吉政創成 代表取締役、PHP試験、Rails試験ビジネスOSSコンソーシアム・ジャパン主宰

目指すもの

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 みなさま、はじめまして。

 吉政創成の吉政でございます。

 今年は久しぶりに教育業界にカムバックすることもあり、エンジニアライフコラムに立候補をさせていただきました。

 わたし自身、エンジニアでもないのに、このコラムを書いても良いのか? などといろいろ考えました。しかし自分自身が考え、実現したいことを発表する場がほしく、厚かましくも場をいただいた次第でございます。

 そもそも、自分自身が教育に携わるようになったのは、日本のIT業界の発展のためにIT教育の発展が必要不可欠であると考えたからでした。

 小さなころからIT業界(当時はコンピュータ業界)に進むようにと親から教えられていたので、何も考えることなくIT系の会社に就職をしました。

 入社早々に感じたのは、会社の費用でITの教育を受ける人が多く、自腹で教育を受けている人が少ないということでした。結局、IT業界の教育費用は個人が自身の負担で教育を受けるには非常に高額で、会社のお金で教育を受けるか独学で勉強するかの選択をとる人が多かったように思います。

 そんな中、海外に接することが多い隣の部署は、海外では自分自身に投資をして教育を受ける人が多いらしいことを知り、さらに調べていくと、米国や韓国でのIT教育の費用は日本と比較して相当安いことを知るようになったのです。

 このとき、若いながらも「日本のIT業界を活性化するためには、個人が自由に自分のお金で技術を学べるような環境が必要である。技術者になる方々は知識欲、取得欲が高いはずなので、その環境が整備されれば、もっと優秀な技術者の卵がたくさんIT業界に来てくれるはず」などと考えていました。

 そんな中、初めて出会ったのがノベルのCNEです。この資格は、取得にあたって100万円分のトレーニングコースの受講が必要でした。非常にお金がかかる認定試験だったのです。ノベルが調子のよいときはこの100万円の投資もあっという間に回収できるということで、瞬く間に広まり、かなり合格者を出すことができたようでした。

 CNEはいまとなっては……ですが、当時はビジネス上有効な認定試験で、1つの選択肢としてはありだったと思います。「合格することにより仕事が得られる」というのは認定試験が目指すべき姿です。

 その後、わたしは下記のビジョンを持つようになりました。

  1. 技術に特化した認定試験を高額な受講料金・受験料金を支払わずとも受験できるようにしたい
  2. 合格することで、合格者が仕事を得やすくなるような認定試験にしたい
  3. 認定校が収益を維持でき、健全な教育を継続的に行えるようにしたい

このためには下記を実現する必要があります。

  1. 教材は市販本を採用
  2. 認定コースの受講は必須ではなくする
  3. 認定校の認定料金は格安で行う
  4. 認定試験のブランドを高める

 簡単に羅列した上記4点ですが、A~Cは試験運営側の収益を減らすことになるため、少ない収益で大きな認定試験のブランドを作らなければなりません。これは簡単なことではないのです。普通に考えれば、お金をかけないと、ビジネスの立ち上げが難しいのは当たり前です。しかも、今回、わたしたちが発起したPHP技術者認定試験は日本発の認定試験なので、ブランド自体は自分で立ち上げていかなければなりません。

 このチャレンジこそが、わたしのライフワークである日本のベンチャービジネスの活性化につながるのではないかと考えています。

 起業するにはいくつかのパターンがあります。

  1. 開業資金は0円。1人で独立をするが、株式会社化はしない
  2. 開業資金は極めて少額で株式会社化はするが、中小企業のまま
  3. 開業資金は極めて少額でベンチャー企業として開業し、社会的な影響力を持つことを目指す
  4. 開業資金をある程度確保しベンチャー企業として開業し、社会的な影響力を持つことを目指す

 わたしが行いたいのは「c」です。アイデアと実力があるのに資金が足りず、起業できない方が多いように思えます。このハードルを自分自身の実績にて少しでも下げたい。少ない開業資金でも大きな影響力を持つベンチャー企業を立ち上げる方法を実証したいと考えています。

 今年の4月に立ち上げた吉政創成もまさにその実践になります。開業資金0円ではじめ、半年後に5円の資本金で株式会社化しようとしています。

 PHP技術者試験はNPOとして立ち上げます。なので自分自身の収益はおいておき、社会貢献を第一義に、小額の開業資金で成功させたいです。吉政創成は、少ない開業資金で社会貢献と社員・役員の収入の増大の両立を目指します。

 お金をかけなくても成功できるベンチャー企業。

 これを目指しているのです。

 吉政創成についてはアイティメディアで連載している「ベンチャービジネス千里眼」で書いていきます。PHP技術者認定試験やそのほか、教育関係のビジネスについてはこのコラムで書いていきたいと思いますので、ご興味がある方はぜひご覧いただければ幸いです。それでは、みなさま、今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

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