エンジニアでいかに稼ぐか?学校や会社では知ることができなった体験、経験を綴ります

【10】フリーエンジニアの末路

»

こんにちは、手塚規雄です。

前回に引き続きフリーになって苦労する点について。今回は視点を変えて、将来苦労するだろうという未来の話、つまり年をとった後はどうなるのか?についてです。

ぶっちゃけた話、みなさんはフリーのエンジニアって何歳までできると思いますか?企業と契約をして働く形では、やはり50歳を超えると難しいと考えています。反対意見もあるでしょうが、中年のオッサンがリストラされると再就職が難しいのと同じで、それはエンジニアも厳しいことには変わりない。

サラリーマン時代の話ですがCOBOL技術者が必要になった時に、やっぱり50歳を過ぎた技術者は回避されがちでした。COBOLできる技術者で若い人が少ないとわかってはいましたが、それでもせめて40代なあ、みたいな感じだったのをよく覚えています。

なんだかんだ言って「若さ」というのはそれだけで強みなのです。もちろん50代でも現役バリバリの方もいらっしゃいますが、それはやはり少数派になります。ほとんどが20代~40代となります。そうなると50代になったフリーのエンジニアはどうやって稼ぐのか?一般的な定年、65歳まで働くにはどうすればよいのか?そして年老いたフリーエンジニアがどうやって稼いていくのか、それは次のいずれかになります

1:スーパーエンジニアになり、世の中から求められる人間になる

スーパーエンジニアの定義、それは

・少なくともIT業界では有名な人間であること

・多くの人が認めるスキル、実績を持っていること

例をあげれば、プログラミング言語「Ruby」の開発者であるまつもとゆきひろさん。ご存じない方はググってみればすごい人物だとわかります。エンジニアライフでは西村賢さんのインタビュー動画もあります。「20年後も現役プログラマでいたい」、まつもと氏がRuby20周年で語る。ただ現実問題として全員が彼のようなエンジニアにはなれません。そんな超がつくほど一流の存在になれるのはほんの一人握りです。この言葉を使うのは嫌ですが、俗っぽくいえば天才しかスーパーエンジニアになれません。もちろん凡人な私自身がそんなスーパーエンジニアになるのは無理だと思っています。

自分の実力を知りたいときには一緒に仕事をしたことのある人に、聞いてみるといいでしょう。少なくとも「アイツはすげぇヤツだ!」と噂されるぐらいの人間でなければ、スーパーエンジニアにはなれません。私は噂されたことがない普通のエンジニア。逆にそう思える方と一緒に仕事をしたことがありますが、自分とのスキルを含めた実力の差は物凄く大きく感じたのを覚えています。

2:クライアントから信頼を得て、引退するまで契約し続ける

これが一番普通のパターンです。50代になって転々とする事ができなければ1つのクライアントで長々と仕事を頂くのが最も簡単でわかりやすい方法です。ただし、会社の経営と運命を共にするので、会社の経営が傾くと仕事がなくなってしまう可能性があります。フリーといえば、会社に縛られることなく転々と仕事ができるのがメリット。しかし、年老いてしまうとそのメリットも使えなくなる。ならば逆に考えて、個人が信頼を勝ち取るには特定のクライアントと長いお付き合いをする。これが一番確実な方法です。

3:他の道を進む

企業と契約してお仕事することをやめ、エンジニアの経験を活かしたお仕事に変える、または自社商品を作って販売したりしてお金を稼ぐ。いわゆる起業することです。フリーのエンジニアの方々には起業を念頭にして考えている方が多いです。エンジニアをやりつつ、他の仕事もして、その仕事を安定したら企業との契約更新をせず、いわゆるフリーランスとしてのエンジニアは廃業する。そして次の道に進む。起業というと今までになかった新しい事業を始める人というイメージがありますが、別に今まであるものでもいいのです。ようは稼げて生活できるのであれば古かろうが新しかろうがすべて同じ起業です。

簡単な例をあげます。プログラミングを教えるビジネスで起業する事にしましょう。こんな企業はすでにあると思います。しかしターゲットを変えればニッチもあれば王道もあります。IT企業の新人教育の仕事をメインとする人もいれば、学生をメインとする人もいます。または転職する人向けの個人教室もあれば、e-Learningの動画を作成・配信している会社もある。子供への簡単なプログラミング啓蒙活動もあれば、団塊世代の再就職用とかもあるでしょう。東京じゃなくても大阪でも地方都市でもど田舎でも、ネットオンリーでもいい。こんな風に考えればニッチ産業で起業するアイデアも需要もまだまだいっぱいあります。

こういう事をいうと今どきそんなの稼げないと思う人もいるでしょう。でも別に大きく稼ぐ事ばかりが起業じゃありません。最低限自分と家族が養えるだけ稼いで、やりたいように仕事をするのも起業の1つの形です。起業で重要なのは自分がどうなりたいのか?これを達成する手段が起業というだけの話です。

4:再就職してサラリーマンに戻る

再就職できるうちに戻るという選択肢ももちろんあります。この選択肢は2のクライアントの信用を勝ち取るのと本質的には同じです。フリーとしての経験を高く評価してくれる会社をしっかり選べば採用してくれる会社はまだまだあります。給料はフリー時代より減るかもしれないけど、リストラにあわなければフリーよりは安定かもしれません。そんな風に考えて再就職するのもありだと思います。

フリーになったエンジニアは将来、この4パターンのいずれかを選択することになります。それを考えずにフリーになると「こんなはずじゃなかった」とか言い始めてしまいます。会社をやめて独立するには、今のことも大事ですが、それと同じくらい

・将来どうなるのか?

・そしてどういう選択をするつもりなのか?

これを決めておくのは大事です。この将来どうなりたいのか、という話はサラリーマンでも同じだと思います。ただサラリーマンだと会社がある程度の道筋を示してくれます。逆にいえば自由度が減るともいえます。逆にフリーは自由度が高すぎてどうしていいのかわからなくなる事もある。結局どちらも一長一短なのです。

自由には自由なりのメリットとデメリットがある。言葉でわかっていても、それが示す内容が何なのか?それをきちんと理解した上で決断と行動をしましょう。

Comment(3)

コメント

ksiroi

エンジニアに固執する必要もないですけどね。

> 最低限自分と家族が養えるだけ稼いで
という意識での起業はクライアントや従業員が不幸になるだけだから
止めて欲しいかなぁ

芽が出なかった自覚があるならば冒険せず、方向そのものを変えるべきではないかな

M

私とは、前提が違うので、あまり参考になりません。
40歳代ですが、余命、2年を医師からつげられています。

それでも、仕事は楽しいし、
貴方の様に、将来がどうこういうつもりもありません。

真剣を持つ勇気が欠けている様に思えます。

Mr.J

私は独立しようと思っていたところ、大手企業様に中途採用で受け入れてもらいましたが、独立しようと思っていたときのメンタリティを捨てるつもりはありません。
例え大企業であっても競合他社との競争があり、完全な安定が永劫に続くことは無いと考えるからです。
新しい提案や費用対効果に対する嗅覚を鈍らせてはいけないと思います。

大手であれ個人事業であれ、
一つ一つの仕事が明日の仕事に繋がっている自覚が無ければ、将来的な安定は保てないと思います。

上滑りした目標意識では、独立を維持することは出来ませんね。

コメントを投稿する