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M銀行やっちまったなぁ。だが、非難するのはもう止めよう。

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M銀行の障害がたて続けに起きました。非難ごうごうではありますが、あれだけ大きな銀行です。これからは、「障害が起きた?けしからん!」ではなく「障害が起きてもしかたない」という見方に改めるべきかと思います。けしからん!と怒ったとしても、えらい人が頭を下げてパフォーマンスに徹するだけです。頭を下げた偉い人がぷんぷん起こって、下の人に当たり散らかします。頭を下げた当の本人は、システムに対して何をしている訳ではありません。誰かはしりませんが、M銀行が障害が起こるような組織に貶めた人は、何食わぬ顔をして「俺が正義だ!」という顔で社内でふんぞり返っていることでしょう。

外野がいくら憤ろうと真犯人は我関せずです。非難しても下の立場の人に負担が転嫁されるだけなので、システムの障害に対して「けしからん!」と怒るのは止めにしてはどうでしょうか。特に、ITに関わる仕事をしている人ほど、憤るのを止めるべきです。責任感やプレッシャーでは、何も改善しません。それに、いまさら改善といっても手遅れです。多分、原因を追究して対応は無理でしょう。これからも定期的に障害を起こすことでしょう。ダメなのを分かっていて憤りをぶつけるのは、弱いものを叩いて悦に入るようなものです。事態の改善には繋がりません。

銀行業務といえば、社会的に重要な業務です。本来であれば、システムを止めずに運用できるべきでしょう。しかし、N〇〇やらH社やら、日本の名だたるIT企業が多く携わっているにも関わらず、今回のような有様です。多分、今の日本の技術力でM銀行レベルのシステムを、社会的な要求を満たすレベルで運用するのは難しいでしょう。今回はM銀行でしたが、他の大型銀行や行政機関もN〇〇やらH社やらが関わっている限り、似たような状況です。これから、システム障害が起きないようにするではなく、システム障害とうまく付き合っていけるような社会の仕組みが求められるのではないかと思います。

セキュリティー上の制限も多いでしょうし、組織が大きいことでしがらみも多かったことでしょう。むしろ、責任感やプレッシャーだけで最小限の障害で留めてきた訳です。苦しい状況の中で頑張ってきた現場のエンジニアには、むしろ賞賛を送りたいです。ただし、多現場がひっ迫していた影響でロクな技術的な訓練がなされていないことでしょう。苦労は称えますが、技術力は現場依存のものと言わざるを得ません。これが、会社全体で技術を軽視した報いかもしれません。上層部の方々は、顧客に謝るのもそうですが、スキルを伸ばす機会を奪われたエンジニアにも、何等かの謝罪をするべきかと思います。

肯定的に見たとしても、状況は絶望的でしょう。国内のIT企業も入札に勝つことしか考えていないです。技術を売っているにも関わらず、技術に全く関心がありません。人を育てずに、仕事を下請けに丸投げするだけです。やり方としては腐っていますが、資本主義という視点で見れば、儲かっているので正義として成り立ってしまいます。世の中がそのように回っているので、M銀行に限らず、これからは行政機関などでもシステム障害や情報流出が増えることでしょう。もう、個人レベルでどうこうというより、社会の流れとして現状を受け入れるしかなさそうです。今の日本にはITで社会基盤をささえる土台が弱いのかもしれません。どうにかするなら、その土台の弱さを社会的に認識するところからではないでしょうか。

個人的には、M銀行よりも、下請けで何もせずお金だけ回してたN〇〇やらH社にも行政処分が下るべきだと思っています。

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