金沢市在住のプログラマーがざっくばらんにお届けする、地方テクノロジーコミュニティなどの活動情報

地方テクノロジーコミュニティの挑戦―第1回 ITざっくばらん会

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エンジニアライフの読者の皆様、はじめまして。

石川県金沢市在住、プログラマー/システムエンジニアをしています浅岡 正教(あさおか まさのり)と言います。

このたび、@ITのエンジニアライフで記事を書かせていただくことになりました。よろしくお願いします。

こういったコラムを書くことが初めてですので、稚拙な文章ですが、どうか温かい目で見て頂ければと思います。

 さて、第1回目の今回は「地方テクノロジーコミュニティの挑戦」ということで、「地方のテクノロジー活動」ってどんなことを行っているのか、皆さん不思議に思われていることも多いと思います。

地方のテクノロジーの現状について、僭越ながら、私自身がこれまでに金沢市にて行ってきたテクノロジーコミュニティの活動を通じて感じたことを中心にお伝えしていこうと思います。

金沢市のテクノロジーコミュニティ「ITざっくばらん会」

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「ITざっくばらん会」は2015年12月に、地方の「交流」「教育」「成長」を三つの柱として活動する地域ITコミュニティとして私を中心に設立し、記念すべき第1回目のイベントを2016年1月に開催した。

 これまでに金沢市においても、プログラミング言語等の勉強会をはじめ、たくさんの「IT系」の勉強会は存在した。しかし、こうした勉強会の問題点は、「プログラマー職に就きたい」「自らのスキルアップをもっとしたい」といったように、明確な目的意識を持つ者の参加がほとんどで、「プログラミングになんとなく興味がある」「ITのことをまったく知らないので何ができるかを知りたい」といった人たちからは、参加の敷居が高く参加しづらいという声をよく聞いていた。また、ITを用いたものづくり活動を自らの活動を発表しようとしても、これも同様に敷居が高くてできない、という話も学生からも聞こえていた。

 私自身、文系出身。今では偉そうに「テクノロジー」について人前で語ったりするけれども、社会人になってから勉強して、プログラミングを覚えた人間。バリバリに学生時代からシステム工学などを勉強してきた方々に足元も及ぶはずもなく、「IT系」の勉強会に参加して、「こりゃ、ついていけないなぁ」と挫折したことも何度もあった。そういった自らの経験から、もっと気軽に、ワイワイガヤガヤ、学生だろうが超優秀なエンジニアであろうが、立場関係なく話をする場があってもいいんじゃないか、と思って、そんな場所を作ってみた。

「IT」についてなら何でも語っていい場所

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 さて、この「ITざっくばらん会」。どんなことをしているかというと、10人くらいの登壇者が「ライトニングトーク」形式で、10分~15分間の持ち時間、テーマは「IT」についてなら何でもよく、次から次へと発表していくだけというスタイルで進行していく。途中突っ込みもあり。ただし悪口だけは言わないでね、というルールだけ。全員のトークが終わった後は名刺交換などができる交流会へ、という流れである。

 これまでに全5回(他スピンオフイベントは全9回)開催したが、学生から著名なエンジニア、起業家、クリエイター、大学の先生、市議会議員、元アナウンサー、行政、はたまた飲食業まで幅広い分野の方が話していただいた。そしてお互いを刺激を受け、「あんなことやりたいよねー」という声がたくさん上がり始めた。そして、そこで集まった人々で新たな事業やプロジェクトを立ち上げて、実行していくことになっていくことになった。

集まって、たくさんのプロジェクトが生まれていく。

 「ITざっくばらん会」で集まった人々でプロジェクトチームを組み、会社の所属や立場関係なく、金銭的な利益も関係なく、いくつかのプロジェクトやプロダクトが生まれた。詳しいことはまた書きたいと思うが、1つだけ代表的なものを紹介すると、「ふれる。あそぶ。プログラミング。」という小学生向けのテクノロジー推進プロジェクトである。

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 これは、2020年、プログラミング教育が義務教育で必修化されるが、金沢市にはテクノロジーに触れることができる科学館などがない(石川県小松市に1ヵ所)などの理由から、テクノロジーになかなか触れる機会が少なく、子供も親もテクノロジーに慣れていない状況で、いきなりプログラミングをやって、と言われても子供がついていけないのではないかと考えていた。こうした状況に危機感を覚えたプログラマー、大学の先生らが「ITざっくばらん会」の下に集まり、「まず、テクノロジーに触れて、楽しんでみる」をコンセプトにロボットなどを使い「タッチアンドトライ」のイベントを開催、第1回目は約180名の親子が参加してくれた。

 この「ふれる。あそぶ。プログラミング。」の活動は金沢市の目に止まり、2017年5月から「金沢市キッズプログラミング教室」として、金沢市の正式事業となり、全6回開催、計約2180名の親子が参加し、大成功を収めた。(※「ふれる。あそぶ。プログラミング。」や「金沢市キッズプログラミング教室」については、今後また、詳しく書いていきたいと思う。)

金沢市で「みんなで幸せになろうよ」

 ITざっくばらん会は、市民が気軽にITに触れられる場を創出し、市民のテクノロジーへの意識を高めることで、「地域におけるエンジニア不足」という課題の解決をめざしていこうと考えている。要するに「みんなで幸せになろうよ」。少しでもテクノロジーを扱える人々が増えれば、産業創出を促すことになって、仕事が増え、たくさんの人たちが幸せになっていくはずだと信じている。


※テクノロジーコミュニティ「ITざっくばらん会」の活動

https://www.facebook.com/itzakkubarankai/

※金沢市キッズプログラミング教室

http://www4.city.kanazawa.lg.jp/17021/bp/event/kidspg.html

※「金沢市キッズプログラミング教室」の様子 MROいしかわのこどもみらいキャンペーン

http://www.mro.co.jp/blogs/kodomomirai/2017/11/29/090013/

 

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