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@ITドラマ「残業課長 和久原アトム」第8話:残業課長はトーフとニシンを食う

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@ITドラマ 「残業課長 和久原アトム」

[第8話]残業課長はトーフとニシンを食う

 オレは、和久原アトム。小さなシステム会社で課長をしている。

 人はオレのことをこう呼ぶ。

 「残業課長、和久原」

 新人の「がっきい」こと酒田ノリコと、その教育担当の朝田が休みなのに、トラブルが発生だ!

 「わ、和久原課長、たたた、大変です!!」

 血相変えて、安須がやってきた。

 「おまえが慌てるなんて、相当やばい状態なのは分かった」

 「これはかなり大変なことになるかもしれません……」

 「大丈夫だ! オレにまかせろ!!」

 「ほ、本当に大丈夫でしょうか?」

 「あぁ、大丈夫だ! それより、にっしーひでみ、あと、さとっちも呼んでくれ! 和久原が助けてほしいっていやーきっとあいつらは来る」

 「は、はい」

 結局、昼から夜までずっと対応してなんとかなった。

 「お疲れさん! よし、みんなでメシ……あ、今日はいいや。ちょっとオレ、用事あるから、ここで解散!」

★☆★

 「お疲れのようだね?」

 ここのマスター、バー「デスマーチX」のマスターは、元エンジニアだけあって察しがいい。

 「昼食えなかったからなぁ。何にするかなぁ……」

 「トウフとニシン、でしょ?」

 不意にオレの隣の席に誰かが座ってそういった。

 「あ、モリメグ!」

 「お疲れさま」

 「それと……、マスター、あたしはいつものー! ワッキーもいつものー! ね?」

 「あんたも久しぶりだねぇ。あいよ、いま作るよ」

 最悪だ……。今日ぐらいゆっくり1人で疲れを癒したかったのに。

 「ねえ」

 「なんだよ」

 「あのトラブルを半日で片付けるなんて、さっすがよね」

 「まあな。そっちはなんとかしたのか?」

 「あたしを誰だと思ってるの?」

 なんだ、結局、両方ともなんとかなったのか。

 「ねえ、あのセリフ、今日使ったんでしょ?」

 「しらねーよ」

 その瞬間、モリメグのデコピンがオレの頭に炸裂した。

 「あはは、安須くん、言ってたよ。課長はとにかくすごかったってさ」

 「別に、オレはなにもやってねえよ」

 「そういえば、あんときも、あんたはいってたよね。

 『大丈夫だ!オレにまかせろ!!』

 って」

 「……」

 「ねえ、どうしてあの時、あんなことになっちゃったんだろう。」

 「知るか!」

 そこに、マスターが申しわけなさそうに、入ってきた。

 「はい、おまちどうさん」 

 10年前と同じドリンクが2人の前に出てきた。

 「よーし、じゃあモリメグとワッキーのコンビ再結成を……」

 「かちょー!」

 今日の主役達に加えて、酒田と朝田も入ってきた。

 「あー、もうちょっと時間ずらして来るように言っておくんだったぁ-!」

 朝田と酒田の2人には言いたいことが山ほどあるが、とりあえず今日は「がっきい」ってなんだか聞いておくか。

※このドラマは、作者の体験を元にしたフィクションです。

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