知的エンジニアライフの方法 (5)休み方

2012/04/25 8:45:00

■あなたの休日は、輝いているか?

 ゴールデンウィークを目前にひかえた今、エンジニアのみなさんに1つ質問を投げかけたい。ゴールデンウィークだけに限ったことではないが、あなたの休日は輝いているだろうか?

 このシリーズの最初の回で、わたしはエンジニアを仕事としてではなく、生き方としてとらえた。そのようなライフスタイルとしてのエンジニアに、休息というものはない。なぜなら、エンジニアとしての生き方を休むことは、自己否定につながってしまうからだ。だから我々は死ぬ瞬間までエンジニアであり続けるのだ。

 それなら、なぜここで休み方を論ずる必要があるのだろうか。ポイントは質問の中にある。「輝く」ためにはエネルギーが必要だ。休日といえども我々は平日に使い果たしたエネルギーを回復するのではなく、さらにエネルギーを消費することになる。しかしこのエネルギーの消費と引き換えに得るもの。それこそが好奇心駆動で生きるエンジニアのパワーの源なのだ。

 一般的に休日は「オフ=休暇=プライベートな時間」のことで、「オン=仕事」の反対語として定義される。「オンとオフ」というと、たいていの場合は、仕事とプライベートの切り替えを思い浮かべる。しかし、そのスイッチは意味のあるものなのだろうか?

■ハレとケで考えよう

 「仕事vs.プライベート」という構図は、しょせんは日常生活の中での話だ。しかし我々はもうひとつ違う次元のスイッチを持っている。それは、日常と非日常を切り替えるハレとケのスイッチだ。

 実は、このハレの日こそが、我々に必要なものなのだ。エンジニアにとってのオン・オフとは、このハレとケのスイッチを切り替えることに他ならない。仕事とプライベートを切り替えたところで、日常生活におけるプライベートな時間とは、実はいつも同じことの繰り返しで変化に乏しいルーチンワーク、なんてことも多いのではないだろうか。恋人ができたり、結婚したり、子供ができたりすれば、しばらくは非日常的な気分でいられるだろうが、それもいつしか日常的なものになってしまう。

 変化の乏しい日常が続くと、我々はストレスを感じ、どこかで発散したくなる。しかし、仕事帰りに酒を飲んでも、それは既にルーチンに組み込まれた日常であり、それすらがストレスを増幅させる原因になったりもする。もっと根本的な対策が必要なのだ。

 そこで我々は、日常からの脱出を求める。我々には、ハレの日が必要なのだ。

■そこで何を得るのか

 もともとハレの日とは、変化の乏しい日常の中で、永遠に繰り返すのではないかと思われる退屈な毎日から解放されて、ハメをはずせる数少ない機会としてつくられたのだろう。そこに「休息」という意味は見いだせない。祭りに必要なパワーを思い浮かべれば分かるだろう。あるいは正月の豪華なお節料理。除夜の鐘。富士山頂で初日の出。このように、むしろ日常よりも莫大なエネルギーを消費して楽しむのがハレの日なのだ。

 ハレとケの切り替えで求められるのは、疲労の回復というような、何か失ったものを取り戻すことではない。そうではなく、今まで持っていなかったものを新たに得ることなのだ。補充とか回復ではなく、新しいものの追加。ハレの日を体験することで新たな力を得て、新たな自分に生まれ変わる。だからこそ、ハレの日は人生や季節の節目のタイミングで行われてきた。

■非日常へのいざない

 さて、もうお分かりだろう。エンジニアにとってのハレ=非日常とは、新しいテクノロジやメソドロジなどに触れることだ。そのためには、積極的に展示会やカンファレンス、勉強会などに参加するのだ。

 そういう意味では、必ずしも休日である必要もない。カンファレンスなどは平日に行われることの方が多い。そんな時には、エンジニアなら迷わず「ハレの日スイッチ」をオンにするべきだろう。私がまだ会社に勤めていたとき、「これはヤバい! 面白そうだ!!」と心の琴線に触れるカンファレンスを見つけた場合、会社を休んで自腹を割いてでも参加したものだ。

 もう1つ、エンジニアといえどもITとは関係ない非日常に身を置くことも、大きな刺激となる。つまり、普段は接することのない異質な文化や慣習に接したり、心を揺さぶる芸術作品に接することは、自分の思考に柔軟性と新たな視点を与えてくれる。たとえば海外で接するサービスからインスピレーションを得ることもあるかもしれない。あるいは、芸術作品がユーザーエクスペリエンスの参考になるかも知れない。

 さぁ、これがエンジニアの休み方だ。思いっきりハレの日を楽しもう。ピカピカに光り輝く休日を過ごそうではないか。

 それではみなさん、よい休日を!!

もっとコワーキングスペースを!

2012/04/13 8:11:10

■肩ひじ張らずに利用しよう

 コワーキングとは、仕事場を共有して働くことだ。しかし、あまり難しく考える必要はない。合コンではないのだ。いきなり気の合うパートナーを見つけて一緒に仕事ができなければ負け、というわけではない。あくまでも、場所を共有するのが始めの一歩だ。その中で、ひょっとしたら意気投合して同じ目的に向かって一緒に歩き始める人と出会えるかもしれない。しかし、それが唯一の目的というわけではないのだ。

 だから別に、積極的に交流しようとしなくてもいい。自分の作業に集中したいときは集中する。そして、ちょっと息抜きしたいときに、一般的な企業のオフィスのあちこちで自然にコミニケーションが発生するように、自然な展開で会話が始まれば、それを楽しむ。そんな感覚でOKだ。

■スローな出会いの場

 そのような会話は、それほど急速には起こらないかもしれない。会社でも学校でも、何度か顔を合わせるうちに少しづつ打ち解けて親しくなっていくものだ。それはそれでいいではないか。

 社内にこもりがちなエンジニアにとっては、まずは展示会やセミナーや 、あるいは勉強会のようなイベントと同様に外の空気を吸う貴重な空間を提供してくれるものと考えれば十分だ。そうやって何度も通って何度も顔を合わせて、ゆっくりとした出会いを楽しめばいい。

■「ドロップイン」から始めよう

 だから、理想的なのは、そのスペースを継続利用できるプランを使うことだ。しかし、大抵のスペースでは「ドロップイン」と呼ばれる1日単位とか時間単位での利用可能なプランも提供されている。まずはこれでスペースの雰囲気を何度か体験してみるといいだろう。

 ところで、現時点では、このようなスペースは大都市圏に集中しているのが実情だ。だから、毎日通ってオフィスとして利用するには遠すぎるという人も多いだろう。わたしもそうだ。そういう人にとっても、ドロップインはありがたい。

 また、サラリーマン向けに、平日夜のみ利用できるプランを提供するスペースもあるようだ。ドロップインで体験してみて、場の雰囲気が気に入ったなら、次にはそういうプランを考えてみるのもいいだろう。皆さんも自分に合ったスタイルのプランを探して見ることをお勧めする。

■コワーキングスペースの可能性

 しかし、先ほども指摘したように、地方にはこのようなスペースがまだほとんど存在しない。コワーキングスペースjpをみると、2012年4月12日現在、登録されているコワーキングスペースの数は39件。内訳は北海道・東北2件、関東25件、中部東海3件、近畿8件、四国1件、九州・沖縄2件となっている。関東といっても実際には東京が22件、神奈川2件、千葉1件。

 これは、裏を返せばビジネスチャンスかもしれない。わたしのように、地方で地元のコワーキングスペースを熱望するフリーランスは多いはずだ。地域振興のために、自治体がこのようなスペースをサポートしてくれてもいいようなものだが、どうなのだろう。

 例えば、私が最近利用している馬喰町の「Colormell(カラメル)」は、内装が結構オシャレで女性ユーザーも多いようだ。また、近所にKUMONの教室があって、道端でママさんたちを見かけることも多い。Colormellでは、そこに着目して自分の能力を生かした自己実現を目指しているママさんたちをサポートするようなイベントを開催するとのこと。

 このように、コワーキングスペースは、その性格上、地域密着型のコミュニティを産み出す母胎となる可能性も大いに秘めている。現在は大都市に集中しているが、これから地方へ広がっていくにあたって、地域密着型というのが1つの流れになるのではないだろうか。

■エンジニアの利用シチュエーション

 さて、それでは最後に、われわれエンジニアが気軽にコワーキングスペースを利用するとっかかりとなるシチュエーションをいくつか考えてみよう。

 

◆仕事場◆

 まず、誰でも考えるのがこれだろう。近所にスペースがあるなら、ぜひとも利用を検討してみるべきだ。会社勤めをしていた人が独立して自宅で仕事を始めたときに、よく言われるのが「自宅だと仕事のスイッチが入りにくい」ということだ。スイッチを入れるための場所としては、カフェよりもオフィスに近いこういったスペースは最適だ。また、独立に向けた準備や、社外でのプロジェクトを進めるために、平日の夜や休日を過ごす場として利用するにも最適だ。

◆ミーティングスペース◆

 コワーキングスペースでは、ホワイトボードやプロジェクタが使えるところも多い。つまり、ミーティングスペースとしての利用も可能ということだ。明確に会議室を用意しているところもある。実際、わたしが最初に利用したのは、友人とのミーティング場所としてであったし、共同作業をしているフリーランスのチームが定例ミーティングの場として使っている例もある。

◆セミナーや勉強会の会場◆

 コワーキングスペースでは、よくJellyと呼ばれるイベントを開催する。スペースの名前にJellyを冠したり、特定の曜日をJellyの日として定期的に開催しているところもある。なので、ひょっとしたら無意識の内にイベントや勉強会でコワーキングスペースを利用したことのある人もいるかもしれない。あるいは「勉強会を開いてみたいけど会場はどうしようか?」といったときに、その会場として検討してみる価値もあるだろう。

◆こもり、あるいは開発合宿的なもの◆

 わたしは以前、仕事に集中するためにビジネスホテルのデイユースを利用したことがある。しかし、これはあまりいい手ではなかった。なぜなら、ホテルの部屋は自宅と同じであまりにもプライベートな空間すぎるからだ。籠るなら、パブリックでしかも集中できるところがいい。その点、コワーキングスペースは最適だ。チームでこもるのもアリだ。開発系の会社などで、どこかに環境を変えて「開発合宿」するという話を聞いたりするが、コワーキングスペースを利用すると開発合宿的なことも安上がりに実施できるのではないだろうか。

 さて、いくつかの例を挙げてみたが、これ以外にも無数の活用シチュエーションが考えられる。それは立地条件や季節や曜日や時間帯によっても変わるだろう。いずれにせよ、大きな可能性を秘めたコワーキングスペースが、もっともっと全国的に広がりをみせてくれることを願って止まない。

おしゃれなエンジニアになろう

2012/01/17 17:00:00

■エンジニアと「おしゃれ」の関係とは?

 もちろん、ここでエンジニアが身にまとうべき服やアクセサリーの話を展開するつもりは、まったくない。当然のことながら、頭のてっぺんからつま先まで、モードなファッションでびしっと決めればおしゃれなエンジニアの一丁上がり、というわけにもいかない。そういう話をしたいわけではないのだ。

 しかし、おしゃれなヒトの習慣は、我々エンジニアにとても大切なことを教えてくれる。今回はその点について考えてみよう。

■自分のスタイルを確立する

 例えば、おしゃれに目覚めた少年少女たちは、まずは目覚めるキッカケとなったスタイルを追求する。そこからすべては始まるのだ。「やっぱりストリート系だよね」「わたしは断然ガーリーだわ」「これからはナチュラル系じゃない?」

 ファッションは自分の生き方を映す鏡だ。でも、それは仕事だってまったく同じではないだろうか。どんな仕事をしているのか。どんな気持ちでその仕事に取り組んでいるのか。それは自分の生き方そのものではないか。

 プログラマとしてコーディングに命を捧げるのか、広大なネットを守るエンジニアになりたいのか。それとも強固な土台を作るアーキテクト?

 少年少女たちがファッションスタイルを選んだように、エンジニアも、なぜその仕事を選んだのか、そこで何をやりたいのかが明確になっているべきだ。それでこそ、そのスタイルを追求することができる。

■判断基準はどこから来るのか?

 エンジニアは、目まぐるしく変化するトレンドをキャッチし続け、膨大な情報を消化しなければならない。そこで情報の取捨選択が必要となる。その際に有効なテクニックが、断捨離だ。不要な情報を断ち、いらなくなった情報を捨て、雑音から離れる。

 ここで、最初の「スタイルの確立」が重要なポイントとなる。なぜなら、自分のコアコンピテンシーが固まらなければ、自分に何が必要で何が不要か判断することすらできないのだから。つまり、スタイルを確立することは、判断基準を手に入れることと同義だと言えるだろう。

■トレンドに敏感になろう

 ファッションに目覚めた少年少女たちは、驚くほどの勤勉さを発揮して情報を収集する。さまざまなメディアをウオッチし、街で実例も観察し、友人同士で情報交換をし合う。それらをフィードバックして自分のスタイルをブラッシュアップしていくのだ。

 ITの世界も、ファッションほどではないにしろ、トレンドの変化は激しい。したがって我々も勤勉に情報収集を怠らず、自分のスキルが錆びないように磨き続けなければならない。

■コーディネイトのセンスを磨け

 おしゃれなヒトたちは、いつもさまざまなコーディネイトを試している。そして無数の組み合わせの中から相性のいい組み合わせを見つけているのだ。

 ITシステムにもコーディネイトすべき要素はたくさんある。アーキテクチャ。フレームワーク。製品。サービス。我々も負けずに日々、組み合わせを試してみるべきだ。

■It's Show Time!

 ファッションセンスにしろ、仕事のスキルにしろ、常に磨いていなければ向上しない。おしゃれなヒトは、自分の磨き方を知っているヒトだ。その習慣を仕事に当てはめたとき、おしゃれなエンジニアが誕生する。おしゃれなエンジニアは、常にショータイム(仕事)に備えて自分を磨くのだ。

 準備はいいかな?さぁ、ショーの始まりだ!

お客様が神様なら、システムは神に捧げる供物だ

2011/12/06 10:00:00

■神様はどこの何様?

 「お客様は神様です」とは、もともとは歌手の三波春夫氏が、自分の歌を聴くために公演に足を運んでくれるファンに対してステージ上でいったコトバだ。

 つまり、この文脈で考えると、企業にとって神様と呼べるのは消費者全体というわけではない。

■信者は神様だ!

 三波春夫氏にとってのファン。企業にとってのブラント忠誠度の高いユーザー。これが「神様」だ。

 「一見(いちげん)さんお断り」的な雰囲気を醸し出している店舗にとっての常連さんは、まさしく神様だろうし、例えば「Apple信者」と呼ばれる人々も、Apple社にとっての神様といえるだろう。

 結局のところ、企業にとっての神様とは、自社に友好的な感情を抱く馴染みのユーザーが主体ということだ。信者にとっては企業が神様なのだろうが、神と崇められる企業にとっては、自社の信者こそが神様なのだ。このループ構造が企業とユーザーの結びつきを強固なものにする。

■「オレサマ」は神様ではない

 それに対して、例えば、初めて入った店でサービスが悪いとイチャモンをつけて「お客様は神様なんだろ? お前んとこでは神様に対してそんな対応するのかよ?」とまくしたてるようなヤカラは、ちっとも神様ではない。

 そもそも今の日本人で神を信じているヒトなどどれだけいるだろうか。そのくせ、文句をいうときには自分を神と同一視するのだ。不敬にも程があるというものではないか。

■荒ぶる神々にご用心

 とはいえ、やはり商売をする上では俺様キャラの荒ぶる神様に目をつけられることもある。現代の荒神様は、特にネット上で信じられないくらい冷酷な行動に走ることがある。

 古来日本では、荒神様から危害を被ることを避けるために、恭しく祀る風習があった。現代の荒ぶる神々は、ネットという強力な武器を持っているので、以前にも増して、ご機嫌を損なわぬように細心の注意を払わなければならない。

■神様への捧げもの

 では、一体どうすれば荒ぶる神々からの危害を避けつつ、神様と呼べるお客様を増やしていくことができるのだろうか。

 それは、やはり神様が喜ぶ捧げものを納めるしかないだろう。つまり、質が高く、ユーザーが喜んで使ってくれる製品やサービスを提供するということだ。

 自分自身の経験や、周囲を注意深く観察してみれば分かることだが、多くの場合、神様は値段では獲得できない。どんなに安くても、まずい店には二度と入ろうとは思わないし、不具合でクラッシュしてばかりのアプリは、たとえそれが85円でも評価欄に「金返せ!」と書き込まれてしまう。神様を求めるなら、値段でどうこうしようと思ってはダメだ。

 だから我々は常に神様の声を聴き、自分の技を磨き、神様の不敬を買わないように精進するのだ。

 さぁ、今日も神様を喜ばせるモノをつくろうか!

あなたの職場はアテネ型? それともローマ型?

2011/09/14 11:25:51

■なぜローマは大きくなれたのか?

 古代ギリシアといえば、多くの人はアテネを筆頭とする都市国家を思い浮かべるだろう。そのアテネの全盛期に隣のイタリア半島では新興国としてローマが力をつけつつあった。ローマも最初は都市国家として生まれた。しかし、最後まで都市国家で終わったアテネとは違い、ローマはやがて拡大し、いつしか広大な領土を持つ地中海の覇権国となる。

 そんなアテネとローマの違いは、どこにあるのだろう。そこから、企業や組織が大きく成長するために必要なものが見えてくるのではないだろうか。

■民主国アテネの実情

 アテネといえば直接民主制で有名なこともあり、自由で開放的な国というイメージが強い。しかし実際のところは、アテネにしろスパルタにしろ、古代ギリシアの都市国家は非常に排他的で閉鎖的な社会だったようだ。

 アテネ市民になる方法はたった1つ、アテネ市民の両親を持つこと。つまり、同じギリシア人でもアテネ以外から移住して三代過ぎようと、アテネ市民になることはできなかった。アテネに学校を開き、アテネの文化発展に寄与したあのアリストテレスですら、一生外国人のままだった。

 またギリシア人は、地中海各地に植民を進めた。しかし独立心の強さが邪魔をして母国と植民地との間は、交流はするが他国としての付き合いしかせず、結果として地中海全域を支配する覇権国となることはできなかった。

■オープンなローマ人

 それに対して、ローマ人の開放的なことといったら、あきれるほどだ!

 ローマでは敗者を奴隷化して排除するのではなく、例えば初期のころにはローマ市内に移住させて自分たちと同等のローマ市民権を与えたりしている。

 それだけではない。ローマは最初、王制の国だったが、市民集会が王を選出していたので、終身の大統領制みたいなものだったと考えられる。その王を、新参の部族から平気で選出したりしていたのだ。このようなやり方は市民の帰属意識も強化しただろうし、新しい血を入れることによって社会の流動性を維持することもできた。

 もちろん、真の意味で都市国家から広大な領土を持つ覇権国となるまでには、さまざまな紆余曲折があったにせよ、ローマはこのような開放的な性格故に、発展することができたのだ。

■企業の発展に必要なもの

 国にしろ企業にしろ、成長するには戦略が必要だ。しかし、それ以前の問題として、排他的か開放的かとった組織の性格が重要ではないだろうか。

 例えば小さな企業の場合、それは経営者の性格そのものでもある。そして困ったことに、経営者とはギリシア人と同じく独立心が強く、排他的な傾向を持つことが多い存在なのだ。

 そのような経営者が率いる企業の場合、最初のうちはうまくいくかもしれないが、拡張路線に転じようとした際に、経営者自身の性格が足を引っ張ってしまう。よくある話で、皆さんも実例の1つや2つは思い浮かぶのではないだろうか。

 しかし今のこのIT業界の中で、他の企業との協力なしに何かを成し遂げることはほとんど不可能だ。経営者に限らず、この業界で生きる人にとって、古代ローマ人から学ぶべきことは多い。

もっと職場に音楽を!

2011/08/16 18:34:53

■底知れぬ音楽のパワー

 先日、とある夏フェスに行った時のこと。炎天下のテントサイトに到着してテントの設営を始めた。当日は、天気は良いけれど相当な強風で、テントやタープの設営はかなり難航するものと思われた。

 ところが、予想に反して設営はあっという間に終わってしまった。実際にどれくらいの時間がかかったかは分からないが、あっという間だと感じたのだ。

 設営を始めるとすぐに、テントサイトの入り口付近でウェルカムライブが始まった。私の好きなミュージシャンの演奏だったこともあり、到着早々、彼の生演奏が聴けるというぜいたくに、もうノリノリで風の強ささえ楽しく感じている内に、気が付いたら設営作業が完了していたのだ。

 音楽にはいろいろなパワーがあるけれど、このような、イヤなことやツラいことをフィルタリングするパワーも侮れないものがあるのだ。

■職場はノイズに満ちている

 さて、ひるがえって職場に目を向けてみよう。エンジニアは「考えるヒト」だ。アイデアはほぼ100%職場の外で思いつくものだが、思いついたアイデアをカタチにする過程では、じっくりと考える必要があり、それは通常、職場の中でやらなければならない。しかし、それが快適にできる職場は少ない。雑音が多過ぎるのだ。

 上司からの、プロジェクトやスケジュールを無視した特急での作業依頼。何度も繰り返される同じ質問。他部署からの問いあわせやクレーム。向学心のかけらもない同僚や部下や後輩とのかみ合わない会話。社内政争に引きずり込もうとする陰謀。くだらない噂話。無駄に長い不毛な会議。外部からの営業電話。そのほか、もろもろの雑事。

■音楽は強力な鎧

 そういったノイズを除去するために、音楽は非常に強力な鎧となる。これは、単に音楽を聴いている自分が、外部の雑音から解放されるというだけではない。イヤフォンをして集中して作業していると、そのヒトの全身から「オレに声を掛けるな」オーラが出るようで、周囲のヒトも本当に必要な時以外には声を掛けにくくなるのだ。

■それは殻に閉じこもるのではなく

 このようなことを書くと、コミュニケーションがまともにとれないエンジニアが、殻に閉じこもっている情景を思い描くヒトもいるかもしれないが、そういうことではない。わたしたちは、ヒトが本気で集中したいときに取る、なじみ深いある行動を知っている。それは「籠る」という行動だ。

 例えば合宿なども雑音から逃れ、集中するために籠るのが目的だ。年度末が近付くと、管理職の会話の中でも「来年度の部内の計画を建てなきゃならないんだけど、雑事とかが多くてまったく進まないよ。どっかに籠ってまとめたいよなぁ」なんて声がよく聞こえてくる。

 管理職だって分かっているのだ。自分たちの職場が考えるのに向いていない環境だということを!

■オフィス内で籠るためにスイッチを入れよう

 だから、職場に音楽を持ち込もう。集中して考えをまとめたい時には、スイッチひとつで、自分の席にいながら籠ることができる。そしてここ一番というときのために、最高に没入できるプレイリストを作ろう!

 とはいえ、現実には音楽を聴くことが許されない職場も多いに違いない。その場合は、上司と交渉してみてはどうだろうか。試しに数時間とか、定時終了後の残業時間だけでも許可してもらえないかどうか。

 そこで結果を出せば、職場環境改善の立派な第一歩となるに違いない。

カタチから入る、フリーランスの始め方

2011/06/23 19:31:35

 フリーランスになると、会社員時代には空気のようにあるのが当然と考えていたものが全てなくなる。その代表的なものが名刺だろう。これは、9x5.5cmのカードがなくなるという意味ではない。そこに書かれているほとんどのものを失うということだ。

 会社名、部署、役職、オフィスの住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス、URL。これらのものは、自分の所有物ではないので退職時に持ち出すことは出来ない。退職とともに、それまで掲げていた会社の旗を降ろすと、残るのは自分の名前だけになる。今度は自分自身の旗を掲げなければならない。

 「さて、どんな旗を掲げようか?」というときに、みすぼらしい旗を掲げたいと思うヒトはあまりいないだろう。できるだけ自分をよく見せようとするのではないだろうか。

 ポイントは、「ありのままの自分」ではなく、「あるべき自分」を押し出すことだ。これは別に悪いことではない。そこに向かって努力する原動力ともなるわけだし。

 そんなわけで、今日は、カタチの整え方を考えてみよう。

 カタチを整えるために必要なモノ。それはやはり名刺に載せる情報だろう。会社名、部署、役職だった部分は、屋号や職業に置き換わる。住所、電話番号、FAX番号、そしてメールにURL。このくらいが一般的だろう。

 まずは簡単なところから。ドメインを取って仕事用のメールアカウントを作る。安いところなら、1,000円も出せば.comドメインが取れる。後は無料のgoogle appsで、取得したドメイン名のメールアカウントを作るだけだ。

 Webサイトは、今ならFacebookページで作ってしまってもいいかも知れない。もっとガッツリと作り込みたいなら、Amazon EC2の無料利用枠という手もある。これなら、1年間はタダでかなりのことができるだろう。

 さて、次は住所だ。もちろん、実質的には自宅=オフィスということが多いだろう。しかし「自宅の住所を晒すのはちょっとイヤだなぁ」とか、「ゆくゆくは都心の一等地にオフィスを構えてみたい」なんて思っているなら、ここでちょっと遊び心を出して、バーチャルオフィスを試してみるのも一興だ。

 ちょっと調べてみたら、東京、銀座、渋谷、新宿、六本木でも、「法人登記可能な住所貸し」や「郵便物受取」だけなら月額1,000~5,000円程度で大丈夫だったりする。オプションで「電話転送」を追加しても10,000円で収まるところも多い(ただし、転送時の通話料が別途発生するので注意が必要)。

 まぁ、電話は仕事用の携帯をひとつ用意して、名刺にはそれだけを載せるようにすれば転送も不要となる。FAXも、色々なインターネットファックスのサービスがある。

 このように見ていくと、カタチを整えるのは考えていた以上に低コストで出来るものなのだということが分かる。

 私も気がつけばフリーランスになって半年が過ぎた。そろそろカタチを整えようかと思い始めている今日この頃なのであった(まだ整えてないのかよ?)。

大自然の中でノマドについて考えた

2011/06/03 10:57:45

 以前のコラムで「ニセコリゾートオフィス」について取り上げたことがある。(『この夏、リゾートオフィス計画を』を参照)

 その時は、東京で開かれた説明会の内容をレポートしたものだったが、説明だけでは分からないこともあるだろうと、実際に現地視察に行ってきたので、今回はそこで感じたことを書いてみる。

■ノマドワーカーは「都会の遊牧民」か?

 数年前から、日本でも「ノマド」というコトバが話題に上ることが多くなっている。

 大抵は、モバイル機器やインターネットを活用して、オフィスがなくても、どこでも仕事ができる時代になったというような文脈で語られている。

 しかし「都会の遊牧民」というコトバからもうかがえるように、その活動の場は地理的にかなり制約のある範囲内にとどまっているような印象がある。

 もちろん、客先を定期的に訪問しなければならない営業職にしてみれば、オフィスからは解放されても担当エリアから解放されることはあり得ない。ハードウェアやインフラのエンジニアも、現場を離れることはなかなか難しい。

 そういった意味でも、仕事場はやはり都市部に集中せざるを得ないということか。

■リゾートオフィスはノマドワーカーを都会から解放する

 一方で、そのような物理的な場所に縛られないノマドワーカーがいることも確かだ。

 例えば、昔からノマドワークを実践していた職業を考えてみよう。作家や画家など、クリエイティブな仕事は一般的に物理的な場所に縛られにくい。

 お気に入りの避暑地で名作を生みだした文豪や巨匠たちは、枚挙にいとまがない。

 ITの力でオフィスから解放された新興ノマドワーカーの中でも、企画・デザイン・開発といった職種は、クリエイティブな仕事の部類であり、物理的な場所に縛られにくいと考えられる。

 そういったノマドワーカーにとって、「ニセコリゾートオフィス」のように、都会以外で快適に働ける場所があるなら、試してみない手はない。

 真夏の一番キツイ時期に、鬱蒼たる高層ビルの森に覆われた、不快なヒートアイランドの中で生活するより、真夏でもエアコンがほとんど不要な北海道に行けば、よほど生産性の高い仕事が期待できそうではないか。

■ひらめきはオフィスの外で

 何かのCMではないが、アイデアはオフィスの外で生まれる。

 今回の視察旅行でも、いきなり初日の早朝、空港の出発ロビーで飛行機を待ちながら、タブレット端末でソースを眺めている時に降りてきた。しばらく悩んでいた問題の解決方法が、突然ひらめいたのだ。

 このように環境の変化はヒトに刺激を与える。

 その利点はすでにノマドワークを経験しているヒトなら理解できると思うが、オフィスの中では期待できないような刺激が、外にはたくさんあるのだ。

 しかし、実は環境の変化による刺激だけが創造の源ではない。

■遊牧民は世界を動かす

 紀元4世紀、遊牧民族であるフン族がヨーロッパになだれ込んだのを契機としてゲルマン民族の大移動が始まり、それが西ローマ帝国の滅亡につながったといわれている。

 中国から東ヨーロッパまで、ほぼユーラシア全域を席巻したモンゴル帝国も遊牧民の国だ。

 彼らが動くことによって、多くの民族、多くの文化、多くの価値観がひとつの釜の中で撹拌された。

 その結果、異質なモノ同士が反応し合って新しいモノが生まれた。そしてそのたびに、世界は新しい局面を迎えることになった。

 異なる価値観のぶつかり合いは、時に凄惨な闘争を引き起こすが、東西の文化交流が科学技術の発展に大いに寄与したのも周知の事実だ。

 私が現代のノマドワーカー達に期待するのは、これだ。

 彼らの行動が、ヒトとヒトとの新しいつながりを促し、それを契機として新しいモノが生まれる未来図。

 ニセコリゾートオフィスの中心となる倶知安町ひらふ地区は、住民の3分の1近くをオーストラリア人等の外国人が占めているらしい。このエキゾチックな土地に、様々な業種・職種のノマドワーカーが集い、何か新しいムーブメントが起こると楽しいだろうな。

 まだ雪の残る神仙沼をスノーシューを履いて散策しながら、そんな妄想に浸った視察旅行だった。

この夏、リゾートオフィス計画を

2011/04/28 17:03:07

 4月27日、倶知安観光協会の「ニセコリゾートオフィスプロジェクト」の説明会が東京で行われたので参加してきた。

 これは、夏場の電力供給不足対策として、首都圏のIT企業などを、北海道のニセコオフィスへの移転を提案するプロジェクトだ。今回はこの説明会について、軽くレポートする。

■予備知識

 国土交通省の「平成23年地価公示」内の「変動率上位順位表(全国)」を見ると、倶知安(くっちゃん)の変動率は全国第2位だ。

 この地域は2000年以降、オーストラリアからの観光客(特に冬場のスキーヤー)が増え、それに目を付けたオーストラリア資本によりセレブなコンドミニアム(貸別荘)等が大量に建設されている。また、最近は香港や中国の資本が中心になって開発が進んでいるらしい。

 おそらく、これらの宿泊施設をシーズンオフに、どのように活用するかが課題なのだろう。これまでは個人向けの長期滞在リゾートプランのみ提供してきたが、今年は新しい試みとして、首都圏の企業向けの企画をスタートさせた。

 私の聞き間違いでなければ、この地域の宿泊施設のベッド数は9000にもなるという。夏季移住者の受け入れキャパシティは十分といえるだろう。

■気候

 夏場でも平均気温30度以下。エアコンはほとんど不要という気候で、湿気も少なく、梅雨もない。

 ただ、資料を見たところ夏の降水量は東京より多いようだ。しかし、温度も湿度もそれほど高くないので、雨が降っても東京の梅雨~夏のような不快感は感じないだろう。

■アクセス

 千歳空港から電車やバスで180分。これはちょっと遠いが、長期滞在を前提で考えると、あまり苦にはならないだろう。シャトルバス(チャーター)なら140分。

 レンタカーもこの企画に合わせて格安プランが用意されている模様。

■生活

 スーパー、コンビニ、薬局、病院等、ひととおりそろっている。

 銀行は、都市銀行はないが、コンビニがあるから大丈夫だろう。宿泊施設が多いのは「ひらふ」エリアで、倶知安町からは距離にして約10km、クルマで約10分ほど。バスもあるが、機動性を考えるとレンタカーがあると、より快適だろう。

■オフィス・宿泊環境

 今回紹介されたコンドミニアムは、最初に[予備知識]で触れた例のセレブ向けの物件だ。パンフレットの写真を見ても、家具調度品は非常にセンスが良く、間取りも広々としているので、リビングルームを仕事場として利用可能。もちろんネット環境も万全だ。

 少人数なら、ひとつのコンドミニアムを仕事と生活と兼用するスタイルでも十分だろう。例えば2LDKのコンドミニアムを4名で利用すれば、かなり格安で生活できる。

 ある程度の人数になったら、宿泊施設はあくまでも生活の場として、倶知安エリアの空きオフィスを借りて、仕事はそこでという手もある。

[基本セット]
 調理器具一式、食器、グラス類

[施設設備例]
 無線LAN、冷蔵庫、テレビ、CD/DVDプレーヤー、掃除機、洗濯乾燥機(洗剤付き)、電子レンジ・オーブン、食器洗浄機、トースター、コーヒーメーカー、炊飯器、コンロ、アイロン、電話
 ※各施設により違いがあると思われるので、詳細は要確認

[価格]
 ※各施設により違いがあるため、5月から観光協会のサイトで公開される宿泊施設の詳細情報を参照していただきたい。かなり格安であることは間違いない。

■アクティビティ

 もちろん『リゾート』オフィスなので、周囲には、渓流ラフティング、フライフィッシング、ゴルフなどなど、アウトドアライフを満喫できるアクティビティがたくさんある。

■詳細情報、窓口

 倶知安観光協会のサイトで、5月から宿泊施設等に関する詳細情報をアップするとのことなので、ご興味のある方はチェックしてみることをお勧めする。

■所感

 まずは電力の消費を抑えるとか、停電で仕事が途切れるのを防ぐといったところからの出発となるかも知れないが、このリゾートオフィスは、それだけにはとどまらないパワーを秘めていると感じる。

 技術者にとって、普段自分が所属する組織以外のヒトとの交流は、モチベーションとレベルアップのための必須アイテムだ。多くの技術者が集まれば、そこからコミュニティが生まれ、イベントが開かれ、そのような交流の中から新しい何かが生まれてくるに違いない。

 エンジニアのための「夏フェス」というのも面白いのではないだろうか。環境の変化は視点の変化をもたらし、それは創造や革新の土壌となるだろう。

 そんなわけで、さぁ、皆さんもご一緒に、リゾートオフィス計画してみませんか?

no work, no life

2011/04/14 11:15:03

 『ワークライフバランス』というのも、考えてみたらひどいネーミングだ。

 仕事と生活を別物ととらえているところが救いがたい。

 そういう視点からは「9時5時がオンで、5時以降がオフ」とか、「月~金がオンで、土日がオフ」なんて発想しか出てこない。

 つまり、この言葉からは単なる「働きすぎに注意しましょう」というメッセージしか伝わってこない。

 そういえば私が昔働いていた職場で、同僚に「俺、コンピュータとか嫌いなんだよ」と豪語してはばからず、自宅にPCすら持っていないプログラマがいた。

 ワークライフバランスという言葉が生まれるずっと前のことだが、今思い返してみると、彼はそれを「言葉通り」に実践していたといえる。

 仕事は仕事。イヤだけどそこでカネを稼いで、プライベートな時間には仕事を忘れて好きなことに思いっきり打ちこむ、というわけだ。

 だけど、そんなに割り切って1日の大半の時間をキライなことに費やせるものだろうか?

 何年も、何十年も、定年まで?

 信じられない! そんな不毛な人生、ありえない!!

 人生は、そんなに長くないし、人間は、そんなに忍耐強くない。

 先日、Twitterで明和電機bot(@Maywa_bot)が呟いていた。

『親は、自分の道を、たとえジジイになっても突き進むべきだ。 子供の未来に自分の夢をたくす暇があったら、 死ぬ瞬間まで、自分の夢にエゴイスティックに時間をかけろと思う。【土佐信道(1967~)】』

 うん。私はこの考えが好きだな。

 自分の道。

 これは仕事もプライベートも含めた人生のグランドデザインだ。

 このデザインがしっかりできていて、一路邁進しているならば、バランスなんて気にする必要すらなく、充実した日々を送れるだろう。

  • いま、自分がやっていることに誇りを持っているか
  • その話を家族や友人に熱く語れるか
  • その道を究めるためにたゆまぬ努力をしているか
  • その姿を家族や友人に見せているか

 これらの質問にYESと答えられるヒトは、おそらく自分の道が確立しているのに違いない。

 わざわざ仕事と生活という2本の道を作ってその間を行ったり来たりするからブレてしまうのだ。

 本来1つであるべきこれらを、再び融合させよう。

 ワークライフバランスなど気にせず、1本の、自分の道を進もう。

 ※突っ込まれる前に断っておくが、ここでアゲアシを取っているのは『ワークライフバランス』という言葉から受けるイメージであって、『ワークライフバランス』のコンセプトそのものを批判しているわけではないので、悪しからず。

生活、バックアップ計画

2011/03/24 12:03:28

 最近、計画停電とかヤシマ作戦とかのおかげで、日本の夜に闇が戻ってきたように感じる。

 こんなことを言うとヒンシュクを買うかもしれないけど、照明に関して言えば、個人的には今後ももっともっと夜は暗くなればいいと思っている。

 夜の闇は、細部を隠してくれるので、どこもかしこも世界中が美しく見える……。それはさて置き、今回の震災によって浮き彫りにされた問題点。それは、ひとことでいえば「バックアップ対策不足」だと考える。

 というわけで、今日は我々一般市民ができるバックアップ対策について考えてみよう。

電気

 理想をいえば、やはり太陽光発電だろう。今後、これが大きく普及する可能性がある。実際、それを見越してその手の企業の株価が上昇しているというニュースも耳にするし。

 しかし、まだちょっと高価すぎて手が出ないんだよなぁ。集合住宅の場合は、自家発電設備付きだと安心できるだろうけど、それも高いよなぁ。

 六本木ヒルズとか。ねぇ……。まぁ、善良な小市民である我々としては、せめて照明のバックアップだけでも用意しておくとしようか。

 火事に気をつける必要はあるが、アロマキャンドルをお勧めしたい。リラクゼーション効果も期待できて、一石二鳥だ。自分の好みの香りを用意しておこう。

ガス

 ガスの使いどころといえば、湯沸かしに調理。あとは暖房器具か。ガスが止まるような緊急時には、これは割り切って諦めよう。強いていえば、点火用のガスライターは確保しておきたい。

 水は人間にとってもっとも大切なもののひとつだ。ミネラルウォーターはストックしておくとして、もう一点、飲み水が尽きた時のことを考えておこう。

 携帯用の濾過装置、浄水器だ(放射性物質は除去できないけど……)。

食料

 非常食を選ぶ際のポイントは、電気・ガス・水道への依存度が低いかどうかだ。あとは好みで揃えればいい。量は、2〜3日分で十分と割り切ろう。

通信

 スマートフォンに、災害時に役立つ各種アプリを入れて、バッテリーを確保するためにソーラー充電器を持ち歩く。これだけで、電話、メーラ、伝言板、掲示板、情報交換、情報収集、懐中電灯、ラジオ、テレビ、といったものを手に入れられる。

交通手段

 首都圏で軒並み電車が止まった震災当日、サイクルショップで自転車が飛ぶように売れたという。理想的なのは悪路をモノともせずに走れるマウンテンバイク系のものだ。

 しかし、悪路を走るテクニックを持たない我々一般人としては、オールラウンドな用途に使えるクロスバイクが最適かも知れない。自分の技量にあったものを選びたい。

宿泊場所

 最悪、家に帰れない場合の宿泊場所の確保は重要だ。例えば私は以前、職場に寝袋を常備していた(ただし、デスマ対策で、だが)。

 もう少し快適な夜を過ごしたいなら、職場付近に友達を作っておくのもよいだろう。もちろん、その友達の性別や年齢は問わない。自分の技量にあわせて、どうぞ。

疎開場所

 最悪の事態。被災して家を失ってしまったらどうしよう。ネットさえつながればなんとか仕事を継続できるのなら、疎開という選択肢もありだ。

 疎開先は、自分の故郷でもいいし、親類が住む場所でもいいだろう。とにかく知り合いが近くにいると安心できていい。

 独り者なら、しつこいようだがここでも自分の技量にあわせて色々な選択肢が考えられる。

 以上、思いつくままに書いて来たが、イチバン重要なのは冷静に考えることだ。デマに注意し、くれぐれもトイレットペーパーや食品のパニック的な買い占めなんて軽率な行動に走らないように注意しよう。

@IT Special 注目企業
@IT Special ラーニング

エンジニアライフ 最新の投稿コラム

@IT自分戦略研究所 新着記事

コラムニスト プロフィール

onoT
「生活イチバン、ITニバン」という視点で、自分なりのITを追及するフリーエンジニアです。ストレスを減らすIT、心身ともにラクチンにしてくれるITとはどんなものかを考えていきます。

2013年5月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

バックナンバー

月間バックナンバー

検索

Powered by TypePad
- PR -
@IT Special 注目企業
インデックス

イベントカレンダー

アクセスランキング

もっと見る

@IT Special ラーニング