エンジニアでいかに稼ぐか?学校や会社では知ることができなった体験、経験を綴ります

【25】フリーランサーの弱点の1つは退職金

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こんにちは、手塚規雄です。

ちょっと考えたらわかることなのですが、フリーランサーには退職金はありません。正確に言えばフリーになって仕事を辞める時に退職金を得ようとすると自分で積み立てなければなりません。逆に言えば積み立てでもしない限り、退職金はゼロ円なのです。ちなみにサラリーマンは積み立てる必要があるのは会社側でサラリーマン自身は特に苦労はありません。そして問題はその金額です。

 

退職金の平均金額を知っていますか?

 

勤続20年で45歳以上の定年退職者(技術職)の退職金平均は大卒で1941万円(平成23会計年度の厚生労働省調べ)。http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/13/dl/gaiyou05.pdf

この約2000万円の退職金はフリーランサーでは得られない金額です。平均でこの金額には純粋に驚きました。ただこれは平均であって勤続30年以上ないと厳しいようです。転職などしている方は勤続年数が少なくなるのでここまで貰えない可能性が高いです。さらに言えば退職金は年々減額傾向にあります。私達が定年になるころにはどうなっているのかは分かりません。

 

ひとまずこれを前提に話を続けます。フリーランサーは積み立てることで退職金を得ることができます。問題はこの積立方法ですが、個人事業主や小規模な企業の役員に対して小規模企業共済の制度という制度があります。http://www.smrj.go.jp/skyosai/

これを使えば退職金のための積立の掛金は全額所得控除となるので節税にもなります。さてこの制度で2000万円の退職金を作るためには毎月どのくらいの負担が必要なのか?仮に30年間積み立てるとしましょう。

2000万円÷30年÷12ヶ月=約55556円

毎月5万円以上の積立金が必要になります。これはハッキリ言ってツライです。いくらフリーランサーの報酬が高くてもこの金額はちょっとツライ。それでも節税のためにやっている方も少なくありません。ちなみに小規模企業共済の掛金限度額は月々7万円、年払いなら84万円です。

ここに個人型確定拠出年金や各種保険などつけていくと結局はサラリーマンと同じ、とは言いませんが手取りの金額に大きな差はなくなっていってしまいます。どこまで保証が必要なのかを自分で考えて自由にできる。これがフリーランサーのメリットと同時にデメリットでもあります。

 

サラリーマン時代は会社という存在は仕事する上でイヤな縛りしかないと思っていましたが、フリーになるとこういった保証はありがたいものだったと思い知らされます。一人暮らしを始めて、そこで親の有り難みを知るのと似ています。そこで立場を逆にして考えるともっと明確にわかります。もし従業員を雇うことになったら、どうなるのか?毎月給料の他には健康保険、厚生年金、労働保険、雇用保険、退職金の積立、半期ごとの賞与積立も必要になってきます。その他にも事務所も必要になり、さらには消耗品、事務用品やPCだって必要。もちろん雇用した社員への教育なども必要になります。もし仮に自分がもう一人いた場合、雇用するより、フリーでやる事を勧めてしまうでしょう。お互いのために。独立したところで人もまともに雇えなきゃ経営者としてはまだまだ半人前。だからこそ、起業して社員を雇っている会社の社長さんはスゴイ人なのです。これも子供を持った時に親の偉大さを知るのと同じです。

 

フリーランサーは社会保障がサラリーマンより少ない。でも保証に対しての具体的な金額はほとんどの方は知りません。このように金額を明確にしていくと、毎月会社から見えない部分でどの程度お金を掛けられているのか理解することができます。フリーランサーになろうとしている人はこの見えない部分の金額を自分でどうするのか?それを考える。サラリーマンの方はこの有り難みを知る事も大事なことだと思います。恩着せがましい行為かもしれませんが、会社側もこういった教育も必要だと思うけどねえ。

Comment(3)

コメント

ksiroi

どーーーーしても 社長>>>>フリーランス>正社員 という固定観念から抜け切れないようですが…
どの記事も全て須らくそうなのですが、株式会社を学校か何かと勘違いしてませんかね?

>会社側もこういった教育も必要だと思うけどねえ。
社会ならまだしも、会社が、ねぇ…。

そろそろ読むのも心の中で突っ込むのも疲れてきた…

abekkan

退職金のための積み立てや節税対策や保険、全部一人でやらなくてはいけないのがフリーランサーの辛いところですね。

サラリーマンなら、面倒なことは総務担当がやってくれるから知らなくてもいい。技術のことだけに専念できる。

フリーだと、仕事全体のうちで技術以外のことに使う時間の割合が増える。それでも、フリーランサーは魅力的だよ、という話を期待してます!

はぎわら

個人年金でもいいんじゃないでしょうか…。
会社勤めでもそれくらいやってますよ…。

それに稼ぎがよくてフリーランサーになったのでしょうから、積立金が大変だ、
と言われてもまったく理解できません。

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