常駐先で、ORACLEデータベースの管理やってます。ORACLE Platinum10g、データベーススペシャリスト保有してます。データベースの話をメインにしたいです

心に残る一言

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■一言が表現する世界
今回は、私がこの業界で、約15年過ごした中で、心に残る一言をイラスト付きで紹介します。
その一言たちは、この業界が、抱えている問題や、仕事の過酷さ、そして滑稽さを表していると、今にして思います。
自分で自分なりの意味づけをし、今後に生かしていこうとしたのは、言われてしばらく経ってからです。

■兎に角、増員
自社で請け負った炎上中のプロジェクトに参画してた頃の話です。
孫請けということで、主にプログラム製造を担当していました。
末端作業なので、上流工程が遅れると、自分たちの作業スケジュールにしわ寄せが来ます。
例外なく、設計工程の遅れが目立ち始め、序盤戦は自社で特に何もすることが無く、ヤキモキ過ごしていました。
設計書が出来、製造を開始しますが、設計書の手戻りが日に何度も発生します。
そのたびに、プログラム製造と単体テストがやり直しになります。
だんだん上流工程も疲弊しはじめます。
今、手元にある設計書が、最新なのかどうかも怪しくなります。

そうした中、派遣で来ていただいた方も、疲労がたまり、生産効率が落ちています。
ここで、社長(技術者ではない)が巻き返しを図るために、増員を決定しました。
50代の男性Aさんが入りました。
Aさんは、真面目に仕事しているようでした。
Aさんは、私が作った画面と連携する、サーバ側のプログラムを作ることになりました。
私は、Aさんの作ったプログラムを結合試験に持っていくので、進捗状況を訊きました。

私「どんな感じですか?」
Aさん「ここが、、、こう、よく分からないんです、、。」
私「どうわからないんですか?」
Aさん「それが、訊けてないから、よくわからないんです。」
私「結合試験に間に合いそうですか?」
Aさん「あと、17,8日かかりそうです。」

真面目そうに見えたAさんは、1日じっと画面を見ていただけのようでした。
訊きたくても、みんな忙しそうで悪いと思って出来なかったそうです。
経験のないプログラム言語だったのも原因だったみたいです。
誰でもいいから、兎に角増員すれば解決すると思った社長の判断ミスでした。

私「17,18日とは言わず、私と、一緒にやれば3日で終わりませんか?」
Aさん「・・・・・私には、ムリや・・・・・

01

★学んだこと
Aさんは20年選手ということで、雇った社長は勝手にドンドンやってくれると思ったのでしょう。
加えて、忙しいのを理由に、Aさんをほったらかしたのは良くなかったと思います。
でも、期間が無い状態で新しい人に教える時間を考えたら、増員するよりも、今のメンバーの作業負荷を整理して、作業分担を
見直したほうが良かったのではないかと思っています。

■嘘とハッタリ
新しい仕事を獲得するために、書類選考を経て、面談というものを受けます。
これから一緒に働くことになると思われる担当者の方に、面談していただきます。
その際、スキルシートを元に、いくつか質問を受けます。
既に業務経験があるので、
今までどんな言語で仕事をしてきたの?
今はどこで仕事してるの?
といった質問になります。
面談の時点で、これからやる仕事の内容の説明をされることもあり、既に入ることが決まっているような場合もあります。

その時、受けようとしていた仕事は、ORACLEデータ移行の仕事でした。
当時私は、ORACLEについては、SQLを少し齧ったくらいだったので、その仕事の内容に関しては未経験の分野でした。
面談で色々質問されても、分からないと答えるしかないなと思っていました。
部長に連れられて面談場所に行く途中、部長に言われた一言が印象的でした。

ハッタリで通せよ

02

部長は、いずれ、この仕事を自社で請け負いたいという考えがありました。。
まず私を一人送り込んで、その内、自社の人間を何人か入れて、そこでチームを作り、元請けの信頼を獲得した暁には、自社で
持ち帰ろうという青写真が部長にはありました。
部長にしてみれば、その仕事を何としても取りたかったのです。

なので、受かるために何を訊かれても、「できます!」と答えろということでした。

面談で、
担当「PL/SQLできますか?」
私「・・・できます!」
担当「データ移行作業したことありますか?」
私「・・・できます!」
担当「マテリアライズドビューでレプリケーションとかってやり方知ってますか?」
私「・・・できます!」
担当「徹夜できますか?」
私「・・・できます!」

出来ないことを、出来るというのは、何だか後ろめたいですし、自分に圧力を掛けているようでストレスが溜まりました。
担当者だって、プロです。すぐに見抜きます。
面談が終わった後、部長が「よくやった!」と合格を確信し、意気揚々と、私をキャバクラに連れて行ってくれました。
後日、部長から「だめだった」という連絡がありました。
その部長も、今では別の会社です。

★学んだこと
ハッタリは、使いようだと思います。
さっきの面談の場合のように、出来ないことを、出来るというのは、ただの嘘です。
ですが、ハッタリの場合は、自信もって言えれば、相手を安心させることが出来ます。
ただ、ハッタリを言えるだけの、根拠や知識を持ち合わせたうえで言うべきかと思っています。
例えば、私は何か起きた時「データベースとしては問題ありません。」と言って、皆を安心させることがあります。
裏では、エラーメッセージは出ていますが、そういうことは細かいこととして、まずは安心させます。
このエラーメッセージが出ても、すぐにサービスに影響が出ないという知識を持っているから言えるのです。
エラーメッセージの説明は、そのあと改めて行います。
本当のハッタリを通すというのは、初心者には難しいのです。

私はこの後、分からないことを、分からないと言えず、別の仕事で大失敗をしてしまいます。
分からないこと、知らないことは、はっきりそう言ったほうがいいと思いました。
本当のことを告げることで、相手もそれを踏まえて、次にどうしたらいいかを考えてくれるからです。

■金曜炎上
24歳の頃、東京での長期出張が自分なりに上手くいき、意気揚々と飛行機で地元に帰るところでした。
今日は金曜日、羽田空港は楽しそうに旅行に向かう人が沢山います。
私も、周りの楽しげな雰囲気に触発され、気分は高揚。
楽し気に、お土産なんぞを物色しておりました。
搭乗手続きを済ませ、飛行機を待っていると、携帯電話にコールが入りました。
出てみると、自社の部長です。

「帰ったら、すぐ会社に来い!」

ただ事ではない様子で、せっかくの金曜日の夜が台無しです。
飛行機に乗って、自社に帰ると、開口一番部長にこう言われました。

おまえ、死んでくれ

03

停職とか、解雇とかをすっ飛ばして、死んでくれ、とはいったいどういうことなのか、何か不祥事をしたのかと、過去の記憶を探りましたが、思い当たりません。

部長が続けてこう言いました。

「土日で画面10個作れ」

死ぬ気で、炎上したプロジェクトを何とかしろと言うことでした。
私が東京出張でいない間に、請け負っていたプロジェクトが炎上し、今いるメンバーでは回らなくなっていたのです。
ちょうど私が東京から戻ってくるのを知った部長が、帰ってきたばかりの私を、そこに放り込んだのです。

★学んだこと
短い時間の中で、濃ゆい人間関係とそのやり取りを学び、必死になって技術を身に着けることが出来ました。
そして、炎上する前に何とかできなかったのか、そうならないために自分がリーダーになった時、どうすべきかを、自分なりに考える機会になりました。

こうやって、振り返ってみると、心に残る一言は漏れなく、過酷な状況の中で耳にしたものばかりでした。
強烈な状況で聞いたからこそ、心に残っているのでしょう。
そこで、いろいろ考えるきっかけにもなりました。通過儀礼として、こういう経験もありなのかな、、、いや、無いほうがいいか。

Comment(4)

コメント

ハリコフ

納期間近の状態で人を増員しても混乱するだけ。今ではプロジェクト管理の常識ですが、未だに分かってない人が(特に管理者に)多い印象です。

私も勤め先が別の会社と合併することになって、システム統合作業を行ったのですが、私がテンパっているのを見て、外注が云々と言っていました。面倒見る余裕がないから断りましたけどね。

結局、社内にしっかりと分かる人を普段から用意しておかないと、いざという時に困りますね。

湯二さん初めまして
文系の院卒がIT業界に入ってみて感じたこと管理人ひろ氏です

>面談で色々質問されても、分からないと答えるしかないなと思っていました。
>部長に連れられて面談場所に行く途中、部長に言われた一言が印象的でした。
>「ハッタリで通せよ」
ここ見て笑ってしまいました。この業界あるあるですよね。僕もまったく知らない知識の現場に面談(しかも違う経由会社を通して)させられてチンプンカンプンなのに落とされた上に自社に怒られるというよく分からん目に何回かあいました。
そのたびに勉強不足が悪いと言われるんですが、じゃあ面談に向けて何か教えてくれたのかと日々理不尽な目にあってます。
多分これからも同じようなことあるんでしょうけど僕もハッタリで通すしかないんでしょうかね

湯二

ハリコフさん、コメントありがとうございます。
兎に角増員の話は、10数年前のことです。
小さい会社で、技術者ではない社長が人員の管理をしていて、とにかく遅れを
取り戻すなら「増員すりゃいい」ということで、こんなことになりました。
同じような経験をされたとのことで、お疲れ様です。

湯二

ひろ氏さん、コメントありがとうございます。
ひろ氏さんのコラム、いつも読んでますよ。
結構色々と苦労してるみたいで、お疲れ様です。
ハッタリの話は、僕が26才くらいの話です。
まだ、若くて、何も知らなかったので真に受けてしまいました。

>多分これからも同じようなことあるんでしょうけど僕もハッタリで通すしかないんでしょうかね

自分がしたいと思う仕事の面談の時は、多少できなくても、できますって
やる気だけは見せたほうがいいと思います。
そうでないときは、正直に答えてもいいと思います。
現場に入ってからは、分からないこと、知らないことは、はっきり告げたほうが
いいと思います。恥ずかしくても。

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