Rationalの開発プロセスやツールの有用性を本音で語ります。

エンジニアがPCの買い替えを決意するとき

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 前回の自動テストの話からずいぶんと間が開いてしまいました。

 僕自身も昨今の経済危機に巻き込まれ、オフショア推進部門に異動したり、その後パフォーマンスが微妙ですぐ現場に戻ったが、この経済状況から仕事がなく、長らく派遣村の人々のような暮らしをしたりとごたごたしておりました。

 今回はちょっとRationalから離れて、僕が去年PCを買い換えた経緯とその理由をお話したいと思います。理由は若干Rationalがらみです。

 学生時代には今はなきNECのPC-98シリーズを何台か購入し、ハードウェアの改造にも力を入れていたのですが、会社に入って逆に毎日PCを触るようになるとハードウェアに対する興味は失せてしまって、長らく会社貸与のThinkPadを使用しておりました。

 この会社貸与のThinkPadがとんでもなく重量があるもので、そのままカバンに入れて持ち運ぶときには大リーグボール養成ギプスなみの筋力が必要とされるものでした。一昨年、プロジェクトの関係で中国の成都に出張したのですが、このときは何とかこのThinkPadを持っていきました。

 しかし、去年の9月、ちょうどオフショア推進部門(弊社ではオフショアといわず、Global Deliveryと呼んでいますが)に異動した際、僕の専門のテスト分野でオフショア先としてブラジルを検討したい、というお客様へのご提案をサポートするために、ブラジルに出張することになりました。

 さすがに27時間かけて地球の裏側行くのに、大リーグボール養成ギプスは装着できません。しかし、昨今の経済事情やセキュリティの事情もあり、新たな社内PCの配布は凍結されていました。個人所有のPCの業務利用はいろいろと制限はあるのですが、これはたまらんということで許可を取り、自腹でPCを買うことにしました。股引のまま入院した前回から相変わらず、彼女いない暦=年齢なので、小金は貯まっているのです。

 そこでもう入社してから8年くらいまったく興味を持っていなかったPCのサイト、特にLenovoのサイトを見てみましたら、最近のPCの進化はすごいことになっていました。IBMはPC事業をLenovoに売却したわけですが、その関係もありLenovoの製品は一般よりちょっとだけ安く(ものによってはかなり安く)購入できるため、第1候補メーカーはLenovoとしました。実家ではVAIOを使っているので、まあ個人用なら正直どのメーカーでもいいというのもあるのですが、やはり会社でも使うものなので、HPやNECとかだとちょっと微妙ですね。

 20時間以上飛行機に乗ることから、一番恐れたのはHDDが壊れてしまうことでした。それを回避するためのソリューションとしてSSD(Solid State Drive)搭載のモデルがLenovoでも登場していました。SSDはUSBメモリのようなフラッシュメモリーの不揮発記憶装置なので衝撃にも強く、かつ最近はHDDをはるかに凌駕する高速性を持っていて携帯が必須となるノートPCにとっては最適のソリューションだと思います。PC-98ノートから本格的にプログラミングを始めた僕としては、懐かしのRAM Driveやシリコン・ディスクを思い出し、胸が熱くなりました。

 で、スケジュールも押し迫っていたので、購入したのは2008年9月当時SSD搭載モデルとしてLenovoのサイトにあったThinkPad X300です(今は後継のX301が販売中です)。SSD搭載モデルということ以外にLenovoがプレミアムモデルとして開発したというだけあって結構高価だったのですが、軽量性、キーボードの質感、SSDの高速性・静粛性(当たり前ですが音がしません)、全体の仕上げなど、今まで使っていた社内配布のThinkPad R52をすべての面で凌駕していました。1つ前のT61やX61を使っていたブラジルの技術者たちもX300を見て驚いていました。

 ……というのは嘘で、1つ困ったことがありました。重量が大幅に軽くなったのはよかったのですが、ディスプレイが13.3インチで解像度が1440×900と、ThinkPad R52の15インチ、1024×768に比べると大幅にドットピッチが小さくなり、文字が見にくくなってしまったのです。

 1日中PCに向かい合っていることが多いSEにとっては、眼精疲労とそれに伴う肩こり、腰痛は職業病ともいえるものです。僕は以前これが悪化して、椎間板狭窄症というヘルニアの1歩手前の病気で3年ぐらい苦しんでいましたので、これは何とかしたいところでした。携帯用のPCとして使うにはよいですが、常用するPCではないと思いました。

 とはいえ、SSDに慣れ、高解像度にも慣れてしまったので、いまさらThinkPad R52に戻ることはできません。最近のPCは画面比が16:10や16:9になっています。以前、4:3のPCをメインに使っていたときにはこのメリットがよくわからなかったのですが、いざ使い始めてみると以下のメリットがあること分かりました。

  • EclipseやRational Application Developerで左右にビューを開いてもメインのビューが手狭にならない。80行ぐらい表示できる
  • 同じくPowerPointでスライドの一覧とスライドのレイアウトの両方を表示しても、中央が手狭にならない
  • RUP(Rational Unified Process)が見やすい。RUPは左にツリービューがあるが、4:3だとツリービューを表示するとメインビューが手狭になるが、16:10や16:9だと手狭にならない

 ということで、ワイドかつ大画面かつドットピッチがある程度大きいということで、2台目としてThinkPad T500を購入してしまいました。なんと、10年間もPCを買っていなかったのに、1年で2台も買ってしまいました。

 15.4インチだけあってさすがに画面が大きいです。当初、値段の関係上HDDモデルを購入したのですが、やはりSSDのThinkPad X300と比較すると、HDDの分だけCPUのパフォーマンスを出せていないようでしたので、2009年に入ったらIntelの高速SSD X25-E Extremeを購入してしまいました。IntelのSSDは各所でその高速性が紹介されていますが、期待を裏切ることのない安定性と高速性を誇っていました。ただ、すでにX300でSSDを味わっていた僕はそれほど劇速とは思わなかったのですが、HDD時代と比べると雲泥の差がありますね。

 で、このThinkPad T500とSSDは今後の現場の開発で活躍するために買ったのですが、最近はマネジメントや提案活動をすることが多くなり、PowerPointとExcel以外はあまり使っておらず、パフォーマンスをいまいち発揮できていない状態です。

 ThinkPad X300は下宿を基点として、各種のイベントや出張用のPCとしました。家だと1日中PCに向かっているわけではないので、画面が細かくても十分実用になります。また、軽いのでベッドで寝転がりながらネットサーフィンなどもできてしまうのがよいです。

 このコラムのネタとしても、このようにして購入した2台のThinkPadでRational Toolsをバリバリに使った自動テストや開発の仕事をしたいところなのですが、まずはお客様に買っていただける提案をしなければということで、提案の日々なのでありました。

 そうしている間にもRationalの面白いツールが続々出てきているので、2台のThinkPadに入れていろいろと触ってみる予定です。次回はそこら辺で何かネタを出せるとよいかなと思っています。

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