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陪審員になるには

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 Jury Duty(陪審員の義務)は年率0.5%でやってくる。

 と、自分なりに勝手に計算してみた。日本でいうところの裁判員制度のことである。

 同じ部署に社員が10人いて、そのうち誰か1人に Jury Duty の通知が、だいたい2年に1回の確率で来ている。もちろん、単なる偶然であり、何の根拠もない計算だ。こういう確率は Law of Large Numbers(大数の法則)にもとづいて、もっとずっと沢山の被験者をもとにしなければ意味がないのだが、べつに Jury Duty 当選率を研究しているわけではないので、ただ何となく確率を考えてみた。

 というのも、仕事上、突然メンバーを一人持っていかれるのは結構痛く、前もって予測できればと思ってしまう。ここ数年、不景気のせいか、ぎりぎりの少人数体制で、1人減ると他の人の負担がかなり増える。専門外の分野をカバーしなければならないことも多い。それが年率0.5%で起こり得るということになる。

 実際には、Jury Duty に呼ばれたからといって、即、裁判に臨むわけではない。適格者が面接で選抜されるらしい。だから、誰かが Jury Duty に呼ばれると、ほかの社員は皆、わざと挙動不審に振舞って面接に落ちてくれと頼んだりする。

 やりすぎると陪審員席ではなく、被告席に座ることになってしまうかもしれないが、面接官と一切目を合わせないだけでも充分効果はあると思う。あるは、まばたきの回数を増やすだけでもよい。片目ずつならもっとよい。

 そういえば、話しているときに不意にウィンクをする人を何人か知っている。皆、結構なおっさんだ。中には、会話の内容との関連性が意味不明のウィンクもあって、ちょっと背筋がぞくっとしてしまう。逆に、意味ありげでも、やっぱりぞくっとしてしまうことに変わりはないが。

 あの意味不明のウィンクは、実は単なる片目ずつのまばたきだったのではないか、と今ふいに思い至った。

 話が逸れたが、Jury Duty に呼ばれた人が、仕事のためにわざと面接で落ちる義務は当然ない。ないどころか、たぶんそれは何らかの法に触れるので、わざと落ちてよと頼むのは100%冗談だ。むしろ、本人は気分転換になって(いや、当事者は真剣な裁判なのだから、気分転換は不適切な表現だか)、あるいは社会勉強になるので、仕事に戻るよりも、ぜひ裁判に参加してみたいという人も多い。

 一度、参加が決まるとかなり長期間、拘束されるらしい。ほかの部署では、3カ月帰って来れなかった人もいると聞いた。それは極端な例だが、通常、少なくとも2~3週間はかかる。

 なぜ、こんなことを書いているかというと、先週2年ぶりに、同じ部署の同僚が1人召喚され、しかも適格試験に合格した。召喚された人はこれまで2年に1人ぐらいの割合でいたが、実際に採用されたのは、同じ部署では初めてである。今、刑事事件の裁判の真っ最中で、一体いつ帰ってくるのやら、誰も予測できない。

 ちなみに、今回召喚され、採用された人は、普段から鬼検事のような厳しい顔つきをしている。まばたきはしない。

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