これまでの経験で感じたことを、つらつらと述べていきます。

韓非子 その4 説難(2)

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※概要だけ
 
あるお金持ちの家の塀が、雨が降って壊れました。
その家の子供が「塀を直さないと泥棒に入られる」と言いました。
また、隣の家の人も同じことを忠告しました。
果たしてある夜、本当に泥棒によって財産を盗まれてしまいました。
 
泥棒に入られた家の主人は、
自分の子供には「よく気がつくな」と褒め、
隣家の人には疑いの目を向けました。
 
(子供と隣の人は同じことを言ったにも関わらず、受け止められ方が違う)
 

 
昔、「衛」という国がありました。
その国の王に使えていた「彌子瑕」は美男子で、
王は彼を大変気に入ってました。
 
ある日の夜、彌子瑕は彼の母親が病気になったと告げられました。
衛の法律では、許可なく君主の車を使った者には「足斬り」が処されることになっていました。
それでも彼は、偽って君主の車を使い、母親のもとに駆けつけました。
それを聞いた王は、
「なんと孝行なのだ。母親のことを案じていたので罪を忘れていたのだな。」
と言いました。
 
また別のある日、王と彌子瑕は果樹園に訪れていました。
桃を食べたところ美味しかったので、全部を食べきらずに残りを王に食べさせました。
王は、
「全部食べたいところを私にも分けてくれるとは、私に尽くしてくれているのだな。」
と言いました。
 
その後、彌子瑕が年をとって若い頃のような容姿が無くなり、君主からの愛情も消えてしまうと、
王は彌子瑕を罰するようになりました。
理由は、
「私の命令と偽って許可なく車を使った。」
「また、食べ残しの桃を私に食べさせようとしたのだ。」
 
彌子瑕の行動は当然変わっていないはずなのに、最初は褒められ、後になって罪を着せられました。
これは、王の彌子瑕への気持ちに変化が起こったからです。
 
これらのことから言えることは、君主がこちらを気に入っていれば、何かを提言すればどんどん親しくなってもらえますし、
逆に嫌われていれば、何を言っても受け入れられず、かえって遠ざけられてしまうということです。
 

 
以上のことからは、「そんなリーダーは駄目だ」ということではなく、
「人間とはそういうものだ」という視点を持ち、
そこから戦略を考えていくべき、ということになるでしょう。
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