町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

ホワイトな大手企業へ転職!その79 仕事がなくなると余計なことばかりしたがる暇人。。

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検査の連中が稼働中の作業者のところにやってきて世間話や冗談などを言って笑い合っている。まあ、これくらいなら微笑ましい光景だ。しかし、僕のところに遊びに来た暇人の柴山先輩は違った。私の仕事ぶりを見て「こんなんでいいのかよ、たいき君!」などと言って稼働中の機械の中に割り込んできたのだ。そして機械を触り始める。「これは寸法がさ、ちょっと違うんじゃないの!」とか「調整しなきゃダメだろ」とか、いろいろと茶地を入れてくるのだ。すると、機械をいじくり始めた。この柴山先輩、悪い人ではないのだが、はっきり言って仕事は出来ない。前にも書いたが「出来ないものは教えたガリ、出来るものはやりたがる」ってのが現場の法則みたいなもんだが、この柴山先輩も「出来ないのに教えたガリ、出来ないのにやりたがる」人であった。

私より先輩だしやめてくださいとは言えない。仕方なくいじらせることにしたのだが、不安的中でめちゃめちゃにされた。一箇所を調整すれば良いところを余計な箇所を何か所も調整しようとしてどんどん最初の稼働状態から違う状態にしてしまい。出来上がって出てくる製品の寸法なども基準値を超えたりしてメチャクチャにしてしまったのだ。「あれ?」「これだよな」と、ぶつぶつ独り言を言いながら更に破壊に向かって機械を弄繰り回している。気が付けば昼飯の時間。午前中はまったく生産すらできなかった。

もう勝手にやらせておけばいいか。。しかし本人は定時で帰るまでの時間つぶしのはずが自分でぶっ壊してしまったのでかなり焦っている。時間があって暇でしょうがないけど、定時には帰りたいってのが作業者たちの本音だ。それに景気も悪くなってるから残業は禁止だしね。さあ、どうする。。。仕方ないので僕が「直しておきますよ」と言ってその場をしのいだ。「悪かったな」って一言。。しかし、この先輩、次の日も懲りずに私の所にやってきたのだ。ジーっと私の機械を見ている。そして何かやりたそうだ。「大丈夫です、大丈夫ですよ、おかげで直りましたから!」ってまるで柴山先輩のおかげのように強調したらどっかへ言ってくれたので助かった。

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