元底辺エンジニアが語る、エンジニアとしての生き様、そしてこれからの生き方

生き様002.現場で使いたい「傾聴スキル」〜4つのポイントとマインド〜

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今回のお題

今回は、先日キャリアカウンセラー高橋さんのコラムで取り上げて頂きました「傾聴」のお話です。

僕は前回のコラムで「傾聴=聞き出す技術」と皆さんにお伝えしました。
これについて、少し反省をしています。
「技術だけで、マインドを伝えて居なかった」と…

その為、今回は実際の事例を交えながら「傾聴のポイントとマインド」についてお話をします。
ただし、様々な都合で、駆け足な進行になってしまいます。
そのことについて、先にお詫び致します。


エンジニアあるあるな事例

このコラムを読んでらっしゃる方の八割が現役のITエンジニアでしょう。
元も含めればほぼITエンジニアの経験がある方だと思っています。
実証の為、以下のアンケートにご協力下さい。


ところで、皆さんの身近に、こういう経験をされたエンジニアさんは居ませんか?

  • ユーザーの要望がコロコロ変わる
  • 上司や同僚の話の、要点を聞けてない感じがする
  • 話を聞いてもらえない、とクレームが来た
  • 打ち合わせで、聞いてる時間より喋ってる時間が長い


「聞く」から「聴く」へ

これら全てに共通するのは、相手の話を「聴いてない」事です。※1
つまり、「聞いている」 けど 「聴いていない」のです。

そして、「聞く」と「聴く」では、全然違います。

では、どうやったら「聴く」事ができるようになるのでしょう?
「聴く」為のポイントを、幾つか挙げていきましょう。


ポイント1. 話の先回りをしない

例えば、話のオチが読めてしまった時。
先にオチを言ってしまう or オチ当てゲームへ移行する、そんな事をしてしまっていませんか?

他人が話すことにおいて、全てを知っているのは、話している本人だけです。
もし同じ話だと感じても、それは同じよく似た別の話かもしれません。
あなたには、最後まで解らないことです。

もしかすると、本来の話から、あなたの発言の影響で、内容が変わってしまうことだってありえます。
それが仕事の場で起こったらどうなるでしょう?
答えは、ご想像にお任せします。

  • ポイント1. 話の先回りをしない

そもそも、真剣に話している内容の先を予想して言われるのは、気持ちのいいものではありません。
それが、話に割り込まれた場合は、特に…


ポイント2. 話への割り込み

ヒトというのは、自分の得意分野の話題になるとつい口が滑らかになってしまうようです。
また、自信のあるアイデアを話す場合でも、滑らかになる傾向があるように感じます。

実は、会話というものには「話す順番」というものがあります。
自分が喋っている時は、喋り終わるまで待ってもらう。
同様に、相手が喋っている時は、喋り終わるまで待つ。

それは、よくキャッチボールに例えられます。
「話している人がボールを持っていて、次の人にボールを渡す」の様な…
丁度、あんのうんさんのコラムで取り上げられている内容ですね!偶然ダナー

少なくとも、情報のやりとりの為に会話をしているケースでは、相手の話が切れるのを待つべきです。
相手が自分にボールを渡してくれた時に、心置きなく話せばいいのです。
もし「相手の話が切れるまで待ってたら、言いたいことを忘れる!」という人は、メモを取りましょう。
もしくは、忘れる程度の「言いたいこと」は「大したことなかったのだ」と割り切りましょう。
思い出した時に改めて訊いてもいいのですから!

ところで、自分が話している時に、他の人が割り込んで話してくることもあると思います。
この時は、とても大きなチャンスです!
割り込んできた人は「そこに興味がある」と教えてくれているのです。
であるならば、せっかく教えてくれたのですから、そこを丁寧に拾ってあげて下さい。
それだけで相手の会話満足度が変わります。

  • ポイント2-1. 話はキャッチボール
  • ポイント2-2. 割り込まれたら丁寧に拾う

ですが、時と場合によっては、相手の話を遮ってでも、伝えなければいけないことがあるでしょう。
そういう時、僕は「お話に割り込んですみません」と一言添えることを心掛けています。


ポイント3. 質問は明確化の為の質問に絞る

会話の中での質問、についてです。

時々耳にする「質問を質問で返しては行けない」というコミュニケーションマナー、これは明らかに間違いです。

  • 質問の意図が分からない場合
  • 質問の前提に不明点がある場合
  • 質問にあいまいな内容がある場合

これらの場合には「質問を明確にする為の質問」が許されます。

このルールを、質問以外の会話の中にも応用してみましょう。
相手の話の中で質問をしたくなった時は、その質問をする前に、一度考えてみましょう。

その質問は「興味の質問なのか?」「明確化の為の質問なのか?」

  • ポイント3. 質問は明確化の為の質問に絞る

話の内容に興味を持ってもらえるのは、嬉しいことです。
ですが、話に興味を持っていることは、質問以外の方法でも伝えることができます。
例えば、「内容を明確にするための質問をする」とか…


ポイント4. うなずき、あいづちで会話の促進

一見すると地味ですが、会話を進めるのにとても大きな役割を担うのが、「うなずき」と「あいづち」です。
僕の傾聴の先生は、うなずきとあいづちだけで、会話を進めるという実例を見せてくれました。

そしてこの2つ、ほとんど言葉を発しません。
あいずちでも「うん」とか「ええ」とか、そういう程度です。

相手の会話のリズムに合わせて、うなずいたりあいづちを打つのは難しいです。
でも、ちょっとの努力(+コツ)で基本的なやり方を習得することができます。
その為、「傾聴スキル」の中では簡単な方に分類されている技術だそうです。

  • ポイント4. うなずき・あいづちで会話を促進する

また、うなずきやあいづちには、話に興味を持っていることを伝える効果もあります。
質問以外の方法、ありましたね!

なんの為に傾聴するか

ここまで、傾聴をベースにした「聴く」為のスキル、そのポイントについてお話してきました。
そして、ここではその根幹であるマインドについて、僕を例にお話します。

これまでの傾聴の技術を仕事で使って、僕が何をしたいのか?
それは

よりよいシステムを作りたい
です。

当たり前の事ですが、僕はITエンジニアとして、何かしらのシステム・サービスを作る仕事をしています。
その時に接する相手は、システム発注者側の担当者だったり、開発チーム内の上司・同僚だったりします。
当然、そこでやり取りされる話は「システムを完成させる」という目的で交わされます。

システムの開発に関わる人は全て、「システムを完成させる」その1点では確実に繋がれるはずです。
つまり、システムの為に聴くこと相手の(仕事の)為に聴くこと であり、システムを使う人の為に聴くことであり、更に巡って自分自身の(仕事の)為に聴くことになるのです。

いきなり話が壮大になりましたが、是非一度考えてみて下さい。
そして、気負う必要はありません。
このどこかに引っかかれば良いのだと、僕は考えています。


今回のまとめ

  • 話の先回りをしない
  • 話はキャッチボール
  • 割り込まれたら丁寧に拾う
  • 質問は明確化の為の質問に絞る
  • うなずき・あいづちで会話を促進する
  • 話を聞くのはシステムの為、相手の為、自分の為

ここに書いたのは、傾聴のほんの入り口です。
深い技術を習得することなく、今から心掛けでできることだけを集めてみました。
それでも、会話のトラブルを防ぎ、質を上げるのに効果があることは間違いないでしょう。

傾聴のマインドとして、共感は大切です。
しかし、多くの人は、いきなり相手に共感することは、できません。

まずは、「共感できるように」or「共感したい」という気持ちを持って聴く姿勢が作れれば十分です。
それが「良いシステムを作ること」に繋がるのだと、僕は考えています。


最後に

本来であれば、このお話は5回目以降にするつもりでした。(大体7回目ぐらい)
そして、1回でお話するには分量が多すぎた、とも感じています。

今回が、とても焦って詰め込んだ内容になった理由は、キャリアコンサルタント高橋さんのコラムを読ませて頂き、感じることがあったからです。
「しまった、大切な事を忘れてる!」

その為、なるべく早い時期に「僕が考えている傾聴を利用したコミュニケーション」をお話する必要がある、と考えました。
前回の乱暴な言い方に、今回の焦って詰め込んだ内容を重ねる形になってしまいました。
その中で、伝えたいことを大雑把に書き出しました。
本当は、もっと細かくフォローしていかなければいけない部分が多いのです。
どこかで改めて、フォローする機会を作りたいと考えています。

それが待てない!という方は、是非キャリアコンサルタント高橋さんのコラム「5分間キャリア・コンサルティング」を読んでみて下さい。
僕は、キャリアコンサルタント高橋さんのコラム「5分間キャリア・コンサルティング」で、毎週勉強させて頂いています。
もちろん、傾聴に関するコラムも多くあります。
他人様の記事で恐縮ですが、幾つか傾聴について書かれている回をピックアップしておきました。




※1:聞いているどころか訊いている例も有りそうです。

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