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【小説 スーパー総務・桜子】最終話 社員のためっ!

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「私、こういう者です」

 桜子はガラス張りの机に名刺を置いた。

  株式会社ステイヤーシステム
  総務課
  安田 桜子

 その名刺を手にした由紀乃は何かを察したのか、机にある灰皿に手を掛け左端に持って行く。
 それを遠くからボーイが見ている。

「なるほどね。社員のために総務のお姉さんが取り立てに来たってことね」

 放り投げられた名刺は机の上にパサリと落ちた。

「お生憎さま。借用書も無ければ、証拠も無い。有馬さんが私にお金を貸したという事実は存在しません」
「分かってます」

 彼女の言う通り、何も無い。
 銀行振込ならまだ履歴が残る分、証拠になり得るが金は現金で手渡しされていた。
 二人きりの時にやり取りされた金の流れは当事者以外証明出来ない。

「な、なんだ? どうしたんだ二人とも」

 鶴丸課長が不穏な空気に反応した。
 由紀乃を和ますつもりか、笑い掛けながらそっと彼女の太ももを触ろうとした。

「分かってるんだったら、お引き取り下さい」

 由紀乃はそう言うと、鶴丸課長の手の甲に自分の掌を重ねた。
 またいつもの営業スマイルに戻っていた。
 桜子はその作り物の笑顔にこう問い掛けた。

「由紀乃さん、あなた、元エンジニアでしょ?」

 彼女の肩がピクリと動いた。

「そこまでだ」

 二人を、たっくんが見下ろしていた。

(出て来たな、本当の黒幕が)


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「営業妨害なんで帰ってくれませんか?」
「あの、お金返してください」
「あ?」

 桜子が声を掛けると、たっくんは睨みつけて来た。

「うちの有馬から由紀乃さんへ、最終的にあなたの元に渡っている100万円を返してください」
「知らねえよ。そんな金」
「由紀乃さんを利用して、有馬から金を引き出させたんでしょ。彼はATMじゃありません。彼への謝罪もお願いします」
「知らねえっつってんだろ! コロスぞ!」

 たっくんの一喝が響いた。
 金髪、いかつい顔で、黒いスーツに身を包んだ如何にもな感じの輩だ。
 その目が蛇のように光った。
 だが、桜子は平然としている。

「そうやって脅せば誰でも怯むと思ったら大間違いよ」
「てめぇ......なんなんだ一体。証拠あんのか?」
「このままじゃ埒が明かないわね」

 そう言うと、桜子はカバンからおもむろに何か取り出した。
 机の上にドサッと置かれたそれは、銀行の帯封が付いた100万円。
 たっくんの目の色が変わった。

「勝負しましょう」
「勝負?」
「貸した金のことを証明出来ない。借用書も無い。こっちはこっちで、ある時払いの催促なしと言った事実がある。それはこっちが甘かった部分でもあります。だから金の貸し借りはこの際、サッパリ無しにしましょう。その代わり、この100万円を掛けて勝負しましょう。あなた方が勝てばこの100万円を持って行っていい。でも負けたら100万円下さい」

 たっくんは顎に手を当て黙考している。

「勝負の内容は?」
「酒の飲み比べです。私と由紀乃さんで単純に飲み比べる。どちらか先にダウンした方が負け」
「由紀乃」

 声を掛けられた由紀乃はコクリと頷いた。
 由紀乃が酒に強いのは、雄一からの情報で知っている。
 だからこの勝負を了承することは容易に想像出来た。

「では......」
「おっと、まだこの勝負受けられねえ」

 たっくんは勝負の準備をしようとしている桜子を制した。

「由紀乃はあんたらが来る前から仕事とはいえ、大分飲んでるんだよ。ちょっとハンデがあり過ぎるだろ?」

(やはりそう来るか)

「分かりました。そのハンデを買うと言っては何ですが......これでどうでしょうか?」

 桜子はそう言うと、札束をもう一つ、重ねた。
 合計200万円が積まれた。

「分かったぜ」


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 由紀乃には、ビール15本、ロマネコンティ2本、ドンペリ3本に日本酒10合を飲ませている。
 それに加え、桜子たちが来店するまでに他の客と相当な量の酒を飲んでいるはずだ。
 掛け金が200万になったとはいえ、価値あるハンデを得ることが出来たと思っている。
 ルールは話し合いによりこう決まった。

 ・焼酎のロック(アルコール度数25度)を飲む。
 ・1時間で飲んだ杯数を競う。

「桜子ちゃん、これは一体......」

 話に巻き込まれた鶴丸課長は目を白黒させている。

「課長には勝負を公正に見届けてもらうため、立会人になってもらいます」
「え?」
「借り、返してね」


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 鶴丸課長の目の前に焼酎の瓶がドンと置かれた。
 課長は事態が未だよく飲み込めていないようだが、震える手で焼酎をグラスに注ぎ桜子と由紀乃に渡した。
 受け取るや、由紀乃は一気にそれを飲み干し、次と言わんばかりに鶴丸課長の前にグラスを差し出した。
 桜子はグラスに口を付けたまま、その様子を見ている。

(最初にプレッシャーをかけるつもりね......)

 10分後。
 桜子、5杯。
 由紀乃、10杯。
 時間が経つにつれ差がついて行く。

「いいぜ、由紀乃。ドンドンいけ」

 たっくんがニヤケた顔で由紀乃に酒をすすめる。
 彼女は苦しそうだが、それに応えるように杯をすすめる。

「桜子ちゃん、大丈夫かい」

 鶴丸課長から8杯目を受け取った桜子は、黙ってそれを飲み干した。
 そして、9杯目を手にし、由紀乃にこう言った。

「......さっきの話だけど」
「何?」
「あなたが元エンジニアだったって話」
「何で、あなたがそんなこと知ってるの?」
「有馬がプロジェクトを首になった後、私が代替要員として派遣されたの」
「それでか......」

 二人は無言で杯を重ねた。
 桜子、15杯。
 由紀乃、18杯。

「私も元エンジニアよ。色々有って今は辞めてしまったけど......今もまだ未練があります。だから今回、総務でありながら一時的にでもエンジニアの仕事が出来るということで非常に嬉しかった」
「何が言いたいのよ」
「あなた、本当はエンジニアになりたいんでしょ」

 机の上に一枚の紙を置いた。

 12月14日 9:50受信
 <川崎です。いつも迷惑かけてゴメンね。やっぱif文とか、SQLとか良く分かんないし有馬君に任せてばっかです。本当はバリバリプログラム組めるエンジニアになりたいけど、難しいみたい......(-_-;)>

 12月14日 9:55送信
 <有馬です。全然大丈夫だよ! 二人で力を合わせれば何とかなるし。この仕事が終わったらゆっくり教えてやるよ!(⌒∇⌒) それに由紀乃ちゃんもだんだん出来るようになって来てるって!>

 桜子はzipで固めた由紀乃と雄一のメールのやり取りから、抜粋したものを印刷していた。
 プロジェクトルームにそのまま残された彼女の机の引き出しも調べさせてもらった。
 びっしりと書き込まれた、出来ないなりに相当勉強したであろう跡が残されたノートも見せた。
 文面を追っている由紀乃の瞳が潤んで来ている。

「き、君はあのプロジェクトにいたのか?」

 鶴丸課長が焼酎を注ぐ手を止め、驚いた様子で問い掛ける。
 由紀乃は何も応えない。
 代わりに桜子が応えた。

「自分のプロジェクトにいたメンバーの顔も名前も覚えてないんですか? マネージャー失格ですね」
「そんな、下請けの末端の人間の事なんていちいち覚えてないさ」
「由紀乃さん、聞きましたか? このオヤジはあなたが属していたプロジェクトの元請けです。統括リーダーみたいなもんです。そんな人がメンバーの顔と名前を知らないと堂々と言いました。私たちは物じゃない。金を奪うならこの男に言い寄れば良かったんですよ」
「な、何言ってるんだ桜子ちゃん。私は......」
「黙りなさい! このエセ管理者!」

 桜子の一喝が店内にこだました。
 何事かと他の客が振り向く。

「由紀乃、お前にはコンピュータとかそんなもん向いてねえよ!」

 たっくんは蔑むように言った。

「お前は男を落とす才能と容姿に恵まれている。だからキャバ嬢が天職なんだよ。俺の言う通りにしろ。悪いようにはしねえ」
「......でも、年取っておばさんになっても私のこと、捨てないでいてくれる? ずっと雇ってくれる? すぐに若い娘に行ったりしない?」
「おお、約束する、する」

 このやり取りから桜子は分かった。
 由紀乃はこのダメ男にかなり依存しているということが。
 反対にこのダメ男は由紀乃を物としてしか見ていない。
 この男の呪縛から彼女を解放しなければならない。
 そのためには、彼女をエンジニアにする必要がある。
 だが、由紀乃はたっくんの言葉に突き動かされるかのように、再び飲みだした。
 桜子との差が広がって行く。

「ゲホゲホ」

 20杯目、由紀乃は咳き込みだした。

「てめっ! 床汚してんじゃねえ!」

 たっくんは苦しそうに背を丸める彼女を労わるどころか、店の床を気にしていた。

「えっ、たっくん......」
「高ぇ絨毯なんだぞ! 気ぃ付けろ!」

 たっくんは甲斐甲斐しく絨毯に付いた酒を拭いている。
 その様子をじっと由紀乃は悲しい瞳で見ている。

「金、金、金......。あんたを利用して有馬から金を巻き上げる、そんな最低なことを考え付いたのはこの男だよ」

 桜子がその様子を見て、呟いた。
 由紀乃のペースが徐々に落ちて行く。

「エンジニアの仕事も上手く行かない、彼氏には捨てられたくない、そう思ったあんたは、仕方なくこの男に従ったんだろ?」
「由紀乃、そんな奴と話してんじゃねえ! 兎に角、飲め!」

 たっくんの叱咤も虚しく、由紀乃の手は止まった。 
 その間に桜子は飲み進める。
 桜子、21杯。
 由紀乃、21杯。

「たっくん......」
「何だよ」
「......この仕事は若いうちしか出来ないし、ママなんて責任のある立場も私には向いてない。だから、たっくんとの将来のことも考えて、私......コンピュータの仕事しようと思ったの」

 由紀乃の大きな目から涙があふれだした。
 それは頬を伝い、膝の上で握りしめられた彼女の拳の上に落ちた。

「知るかよ。そんなこと」

 たっくんはタバコの煙と共に吐き出すようにそう言った。
 由紀乃の顔面から血の気が引いて行く。

「お前、万が一負けて見ろ、その時はホントに捨てるからな」

 その言葉に由紀乃は最後の力を振り絞るかのように、グラスを手に取った。
 が、口元まで待って行きながら手が止まった。

「100万だぞ、100万! この店借金して作ったんだぞ! 飲め、飲めよ!」

 由紀乃は涙でグシャグシャになった顔を、助けを求めるように桜子の方に向けた。

「これがあんたの彼氏の正体だよ」

 桜子は22杯目に口を付けた。

「今からでもまだ間に合う。エンジニアを目指すなら私も協力するわ」
「安田さん」

 ......ありがとう

 由紀乃の口から微かにそんな言葉が聞こえた。
 その直後、彼女は潰れた。

「安田桜子、22杯。川崎由紀乃、21杯。よって安田桜子の勝ち」

 鶴丸課長はそう宣言した。

「では、約束通り......」

 桜子はたっくんに向かって両手を差し出した。

「くっ......おい! 由紀乃、起きろ! 起きて飲め!」

 たっくんは酔い潰れて机に突っ伏している由紀乃を激しく揺すっている。

「往生際が悪いですよ」

 桜子は呆れた顔でその様子を見ている。

「桜子ちゃん......」

 不安そうに鶴丸課長が辺りを見渡している。
 いつの間にか他の客がいない。

「へへっ......こんな勝負、ノーカウントだ。無かったことにしちまえば問題ねぇ」
「最低ね。あなた」

 桜子の周りをグルリと黒服のボーイが取り囲んでいた。


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「早く!」
「分かった」

 後部座席に座る桜子に急かされた福島課長は、アクセルを一気に吹かせた。
 繁華街の道路を急加速で通り抜ける。
 バックミラーに映る『I will love again.』の看板が遠ざかって行く。
 それが完全に見えなくなった所まで来て、桜子はやっと

「はぁ~」

 と、安堵のため息をついた。

「ご苦労さん」

 信号待ちで、福島課長がペットボトルの水を桜子に投げて渡す。

「ありがとうございます」

 水を一口飲んで人心地着いた桜子は、隣で酔い潰れたまま横たわっている由紀乃を見た。
 たっくんから引き離そうと、ドレスのままの彼女を連れ出してしまった。

「予定時間を過ぎても出てこなかったから、何かあったのかと心配だったよ」
「実際何かありましたよ」
「そん時は、確か俺にLINEメッセージが来るんじゃなかったっけ?」
「えへ。あんまり腹が立ったんで自分で何とかしちゃいました」

 念のために何かあった時は、店外で待機している福島課長にSOSを送るという申し合わせをしていた。
 SOSを受け取ったら福島課長が警察に連絡するようになっていたのだ。

「ところで、その娘は?」

 バックミラー越しに由紀乃のことを問い掛けて来た。

「有馬君を虜にした女ですよ」
「ほほう」

 福島課長は振り返り、由紀乃のなだらかな身体のS字ラインを確認した後、車を発進させる。

「で、その娘、どうするんだ?」
「とりあえず、私のアパートに泊めます」
「......そっか。でも今日は遅いから、俺が面倒見ようか?」
「嫁一筋って言ってましたよね?」
「あ、ははは......」

(男ってやっぱバカね)

「ん? そういえば、鶴丸課長は?」


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 一方、その頃。

 『I will love again.』の店内。
 その真ん中にシンボルのように建てられていたミロのビーナスのレプリカは、粉々に砕けていた。

「あ、あんな女......見たことねぇ......」

 ガレキを前にして、たっくんは腰が抜けへたり込んでいた。
 皆があっけに取られている。
 その隙に、帰ろうとする鶴丸課長を冷静に呼び止める者がいた。

「お客様。お会計をお願いします」

 名札にはチーフマージャーと書かれている。

「え? こんな時に? もしかして、弁償?」
「まあ、お連れ様が破壊したあの像は邪魔だったのでいつか取り壊したいと思っておりました。だからその分については問題ありません。ただ、飲食代の方を......」
「いくらだ?」
「はい。50万円になります」


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 週明け。
 社会復帰した雄一は昼休みに銀行へと向かった。

 134万円。

 桜子が言った通り、雄一の口座には由紀乃に貸した金100万円、そしてサルノ・クリエイティブでの残業代34万円が振り込まれていた。

(おお! 神様。仏様。安田桜子様!)

 雄一はATMの前で感動の余り膝まづいてしまった。
 後ろで並んでいる客が迷惑そうにしている。
 取りあえず10万円ほど下した雄一は、自分自身を祝うために「突然! ステーキ」に駆け込んだ。
 ジュージュー鉄板の上で音を立てるアツアツのリブロースステーキ400gを立ち食いした。
 突然、メールが入る。
 桜子からだ。
 動画が添付されている。

<この度は誠に申し訳ございませんでした。他人の金と知りながらそれを自分のためと思って使い込み......>

 土下座して謝罪するたっくんがそこにいた。
 それは、いつかの石野課長の動画と重なる。
 動画を見終わった。
 だが、まだ何か足りない気がする。 
 取りあえず、お代わりを注文しようと店員を呼ぼうとした時、スマホが振動した。
 ディスプレイを見ると、桜子からだ。

「安田さん! ありがとうございます!」
<いえいえ、総務として当然のことをしたまでです>
「あっ! 謝罪動画も見ました。胸がスッとしたんですが......そうだ、あの女はどうなったんですか?」
<川崎さんの事ね>

 桜子は由紀乃のことについて、雄一に説明した。

<要は彼女もあの男に利用されてたって訳だから。そんなに責めないでね>
「は、はあ......分かりました」

 そうと分かれば、連絡を取りたいがその術が無い。

「由紀乃......」

 雄一は食べ終わったステーキの鉄板をじっと見つめたままだった。


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 ある日の定時後。

「安田さん、ありがとうございました」
「じゃ、今度は来週火曜日ね」

 コメダワラ珈琲店で桜子は由紀乃にIT技術を教えていた。
 卓の上にはノートパソコン、教科書、説明に使ったメモなどが置かれている。
 今日はSQL文の基礎を教えた。
 桜子の教え方が上手いせいか、由紀乃のやる気のせいか、勉強はことのほか進んだ。

「前の会社では、こういう勉強会とか研修が無くて、いきなり派遣されたんです」
「そうなんだ。そりゃ、行った先で苦労するわね」
「それで、ヤケになって有馬さんに色々迷惑かけました」

 悲しいかな、中小のIT企業は社員を教育する余裕も無いので、入ったばかりの何も知らない社員を現場に放り込むことが多い。
 サルノ・クリエイティブでの由紀乃は、そうした例にあたるのだろう。

「新しい会社にはもう慣れた?」
「はい。ありがとうございます」

 由紀乃の新しい会社は福島課長のコネで見付けてもらった。
 ちゃんと研修期間もあるし、こうやって桜子が定時後に教育すれば、また一人のエンジニアが生まれることになる。
 それは業界のためにもなるだろう。

「有馬さんにいつか謝りたいです」
「うん。だけど、まだあいつには会わない方がいいよ」
「何で?」
「下手に会いに行くと、あいつ勘違いするから。今は女の事より仕事を優先させたいの」


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 ある日の定時後。

「とりあえず、この166万円どうする?」
「そうですね......」

 桜子は金庫の中にある金を見て、考え込んだ。
 その横で福島課長が電卓を叩いている。
 勝負に勝ち100万円を取り戻した。
 そして元々の200万円。
 合計300万円。
 そこから、雄一に134万円渡して残り166万円。
 この金をどうするか、誰もいない社内で話し合っていた。

「社員のために使いましょう」

 桜子は66万円で、豪華ホテルでの立食形式パーティーを行うことを提案した。

「なるほど、日ごろの労を労うって訳か。社員旅行みたいに2、3日拘束すると参加者は少ないだろうが、パーティーなら2時間くらいで終わるから皆来てくれるだろう」
「では、皆の予定を訊いておきます」
「あと、100万円か......」
「有馬君の残業代が元手になって増えたお金です。この100万円は彼がまた何か困った時に使いましょう」
「なんだ? あいつに随分と優しいな」
「バカな社員ほど、可愛いもんです」

 話し合いが終わり、桜子は帰る準備に取り掛かった。

「お先に失礼します」
「お疲れ」

 事務所の扉に手を掛けた時、

「安田」
「はい」
「お前、エンジニアに戻る気はないのか?」

 一瞬の沈黙の後、

「全ては社員のためです」

おわり

あとがき

ここまで読んでいただきありがとうございました。
去年のクリスマスに1話読み切りで書こうと思ったんですが、
まとめることが出来ずに、こんなに長くなってしまいました。
でも何とか元号が変わる前に、というか桜が散る前に終えれたので良かったです。

色々とコメントやら頂き励みになりました。
読んでくれた皆さんありがとうございました!

Comment(8)

コメント

桜子さんが一番

お疲れ様でした。
桜子さんにここまでしてもらえるなら。僕もダメ社員になりまーす。

匿名

過去の作品も含めて読みました。
これからも新しい作品を書くことがあれば読みたいと思います。

yoshiki

すごくおもしろかったです。

VBA使い

お疲れ様でしたm(_ _)m


第十二話で何げなく書いたコメント、まさかこんな結末を迎えるとは・・・

(;∀;)イイハナシダナー

湯二

桜子さんが一番さん。


コメントいつもありがとうございます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


ダメ社員がいないと、会社や職場は息苦しいし、そんな人を見て、疲れてる人は自分が頑張ってることを実感して安心するんです。
ダメ社員上等!

湯二

匿名さん。


コメントありがとうございます。
あと、過去作も読んでいただきありがとうございます。
また何か書くと思いますが、その時は是非読んでください。

湯二

yoshikiさん。


コメントありがとうございます。
面白かったなら幸いです。
気軽に読めて面白いものを載せれたらなと思ってます。

湯二

VBA使いさん。


いつもコメントと校正ありがとうございます。
修正が入ることで、出版物でもないのに、それなりの体裁になりました。


予想通りの展開で、申し訳ないやら、ちょっとは意外性を出せたらな、なんて。
でも、だいたいわかったでしょう。
私の書く話のパターンが(笑)

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