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インターネットのガラパゴス化が気になりだした件

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 最近、日本のガラパゴス化が気になりだした。

 ひところ言われた、国内市場に特化された技術面などのガラパゴス化には、さほど大きな関心はなかった。各企業のマーケティング戦略の問題という気がしたから。

 しかし、もっと広範な意味での、コミュニケーションのガラパゴス化が心配になってきた。

 きっかけは、昨今、時事問題に関し、インターネット上でさまざまな意見がやりとりされるさまを見る機会が増えたからである。

 いつも感じるのは、それが決して悪いことだとは思わないが、日本人は日本人同士、日本語で議論し、日本人を除くそのほかの人たちが英語で議論しているように見えることである。もちろん、日本人だけの世界とそのほかの世界にネット上が完全分離しているわけはないから、これはあくまで「そう感じてしまった」という印象の問題である。しかし、そう感じさせる現象が、インターネット上に散見されるのも事実であり、多少なりとも、それに近い傾向はあるのだと思う。

 理由は、いろいろ考えられる。

 まず、日本語ネット環境が非常に進んでいるという点。仮に英語ができても、日本語の方が便利だし、日本語サイトの方が充実している。それに比べ、世界には、コンピュータやインターネットを使うためには、母国語より英語の方がずっと便利だという国も多い。あるいは、今はそうではないが、かつてそうだったために英語を使うのに慣れてしまったということもある。普段からインターネットを使うのは一部の高学歴の人たちに限られ、そのため英語に慣れている人が多い、という国もある。

 第二に、英語が得意な日本人が比較的少ないということ。これは仕方のないことだし、上記の点と関連するが、日本語ができれば全然困らないのだから、当然のことである。無理して英語を使う必要はない。

 しかし、日本人の英語学習者が多いのも周知のことである。英語を勉強しているのなら、インターネットでも英語を使うぐらいの志があってもよいと思う。

 海外在住者や留学生が利用する日本語の掲示板で、国際情勢に関する議論が行われているのを見たことがある。あまり外国の悪口を言うべきではない、と誰かが書き込み、それに対して、意見を言うのは自由だ、などというやりとりが繰り広げられていた。

 ちょうどよい機会だと思い、「悪口は論外だが、冷静な意見なら、ここでやりとりするのもよいし、英語サイトで英語で書き込んでみてはどうか」と提案した。直ちに、罵詈(ばり)雑言の集中砲火を浴びてしまった。唐突過ぎて、真意が伝わらなかったのかもしれない。

 次に、挙げられる理由は、これが最大の要因かもしれないが、英語圏に住んでいる日本人の数が少ないということ。

 例えば、移民の多い地域は、国際社会の縮図みたいな状況が生まれるが、そこに日本人は少数に思われる。したがって、そんな国際社会をネット上に移しても、当然そこに日本人は少ない。仮に、日本人がいても、ネット上なら、それが日本人だとは分からないだろう。

 これも決して悪いことではなく、むしろ、日本の教育が偏っていない証拠と言えるかもしれないが、他の国の出身者には名乗らずとも明らかに出身国が分かるような言動の人が多いように思う。

 以上、もろもろの理由により、インターネット上で日本の存在感は極めて薄い。

 これは自然な現象であり、問題視することではないのかもしれない。

 心配な点は、単に、ネット社会におけるデモグラフィック(人口分布)の問題である。例えば、特にインターネットと関係なく、何かの調査でアンケートを取るとき、日本人全般の傾向が知りたければ、回答者の年齢層や男女比などを考慮する。インターネット上で国際問題が議論されるときは、それは自然発生的だから、誰もデモグラフィックは考慮しないが、実は非常に偏っている。参加者がそれを理解していれば問題ないが、当然ながら誰も、そんなことは気にしない。よって、日本の問題が、日本人抜きで議論されたり、分析され、偏った意見にもとづいて、参加者になるほどと納得される場合も多い。

 仮に日本人がいても、日本政府を代弁するとは限らないが、やはりデモグラフィックは重要である。

 私などは、ネット上で日本の問題が話し合われているのを目撃したとき、日本政府を代弁するような意見を持ち合わせていなくても、本能的にバランス感覚が生まれ、日本代表のような意見を書き込んでしまう。ひょっとしたら、ほかの国々の人も同じで、自然と各国代表になってしまうのかもしれない。だとしたら、なおさら、日本人の不在は痛い。

 というわけで、日本人の方々にも、できる範囲で(できなければ仕方がないので、無理にとはいわないが)インターネットで英語を使ってもらいたい。例えば、ニュース記事などのコメント欄に顔を出してみるのもよい。よろしくお願いします。

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コメント

オブジェクト指向って知らないって言うと馬鹿にされるから、フレームワークとかポリモーフィズムとか言ってカッコつける。それってフレームワークじゃなくてクラスライブラリじゃないの?とか思い、会話がかみ合わない。変に日本語訳の本が出てしまうから、ニュアンスが伝わらない。直接、海外のコミュニティサイトで英語で聞いてみるほど、英語力がない。若い人は老害がいけないとか、会社がいけない、政治がいけないなどと言っても、ご自身のグローバルコミュニケーション能力が欠けている。若い人がそうなのだから、もう日本の将来はない!などと思ってしまう今日この頃です。

VMwareのことで、困ったことがあって、私も英語のコミュニティサイトに投稿したことがありました。回答を日本語のコミュニティサイトに掲載したところ、日本のVMware社員のかたが、「やはり英語圏のほうが情報が豊富ですね」なんて、苦笑してしまうレスがありましした。

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