ここだけのはなし 海外出張秘話 〜韓国編〜

2012/06/04 13:33:50

 リーディング・エッジ社 教育サービスマネージャの満岡です。

 今回はいつもの連載をお休みして、海外出張で自らが感じたことをお伝えします。最近、SIerである自社のマネージャーとしての立場と、Androidの社団法人(Open Embedded Software Foundation(OESF))の運営を行う立場から、出張が多くなってきました。ビジネスを作る側にシフトしているため、各社・各国の状況を把握するうえでも多くの方々と直接お話しするよう心掛けています。今回は、韓国・ソウルに行ってきました。

・韓国ってどんな国?

 皆さんは「韓国」と聞いてどのような単語を思い浮かべるでしょうか?K-Pop、韓流スター、キムチ、サムスン、サッカー、兵役……さまざまかと思います。日本と時差がなく、約3時間弱で行ける最も行きやすい海外です。まず、仁川国際空港に到着すると、真新しく近代的な設備に驚くと思います。まさに最先端なイメージです。街には派手な広告が溢れながらも、裏通りには下町らしい光景も残っているため、アジアと欧米がミックスしている不思議な感覚です。

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・日本より進んでいる?!

 ここ数年に渡り韓国IT企業の世界進出は目覚しく、日本の全家電メーカーの売上を合わせてもサムスン1社に勝てないのはご存じかと思います。社会インフラには電子マネーをはじめとしたIT技術が使われ、行き来きする人々の手には子供から年配の方までスマフォが握られています(出張中に、フィーチャーフォン(ガラケー)タイプは1台も見ませんでした……)。特に若い女性は、5インチ前後の大きめなスマフォを巧みに扱う人が多く、中でも5.3インチのGalaxyNoteを多く見かけました。政府がITを推進していることもあり、一気に普及させているようです。

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・「これは勝てない」と感じたこと

 街に溢れるハングル語は、とにかく読めず不便です。日本に来る海外の方も、漢字に同じ印象を持っているはずです。韓国でも日本でも、やはり英語化推進は行っていること(レベルは別……)として、実は、私は新聞に衝撃を受けたのです。すべて横書きなのです。1990年ごろから縦書きを政府主導で一気に変更をさせ、世界を見据えた活字体制を取っているようです。日本の新聞はアルファベットを縦書きするなど、国際化とは乖離している記述をしています。電子書籍の国際フォーマットに対する対応の遅さも、縦書きが問題なのかもしれません。また、政府主導で一気に変更するスピードと勢いが、今の日本には欠如していると感じました。さらに、韓国の子供は、漢字の授業を減らし、英語にシフトしているそうです。

 半日で移動できる最も近い海外です。連休を利用してさまざまな違いを体感してみるのはいかがですか? もしかして、すでに韓国人は日本に来て「昔の韓国みたい」と思っているかも……。

日本企業に元気がないぞ! あなたはこの先どうする? パート2 ~今のオフショア開発~

2012/04/19 17:09:30

 リーディング・エッジ社 教育サービスマネージャの満岡です。

 日本のエンジニアの今後について、経験と考えを交えて連載を書いています。今回は第2回目です。私は、Android開発案件に関わることが多いため現場で多く見られるオフショア開発に触れたいと思います。

・ベトナムオフショア開発

 最近、Androidアプリのオフショア開発が活発化してきています。これは、「短納期(2〜3カ月)・低価格化」が背景にあります。Androidアプリケーション単体でのビジネスが難しくなっているため開発予算が捻出できないことが原因の1つになっています。アジアの中でも、特にベトナムでの開発事例をよく聞くようになりました。

 実は、過去に中国オフショアを数件経験していますが、全敗に近い散々たる結果で、毎回何かの重大なトラブルが発生していました。

 ところが、ベトナムでのオフショアでは、すべてがうまくいっています。何が違うのでしょうか?

・国民性

 私の印象としては「勤勉・親日」が最も強いです。以前の日本で、シリコンパレーから米国エンジニアを迎えるような眼差しに近いものを感じます。それは、日本人と働きたいという気持ちが表れているのかもしれません。

・若いエンジニアパワー

 大卒平均初任給が1万5000円くらいに対し、IT系では2〜3万円前後のようで、人気な職業として活気に満ちている若手エンジニアが多くいます。ステータスである車や、家を持ちたいという購買意欲が高く、日本の同世代エンジニアとは異なるパワーを感じます。

・勉強熱心

 スキル向上に関する意欲が高いと感じます。特に、IT系は優秀な人材が集まるせいか、日本語・技術などの業務に関連した勉強を熱心に取り組む姿勢が見受けられます。

 ただし、仕様書の行間を読まない(これは日本以外はどこも同じですが……)、真面目がゆえに打たれ弱い、他社への人材流動など問題もあるようです。

・これから

 中国・ベトナムの物価上昇を考えても費用対効果で考えても、今後、日本から単純なプログラマの仕事は、どんどん減っていくことは間違いないと考えています。

 発注側として日本国内でのエンジニアに求められることがあります。それは、「企画・設計・試験(検証)」です。企画をすることで、顧客のイメージを具現化し、基本設計をしっかりできるかどうかで、全体の構成と工数に大きく影響します。また、日本製品の品質の高さを担ってきた試験・検証は、品質向上を重視する案件では、必ず強みを持つと思います。

 単に誰でも書けるレベルのプログラムスキルだけのエンジニアでは、職業としてはますます厳しくなっていくような気がしています。

 

 次回は、SNS活用・勉強会などを活用してツナガルことの重要さと、求められるエンジニアについてお伝えします。

 

日本企業に元気がないぞ!あなたはこの先どうする? パート1 ~こんなに違う 2つの国 ~

2011/12/02 12:11:44

 リーディング・エッジ社 教育サービスマネージャの満岡です。

 日本のエンジニアが今後何を意識して、どうすればいいのかを自分の経験と考えを交えて数回に渡り記載していきます。何かを感じていただければ嬉しく思います。

・2つの展示会

 先週、パシフィコ横浜で開催された日本最大の組込み業界展示会 Embedded Technology 2011に参加してきました。

 最近では、円高、少子化・高齢化から来る消費の低迷、東日本大震災、タイの洪水など日本企業にはキビシイ環境になっています。そのためか、6~7年前から出展側として参加していますが、規模・活気・出展内容のいずれも縮小傾向を強く感じています。

 一方で、台湾の台北市で開催されるアジア最大のIT見本市 COMPUTEX TAIPEI(台北国際電脳展)にも2年前から出展参加しています。こちらは、真逆で目覚しいスピードで急成長を遂げています。

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・目の当たりにした違い

 それぞれの展示会では、まず大きな違いがあります。

 台湾では、会場ビル内にあるレンタルオフィス、商談ルームや近隣ホテルのイベントルームで来場した顧客向けに具体的な商談をその場で進めて、決めることが多いです。さらに、夜には、近隣の飲食店で特定顧客のみを招待し、パーティーが夜な夜な開かれています。

・彼らが重要視していること

 企業は、「社会の役に立つこと」が使命となり、継続のために利益が必要となります。また、新しいことをはじめる際には、必ずリスクが発生します。そこで、日本企業の多くは、「新しいことを行うリスク」をまず考えます。

 「コンプライアンス的に大丈夫か?」「いつ利益がでるか?」「どのくらいコストが必要か?」など。

 とても大事なことであり、ビジネスの基本ではあります。しかしながら、これらをクリアするには、市場調査、稟議などで時間を要することになります。

 ところが、台湾の場合、「新しいことを行わないリスク」を考えます。「他社が行なったらどうなるか?」「何もしないで今の利益は保てるか?」など、すべて「今行わなかったら……」という意識が強く働いているように感じます。

 IT業界では、ソフト・ハード共に技術スピードが早く、素早い対応が求められるため、国内消費が低く、そもそも世界を相手にせざるを得ない環境では、このようになったのかもしれません。

・日本のこれから

 今後の国内消費が望めない日本では、いち早く企業スタイルを変革しないと海外では戦えないことは言うまでもなく、国内経済成長とともにジリ貧になっていくのです。多くの日本企業がその現実を認識したまま、現状を変えられないでいます。

 今こそ、自社の強みを認識し、変革と挑戦が出来る企業こそキビシイ環境を打破できるのではないかと思っています。

 企業の生き残りは、その中で働くエンジニアにも大きな影響を与えます。変革に伴い必要な要素・働き方・考え方も変わってきます。そのため、実は、エンジニア個人にも同じことが言えるのです。

 次回は、このような環境下で、日本のエンジニアはどうすればいいのか、何が必要かを記載します。次回をお楽しみに。

 

なぜ国産Android製品は最新バージョンではないのか?

2011/04/21 11:07:41

 株式会社リーディング・エッジ社でAndroidの開発を行なっている山本昭弘です。私はAndroid1.5(cupcake)の頃から現在までAndroidの開発をおこなっており、その際に、日々感じている事を書きます。

■日本のAndroidは海外に比べてバージョンが古い

 日本のAndroidは海外に比べてバージョンが古いものが多いです。

 国内に流通・販売しているAndroid端末の中で、最新バージョンのOSを採用しているAndroid端末は残念ながら国産ではありません。これは、日本のエンジニアが怠けているからではなく、海外企業との仕事のやり方に大きな違いがあるからです。

 たくさんの要因がありますが、要因の1つは日本の「バグ0」と言う風習です。私は自社で勤務したことはほぼなく、20社近く国内企業に常駐していますが、どこに入っても品質は「バグ0」です。初めにお話ししますが、バグ0というのはとてもすばらしいことだと思います。それに関して否定的な意見ではありません。今日の日本の技術が賛美されているのは、この風習なおかげだと思います。

 ですが、今までの携帯電話でもバグ0はかなりの工数がかかります。それがAndroidのようなスマートフォンだとなお更です。おかげさまで、Androidプロジェクトはスケジュールが遅れることが当たり前になってきています。

■日本の文化

 バグは、致命的なものやUIが著しく悪くなるものは早急に対応する必要があります。しかし、かなりどうでもいいものが多いのも事実です。皆さんはソフトウェアがバージョンアップして、「これは何が変わったのだろうか?」と思うことはないですか?

 それは、かなりどうでもいい内容のバグが改修されたときです。そんなバグの改修でも、かなりの工数(予算)がかかっています。「こんなのユーザーは気がつかないよ!」と愚痴りながらバグ改修をすることも多々あります。海外の企業は、バグの優先度が低いものは後日のアップデートか改修しないと言う対応をとり、出荷します。

■企業のグローバル化

 今、日本の企業はグローバル化を求められています。理由は、産業構造が変化しているからです。グローバル化とは「海外の市場に打って出ること」とか、「海外に投資すること」と言うだけではなく、海外企業が「なぜここまで早く出荷できるか」を研究し、国内企業は過去の成功体験にしばられず、新しいことに挑戦することだと、私は考えます。

 

わたしがAndroidを選んだ理由(その3)

2010/03/26 17:45:00

 (株)リーディング・エッジ社にて、Androidのシステム開発を行っている山本昭弘です。

 その1その2と続いて、その3を調子に乗って書いちゃいます。

■PC-98シリーズが衰退し、現在のIBM互換機が流行った

 言うまでもないですが、PC-98シリーズは日本国内だけでした。他国での開発はありません。ですが、IBM AT互換機は世界各国で作られていました。自由に競争ができる分、良い物がどんどんできて今日のPCにいたっております。これはAndroidでも同じではないでしょうか。Android端末は一社だけではありません。世界各国で開発がされています。昨年では18機種、今年は100機種以上の販売が世界各国のメーカで計画されています。PC-98シリーズと、IBM互換機の行く末と似ているのではないでしょうか。

■iPhoneの衝撃を再び

 iPhoneを初めて見たときに衝撃がありませんでしたか? タッチスクリーンによる操作、Gセンサーによるアプリ、コンパス、GPSなど。今までの携帯電話やPCとはまったく違う操作ができるのに驚きませんでしたか? Androidでも同じことができます。現在、特許のおかげでグレーな部分はありますが、ほとんどのことがAndroidでも実現できます。iPhoneでできることならほとんどがAndroidで可能です。

■ハードウェアの進化の限界と進化するワイヤレスブロードバンド

 CPUのクロックがほとんど上がらなくなってきました。3GHz以上になると、排熱処理が大変になってくる為と、消費電力の問題があります。後はコア数を上げたりとするぐらいだと思います。ハードウェアの限界がもうすぐやってくると言われています。

 WiMaxやEmobileと言ったワイヤレスブロードバンドがどんどん進化しています。これからもどんどん進化は進みそうです。ワイヤレスブロードバンドを持っている人も、昔に比べてどんどん増えてきました。わたし自身も持っています。携帯電話・その他組込み系に使われているハードウェアは、こう言ったワイヤレスブロードバンドを利用したことが、どんどん増えてくると推測できます。

 ハードウェアの制限、ワイヤレスブロードバンドを有効に使える小さなOS……とくればAndroidが有力な候補ではないでしょうか。

■まとめると

 調べれば調べるほど、流行る要素がたくさん詰まっているものも珍しいのではないでしょうか。これがわたしがAndroidを選んだ理由です。

わたしがAndroidを選んだ理由(その2)

2009/12/10 18:00:00

■前回の続き

 (株)リーディング・エッジ社にて、Androidの研究開発を行っている山本昭弘です。

 前回の続きをようやく書きます。Androidのメリットは、さまざまな人がメディアで唱えているので、開発者から見た立場でご紹介します。

■Javaを知っていると、結構簡単にアプリが作れる

 AndroidのJavaは、本当のJavaではないのは理解しています。

 しかし、長年Javaで開発をした人間にとっては、とても理解がしやすいです。1週間ぐらいAndroid入門書を読めば、簡単なアプリであればすぐに作ることができます。そこから先は、ネットで調べながら1カ月もあれば、余暇を利用してもそれなりのプログラムが作れます。

 これが楽しい。

 GoogleMarketで欲しいアプリを検索するより、自分で作ってしまう方が楽しかったりします。タッチパネル・Gセンサー・加速度センサー使うことにより、PCのアプリよりも直観的なUIが作れます。我が子は1歳半なのですが、わたしの作ったアプリを操作して、楽しんでいる姿は今までのPCアプリではなかなか味わえないんじゃないでしょうか。

■フレームワークが薄い

 前回も書いたのですが、今のJava開発はフレームワークが多すぎてゲンナリします。1つようやくマスターしたと思ったら、新しいのがすぐに出て……といった具合です。Androidの場合、それがない。というか、本体のメモリが512MBしかないハードウェアではそれができないと言った方が良いですが……。

 よくiPhoneと比べられるところで、内部メモリを引き合いに出されることがあります。Androidは512MBなのですが、iPhoneは最低8GBで最新のは32GBもあります。これは、アプリのサイズが全然違う事があげられます。Androidアプリの場合、100KBを超えるアプリってそんなにないですが、iPhoneの場合は40~50Mbというものが多いためです。このAndroidOSの設計は、わたしはすばらしいと思います。Intentの技術によりこれが実現できているのですが、この発想がすばらしいです。

■AndroidMarketのいい加減さがいい

 どうしてもAppleStoreと比較をしてしまうのですが、GoogleMarketは比較的早くMarketにアップしてくれます。おまけに、個人が作ったプログラムもWeb上で簡単に公開して、ダウンロードしてインストールができます。(野良アプリOKのチェックを入れないとダメですが)。

 これがまた素晴らしくいいです。ちょこっと作ったプログラムが間単に公開できるかどうかは、ビジネスとしてシステム開発を行った際も役立ちます。だって、重大な仕様バグがあって、「納品が審査が通らないとできないので、1週間後になります」なんてありえないでしょう??

■まとめると、開発がしやすいところがいい

 まだまだAndroidOSはバグがあるのですが、とても開発がしやすいといえます。開発がしやすいということは、多くのソフトウエアがたくさんできあがってきます。これは、メインフレームが主流だったころのPCを思い出させるのではないでしょうか。当時のPCは、マニアのおもちゃでしかありませんでした。ですが、メインフレームでは開発をするのが困難でした。PCとメインフレームの大きな差は、「PCは開発がしやすかった」が上げられます。そして、現在のPCが流行った状況を見れば、誰もが一目瞭然です。まだまだAndroidが流行るのには越えなければならない問題が沢山あります。ですが、流行る要素があるのは事実です。

 これが、わたしがAndroidを選んだ理由です。

消えゆく? Unix/Linux の文字

2009/07/23 18:35:00

 世間様に恥じないLinuxサーバのスペシャリストを目指している、(株)リーディング・エッジ社の池田と申します。「Linux」「サーバ」という2つのキーワードを念頭に、業界に関わり続けてきました。今後、Linuxや業務について思うところを、つれづれなるままに書かせていただきます。

■ 表舞台から消えていく、Unix/Linux の文字

 最近、周囲から「Unix/Linux」の文字が消えていく場面を目にします。国内のLinux展示会イベントとして有名だった「Linux World Expo」 が「OpenSource World」(※1)に名称変更しました。一方、Unix誕生40周年を向かえると共に四半世紀続いた「UNIX magazine」が最終号を迎えました。Linux雑誌については、2005年頃から何誌か姿を消していきました。この頃からLinuxの名を冠して誌名を変えることなく残っているのは「日経Linux」1誌のみだと思います。

 こういう現象を目にするたびに、Unix/Linuxで業界に関わってきた自分としては、時代に取り残されたような不安を感じることがあります。

■ 「Unix/Linux」 から「オープンソース」へ

 かつて「UNIX USER」 (※2)が「オープンソースマガジン」と誌名を変更したように、展示会「Linux World Expo」は「OpenSource World」に変わりました。「Linux」という名称は厳密にはLinuxカーネルのみを指し、その上で動作する多数のオープンソースソフトウェアの集合体を含めたものが「Linux OS」なので、その意味では「オープンソース」という命名はマッチしていると思います。

 オープンソース界のフラグシップは依然としてLinuxだと思っており、かつ思い出もあるイベントだったので、名前は変わってほしくありませんでした。しかし、昨年「Linux World Expo/Tokyo 2008」に参加した感触では、そうも言ってられない状況を実感しました。

Linux World Expo/Tokyo 2000 との比較

 2000年に開催された「Linux World Expo/Tokyo 2000」(※3)では、国内外を合わせ出展社85社と大規模でしたが、「Linux World Expo/Tokyo 2008」は国内27社のみでした。残念ながら2008年は2000年に比べるとその規模はかなり小さくなってしまいました。 この縮小は前向きにとらえると、サーバや組込み用途でLinuxが普及し、要素技術の1つとして十分に「枯れてきた」ことの現れだと思います。しかし、企業が枯れた技術に特別な興味を示すことはそうありませんので、縮小は必然でした。

 現在ではLinuxに限らずあらゆるオープンソースを活用してチャンスを探ろうという動きが活発になり、それゆえの「OpenSource World」ということなのでしょう。

 「Linux World Expo/Tokyo 2000」には、展示企業も参加者もLinuxに大きな期待と関心を寄せる人々が多数集まり、活気に満ちていました。わたしとしても念願のLinuxで仕事ができると確信し始めた、人生屈指のワクワクした時期だと記憶しています(結局その後数年の業務はUnixだったのですが)。

■ 夢はかなったのか?

 サーバや組込み用途で普及するほかにも、デスクトップの完成度も高まり、家電にまで搭載されて、わたしたちの生活に根付きはじめています。このような現象は2000年当時にLinuxに関わった人々が夢のように語っていたことの1つだったと思いますので、その意味では夢の一部はかなったのではないでしょうか。

 表舞台でLinuxそのものがクローズアップされる機会は減りましたが、今後もカーネルは進化し続け、活用例(※4)が増えることは確実であり期待は尽きません。

 Linux がここまで普及したことは、これらの開発や発展に関わってきた多くの方々の努力と貢献のおかげであり、あらためて感謝したいと思います。

【注釈】

※1OpenSource World 2009」は200971日(水)、2日(木)東京国際フォーラムにて開催。「Linux World Expo/Tokyo」が前身。

※2UNIX USER(ソフトバンク クリエイティブ)200511月「オープンソースマガジン」に誌名を変更後、200612月休刊。

※3 「Linux World Expo/Tokyo 2000」は2000年51112日、東京ビックサイトにて開催。サブタイトルは「ビジネス市場へ拡大するLinux潮流」。

※4 最近の主な活用例
  Amazon EC2、Google Chrome OS、 Android、chumby、SheevaPlug、VAIO type p のインスタントモード など。

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哀T戦士
インフラ系・開発系と担当している仕事はそれぞれだけど、Linuxをこよなく愛するリーディング・エッジ社のエンジニアたち。

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