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【9】フリーランスと報酬

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こんにちは、手塚規雄です。

今日はコメントにあった「フリーになって苦労した点はありますか?」という質問をコラムにて回答します。

この質問をした方の意図が少しわかりにくいのでちょっと困りました。

・スキル的な事が聞きたかったのか?

・職場待遇的な面を聞きたいのか?

・サラリーマン時代には気づかなかった苦労した点なのか?

それとも他のことかもしれません。そこで私の独断の偏見で今日のコラムでは3番目のサラリーマン時代には気づかなかったために苦労した話をします。

サラリーマン時代では気がつかない事、それは報酬についてです。報酬といっても金額の話でなく、仕事をした後から受け取るまでの期間についてです。例えば今日は7月31日です。今月、つまり7月分報酬っていつ頃受け取ることができると思いますか?

1:7月31日(今日)

2:8月1日(翌日)

3:8月15日(翌月の中頃、または中旬)

4:8月30日(翌月の末日)

5:9月30日(翌々月の末日)

実は多くの場合、「5」の9月30日(翌々月の末日)です。もっと遅い翌々々月の10日とかもあります。7月分の報酬の受け取りが10月10日とか最初はギャグかと思いました。しかし企業間の取引では変な事でもなんでもなく普通の事です。これが非常に困りました。

仮に7月31日の今日付けで退社して、明日の8月1日からフリーとして仕事が始まっても、だいたい最初の報酬受取日は10月末日。3ヶ月間、自分の銀行口座にお金が振り込まれない。つまりこの間は貯金を切り崩しての生活になります。これが本当に大変でした。これだけでも大変なのに、さらにこの事実にダメ押しするものがあります。

1:退職金はあてにならない

是非とも自社の退職金について一度調べてみるといいでしょう。だいたい勤続年数に比例して金額が増えるのですが、勤続年数が10年以下は退職金はそれほど多くありません。さらに自己都合退職になるのでさらに支給金額は減ります。もちろんこれは勤務している会社によって大きく変わりますが、あまり楽観視しないほうがいいでしょう。

2:最後の給料には住民税一括支払いがある

これは辞めた月によりますが、1月~5月の間に退職すると最後の給料から残りの住民税を一括支払いとなります。住民税は昨年の所得によって金額が決まり、支払い開始は6月から始まり翌年の5月まで分割で給料天引きとなります。

例えば1月末に退職すると、残りの2月~5月分をまとめて支払う事になります。つまり最後の給料は普段より多くの住民税が課せられます。手取りがかなーり減ります。最後の給料をあてにしないほうがいいでしょう。また6月~12月の場合は通常納税と一括が選べるそうですが、どちらを選択しても納税するのは変わりません。

3:税金、保険や冠婚葬祭による出費も考えよう

お金が無いときに何故か出費はかさみます。会社を辞めた後、まず国民年金の加盟があります。月々約15000円の出費になります。さらに時期によって、具体的に言えば6月などは住民税、国民健康保険、固定資産税、自動車税の支払いも重なるかもしれません。他にも生命保険、火災保険、地震保険、自動車の保険などもあります。今までは気にしなかった出費が、フリーになった直後は停滞出費。仕事はやっていても報酬の振込までのタイムラグが発生している間は貯金の切り崩しになります。そこに冠婚葬祭が来ると泣きそうになります。でも、お金がないときにこそ出費が重なる事はありませんか?

4:ローンでボーナス払いは悲劇になる

フリーなると当然ボーナスはありません。そのため住宅ローンなどでボーナス月に多く支払いを設定している方には悲劇が訪れます。もしこれが報酬の振込前にあると多額の出費になるので非常に厳しい物になります。そのためボーナス月が初報酬の振込前にある場合はその支払金額分の貯金も必要となってきます。

5:交通費は自腹です

当然ですが交通費の補助はありません。もちろん交通費支給のお仕事もありますが、交通費は報酬とまとめて振込となるので最初はどうしても持ち出しになってしまいます。電車代、バス代、ガソリン代についてもしっかり考えておきましょう。

このように退職から最初の報酬を受け取るまでに、生活費以外の出費は意外と有ります。さらに上記5点以外の想定外の出費も考慮するのであればさらに+αが必要となります。しっかりした貯金があれば問題ありません。しかし貯金がそれほど多くなかった事と報酬を受け取るまでのタイムラグを考慮しなかったために、お金について非常に苦労しました。

一時的にキャッシングなどで対処することはできますが、年利も高いしオススメはできません。どうしても資金が足りない場合は国民生活金融公庫による創業融資を利用する方法があります。無担保・無保証人で融資が受けられますが、自己資金の3倍までの融資であり、もちろん審査もあります。融資といえば言葉はいいですが、借金には違いありません。不安定な借金をするよりは無難に貯金してからフリーになるほうがいいでしょう。

今回は退職後から初報酬についての話となりましたが、案件切替でもタイムラグがあります。企業によって外注費を振り込みタイミングは異なるので振込予定日は予め確認しましょう。また案件紹介会社やクライアント企業によっては先払いシステムがあります。報酬の数%を手数料として1ヶ月前倒しで報酬を頂けるシステムもあるので、これを利用するのも一つの手段になります。

長々とお金についての話になりましたが、サラリーマンの給料と違って、フリーの報酬受取には仕事が完了してから2ヶ月程度の時間がかかります。それを考慮した上で貯金してから退職しましょう。次回もフリーになって苦労する話を別の視点から考えた内容にする予定です。今度はお金の話でなく、別の話です。

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