さん

foo

> 「ふつーバレるでしょ?」
> 「これ、小説だからねぇ」
> 「はぁ......」

桜子姐さん、とうとうメタ発言までおっぱじめたのは笑った。
第四の壁を乗り越えるスキルは果たしてどこで手に入れたのやら。

開発サーバーのスペックが、本番サーバーより上だったというのは確かに盲点だった。サーバーなどのインフラ周りの整備期間との兼ね合いでは、ありえそうなケースではあるものの、これに一発で気付くのはなかなか現場だとハードルが高そう。

湯二

VBA使いさん。

今年もコメント、校正ありがとうございました。


>ハケ品
観て来たものは、意識していなくても、影響されてるもんなんですねー。

>「痛い目見ろ!」
短編の基本フォーマットですね。
今後も、このパターンで何個か作れそうです。


>恋愛の方は相変わらず
一番身近なものに気付かないのは基本ですね。

湯二

桜子さんが一番さん。


今年も、コメントありがとうございます。


一応、今年はこれで始まったので、これで終わりたいと思います。

湯二

fooさん。


今年も、コメントありがとうございます。

>メタ発言
短編みたいな力が抜けてるやつは、こういうの入れてもいいかなあと思ってます。


>開発サーバーのスペックが、本番サーバーより上
現実ではないと思ってます。
基本、本番からサイジングして、テストで必要なスペックを元に開発をサイジングしますから。
そう言う意味では、お話に出て来た障害は、本当に創作です。
創作でもいかにリアリティを出すかってとこが、頭を使うんですよね。。。

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