@IT自分戦略研究所 編集部が、エンジニアライフのおすすめコラムをピックアップします。

司馬遼太郎から学ぶデスマーチ

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 ここでは、編集部がおすすめするコラムを紹介しよう。今回のテーマは「労働環境」。なぜデスマーチが生まれるのか? ITエンジニアにとって最適な労働環境とはどのようなものか?

  • 「坂の上の雲」とプロジェクト
  • ITエンジニアの労働環境
  • モバイルに思いを馳せて

愚策をとる指揮官がデスマーチを作る

 ベンチャー社長 生島勘富氏による『ベンチャー社長で技術者で』。司馬遼太郎『坂の上の雲』を読んで、IT業界とデスマーチについて考察した。

 『坂の上の雲』は、日露戦争を題材とした長編歴史小説だ。生島氏は、日本陸軍の乃木大将について考察している。乃木大将は、近代戦の戦い方を知らないまま、無謀な人海戦術を立てた。結果、10万人の兵士のうち、半数以上が死傷。敵方の弱点を突けば、わずか数日で陥落できる要塞であったにもかかわらずである。

 「デスマーチ・プロジェクトと似ているところがないだろうか」と、生島氏は考える。乃木大将は愚策をとったが、結果的に要塞が陥落したために神格化されてしまった。デスマーチも同様だ。無謀な作戦をとるSIerがいたとしても、プロジェクトが完成すれば美談に変わる。そして、無謀な作戦をとった指揮官のいうことが「正しいこと」になってしまうのである。この仕組みをどうやって打破すれば良いのか? 生島氏は思考をめぐらせている。

ホワイトカラーは公私混同してもよい

 グローバルナレッジネットワークの横山哲也氏による『Go, Go, Go, in Peace』。エンジニアに適した労働環境とはどのようなものか?

 ITエンジニアにとって、勤務時間の一律な短縮はあまり意味がない。繁忙期か否かで勤務時間が変動するし、休日出勤を行う場合もあるためだ。裁量労働制はITエンジニアにとって良い制度であると思うが、適切に運用されているとはいいがたい、と横山氏は分析する。

 「ホワイトカラーは公私混同してもよい」というのが、横山氏の持論だ。勤務時間中のTwitterがビジネスにつながる場合もあるし、家で会社のメールを読んで、顧客トラブルに対応することもあるだろう。「本来、裁量労働制というのは、こういう公私渾然とした勤務形態のために用意されたものである」と、横山氏は主張する。

モバイルに思いを馳せる

 エンジニア歴20年のにゃん太郎氏による『ソフトウェア開発に幸せな未来はあるのか』。モバイルに思いを馳せる。

 にゃん太郎氏は、ネットブックを使ってカフェなどで仕事をすることが多いという。「場所、インフラ、ハードウェアが本当にモバイル向けになってきた」と、にゃん太郎氏はしみじみ語る。例えば出張先に携帯電話を持っていくのを忘れた場合でも、現地で携帯電話を購入してデータ転送を行えば、一応使えるようになる。つくづく便利な時代になったものである。

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