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ネットの自由、著作権、良質なコンテンツの問題と海賊

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サーチマン佐藤です。
こんにちは。

突然ですが、私は、
今年度から新聞とるの止めました。

今まで、いくらネットで情報がとれると言っても、
そのネットの情報元の多くは新聞で、
無料は気がひけたからです。

苦労して取材する記者にも、
多少は、リスペクトを持っていた。

しかし、最近の論調が、
あまりに自分勝手でバカバカしくて、
事実さえ報道しないこともあるし、
お金払う気なくなりました(苦笑)。


逆に今、私が、
お金を払いたいと思っているのは、
漫画家の先生です。

漫画、面白いですから。


しかし、漫画は海賊版サイトの横行で、
最近の子供たちは、
無料で読むことを当然としているとか。

そうなると、
漫画家の先生の収入が減るのですが、
一方で、海賊版サイトは、
広告収入がある。

おかしな話です。


おかしな話ですが、
これは、なかなか難しい問題です。

最近、政府は、
規制に乗り出しましたが、
しかし、これを政府がやっていいのか?
という問題もあります。


当り前ですが、
ネットの自由は保障されるべきだし、
検閲も禁止されるべきで、

政府がネットの規制に乗り出したら、
最終的には、中国のように、
YouTube禁止とか、
特定の言葉で検索できないとか、
おかしな世界になりかねない。

かと言って、
著作権無視の世界もよくない。

非常に難しい。


あっ、ここで、アナタは、
思うでしょうね。

「その漫画をアップしているサイトを潰せ」と。


確かにそうなのですが、
その海賊版サイトも悪知恵が働いてて、
漫画がアップされているのは、海外のサーバー。

海外には、著作権のない国もあります。
日本から、なかなか手が出せません。

海賊版サイトの言い分は、
その海外サーバーにリンクを貼っていたら、
「いつの間にか、たまたま、
リンク先の内容が漫画になってました」と。

そんなわけ、無いんだけどね。

そんなわけ無いけど、
そんな可能性が無くはない。

いや、気持ちはわかりますよ。

そんな(リンクだけの)海賊版サイト、
ぶっ潰せと、私も怒りたくなります。


しかし、一般的に言えば、
リンク先のコンテンツの責任を、
コンテンツが変わることも含めて、

リンク貼った側に問うのは、
さすがに、無理ゲーです。

だから、難しい。


結果、その間隙をついて、
海賊版サイトは横行し、

政府は、大手のネット接続業者に、
特定の海賊版サイトへの遮断を求めた。

それが、今の状況。


この状況は、もちろん一時的なもので、
今後、どうなるかわかりません。

さらに規制が強まるのかもしれないし、
漫画の作り手がいなくなるのかもしれない。


ネットの自由を愛し、
著作権を尊重する私としては、
非常に心配ですよ。

本来なら、こういう大事なこと、
国会で審議して、
きちっと法律作って欲しいですが、
あの状況でしょ。


いや、法律だけに頼ってないで、
何か技術的に解決できないか、とも思う。

例えば、ブロックチェーンの応用とかね。


とにもかくにも、
法律だろうが技術だろうが、
結果的に、

「ネットで自由に発信できる」
「著作権が守られる」

この二つをなしてこそ、
良質なコンテンツがどんどん出来て、
さらに、いい国になる。

良い循環だ。


反対に、悪い循環は、
「ネットで自由な発信が規制される」
「著作権は無視される」

まさに、暗黒世界ですよ。

もちろん、それは漫画に限らず、
我々の世界も同じ。


どうしたらいいのでしょうね?


法律や技術もあるでしょうが、
私に言わせれば、
結局、使うのは人間だと言いたい。


法律や技術も、
それがどんなに素晴らしくても、
結局は、「民度」に由来する。

わかりやすく言えば、
「日本人らしさ」に由来する。

そう。


勤勉な職人気質。
職人を敬う風潮。
清廉な道徳心。
公平で無私な心。


話は少し脱線しますが、
例えば、明治維新です。

明治維新を成し遂げたのは、
大河ドラマ的には、そりゃ、
「西郷隆盛」「坂本竜馬」ですが、
結局は、「民度」でした。


明治に日本を訪れた外国人の多くは、
日本の「民度」に驚いています。

例えば、ドイツのシュリーマン。
日本に入国する際、
荷物検査が面倒で、役人に賄賂を渡した。
しかし、その役人は
「日本男児たるもの、自分の義務を賄賂で汚せない」と答え、
その高潔さを称えられました。

イギリスの イザベラ・バードは、
「私達の最も良いマナーも日本人のマナーの気品、親切さには及ばない」と。

エドワード・S・モースは、
「人々が正直である国にいることは、実に気持ちがよい」と述べ、
本国に帰りました。


明治には、全く新しい法律と技術が、
数多く導入されました。
それを支えたのは、結局のところ、
国の「民度」です。


今の時代も同じですよ。

新しい法律と技術が導入されても、
それを支えるのは、「民度」になる。


しかし、だ。

「政治家なんとかしろよ」
「技術で解決しろ」
「でも、俺だけフリーで読みたい」
(↑もちろん、これが最悪の最悪)

他人任せで無自覚の、
この風潮にこそ、
私の本当の危機感があります。


もちろん、私自身、
エラソーに言う資格もないし、
気恥ずかしいけど、

それでも、
自分自身に問うてみよう。


長い目で見たら、
「民度」の高い国がどれほど強いか、
どんなに清々しくて、気持ちいい国になるのか。

「企業は人なり」と言いますが、
「国も人」です。


いや、国というレベルでなくてもいい。
身の周りに思いをはせてみる。

勤勉な職人気質。
職人を敬う風潮。
清廉な道徳心。
公平で無私な心。

日本には、まだまだ残っているでしょ。


今後、法律や技術も整備されるでしょうが、
その前提として、
各自が少し自覚すること。

それが揃ってこそ、
著作権を尊重し、
(我々技術者も)安心して開発し、
自由な発信もできて、
いい国になる。

気持ちいい社会になると思いますよ。


以上、最近のニュースに鑑み、
思ったことです。

ではでは、
またお会いしましょう。

ありがとうございました。


●追伸
「日本人らしさ」と言いましたが、
勘違いしないでくださいね。

桜の散り際に切なさを感じる。
疲れて風呂に入りたくなる。

ステーキもいいけど、
味噌汁とご飯が恋しい。

四季の移ろいに心が癒され、
今日も仕事を頑張る。

そんな日本人らしさですよ。

もどかしさもいっぱいあるけど、
私、やっぱり日本が大好きなのです。

  

 

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