テストエンジニア時代の悲喜こもごもが今のわたしを作った

2週間だけ他部署に渡りました――はじめてのヘルプ作業

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 こんにちは、第3バイオリンです。

 前回のコラムから3週間近く経ってしまいましたね。仕事が忙しかったり、休暇を取って旅行したりしていたので、こんなに間が空いてしまいました。

 以前のコラムでテストエンジニアは渡り鳥のごとく、いろいろな部署を渡り歩くこともあると書きましたが、わたしもはじめて他部署のヘルプ作業を経験しました。

 今回はそこで感じたことを書きたいと思います。

■ヘルプ先と作業の概要

 夏休みが終わってすぐ、2週間ほど他部署のヘルプ作業に行ってきました。

 わたしの会社には、評価部署が2つあります。両者の厳密な線引きは難しいのですが、おおまかに分類すると、わたしが所属する部署では主にα評価、もう1つの部署では主にβ評価を担当しています。

 今回わたしはもう1つの部署で、Mac用プリンタドライバのテストのヘルプをすることになりました。

 Macは自分の部署で何度か扱ったことがあるので、基本的な動作は分かります。また、プリンタドライバもWindows用ですが、テスト経験がありました。そのため最初は特に大きな問題もなく、作業は順調に進んでいきました。

■開発チームの動向がよく分からないまま作業することがこんなに不安だなんて

 作業を始めて3日目、開発チームとトラブルがあったようです。わたしがヘルプ作業をしている評価チームがにわかに騒がしくなりました。

 「まだリリース物が出てこない!」

 「この期に及んで機種変更なんてことになったら泣くよ!」

 不穏な言葉が飛び交っているのを聞き、わたしは不安に襲われました。

 このプロジェクトで一体、何が起こっているんだー!?

 これが自分の部署であれば、プロジェクトチームのMLでやり取りされるメールを見ればすぐに事情が分かりますが、2週間のヘルプではMLに加入することもなく、何が起こっているのか分かりません。

 チームのメンバーに直接聞けばよかったのでしょうが、バタバタしているところに何も知らない人が口を挟める状態ではありませんでした。

 仕方がない。とある飲み会で開発チームの関係者と話す機会があったので、内情をそれとなく聞いてみて、ようやく理解しました。わたしの作業に直接かかわる問題はありませんでした。こういうときには、飲み会のようなオフィシャルでないネットワークがよく効きます。

■自由と責任の重さは比例する

 作業を始めて1週間目、わたしの作業を管理していた人が体調不良で休んでしまいました。わたしはその日、前日からの作業を続けていましたが、それが終わっても次の指示を出せる人がいません。そのため、わたしの作業は完全に止まってしまいました。仕方がないので、その日は同じチームの他の人がやっている作業を手伝ったり、自分の部署から持ってきた仕事を片付けたりして乗り切りました。

 ヘルプに行く前は、作業の責任はヘルプ先にあるので、そういう意味では精神的に楽だろうと思っていました。しかし、自由に作業を進める権利はありません。ヘルプ先の事情で作業の進め方はいくらでも変わってしまいます。つい、これが自分のテストチームならいくらでも好きなようにできるのになあ……と考えてしまいました。

 今回のことで、わたしは責任がのしかかることになっても、自由にやらせてもらえるほうが好きだということに気がつきました。同時に、責任とは自分自身だけでなく、自分の下で働く人に対しても果たす必要があるということを改めて考えさせられました。たとえわたしが不在のときでも、下で働く人の作業が滞らないようにすることを考えなくてはいけませんね。

■やっぱりウチが一番!?

 つい最近まで旅行していたからというわけではないですが、ちょっと長く家を空けると、戻ってきたときに「やっぱり家が一番だわ」なんて思うことがあります。

 ヘルプ作業を通して他部署の作業の進め方を見たり、そこでの自分のポジションを顧みたりすることで、自分の部署ではある程度好きなようにやらせてもらっているし、いいところだったなと気が付くことができました。

 このコラムが載る頃には自分の部署に戻っています。ヘルプ先で得たことを還元できるようにしっかり働きますよ。

Comment(4)

コメント

組長

おかえりなさーい。

ヘルプお疲れ様でした。気軽と言えば気軽ですが、やはり自由に仕事出来ないのは逆に大変ですよね。本来の部署に戻られたら、また新鮮な気持ちでお仕事出来そうですね。頑張って下さい!

にゃん太郎

第3バイオリンさん、おはようございます。

> 責任とは自分自身だけでなく、自分の下で働く人に対しても果たす必要があると
> いうことを改めて考えさせられました。

 おっしゃるとおりですね。今の私の立場はヘルプをお願いする方なので特にそう思います。分かっているつもりなので努力はしていますが、実際に出来ているかは少し微妙な気がします。改めて考えさせられました。「忙しいから」は言い訳にもならないでしょうし。

 旅行、いいなぁ。奥さんに連れて行けと言われますが、そもそも夏休みがなかったのでまず、少し休みが欲しいです(笑)

第3バイオリン

組長さん

ただいまですー。

>気軽と言えば気軽ですが、やはり自由に仕事出来ないのは逆に大変ですよね。

良くも悪くも「お客さん扱い」ですからね。
ヘルプ先では担当の方がいろいろ気を遣って下さり、残業などもなるべくないようにして下さったのですが、他の人が忙しそうにしている中、一人帰ることになって
こちらも変な気を遣ってしまいました。

私の課のたいていのプロジェクトではデイリーでミーティングがあり、各テスターが進捗や問題点を報告するのですが、ヘルプ先ではそういったものがなくて、
プロジェクト全体の進捗がわからなかったり、問題をメンバー全員で共有しにくい状況でした。
「あれ?それでいいの?」と思いながらも所詮お客さんなので口出しできず(涙)。

>本来の部署に戻られたら、また新鮮な気持ちでお仕事出来そうですね。頑張って下さい!

おかげさまで、今は自分のペースで仕事していますよ。

第3バイオリン

にゃん太郎さん

コメントありがとうございます。

>「忙しいから」は言い訳にもならないでしょうし。

ヘルプ先は担当の方に限らず、ほとんど全員が忙しい部署なので
質問しようにも席にいなかったり、いても声をかけられそうにない状況が多かったです。
そういう状況でふと、「自分の下についている人に対して同じことをしていないかな?作業が空いたときや困っているときに気がついてあげているだろうか。たとえ気づけなくてもそういうときに相手が話しかけやすい空気を作っているだろうか」と思ってみました。

>旅行、いいなぁ。奥さんに連れて行けと言われますが、そもそも夏休みがなかったのでまず、少し休みが欲しいです(笑)

岩手県の花巻、遠野にイーハトーブを探しに行ってきました。
もちろん、「銀河鉄道の夜」と「遠野物語」の文庫本を持って行きました。
今は十数年ぶりに宮沢賢治を読み直しています。
賢治の出身地、花巻は温泉もあってのんびりできますよ。

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