社内SEの実態を公開

ブルドーザー

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 どうもです、すごく久々のコラムです。最近何かと忙しくて……。今月のお題が「これまで出会ったひどい上司」ということで、わたしの思い出の上司のことを書きたくなり、時間を作って書いてます……。

■10年前

 わたしは小さなITベンチャーの社員でした。客先に呼ばれてトラブル対応し、帰りに喫茶店でサボって適当に過ごしてたSEでした。心がけていたのは、客先になめられちゃいけないと思って、なるべく堂々と振舞っていたこと。内心ドッキドキでしたが……。

 ある日、某企業の案件の話がきました。わたしのいた会社から何名か常駐しているのですが、大分トラぶっているとのことで助っ人として一時的に借り出されたのです。

 そこの常駐先の上司ですが、まあとんでもない人です。

 怒る! 怒鳴る! けなす!

 例えば、会議中に「お前、これ説明してみろ!」と突然ふるのですが、そこで答えられないと、

 「お前そんなこともわからないでここにいるのか! 出てけ!」と怒鳴り散らす……。

 またあるときは、プレゼン用の資料にちょっと不備があるのを見て

 「お前どんな教育をうけてるんだ! 頭悪いんか! やり直せ!」とボロ糞に責めまくる……。

 そこの部署の人達は大変。その上司の恐怖政治のせいで、ノイローゼやら、欠勤、逃亡……。

 「とんでもねー職場だ……。常駐したら地獄だ……」

 そのときは、ささっと別案件にシフトしてうまく逃れたのですが……。

■9年前

 それから1年位たち、相変わらず客先に訪問する適当なSE生活していたある日……。

 会社に戻ると、

 「悪いけど、明日から〇〇に行ってくれ、先方の指名だ」……。

 終わった……。何もかも終わった……。わたしもあの恐怖政治に耐えなくてはならないのか……。奴はパワハラが服を着ているようなものだ……。

 どうやら前々任者が逃亡、その後任者がギブアップとのことらしい。運の悪いことに、昔のわたしの動じない態度が気に入ったらしい。

 断ることも考えたが、当たって砕けろ! 嫌だったら会社辞めれば良いし! 腹をくくって、地獄の常駐生活が始まったのです。

 そこの上司、社内でもかなり独特な人で有名。

 自分の気に入らないことは許さないタイプ。

 最初に同席した会議ではベンダの営業に対して、

 「おまえんところのサーバ、すぐ故障するじゃないか! 告訴すんぞぉ!」

 ……目が点でした。

 もう毎日が嫌で嫌で、早く自社に帰りたい、もう辞めたいと思っていました。体調も優れず、緊張で便秘気味がずっと続いていました。

 右も左もわからず、誰も業務を教えてくれず、質問すると怒られそうだし……。しゃーないので、自分で地道に調べて、失敗はごまかしながら、なんとか生き延びていました。

■転機

 トラぶって動かなかったシステムを何とか動かしたあたりから様子が変わってきました。

 その上司が褒めてくれたのです。認めてもらえたのです。

 このときは心の底からうれしかったです。

 知らない場所、知らない業務、知らないシステム。担当はわたし1人。

 孤独に耐えた甲斐がありました!

 自社に戻って報告し、労をねぎらってもらえました。自社に戻どれるよう交渉してもらるとも言ってくれました。ほっと一息です。

 次の日会社に行くと、その上司は上機嫌です。

 1カ月くらい平穏無事に過ごして、自社に戻ろうと思っていたのですが、

 「おい、このシステム評判いいから横展開するぞ! まかせとけ! 絶対に仕事とってきてやる!」

 ……えっ……もう自社に戻るんですけど……

 そっから、みんなでわたしを自社に戻そうと、自社の人達が交渉してくれたのですが、どうしても首を立てに振らなかったそうです。

 しょうがないので、ある日、

 「もう自社に戻らなくてはならないので、長期のプロジェクトはできません」と切り出しました。

 その上司は口を開き、

 「お前にはもっと大きな仕事ができるはず。お前の所の会社では無理。会社辞めて、こっちに来い!」

 あの厳しい上司がそこまで言ってくれるのは正直うれしかったです。

 でも、気楽なSE生活でも満足してたし、そんな大役務まるのかなぁ……。

 転職するかどうか相当悩みました。悩んで悩んでいたある日……常駐先に行くと、みんなの様子が変でした。

 「〇〇さん昨日突然亡くなったの……」

 ……えっ? どういうこと? 亡くなった? 昨日電話では元気に話したんだけど……

 理解できないというか、受け入れられないというか……わけもわからず、訃報を聞いて電話してきた人に対応するしかなかったのを覚えています。「何にも考えられない」という状態になったのは生まれて初めてだったかも……。

 その当時、わたしは自分と上司の間でしか仕事を見ていませんでした。後から聞いたのですが、システムを横展開させるのに社内の説得、根回しなど相当いろいろしていて、わたしのこともいろいろ相談してくれていたとのことでした。へっぽこSEの私は、システム開発が決定した後しか知りませんでした。自分の信念を貫くために、だいぶ無理をしたのかも知れません。

■現在

 ……あれから10年。今のわたしは常駐先に転職し、彼が残したシステムの再構築の責任者になることができました。改めて痛感しているのは、「システムを作る」って決定するまでには面倒な社内調整が多く、周りを説得するのが大変だと言うことです。

 あの上司の事は今でも思い出します。とんでもない人だったと……。

 でも、あの人ほど仕事に対して熱かった人もいません。まるでブルドーザーみたいな人でした。

 良い面、悪い面、確かにあった人でしたが、何かをやり遂げるためには多少ゴリ押しすることも必要だと思っています。やり方は人それぞれですが。「告訴すんぞぉ!」とまでは言えませけどね……。

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コメント

第3バイオリン

とみーさん

はじめまして、コラムニストの第3バイオリンです。

なんだか、ドラマみたいなお話ですね。

とみーさんは、「なめられまいと堂々と振舞っていた」とおっしゃっていますが、
もしかしたらその上司の方も、会社の人や取引先になめられまいとして、
虚勢を張っていた部分があったのかもしれませんね。
(それでもやりすぎだとは思います)

とみー

第3バイオリンさん

コメントありがとうございます。
確かに、おっしゃる通り、あの上司もかなり虚勢をはっていたと思います。
私は自己防衛のためだったのですが、よく考えたら同じですね(笑)

読んで頂きありがとうございました。

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