地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

コミュニケーションの難しさ

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 先日の話ですが、縁あってとある Web セミナーを行う機会に恵まれました。個人的にはコミュニティなどのイベントなどでも話す機会はありましたので、話すことそれ自体はなんとかなっていたりします。ただ今回は完全にオンラインでのセミナーということもあり、普段とは異なる体験に恵まれました。

 実際にやってみて感じたのは、話を聞いている人の反応が見えないというのが、非常に難易度をあげている点です。通常であれば、聞いている人の反応を見ながら声の調子や体の動きなどを変えたりするのですが、オンラインの場合はそれができません。コメントなどの反応にしても、実際の空気感が感じられませんので、この人はどういう気持ちで反応しているかというのが見えないのです。

 今回行った Web セミナーでは、一通り話し切り最後にコメントに対して回答していくスタイルで行っています。そのスタイルだったこともあり、やはり一方的にこちらから喋りかけている形になってしまっています。実際に自分でやってみて初めて、いかにこのスタイルでやることが難しいかを体感できました。

 自分がこういった場で話す際ですが、7 割くらいは練習を行って形を作っておくのですが、残り 3 割くらいはその場でのアドリブでやることが多いです。実際に話し始めて勢いで内容を追加してみたり、反応が薄いようであれば別の話題に切り替えることもあります。そうすることで、できるだけ聞いてもらっている人達にも眠くならないようにしたいと思っています。まだまだそのような場面で話す腕前は成長途中ですので、そこまで良い結果は出せていませんが、話す機会に恵まれた際はできるかぎり努力をしていきたいと思っています。

 また、自分が聞く側になった時に感じるものとして、話す口調が一定の場合はものすごく眠気を誘う、その点が気になることがあります。自分自身も意識しないときはそのようになることがあるのですが、常に同じ感じで抑揚が感じられない話し方をされると、聞いている側は非常に眠くなってしまいます。話されている内容が興味をひくものでなかれば、なおさらその効果も倍増します。

 あくまでも自分の場合ですが、そういった眠さを少しでも緩和させたいと考えますので、できるだけ歩き回ったり体を動かしたり、また話すスピードも場面場面で調整するなど同じペースで淡々とやりつづけないように、聞いている側につまらないと思わないように少しでもやり方を工夫しようと思っています。

 ですが今回のようなオンラインの場合では、話し方を工夫することしかできないので、正直なところ難易度が高かったと感じています。無意識で手を動かしていたりしますが、その様子は配信していないので何も意味がありません。あくまでも、話し方ひとつでうまく行わないといけないのです。これはこれまでには体験していない出来事でした。

 Web セミナーの放送が終わり、ふと感じたことがあります。それはコミュニケーションというのは、本当に難しいものだということです。今回のように自分の声は伝わるけども、相手からは文字でしかない場合は特に顕著で、どういった感触を持たれているかが全くつかめません。現在では特に、SNS 系などと同様に文字だけのコミュニケーションの場面は増えていますが、これも同じ問題を抱えていると感じます。

 文字だけのコミュニケーションの場合、実際はそうでもないのに堅苦しいイメージというか、相手が非好意的な感触を持ってるように感じる場面が増えるのだと思います。このような場面に出会うと、やはり文字だけのコミュニケーションの限界を感じます。ビジネスの場面などで、硬めの言葉使いとなるとなおさらにそう感じるのではないでしょうか。

 こういった事を考えると、オンラインとなって場所を問わずに参加できる場面は増えていますが、そこでのコミュニケーションにおいては反対に難しくなったところも増えてきているのではないでしょうか。便利だから、楽だから、というメリットだけにとらわれると、相手の状況を読み取りにくいデメリットに悩むことになるかと思います。

 IT が発達し、コミュニケーションの方法は以前よりも多く増えています。しかし根本的なことを忘れ、便利さだけを追求すると、うまくいくものもうまくいかなくなってしまうのではないでしょうか。今回オンラインでのセミナーを実施してみて、改めてコミュニケーションは難しいものだ、ということを意識していこうと感じました。

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