ハッカソン等のIT創発イベントを企画するための基礎知識

第07回 ITサービスとは何か

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 企業が使うコンピューターが動いているところを見たことがないので、ITがどういうものか想像しにくい方もいらっしゃいます。

 創発を通じて作り出す「ITサービス」という言葉がこれまで出てきましたが実は定義が難しい言葉です。

ITサービスの例

 SNSは、ソーシャル・ネットワーク・「サービス」の略です。Googleの検索サービスもYahoo!や楽天のサイトで受けられるものも、オンラインゲームもITサービスです。インターネット・バンキングやオンライン証券、役所の電子申請システムもITサービスです。
 何か自前で情報コンテンツを持っている場合もありますが、
そうでない場合もあります。インターネットの接続事業者(プロバイダー)もITサービスです。
 
 Wikipediaの定義はこんな感じです。
「ITを利用する顧客のビジネスを支援するIT機能の集合体である。」

サービスは無形

 工場で生産される物は「製品」と呼ばれます。「サービス」は製品とは異なり、形がありません。「非物質的生産物」です。
 コンピューター製品には「ハードウェア」と呼ばれるものがありますが、「ソフトウェア」がサービスなのでしょうか。慣習上、ソフトウェアは無形ですが製品と呼ばれます。
 コンピューター・ベンダーが提供するソフトウェアは、最初はハードウェアのおまけでした。
 ソフトウェアとして独立して発売されるようになってからも、媒体(フロッピー・ディスクやCD-ROM)と説明書を箱に詰めて売っていましたので形がありました。
 昔は企業向けにソフトウェアをパソコンに入れてから納入するとき、ソフトウェアの箱や分厚い取扱説明書も一緒に渡していました。パソコンが30台あれば空き箱が30箱。「こんなゴミいらない」と怒られたのが懐かしいです。
 
「インターネット技術を用いた情報処理の仕組みを自分以外から使ってもらう状態にしたもの」
と理解してもらえば結構です。必ずインターネットを使わなければならないわけではありませんが、インターネット時代に発展した技術を使うことで、媒体を買ってこなくても通信を使って使えるようになっています。
 

補足 

1. 業界の人は、IT活用に関連した人の活動のことをITサービスと呼ぶこともあるので混同しないようにしましょう。
 ITサービスのデリバリーをしています、というのはインターネット・アプリの宣伝をしていますということではなく、ITの計画、設計・開発、保守の現場で働いています、という意味です。
 
2. 要求をいつでも受けられるように動き続けられるように作る待ち受けプログラムのことをサービスと言うと教えてくれる業界の人もいますが、要求が発生したらそのときだけ起きていればいいというサービスが登場しているため、今では正しくありません。
 
3. サービスには、共通する特性があるとされています。
・形がない
・品質に影響するコンディションが複雑 (同じように生産しても品質が一定ではない)
・生産とともに届けられる
・貯められない
 
マッサージ店や床屋の「施術」のように、人の頭脳と肉体、経験と勘によるカスタムメイドがサービスの主流だった頃の定義なので合わなくなってきています。技術革新により、人間と機械、現実と仮想が社会の中で入り混じるようになると定義に当てはまらないものが増えてくると思われます。
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