カナダの暮らし、現地IT企業でのエンジニアライフを紹介。

インド人の名前

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 一緒に仕事をしているインド人プログラマのうち1人、性別が分からない人がいる。見た目が男っぽい女性、あるいは女っぽい男性だとか、そういう意味ではない。お目にかかったことがないので、声と名前から性別を判断しようとするのだが、それが、どっちとも取れるのである。

 電話会議では、インドの代表者だけがしゃべることが多いので、当人の声はまったく聞いたことがなかった。だが、以前に同じファーストネームの女性と一緒に仕事をしていたので、おそらく、その人も女性だろうと思っていた。

 しかし、インドのプログラマを統括している人が、彼は男だよ、と教えてくれた。仮に名前をLとすると、「前にいたLは女だったけど、今度のLは男だよ」と言っていた。

 本人と直接やりとりするときは、相手が男だろうが女だろうが、どちらでも問題ないのだが、ほかの人との会話に彼を出さなければならないときは、やはり性別を知る必要がある。以来、彼をHeと呼び続けた。

 そうして数カ月たったある日、会議で彼の声を聞く機会があった。女性の声に聞こえた。か細くて優しい男声と言えなくもないが、先入観を除いて普通に聞いたら、まぎれもない女性の声である。

 インターネットで彼の名前を検索してみた。インドでは、ごく一般的な名前のようだが、女性にしか使われていないようである。以来、彼女のことはSheと呼ぶことにした。

 プログラマを統括している人は依然、男だと言い張っている。社員プロフィールなどの記録に性別は一切載っていないし、あまり聞き過ぎると、何でこだわるの? と、性差別しているみたいな言われようだ。

 今さら現地のほかのスタッフにLは男ですか、女ですか、なんて聞きづらいし、ましてや本人にも聞けない。

 いちばんいい方法は、HeやSheを使わずに、Lで通すことである。これはなるべく実行しているが、限度がある。本当に名前がLだったら問題ないが、実際には、例えばLabcdefghijklmnぐらいに長い名前だ。そもそもインド人の正式名にはすごく長いものが多い。もしかしたら、 Labcdefghijklmn だって、本当はもっと長い名前を精いっぱい短縮した形かもしれない。それは余談だが、とにかくいちいち、

 I asked Labcdefghijklmn and Labcdefghijklmn said Labcdefghijklmn was going to do that today.

とか、そんなこと言ってられない。

 結局、私はSheを使い続けている。ほかの人はHeと言う場合が多い。お互いに会話すると、

- Did you tell Labcdefghijklmn about that?

- Yes, I told her yesterday.

- So, what did he say?

- She said she would finish by tomorrow.

- Then, let's wait for him to finish.

と、他人が聞いたらとても不思議な会話になっている。そんな会話がごく普通に成り立っていて、仕事には何の支障もない。

 だから、まぁいいか別に……と思わなくもない。個人的には、性別を気にするのも失礼だが、逆に気にしなさ過ぎるのも同じぐらいに失礼な気がするのだけど……。

Comment(2)

コメント

yamayattyann

明確に性別をわけることが前提の英語は不便ですね。そのてん、日本語は彼、彼女ということばはあるけど、あのひと、あのかた、と性別をごまかすこともできる。考えてみると、動詞の活用までかわる、ドイツ語などもっと不便。

正直なはなし、外国人は名前で性別がわからないので、レジメだけで性別を判断できなことが多くてこまります。私のレジメには、そのことを考えて、名前の前にMr.とつけています。

恵1

コメントありがとうございます。なるほど、日本社会のほうが男女の区別は明確なのに、言葉は区別が曖昧。英語は逆で言葉は区別が明確なのに、社会では日本ほどに区別しない。正反対で面白いですね。名前にMr/Msを付けるの、いいアイデアですね。

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