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【8】コボラー(COBOLER)に関する都市伝説について

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こんにちは、手塚規雄です。

私はフリーランサーでCOBOL使いでもあるので、こんな事をよく言われます。

「その歳でCOBOLできるなら今後は食いっぱぐれはないから安泰だよね。」

これ、本当にそうなのでしょうか?私は非常に疑問に思っています。

ニュースでは団塊の世代が引退したのでCOBOL技術者の減少し、システムの開発や保守ができなくなると危惧されています。そのため今後はCOBOL技術者の確保が必要と言われています。そこから「COBOL技術者は食いっぱぐれ無し」説が発生したと思います。でも、その理論に対する反論は簡単に思いつく理由だけでも3つはあります。

1:COBOLシステムの現場では常に教育をしっかりやっている

COBOLを使用している現場では配属された新人に対して、COBOLをしっかり教えています。もちろん新人教育だけでなくその後のOJTでも指導するのでCOBOL技術者としても一人前になります。そのためCOBOL技術者は一定量確保されている状態です。これは私が指導を受ける立場でもあったし、指導していた立場でもあった。他のCOBOLシステムの現場でも同じように対応していました。毎年新人は決まって「COBOLをやるとは思わなかった」という反応でした。

このように新人をCOBOL技術者にしても全体的には減少傾向なのは否めません。大規模な開発が無い限りそれで十分であり、現場によってCOBOL技術者は余っている場合もあります。余っているから社内ニート(担当案件がない状態)している訳ではなく、他の現場へ配置され、緊急時にはCOBOL技術者を呼び戻してなんとかしている。それがCOBOLシステム開発の現場です。

2:COBOLが難しいのでなく業務仕様が難しい

「団塊の世代がいなくなるとCOBOLシステムがわからなくなる」と言われています。しかしこれも本質は違います。たしかにCOBOLはとっつきにくい言語かもしれません。でも他のプログラミング言語を覚えるのと基本は変わりません。(個人的にはCOBOLよりオブジェクト指向型を覚えるのが大変でした)難しいというのは業務仕様、システムそのものの理解に対する難易度です。

大規模なシステムの場合はCOBOLに限らず他の言語でも、プログラミング言語より業務仕様の理解のほうが圧倒的に難しいです。顧客に聞かないと機能や存在理由、使われた方、頻度とかはわかりません。下手すれば顧客もわからないものもあったります。これらはプログラミング言語の難易度でなくシステム設計に関する難易度です。大規模なシステムで割合としてCOBOLでメインフレームのものが多いのかもしれませんが、たいてい現場で困っている理由は大きく変わりません。システムそのものに詳しい人が少なく、その人達に過負荷がかかっている。これがどこの開発現場でも問題になっていました。

3:フリーの案件にCOBOLは少ない

COBOLの案件というと大規模なシステム開発が多いです。小規模なものもたまにあるのですが、COBOLを好んで使う企業は少ない。そうなると問題が3つあります。

1つ目は大規模な開発のため案件がグッと少なくなる。そんなに頻繁に大規模開発があるのでは企業側もお金がなくなってしまいます。

2つ目は人月単価が他に比べて安い案件が多いことです。これは意外なことかもしれませんが、大規模な開発になるとITゼネコンになる関係上、人月単価が安くなりがちです。もちろんCOBOL専門の案件紹介会社などもあるので、そこの案件紹介なら多少はマシになるのですが、それでも安く感じてしまいます。具体的な金額は伏せますが5~10%ほど差がありました。昔は自分も発注側だったので単価相場をしっているので、これは今後も変わらなそうと思っています。

3つめは開発案件による発注縛りです。なにかというとシステム開発の発注主が○次発注以降はダメとかフリーランサーはダメなどの条件を課している事があるからです。公共性の高いものや機密性の高いものはセキュリティの関係もあるため、このような制限が課せられていることも多くなってきました。

また中途採用でCOBOL技術者を欲している会社はほとんどありません。先ほどあげたCOBOL専門の案件紹介会社ではCOBOL技術者の中途採用を積極的にやっていますが、逆に言えば他の会社ではCOBOL技術者大歓迎とか聞いたことありません。確保が必要かと言われているにも関わらず、採用はしていないのが現状なのです。

あと、これは私が個人的にCOBOL案件をやりたくない理由あります。それは古巣の案件が多くからです。紹介される案件が私にとっては作業場所がよーく知った業務内容や地名ばかりが並んでいることが多いのです。しかもデスマ案件で非常に嫌な目にあったところ。今では改善されているかもしれませんが、そう思ってやっぱりダメだったという経験もあり、どうにも気が向きません。私とは逆に古巣のほうが良い方にとってはメリットかもしれません。

この3つの理由が簡単に考えられてしまうので、「COBOL技術者は今後安泰」説にはどうにも疑問しかありません。安泰を求めるために今からCOBOLを覚えようと思う事、COBOL技術者だからもう努力しないとかは勧めません。もちろんCOBOLを知っていて損はありませんが、それでは他の言語でも同じような事が言えてしまいます。つまりCOBOLが出来ても、所詮は1つのスキルを持っているに過ぎません。

前回の資格にも通ずるものがありますが、IT業界に限らず「○○があれば安心」「○○は水戸黄門の印籠と同じで誰にも文句は言わせない」的思想は身を滅ぼすキッカケになります。すでに他の業界、例を挙げれば「○○士」という士業の業界ではすでに年収ガタ落ちで大変だという話を良く聞きます。今の状態にあぐらをかかず、得意分野をさらに伸ばす、できなかった事をできるようにする、などの努力は今後も必要ということです。

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