健康について第56回 おさらいと、明るい未来のために。

2012/06/01 18:19:20

 お世話になります。龍澤と申します。

 「食について」は小休止ということで、今までのまとめを書きます。

 まとめれば、私の申し上げていることはシンプルだと思います。

 大前提は、「我々が健康になる目的はすべて働くためである」ということです。

 ただ、一般的な見地で健康であるだけではダメで、若い人たちに交じって歳をとっても働き続ける(雇用される、あるいは仕事を受注する)ためには、我々はますます生産性を上げてゆかなければなりません。そのための、IT業界なりの手法を考え続けています。

 不健康なままで生産性を上げる手法は、年齢を重ねるごとになくなってゆきます。健康であることは当然、大前提になってきます。

 生産性を上げるということは、我々は基本的に頭脳労働者でありますから、脳が最大限に働くような施策を、自分に対して打っていかなければなりません。施策を打つということは、(自分に対して)投資するということです。ターゲットは、今よりも、20年後です。20年後も(脳が)老け込まないためにはどうしたらよいかを今から考えておく必要があります。

 健康でかつ、生産性が上がれば、非常に単純な図式ですが出世したり、給料が上がったりする可能性が高まりますね。それは、大変ハッピーなことです。仕事がハッピーになれば当然、人生そのものがハッピーになっていきます。

 そして、ずっと健康でずっと生産性高くキープできていれば、何歳になっても仕事の引き合いはあります。死ぬ直前まで働いていることができます(おそらく全盛期よりサラリーは下がりますが、年金とあわせればなんとかなるでしょう)。

 死ぬ直前まで働くことができたら、それはもっともハッピーな人生に違いない、という前提でこれを書いています。ですので、いわゆる「ハッピーリタイヤ」を最高の幸せと考えている方々とは、ちょっと話が合わないかもしれませんね。

 ですが、おそらくハッピーリタイヤを考えている方も、老後に毎日ぼーっとしているのが理想と考えているわけではなくて、現役の時代にできなかったことを思う存分やりたい、と考えているのだと思います。

 「仕事」を広義に解釈したときに、多くの方が老後に打ち込みたいと考えていることが「仕事」である可能性はけっこうあります(広義の意味での仕事とは「人の役に立つ」ために「行動する」ことであって、サラリーをいただくかどうかは必ずしも必須ではありません)。

 現時点では、多くのビジネスマンが、リタイヤすることがハッピーというすりこみがされているような気がしてなりません。でも、そんなことは決してなくて、何歳になっても働けること、そして、働くことで周りに感謝されること、というのは健康的に長生きするための必須条件なのです。

 仮に、定年制度などでサラリーマンのリタイヤを余儀なくされたとしても、健康で生産性の高い人間を世の中はほおっておきません。ので、運悪く再雇用されなければ自分で開業すればよいだけの話です。

 よくも悪くもこの国は、人材不足時代に突入しておりますので、言い方を変えれば、スキルを保持したまま一定の年齢に達したから退役、というのはもはや「許されない」のです。どの世代も総動員してこの国を支えていかなければならない時代に、なってきます。

 なので、これからの時代、もっと語弊のある言い方をすれば、スキルを保持したまま一定の年齢に達しつつある方は、老後に働き続けることを見据えて、モチベーションおよび健康状態を維持する義務が発生します。(「定年」=燃え尽き、にならないように)

 それは、徴兵制のようなものです(笑 もちろん、冗談ですよ)。60歳を超えたら全員健康診断と適性検査を受け、経歴書を提出して、「赤紙」を待たなければならない(笑)。どこに再就職するかは当局(笑)が決めます、とか。もちろん、本人の希望もある程度は考慮されるべきですが…

 その「徴兵」を回避したい(老後、働きたくない)のであれば健康を害していればよいだけの話ですので。

 残念ながら、今までは歳をとってからの再就職となると明るいイメージがありませんが(「シルバー人材で単調作業」といったような画一的な)我々の世代が年寄りと呼ばれる頃には、シニアでバリバリとシステム・エンジニアリングの仕事に携われる環境に、きっとなっています。根拠は乏しいですが、確信めいた予感があります。

 なぜなら、未来にはITは今よりももっと、コアな社会インフラになっているに違いないからです。そして(これは良くない予測ですが)、ITのインフラは、ますます巨大かつ複雑化し、エンドユーザーからはますますブラックボックス化してゆくはずですので、エンジニアが活躍できる余地はますます拡がってゆきます。そして、ますます複雑な(レベルの高い)仕事が要求されることになります。

 よく考えれば、システム・エンジニアリングの仕事は腕力は不要なので、年齢で不利になることはないはずですよね。歳をとっても脳さえバリバリで、生産性を高いレベルでキープしていれば、「スキル」だったり「人脈」だったり「交渉能力」だったり、いろいろなものがすでに備わっているのですから、若い人たちにトータルで負けることはありません。

 健全に働いて、健康になる。健康になれば、さらにバリバリ働ける。ますます世の中から必要とされる。この正のスパイラルを死ぬ直前まで続けられたら、どんなに素晴らしいことでしょう。

 そのためには、ある程度自分で仕事を選べる立場になるところまで、自身のレベルを上げていかなければなりません。今が受け身の仕事であれば、何歳になっても同じです。マインドを変えていくのも必要ですね。

 読んでいただき、ありがとうございました。

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健康について第49回 組織と健康(2)

2012/04/06 18:31:00

 お世話になります。龍澤と申します。

 前々回の「組織と健康」の続きとなります。

 ところで……経営層がどんどん会社に新しい「血」を入れるというのは、現有戦力を信用していないということだと思うのですが、いかがでしょうか?

 特に、研修制度や教育にまったく投資できない(しない)ベンチャーなどに顕著です。「即戦力としてお迎えします! 」と上っ面だけ美辞麗句を並べて、会社に入れたら即「成果を出せ!」と丸投げ。そして、多くは数年でまた辞めていくだろう、辞めないとしても数年は成果は出さないだろうという前提で、さらにどんどん中途を受け入れる。

 才能のある(であろう)戦力をどんどん採用して、現場に放りこんで、シナジー効果は勝手に出せよ、と。出さないと承知しないぞ、と。成果出さなきゃ肩たたき。誰もが、周りを疑心暗鬼の目でみるようになってきます。

 信頼関係が、希薄なのですよね。そして育てる気もないですし。

 なんだか会社というのが最近、個人事業主の集まりのように思えてならないのです。会社組織というものをプロ野球の球団とカンチガイしていないか? と。

 会社の運動会とか、家族ぐるみのイベントとか、末端でいえば上司と部下との飲みとかが流行らないのは、社員側(特に管理職でない一般の方)の帰属意識が批判されることが多いのですが、実はだいぶ会社側に原因があろうかと思いますよ。

 成果主義などが一時期かなりトレンドでしたが、会社というものが本当に個人事業主のマインドを持った人たちの集まりなのであればうまく機能するのでしょうけれど、会社というものはそんな風に一筋縄でゆくものではないですからね……。

 それを分かっていながら、強引に、会社を個人事業主の集まりであるかのような幻想を持ってムチ(「アメとムチ」の)だけで運営していこうとするのは、昨今ありがちな間違いです。

 そんな風に運営したいのであれば、会社のカネでそのように育てるべきなんです。自腹で。

 とにかく、会社が人材を育てるのは「義務」といっても過言ではないと思います。会社が、育てる機能を持っていないのだとすれば、会社という集合体は、何なのでしょう? というかもはや「会社」とはいえないのでしょうね(「事務所」という言葉がぴったりかも)。

 この業界の底辺層の、零細のSIer、ソフト会社等の現状は、未だ本当にヒドいものです。社長が、気分で、人材を右から左へ横流ししてるだけですからね。人間を安く買って、高く売るだけ。株や為替と同じ感覚でしょう。

 そして、いずれ自分が育てた会社自体を高く売るのだけが目的なのでしょうからね(それでも「会社」といえるのだろうか? )。

 よく使われる、経営側の言い分が、「もう社会人なんだから」(ガキ相手じゃあるまいしなんで1から教えなきゃならねーんだよ! ただでさえコスト削減が必要なのに! )と。

 あくまで自己責任、自助努力を要求するのですよね。企業側のリソースをケチる。社員側のリソース(カネと時間)でスキルアップするよう、強要する。

 一見、正論ですが、思いっきり間違っています。あまりに企業側に都合のよい論理です。このあたりを説明している本はたくさんありますので、これ以上の言及は省略します。

 いつものように「健康」に引きつけて考えれば、まず、人を育てるという機能を有していない(あるいは、持とうとしない)会社というのは、組織として不健康です。

 不健康な組織に属する人間は、当然、よっぽど「自分」を持っている人をのぞき、不健康になっていきます。それは、当然のことです。

 そして、「自分」を持っている人は「出る杭」としてパージされていきますので、その組織の品質に見合った人材しか残りません(それも当然)。

 パージされる前に、「自分」を持っている人の大部分は出ていってしまいますけどね……

 不健康な組織は人間関係もギスギスしているものです。そういう人間関係の中にほおりこまれて健康を維持するというのは至難の業ですよね。

 ということは、経営層がやるべきは、組織の中で良好な人間関係をキープする施策を、トップダウンで行うということでしょうね。「現場のことは現場にまかせる」なんて、そういうときだけ都合のいい言い訳をするのではなく。

 スキル見合いで新しい人材を現場に放りこむのではなくて、現有戦力で最大限のシナジー効果を発揮させるための、プロフェッショナルのコンサルを「刺客」として送り込むべきなのでしょう。同じお金をかけるのであれば。

 読んでいただきありがとうございました。

健康について第47回 組織と健康

2012/03/23 11:00:13

 お世話になります。龍澤と申します。

 第43回はじめ、何度か書かせていただいているとおり、システムエンジニアが健康を取り戻すことにより、この業界の生産性を底上げすることが可能である、ただ健康になりさえすればよいのだ、という思想をベースにこの連載を続けさせていただいております。

 先日、致知(私が定期購読している雑誌です)の中に参考になる記述がありましたので、引用させていただきたいと思います(私が気になったところだけピックアップしております)。

「自己改革の6つのキーワード」
大谷將夫(タカラ物流システム社長)
※『致知』2012年4月号

実際320人の社員がいても、戦力的には7掛けくらいで見ていましたよ。つまり224人。でもね、もし彼らがやる気になって普通の人の1.2倍働くようになったら384人分の戦力になるでしょ。そうしたら同じ人員のはずが、モチベーションが上がっただけで新規に160人採用したのと同じことになる。だからいかに社員を元気にさせることが重要かってことですね。1人を単に1人と勘定しているようでは、本当の会社の実力というものは見えてきません。

 この業界において現有戦力を健康的にする方向性に集中投資すれば、中途採用に注力しなくてもいいのです。新しい戦力は、リスクが大きい。能力があるからといって現行の組織にシナジー効果を与えるかどうかは、入ってみなければ分からない。戦力は足し算ではないのです。

 性格が悪くてスキルとプライドの高い人間を採用したばかりに、組織がぐだぐだになってしまうことは往々にしてあります(多くの方が、苦い体験をされていることと思います)。

 具体的な方向性としては、まず、この業界のすべてのエンジニアを定時で帰す(あるいは、夜間勤務の方もいると思うので、160h/Monthぐらいの稼働に抑える)ことが実現できたら、どうなると思いますか? おそらくほとんどの方にagreeいただけると思いますが、エンジニアを強制的にそのぐらいの稼働時間に抑えることができるのであればこの業界は良い方向に循環が始まると思います。

 今までだらだらとやっていた残業はすべてムダだったと皆が思い知ることでしょう。

 おおよそ、3つの効果が期待できるのですね。ムダな仕事をシェイプするのと、皆がやっきになって仕事することにより時間あたりの生産性が上がるのと、それと、皆さんの頭がリフレッシュされてますます仕事の効率が上がるということ。

 以前より書いてきましたが、早く上がれるのであれば絶対に仕事を引きずらないことです。そして眠ること。

 また、我々の真骨頂である障害対応(「トラブル・シューティング」)において、日頃ムダな仕事をシェイプしておけば、対応の「瞬発力」が期待できます。つまり、ダウン時間が少なくなることうけあいです。

 管理職が、なにがなんでも強制的にメンバーを帰す(イコール、健康にする)という覚悟、気構えが必要なのです。「帰ってもいいよ、でも自分の仕事は終わらせろよ!」とメンバーを常に軽く脅している管理職は、最低の部類だと思いますね(あえてキツい言い方をしています)。これは実は一種のパワハラなのです。

 上層部も、それによる定量的評価を眼前に見せられれば、変わってくると思うのですが。

 非常に大事なことは、管理職はメンバーに、リモートで仕事をさせないこと。家でメールチェックさせないこと。「完全にリフレッシュすることを命令する」のです。

 これは余談ですが、休むこと、帰ることを強制して強制して、それでもこっそり隠れてメンバーが仕事をしているのが垣間見えたならば、それこそがその本人にとってやりたい仕事なのでしょうし、「本当の仕事」なのだと思います。メンバーがプロフェッショナルに近づいている証拠です。

 ムダな仕事についてですが、今までけっこう長い期間この業界をみてきて思うのは、「内部プレゼン工数」「内部稟議作成工数」「内部調整工数」がかかりすぎじゃないかな、と思います。隣の部署に説明する資料(パワポ)に丸1日とかかけてみたり……。

 トヨタ方式(?たぶん)で、未来の議事メモを書いておけばいいのですよ。パワポなんていらないのです。未来の議事メモ=アジェンダなのですから。未来の議事メモをスクリーンに映して議事進行していけばよいのです。そして、会議が終わったら即、関係者に送付してしまいましょう。会議後にだらだらと、思い出しながら議事録をつくるのはホント大変ですし、多くの方がそういう仕事を先送りするので事実がどんどん忘れられていきます。

 それに、ワードで書く必要など皆無。テキストファイルでよいのです。

 それともう1つ、これは一見、逆行するように思えるかもしれませんが、チーム内のブレストの時間を異常と思えるぐらい設定したほうがよいのです。1日中チームでブレストしていればいいのです。ただし、1~2人、能力のあるワーカーをアサインしておきます。ブレストの結果をかたちにする人を決めておく。理想論ばかり語って「さて、誰がやるの?」で皆がフリーズする(逃げ腰になる)ような不毛な組織は、ダメです。「やる人」(オールラウンドプレーヤー)をトップダウンで決めておくこと。

 また、「やる人」からの他メンバーへの作業指示(ヘルプ依頼)はマネージャの威光の元、最優先で納期までに作業しなければなりません。(というルールを決めておくということ また、「やる人」は、作業レベルまで分解して他メンバーに指示をする必要がある)

 Mtgスペースなんていらないんです。会議室が空いてなくたっていいんです。ひとつのシマで、PCとにらめっこするのはやめて、リーダーが率先してディスカッションを促すんです。「どうなってる?」「どうする?」「どうすればいい?」と。(※ただし、リーダーは聞き役に徹すること!)

 PCに向かってるから不健康になるのですよ。常にディスカッションしていればストレス発散になりますし、夜の部(居酒屋)もほとんど不要になりますし、ネガティブな他人の悪口がメッセンジャーなどで組織内で飛び交うこともないでしょう。仕事するふりして為替をチェックする方も減るでしょう。管理職の方は、そんなことをするヒマを与えないことです。しゃべらせること。常に「自分はこう思います。なぜなら~」とミニ・プレゼンをさせてあげること。

 と、いろいろ書いてきましたが、ここまで読んで「分かるんだけど……ウチの組織じゃ無理」とか「言いたいこと好き放題書きやがって 理想論ばかりいいやがって」とか、ネガティブな思考に支配された方は、不健康です

 明日から何か、少しでもやってみよう! と思っていただけたら私にとって望外の喜びですし、そういう方は健康です

 つまり、私の文章は、とある人が健康か不健康かのリトマス試験紙になりうるということです。

 本日も読んでいただきありがとうございました。

健康について第43回 一介のSEが「健康について」を書くに至るまで

2012/02/24 15:33:01

 お世話になります。龍澤と申します。

 唐突ですが、なぜ私がこの「エンジニアライフ」という場をお借りして、しつこく「健康」について書いているかを整理しようと思います。

 第1~10回あたりで書き散らしたことの焼き直しになるかと思いますが、おかげさまでもう40回(約1年)を超えましたので、あらためて、振り返りと自身の立ち位置を再確認させていただきます。

 まず、1つの例を引きます。プロ野球の話ですが、先日、成績優秀によりクビになった(?)中日ドラゴンズの落合博満監督が、就任したのは2004年シーズンでした。監督は、大きな補強をせず現有戦力を10%底上げして優勝する、という公約を掲げてそれを実現させました。

 オレがこの目でみていないのに最初から一軍と二軍メンバーが決まっているのはおかしい、と、キャンプの初日に紅白戦をして、自分の目で確かめたのは今でもおぼえていますし、カッコよかったです。

 そしてさらに溜飲を下げたのは、翌年は手のひらを返したように大幅補強を行ったことです。「優勝争いをするチームになる」というのと、「常勝軍団になる」という目標設定とでは、必要な戦力は違うのですよね。ますますカッコいいなあと思ったことをおぼえています(2年目は優勝できなかったはずですが、それも勝負の世界です)。

 なぜこのような例をひいたかといいますと、われわれもこの業界の現有戦力を底上げして、世界に伍して闘えるような集団になりましょうよ、ということを言いたいのです。この業界に棲息するエンジニア、ひいては日本人は、元来優秀なので、補強の必要はないのです。

 そしてその「底上げ」の手法として、いわゆる「スキルを磨く」ではなく、(ただ)健康になりましょうよ、それだけでいいんですよ、といっています。

 バカみたいかもしれませんが、本気でそう思っています。「みんなで健康にさえなれば底上げは実現される」というのと、「もともと優秀なのだから、底上げされれば業界全体として世界で闘える」というのと、どちらもホンキで信じています。

 この業界のエンジニアの多くが、自らすすんで健康を害して、半ば自滅しているような気がしてならないのです。不健康では良い仕事はできません。生産性は上がりません。分かりきったことなのですが……。

 この業界特有の「ポーズ」として、慢性的な長時間労働、不規則な生活、偏った食生活、等が半ば「賞賛」されるような空気があります。言い方を変えれば、労働時間を減らして同じ成果を残す、すなわち生産性を上げようとする人間に対しては賞賛の声は極めて少なく、それどころか足を引っ張る勢力や、規則的な生活、健康的な食生活を志向する人間に対して「そんなのSEじゃない」と揶揄する人間がいまだに存在します。

 加えて、クローズドでかつ長時間拘束される職場環境が引き起こすコミュニケーション・ロス。これもかなり大きな問題だと思います。つまり、ビジネスにおいて外の空気を触れる機会が少ないのです。内部・外部のセミナーや研修であったり異業種交流であったり、そういう機会がない。いや、違いますね。コミュニケーション・ロスを引き起こしているエンジニア自身がそれを求めなくなってしまう。

 その結果また、似たようなタイプのエンジニアが複製されてゆきます。

 確かに、寝食を忘れて、クローズな環境で仕事に没頭する時期が、人生において必要なのは確かですが、でもそれが慢性的になってはならないのです。どこかで、本当は管理職がストップさせてやらなければならないはずなのですが……。同じ技術者あがりの管理職にそのマネジメントを期待できるはずもなく。

 ステレオタイプのエンジニアは、仕事が空くと「何をしていいか分からない」と言い出すようになってしまうのです。アナタがその年齢で、ビジネス・シーンにおいて「やらなければならない」ことはたくさんあるはずなのに。

 結局、この業界と非常に親和性の高い、ヴァーチャルな世界に走ってしまったりします。SNSやゲームなどに無限に時間を吸い取られ……。

 こういう伝統が脈々と受け継がれている。この業界に流入してきた多くの優秀な人材が疲弊し、多くは業界の中に沈溺して「ただの人」になり、また、一方では多くが他の業界に去ってゆきます。

 ずーっと昔から、自分が働いてる現場だけじゃなくて、ギョーカイ全体がヤバいんじゃないかと思っていて(だって、どの現場にいってもそうだから)、この危機感は日に日に強くなってきました。私もある程度歳をとりましたし、大変僭越ながらボトムアップでなんとかこの業界を変えてゆけないだろうか、と、強く強く思うようになりました。

 「健康」をキーワードにすれば、何かしらの「潮流」を起こせるかもしれない、起こしたいという思いがあり、まずは身近なところから始めています。まだまだ、何も変わったようには見えませんけども……とにかく始めたことは確かです。

 私自身は、本当はこのまんまマイノリティでもかまわなかったのですが(健康を志向するエンジニアというのは、今までもこれからもマイノリティに違いない)。他人に余計なお世話をする時間も余裕も、なかったはずなのですが……。

 でも、元気はつらつで生産性高く働く人間がこの業界で正当な評価を得(特に、金銭的に!)、報われる業界体質になってほしいと。強く願います。だらだら残業している覇気のない人たちが一定の評価を得るのではなく。

 まずはそこからですね。

 読んでいただきありがとうございました。

健康について第37回 いつも体調が悪そうな人たち(2)

2012/01/13 13:20:40

 お世話になります。龍澤と申します。

 今回は第34回の続きです。第34回では、常に「自分は体調悪いですから」と、何らかの手段で外に宣言している人をどう扱ったらよいのか、本人に問題があるのか組織に問題があるのか、こういう人が増えてきたらそもそもこの業界大丈夫か? などについて書きました。

 さて、多くの人が気付いていると思いますが、昨今、経営者やエグゼクティブクラスだけでなく、管理職だけでもなく、組織の末端までに「インテリジェンスあふれるビジネスマン」であることが求められています。

 ということは、ムカシのサラリーマン(ヒラ)にはそこまで求められていなかったということです。なぜなら、ムカシのサラリーマンはワーカー(労働者)でした。

 労働運動、組合運動が下火になったのはそういう理由です。現在のサラリーマンはもはや労働者ではない(「みなされていない」)のです。この事実は、「喜ばしいことと、とらえることにしませんか?」というのが、私の考えです。「労働」を派遣さんやアルバイトにおまかせすることができた結果として「やっとビジネスマンとして、人間並に扱われるようになった」とでもいいましょうか。。

 ワーカーじゃなくなったということで大変なことももちろんあります。「主体的に動かなければならない」とか「結果がすべて」とか「時間がきたら帰れるわけじゃない」とか……。あるいは、組合という抑止力が低下したために企業にいいようにコキつかわれるようになってきた、とか……。

 でも、それでも! ポジティブにとらえましょうよ、と。幸いムカシよりも人材の流動性が高まってきたので、会社がイヤになったら転職すればよいのです。ワーカー気分から脱して次のステージに上っているサラリーマンであれば、かならず転職はうまくいきます。

 会社に仕えるビジネスマンが、いわゆる「派遣」の方やアルバイトの方とどこで差異化されるかというと、アルバイトはいるだけでそれが労働と判断されて給料をもらえますが、社員はいるだけじゃ給料をもらえない(べき)、ということですね。

 あるいは、「いるだけ」の社員さんはアルバイト並の給料でよいのでは?と。

 で、前回書きましたように、自分は生産性高く仕事していません、というオーラを常に周りに発信しているような方というのは、給料はアルバイト並でOKということになりませんでしょうか。

 自分は生産性高く仕事していない、けど給料はいっちょまえにくれよ、というのはおかしいと。企業はもはや、かつての牧歌的な時代とは違って、ワーカーに給料を払うことをあからさまに渋るようになってきました。

 なのですが、(ここまでは「正論」にすぎません)

 日本の企業がまだまだ捨てたもんじゃないと思うのは、「一生懸命やっている」という事実はかなり定性的ではあるのですが、それが相手に伝わっていれば大丈夫なのです。定量的評価に、直接的にはつながっていなくとも。

 一生懸命やっている、という事実が、組織に好循環を与えるのです。それだけで現場には貢献しています。それは、大馬鹿でない(失礼!)管理職であればその事実は気付いています。

 わかりやすい例えでいえば、野球やサッカーとかでベンチで盛り上げているムードメーカー、みたいな存在のことです。その組織では必ずしも、実力で突出した存在ではないけれど、それを自覚しつつも「他に自分がその組織の中で役立てることはないか?」と常に考え続けることができる人間。そういうことができる人は実はものすごく「インテリジェンスあふれるビジネスマン」なのですよね。

 スポーツの世界はシビアですから、ベンチでムードメーカーになったところで実力的にレギュラーの選手を抜くことはできません。ですがビジネスの世界であれば下克上は可能なのです! ムードメイカーも「スキル」なのです。

 ふだんは頑張っているがたまに体調が悪くて生産性が落ちることがある、という場合は、仕方ないですよね。その人の過去の実績があるわけですから、たとえば2日間体調サイアクだったからはい、あなたのその2日間の給料は減額します! なんてことを言う会社だったらそれはそれでどうかと思います。会社というのは、ふだん一生懸命働いてくれている社員を守ってあげる義務があります。

 ふだんの信頼関係が、大事なのです。

 で、この連載で直接的間接的に何度も述べているとおり、「インテリジェンスあふれるビジネスマン」になるためには(ただ)健康になればよいのです、と。

 健康になるだけで自身の生産性もあがり、生産性が上がることで自然と自分のまわりのビジネスが好循環してゆくのです。

 読んでいただきありがとうございました。

健康について第27回 医者とSEは似ている(医療制度との距離感その2)

2011/10/26 10:19:07

 お世話になります。龍澤と申します。

 前回より始めた「医療制度との距離感」のその2になります。

◆医者とSEは似ている

 お医者さんという存在……なんだか同じ「におい」を感じませんか?

 あの、協調性があまりなさそうな……私たちと同じように「患者とコミュニケーションを!」とか周りからプレッシャーかけられてるんだろうな、とか推測してみたり。

 大手の病院を観察していると、各科どうしの連携などまったく考えてないような気がします(患者のカルテのデータは連携されているのだとしても)。

 中途半端な職人性とでもいうのでしょうか。彼らも、本来は専門職、そして技術職ですし。あんまりビジネスビジネスしていないところも、似ているように思います(そして、「基本的に長時間労働」なところも!)。

 おそらく、そうしたことは医者にとって不幸だろう、といってよいと思うのですが、彼らは、まわりから「先生」と呼ばれますよね。 それが、私たちと違うところです。学校の先生や、若い政治家1年生もそうですが、人間的に未熟なうちから「先生」と周りから呼ばれてちやほやされてしまったら、その時点で大きなカンチガイをしてしまうので、よっぽど意志が強くない限り、人間的な成長はそこで止まってしまうのではないでしょうか。

 彼らは先生でも何でもない。私たちと同じ「技術屋」なのです。という意味では、私個人的には彼ら(お医者さん)を嫌いではありません。

◆SEが完璧なシステムをつくれないように、医者は完璧じゃない

 でも……私たちと彼らが似た者どうしなのだとしたら、あんまり彼らに全面依存しないほうがよいのでは……って思いませんか?

 だって、もし同じ人種だとしたら、たとえば私たちは根本的に欠陥があるシステムしか納品できないのですから。彼らも同じでしょう、と。

 私たちはメンテナンスフリーのシステムを納品「できない」。なぜなら保守フェイズでおカネを稼ぐ必要があるからです。 であれば、医者も同類です。彼らは私たちを完治させることはしません。なぜなら、患者を治しちゃったら医療業界と薬品業界はもうからないんですから!

 どちらも、実は根底のところでエンドユーザーのことなんて考えちゃいません。

 医療業界は、本当は、猛省しなければならないのです。彼らは、わかってやっている。知ってて我々を完治させず薬漬けにするのです。

 と、いうことは、本当は私たちも、メンテナンスフリーなシステムを顧客に納品しない(意図的に)ことを猛省すべきなのです。

 ここは、けっこう重要なポイントです。このIT業界というのは、ここを乗り越えれば大きく変われるはずなのです。

 読んでいただきありがとうございました。

健康について第23回【実践編】午後眠くならないようにする方法

2011/09/26 11:57:37

 お世話になります。龍澤と申します。

 だいぶ間が空いてしまいましたが、久々に【実践編】を書きます。お役に立てることうけあい、です。(多分……)

 午後に定例会議や、やや単調な作業が予定で入っているときなど、てきめんに眠くなりますよね。そういうときの対策について、こちらのエンジニアライフでも、あるいは別なサイトでも、さまざまなお役立ち情報を書かれている方がいらっしゃいます。少しカブってしまうところもあるかもしれませんが、「健康」という切り口で、午後眠くならない方法について考えてみたいと思っています。

 会議で舟を漕いだり、自席でうつらうつらしているとホント、印象が悪いですからね……

 例えばハケン契約ですとそのような定性的な「印象」ですぐクビになってしまいます。たとえ定量的な成果を上げていたとしても、です。すべて一度の居眠りでぶち壊しになってしまう。そういう業界なのです。(昔のこの業界は、今よりも「勤務時間帯に寝る」ことに寛容だったのですが)

◆ 自覚

 自分が午後、眠くなる時間帯というのは実は驚くほど似通ってきます。ですのでまず、1~2週間ほど自分が眠くなる時刻を測定し、おおよそ何時何分に眠くなるのかを把握しておきます。また、眠くなった時刻とともに、「昼食を食べ終わった」時刻も記録し、自分が昼食を食べ終えてから眠くなるまでの時間も認識しておきます。

 次に、毎日その時刻にアラートを上げるようにします。携帯でもいいですしPCにポップアップをあげるように設定しておくでもよいでしょう。とにかく、必ず気付くようにしておく必要があります。

◆ 昼食のありかた (1)少食を

 午後眠くなるのはなぜか? それは、お昼ごはんを食べてお腹がふくれるからなんだろうな、というのはなんとなく分かります。ではなぜ、お腹がふくれると眠くなるのか?

 眠気というのは何のサインかといいますと、それは、「胃腸にすべてのリソースをつぎ込みたい。消化に専念させろよ!」という身体からのメッセージなのです。確かに、そのまま眠りにつけば、脳は外的刺激を受けることもなく、手足に神経を集中させることもなく、一時的にほぼすべてのリソースを胃腸に集中できます。

 まるで、「胃腸」というチームで火を噴いているプロジェクトのようですね。他のチームのタスクはすべて止めろ! というプロマネ(いや、プロマネより権限の大きい顧客?)の大号令により、一時的にすべてのリソースを火消し(消化)につぎ込むという……

 午後に眠くなる方の多くは、昼食のあり方が間違っているのかもしれません。

 昼食にお腹いっぱい食べる(具体的には、「腹八分目以上」)ことが当たり前となっているのであればその習慣自体が間違っている、といいますか、身体にとってはおすすめできない行為なのです。胃腸が、忙し過ぎるのですね。工場に例えれば、午前中はスカスカだったのにお昼に大口の注文が入り、午後からいきなりラインがフル稼働になるようなものです。

 満腹感を感じる手前で食事をやめる必要があるのです。

◆ 昼食のありかた (2)かなりよく噛む

 「よく噛む」というのはMustで実行しなければなりません。

 まず、食べ物が砕けきらないまま胃袋に入ると、量を食べるのと同様に胃腸がかなり忙しくなります。「半砕けの食物を完全に液状にする」という、本来胃袋が苦手とする行程を胃に強いることになります。

 「それは口(唾液)の仕事じゃねえか!」「いいかげんにしろ よく噛めよ!」と、胃袋はいつも怒っています。このあたりはSEの現場の光景と似てますよね。

 ということは、「半砕けの食物を、さらにお腹いっぱいになるまで胃袋に放り込む」となれば、胃腸がどれほどいっぱいいっぱいで仕事しているか(それも毎日!)ご理解いただけると思います。

 よく噛んで、唾液で食物をどろどろにして胃に送り込む、という習慣をつけるだけで、身体の変化が実感できます。また、よく噛むのを習慣化すると自然と少食も実行できるので(今までの6割ぐらいの分量で満腹感を感じ始める)、結果、胃腸への負担が軽減され、午後に睡魔が襲う確率が減ります。これは、数週間で必ず実感できますのでぜひ続けていただければと思います。

 ところで、半砕きの食物を水やお茶で流し込むのはまったく意味がありません。それどころか、食物を喉から特急電車で胃にダイブさせているだけですので、身体にとって良いことは何もありません。

 最初は習慣を変えるのは少しキツいです。おおよその目安として、自分なりによく噛んだつもりで、そろそろ飲み込もうか、と思った瞬間からさらに20回ぐらい噛んでちょうどよいぐらいです。

 「ごっくん」と飲み込むことからして実は間違っています。固形の食べ物が液状になるまでは口腔内に留めておく、ということですから、最終的には「飲み込む」という意識がなくなるぐらいまでは噛む必要があります。最後の方は「噛む」といっても歯で噛むものがないわけですから、「唾液と混ぜ合わせる」というイメージの方が近いですね。

◆ 眠いときは寝る

 2.を実行することにより、午後に睡魔が襲ってくる確率が減ったとしても、やはり身体が睡眠を要求しているときは眠くなります。当たり前のことですが前日の睡眠時間が自分のいつもの習慣化されている時間より少ない場合は、午前中乗り切っても午後はどうしても眠くなってきますね。

 いろいろな方が書かれているとおりで、眠くなったら寝るのがいちばんなのです。20分ほど昼寝すると脳がスカっとして、午後の生産性が上がるのは多くの方が指摘しているとおりです。

 なのですが。。「眠くなったら(自席で、おおっぴらに)寝る」行為を許されている人はほとんどいないでしょう。さてそれではどうするか? といいますと……(特に、午後に大事な会議などがある場合)

 1.で書きましたが、自分の通常のライフサイクルで何時ころ眠くなるか? そして、昼食を食べ終えてから何分で眠くなるか?を把握できていれば、それを逆手にとり、昼休みに眠くなるように自身を仕向ける。昼休みに眠くなるために、「早めし」をしましょう。業務時間中であってもこっそり抜け出して、コンビニでおにぎりやパンを買い、どこかでこっそりと食べてしまいましょう。(それぐらいの休憩は許されるのでは?)

 そのような場合は2.の(2)で書いたことを逆に活用して、がつがつとあえてあまり噛まずに食べ、胃に負担をかけ、昼に必ず眠くなるように仕向けましょう。

 昼休みに眠れる職場環境ではなくとも(あるいは、昼休みに眠くならなくとも)職場の風評や噂から自分の身を守るためにも、「寝れる場所」というのは確保しておくべきだと思います。多くの人はトイレを活用していますが、個室に入って目をつむったところですぐ眠れるとは限りません。ちょっと眠くなったな、ぐらいのときに即、眠りに入れるような訓練は、ふだんからしておかなければなりません。

 私は、眠気を感じたらどこでも即眠りに入ることができる、という技術は、ビジネスマンの必須スキルだと考えています。ので、休日を利用して鍛錬しておきましょう。

◆ まとめ

 エンジニアというのは工場勤務の方ほど昼休みが厳密ではないと思うので、可能であれば自分の昼休憩を2分割し、まず前半は早めしを習慣化して、残りの昼休憩時間は散歩や体操(とにかく身体を動かす!)そして15~20分を必ず睡眠に充てる習慣にするのが理想的かと思います。

 1日をトータルで考え、休憩も含めて最大限に活用し、いかに自分の生産性を最大化するか、という観点で「勤務時間帯の中での睡眠」を考えてゆくべきだと思っています。午後に睡魔と闘いながら低い生産性で作業するよりは、びしっと20分睡眠に充てたほうが、自身の生産性のみならず組織の生産性にも寄与すると思うのです。

 もちろん、日中の自分の仕事の生産性を最大にするために、夜に良質な睡眠をとるというのは、ビジネスマンとして当然の義務となってきます。(長時間ではなく、とにかく質のよい睡眠を)

以上です。読んでいただきありがとうございました。

健康について第18回 24時間働けません

2011/06/30 19:21:55

お世話になります。龍澤と申します。

 以前より、「健康とはバリバリ働けること」と書いておりますが…

 とはいえ、「24時間働けますか」といったら、ITエンジニアは24時間は働けません。今回はそのあたりのことについて書いてみたいと思います。

 バリバリ働く、のと24時間働く(あるいは、仕事のことを考え続ける)ことは同義ではありません。なぜならば、この連載でもずっと書いておりますとおり、私たちは頭脳労働者だからです。

 頭脳労働者は、アタマを休めるのも立派な仕事です。脳みそは、適度に休ませること、そして、深い睡眠をとることにより(必ずしも「長い」睡眠ではない)最高のパフォーマンスを発揮します。

 脳を適度に休ませる手段については「健康について第9回【実践編】」で書いたとおり、一仕事終わったら[画面]から離れる必要があります。その日の仕事(「頭脳労働」)が終わったら、眠りに入るまで脳を[画面]から解放してあげなければなりません。

 メジャーリーグのイチロー選手の美談として、スーパースターになっても日々のグローブの手入れを欠かさない、そして手入れを人任せにしない、という話をたびたび聞きました。そのことをイチロー選手に尋ねると、「プロとしてアタリマエでしょ?」と。

 でも、プロ野球選手でも、スターになればなるほど道具の手入れを他人に任せてしまう人のほうが多いのではないか? と私は推測しています。そもそも、身の回りの世話を(カネを出して)他人に「させる」のがスターである、そのためにカネを稼いでいるのだ、と勘違いしている選手は多そうですね。

 そして、私たちにとって道具にあたるのはもちろん、脳です。それと、(「第9回【実践編】で書いたとおり)目です。プロフェッショナルであることを意識し、他人にゆだねず、自分で「道具」を手入れして、ピカピカに磨いておく習慣をつけましょう。

 まず私たちは、頭脳労働者であることに誇りをもちたいものですね。

 よくいわれることですが、アイデアに煮詰まってしまったらいっぺん放り出してしまって、寝てしまったほうが結果がよいようです。寝ている間に脳が勝手に考えを整理し、思考の再構築を行って、進むべき方向性を導いてくれる。

脳科学について私は素人ですが、睡眠をとっている間、脳はブラックアウトしているわけではありません。つまり、私たちが「寝る」という行為がイコール、脳に休息を与えているというわけではなく、寝ている間も脳は活発に動いています。

 「寝る」という行為は、脳のコントロールを無意識下に「まかせる」ということです。

 寝ている間に「無意識下」は勝手に、脳を活発に活動させたり、休ませたり、というサイクルをつくっています。それと同様に、私たちは、起きている間も、脳を活発に動かす時間と休ませる時間とのメリハリをつける必要があります。寝ている間は勝手にやってくれますが、起きている間は私たちの主体的意志によりコントロールする必要があるのです。

 なぜそんなことをしなければならないのか? といえばそれは、繰り返しになりますが、頭脳労働者として脳を常に最高のパフォーマンスで稼働させるためです。言い方を変えれば、頭脳労働者でなければ脳のケアについてそれほど繊細に考える必要はないのでしょう。

 寝る前の話ですが…

 仕事が終わってから眠りに入るまでは、実は無意識下に対する「引き継ぎ期間」にあたるわけです。実は、この期間の過ごし方が大変重要なのだということは、最近知りました。

 以前は、仕事が終わってすぐ、脳が興奮していて少し混乱しているときにそのまま睡眠に突入させたほうが、無意識下においても継続して同じことを考え続けることができて、効率がよいような気がしていました。が、それはまったく間違っていたようです。

 混乱しているまま睡眠に突入すると、無意識下はまず、それを「平定」することに追われてしまいます。思考の再構築作業はその後になってしまうので、結局時間が足りずに、うまく整理されないまま次の日の朝を迎えてしまうわけです。

 毎日毎日一定時間の(そして、ある程度長めの)睡眠を確保できるのであれば、余裕のある睡眠時間のうちに無意識下でリカバリすることもできるのでしょうが、特に私たちは長く眠ることは許されない職種といってよいと思います。ですので、睡眠への「入り方」が特に大事になってくるのです。

 はっきりいいますが、睡眠に入った後の「無意識下」のほうが頭脳労働者としてはいい仕事します。だから、無意識下には「思考の再構築作業」に専念させるべきで、Confuseの平定作業は私たち(つまり、起きている間の自分)が引き受けなければなりません。それを引き受けられるのであれば、睡眠時間は短くともよいのです。

 最後に…

 脳に良質な栄養を与えてあげるのも私たちの使命であります。脳そのものが必要とする栄養素というのが、脳が「欲する」食べ物とほとんど重ならないというのが難しいところでして…

 例えば、脳が「なんか甘いもん食いて-!」と叫んだとしてもそれは、身体のどこかの欲求を代弁しているにすぎず、脳は脳自身が摂取したいものについては沈黙しています。

 人間は甘いものを欲することがよくありますが、糖分を摂取することによりあたかも、まず脳に糖分がいきわたってリフレッシュされ、頭の回転がよくなるかのようなイメージや刷り込みを、私たちはされてきました。

 それを100%全否定するわけではありませんが、ほとんど間違っています。糖分を人間は必要としますし、摂取量が足りない場合欲しますが、他の栄養素と同様に、身体に与えてあげるべきは「良質な」ものであって、例えばスナック菓子は身体にとっては不要なものです。(たとえ脳がスナック菓子を欲したとしても)。そして、すべての栄養素にいえることですが、過剰摂取は厳禁であり、たとえ良質であっても急激に糖分をとると身体に相当な負担がかかるのでやめたほうがよいでしょう。

 脳そのものが欲しているものというのは別に特別なものではなく、良質でバランスのとれた食事と(完全なる)休憩、そして睡眠です。つまりは、ごくごく一般的な健康法となんら変わりはないということになります。

 読んでいただきありがとうございました。

健康について第16回 健康とはバリバリ働けること

2011/06/15 19:25:44

 お世話になります。龍澤と申します。

 タイトルに書きましたとおり、「健康」とはすなわち、バリバリ働ける状態のことだと思っています。逆にいえば、バリバリ働いている状態を継続することができていれば、それは健康ということです。そこには「運」などの外的要因も入ってきます。バリバリ働ける環境に身を置くためには自分の力量や努力だけではどうしようもならないことがままありますからね……。

 つまり、健康とは「運」も多分に含まれる(努力だけではどうしようもないことがある)ということです。これをはっきり言っている方は少ないと思います。

 一応補足しておきますが、「働く」とは、その対価として金銭を要求する「労働」とは必ずしも限りません。

 

 そうはいっても、「ウチの上司はいつ見てもバリバリ働いてるけど、毎晩飲み歩いてるし、ぜんぜん健康には見えない!」と思う方もいらっしゃるでしょう。

 いや、そのとおりなのです。バリバリ働いてはいるけれども「一般的見地で」不健康な(不健康に「見える」)人は、たくさんいます。

 なのですが、この連載では「一般的見地」というのはあくまで「参考程度」としておきたいと思います。

 

 まずひとつの例として、玄米菜食やいわゆる「ベジタリアン」等の「健康的な食生活」を送ってはいるが、声もか細く、覇気もなく、仕事の現場ではまったく「バリバリ」働いているようには見えない人がいるとします。

 そういう人は、たとえ健康的な食生活を送っていて、結果として定期健診等で身体に異常がみられないのだとしても、真に健康とはいえませんよね。

 なぜならば、「自他共に認める」という状態になっていないからです。前回書きましたが「健康的な食生活を送る」という「手段」のほうに拘泥している自己満足の状態にすぎません。

 こういう方と対照的な、「昼もバリバリ、だけど夜もバリバリ(ついでにいうと朝はボロボロ)」みたいな方……現場において常に覇気(あるいはオーラ)を感じさせ、夜の宴会でも大活躍(いつ寝てるんだ?)、みたいな感じの方もたくさんいらっしゃいます。この業界にはあまりいないタイプですが、お客さん側でこういう方っていますよね。

 たとえ健康診断で常に複数箇所異常がみられ、再検査の常連であっても、こういう方は「健康」だと思いませんか? 前者と比べれば……。

 ついでにいうと、前回書いた「不健康な自分に酔っている」タイプの方というのは、長時間労働に勤しんでいても残念なことに「覇気」がありません。「バリバリ」ではないのですね。

 

 前者のほうが、長生きはするかもしれませんよね。あるいは、意図的に長生きを狙って「健康的な食生活」に取り組んでいらっしゃるのかもしれません。それはそれで、もちろんその方の考え方なりライフ・スタイルを否定するものではありません。

 後者のようなタイプの方は長生きしないのかもしれません。でも、「太く、短い」人生を送られるのだと思いますし、どちらかといえば私はそういうタイプに共感します。健康か否かというのは必ずしも長生きするか否かではありません。

 ところで、私が自身に求めるステージはもっと上です。簡単にいえば前者と後者のハイブリッド(いいとこどり)ということになりましょうか。「太く、長く」生きれたら素晴らしいと思いませんか? そのための努力を、今から始めるべきだと思います。

 

 今回お伝えしたかったことをまとめると、健康的な食生活という手段に拘泥するよりも、(それも必要ではあるのですが)まずは、職場で覇気のある態度を示しましょうよ、ということです。

 外に発せられる態度、アクション、言動のほうから変えてゆく。そして、周りの印象をまず変えてゆくこと。(「あいつ変わったな」と注目されること。みんなの注目を「わしづかみ」にして!)これがとても大事です。

 いつもと同じように「○○が先か××が先か」という話になってしまうのですが……。

 「健康的な食生活」とやらを送った結果として仕事の現場で覇気が出てくる、というのが理想かもしれませんが、各人の性格もありますし、覇気が出てくるのを待っていては遅すぎるのです。まず自分の言動を変えて、覇気があるようにふるまっていれば、自分も変わりますし、それと共振して周りも変わってゆきます。結果、今より仕事がうまくまわってゆくのは間違いのないところで、ますます自分の望む仕事やレベルの高い仕事が舞い込んでくるかもしれません。

 そして、仕事の質が上がることにより「健康上よくないストレス」が減ってゆき、健康的な生活を送るために必要なストレス(「心地良い緊張感」)が増えてゆくことにより、どんどん(真の)健康になってゆきます。

 「健康的な食生活」等の「手段」は、自分や周りが若干変わりだした頃から考え始めればよいと思います。というか、自然に考えるようになります。なぜならば、「健康な自分」に変わってゆく過程で、その自分にふさわしいライフ・スタイルを自然と模索するようになるからです。 

 読んでいただきありがとうございました。

健康について第7回 電源OFF。

2011/04/04 11:59:39

 お世話になります。龍澤と申します。

 私は東京に住んでいるものですから、今回も首都圏の直接被災していない地域、つまり、東電のカバーエリアで今後しばらくの間節電を強く求められる地域向けの話題になります。

 前回は、この機に便乗して「しーんとした時間」をつくりましょう、ということを書きました。

 私たちは、震災の報道にもう飽きてきました。残念ですがこれは仕方がないことです。なぜなら、報道する側のマスコミがまず飽きており、それを我々に強要しているからです。

 私たちは「震災報道」に飽きてきただけであって、常に本当の情報、必要な情報は知りたいのですが、マスコミは必要な情報は伝えません。それは、以前からうすうすわかってはいたのです。が、今回その事実をイヤというほどはっきり突きつけられ、結果として「飽き」という感情につながったということだと思います。

 やはり情報は受動的に受け取っているだけではダメなのですね。(これは、「健康」という観点からも)

 という意味で、今こそ(節電の意味でも)テレビをOFFして「しーんとした時間」をつくるチャンスです。

 今、こまめにいろいろな電化製品の電源をOFFしているのであれば、「テレビ」という存在を聖域化せず、ただの一電化製品として考えるべきであるということ。

 そういえば、テレビ局も輪番で1週間ずつ放送を止めてほしいですよね。どんだけ節電になるかわかりません。。

 同じような内容を24時間並行放送する必要は、まったくないのです。今こそテレビ局を「聖域」からひきずりおろすチャンスなのですが。(蓮舫さん、仕分けお願いします)

 今回の原発問題は完全に人災なので、東電の都合で強制的に停電させられるのはまったく腑に落ちませんが、もともと節電というのはとても健康的な行為です。いわゆる「エコ」という概念に隠れてしまうのではなく、「節電」という言葉をもっと前面に打ち出して、私たちは行うべきでした。

 そしてこの「未曾有の」状況により、首都圏全体で節電を強制させられている状況です。どこかに抜け道はあるのでしょうが、おおむね私たち庶民だけでなく、企業側にも聖域はないようにみえます。これは、とてもよいことだと思います。これまでは常に企業や団体が恩恵を受け、庶民が割を食うような世の中の仕組みになっていましたからね。

 ここ数年日本の表層にはびこっているいわゆる「エコ」思想は、まったくもって庶民のみが割を食うシステムになっているので、私は独り反対しています。

 たとえば、ペットボトルなどは庶民の手にわたってしまった後は燃やしてしまえばよいのであって、真の「エコロジー」を追求するのであればまずペットボトル飲料を企業側が生産しないことです。

 そちらの根本原因にメスが入らず、我々のみがペットボトルリサイクルを強制させられる(しかも、リサイクルをしてもほぼ意味はないにもかかわらず)。思考をシンプルにすれば、この世の中の空気がいかにヘンか、巧妙に操作させられているか、がわかります。(「まずやれるところから」というプロパガンダの大ウソ)

 私は、ペットボトルも牛乳パックも、何もせず即燃えるゴミに「分別」して燃やしてしまう人間ですが、地震発生前からかなりの節電家でした。

 でもそれは、高尚な考えをもってやっていたわけではなく、健康を意識していたわけでもなく、ただケチだからです。

 恥を忍んで我が家の事情を話すと、我が家の家計は、私の取り分(小遣い)が変動制なのです。。つまり光熱費等銀行引き落とし分の額により私の小遣いが変動する、ので、節電すれば少しでも私の小遣いがUPするため、それがモチベーションになります。

 私は聖人ではないので、電気を節約してもしなくとも月の小遣いが変わらないのであれば、節電などやっていなかったかもしれません。

 ですので、私個人のライフ・スタイルは、地震の前後であまり変わっていないように思います。

 節電というのはつまりは、バブルの前時代(金余りでなかった時代)に戻る動きです。(不思議なことに)前時代に戻ろうとすると身体が健康的になってゆくのがわかります。

 たとえば、非常にわかりやすいのは、エアコンを切る。

 エアコンを切ることで、自身の本来持っている体温調節機能を呼び覚ますことができます。また、外気が寒くなったら服を着、暑くなったら脱ぐという本来の習慣が戻ってきますし、「頭寒足熱」という言葉も、実践で腹落ちするようになります。

 エアコンも含め、私たち人間は、都合のいいようにキカイ(電力供給が必要な文明の利器)を利用すればいいだけの話であって、(それが、「豊か」な生活ということです)身体がエアコンに依存している状況は決して健康的であはありません。

 夜早く寝るのもそうですね。夜早く寝るようにしてしまえば、てきめんに節電できます。

 でも、皆様ご存じのとおり私たちエンジニアが「夜早く寝る」じゃあ、商売あがったりなんです。我々は水商売の人たちと同じように「夜に活きる」人種であり、極端にいえば電気を栄養にして生きているようなものです。(我々の商売道具であるOA機器も含め)この「未曾有の」状況においてはきわめて因果な商売であるといえるでしょう。

 この議論はいつかは書かなければならないと思っているのですが、今回は触れないでおきます。

 金がないのはダメなのです。金がない、つまり貧乏では絶対に健康にはなれない。そして、貧乏ではエンジニアはできません。いや、できるかもしれませんが生産性高いエンジニアには絶対になれません。質素な生活には困らないぐらいの収入は、必要なのです。エンジニアにはハングリー精神はまったく似合わない。

 でも、金余り状態では、貧乏状態よりももっと不健康になっていきます。言い換えれば、「怠惰」になってゆきます。ケチケチしているぐらいが、状況が弛緩しないのでちょうどよいのでしょう。

 ですが、「ケチ」を前面に押し出してはなりません。それが難しいところで。。自他共に認めるリアル「ケチ」では、歪んだ人間になってゆきます。歪んだ人間は間違いなく健康ではありません。

 歪んだ人間には笑顔がありません。笑顔は健康的生活を送る上での必須条件ですから。

 節電生活(総称して「清貧生活」とでも申しましょうか)をルーティン化して、無意識化してゆく必要があります。夜寝る前にはコンセントの根っこから抜く、たとえば保温便座は夜間はOFFする。炊飯器は夜間の保温はやめ、朝、その日食べる分だけ炊飯する。などなど。。

 そういうことを、あたりまえのように、自然に行えるようになれば、そんな人間を他人は「ケチ」とは思わないでしょう。自分も自身のことをケチとは思わないでしょう。それは自身の「民度」が上がっている証左です。以前書いた「ステージが変わる」とほぼ同義です。

 民度が上がるのと比例して健康的になってゆくことができます。そして「my民度」を上げることは、それを望みさえすれば誰にでもできます。

健康について第6回【実践編】(1) こんなときだからできること。

2011/04/01 9:45:42

 お世話になります。龍澤と申します。

 今回は、今の情勢に見合った、健康的生活へのシフトについてさらっと書きます(今回は、首都圏の直接被災していない地域向けになりますのでご了承ください)。

 計画停電や、物資食料の流通の遅滞など、今私たちを取り巻く特殊な状況は「健康的生活」へシフトする大きなチャンスです。まず、このような状況をネガティブにとらえずチャンスととらえたほうがよいですね。

 私たちが精神的健康を「取り戻す」ために。私たちはマスコミから、ネガティブな情報をインプットしすぎました。起こった事実だけでもひとりひとりの個人では抱えきれないぐらいの重みがあるのに、さらに各マスメディアの恣意的な、悪意を秘めた「煽り」がその倍ぐらい付加され、超巨大な「情報津波」が私たちを襲いました。そして我々はそれをただ受け止めるしかなかった。

 ビジネス・チャンスととらえるのは、まるで火事場泥棒のようでちとイヤらしいですが、自分の生活を向上させるチャンスと考えるのはOKかと思います。

 たとえば、生活の向上のひとつの例ですが、ひとりひとりが節電に耐えられる身体をつくっておけば、もうこれ以上日本に原発をつくる必要はないわけです。それもひとつの、ニッポン復興の手助けであるといえるでしょう。

 今、「しーんとした時間」をつくるまたとないチャンスです。ぜひ、意識して「しーんとした時間」をつくっていただきたいと思います。

 何か考えるもよし、雑念にとらわれるもよし、ここぞとばかり寝てしまうもよし。。

 それができたならば、それを継続していただければと思います。毎日、少しの時間でもよいので、「しーんとした時間」を意識して自分に用意してあげる必要があります。

 「しーんとした時間」をつくるということに意味なんてあんの? 

 と考える方もいると思いますが、意味は、あります。それをまともに書き始めるとかなり長くなるので、かいつまんで説明します。

 いわゆる「仕事」というのは、とても乱暴に定義すれば個々の、あるいはチームの、組織のアウトプットの品質を競う場だと思います。

 アウトプットの品質を上げるためには、良質なインプットが絶対に必須なのですが、私たちの業界では昨今、インプットがたいへんないがしろにされています。
インプットの時間は、おそらく、多くの企業においてはビジネスアワーには認められていないと思います。本当は、インプットとアウトプットあわせて「仕事」であるはずなのですが、そのように理解している企業は、とくにこの「IT業界」においては皆無であるといってよいでしょう。

 仮に理解があったとしても、「自己研鑽」(「自己責任」をうまくすりかえた言葉)のひとことで終わりでしょう。

 たとえば、この業界の経営層はよく、社員へのメッセージとして「エンジニアは本を読め」といいます。(ここ数年特に、エンジニアをゼネラリスト化させる企みの一環として、盛んにいわれるようになりました)

 ですがもちろん、勤務時間中に本を読めるわけもなく。。

 そして、アウトプットとインプットの間に、インプットを咀嚼してアウトプットへ変換するための「良質な時間」が、これも絶対に必要なのです。

 それが、「しーんとした時間」とニアリイコールと考えていただいてかまいません。

 時間が「良質」となる必要条件は、身心ともに「静か」になれることです。「リラックス」という言葉におきかえてもよいでしょう。「しーんとした時間」というのは、身心をリラックスした状態に移行させやすいのです。

 インプットを咀嚼してアウトプットに変換する間、はためからみれば「何もしない」わけです。正確にいえば「脳に任す時間」です。いかに自分の「脳」に、最大の生産性でもって働いてもらえるか。ここに私たちの仕事はかかっています。

 このような「良質な時間」をつくりだすのは完全に自助努力の範囲であり、自己責任です。(このタスクを企業側に求めてはいけません)

 私たち個々の仕事(アウトプット)の品質が上がってゆくかどうかは、(闘ってでも)インプットの時間を確保できるか、また、インプットの品質を上げられるか、そして、自分のために「良質な時間」を確保できるか、の3点にかかっているといっても過言ではありません。

 と、いうわけで、私たちの仕事の品質を上げるために、「しーんとした時間」は必要です。今だけでなくこれからも、仕事を続けているうちは必要です。そしてまさに今、この習慣を形成するチャンスであると考えています。

 ちょっとだけ、「健康」と話題が離れたようにみえますが、もともとこの連載の考え方として、私たちが「健康」にならなければならない理由は、仕事の生産性を上げるためであり、逆に仕事の生産性があがれば、相乗効果でますます健康になってゆく、といったん結論づけているので、ベクトルは合っていると思います。

健康について第5回 健康的に、システム屋主導で。

2011/03/22 13:58:15

 お世話になります。龍澤と申します。

 なかなか本題に入っていけず、概念的な説明に終始しており申し訳ないです(読んでもらっている知人より指摘あり……)。

 もっと具体的な、皆様に直接、即お役に立てる話を書きたいのですが……でも、やはりその前段として概念的な説明は必要である、と考えています。ので、続けます(まだ、序章です)。

 皆様に即お役に立てる話を具体的に書きたい、と考えているとはいえ、私は「健康になるためのHow To(安易なHow To化)」にはかなり否定的です。

 安易に画一的なHow Toを拡めていこうとする勢力にも、また、安易にそれを受け入れる(けども結局自分に合わないので長続きしない)ユーザー側にも、どちらに対しても否定的です。

 前者は、ほとんどの企業、団体が金儲けという目的のためにやっているだけであって、個々のエンドユーザーの「健康」のことについてホンキで考えてはいません。

 でも、やはりある程度は、How Toにまでは落とし込まなければなりません(そのような企業、団体とは違うやり方で)。

 第1回で書いたとおり、「IT業界に特化した、健康になるためのHow To」を具体的に提示できればと思っています。

 後者(安易に画一的なHow Toを受け入れてしまうユーザー)にはある程度の「リテラシー」が求められます。

 以前、別媒体に投稿したことがあるのですが、なぜこの業界の人間は、システムテストやベータ版では躍起になって重箱の隅を突ついてバグ出しをするのに、世の中に出まわっている食品(添加物、加工食品etc)は盲目的に受け入れるのか……分からなくなることがあります。しかも、自分の体内に入れるものを、です。

 もっと具体的に言えば、我々はケミカルなものをナチュラルなものよりも、喜んで体内に取り入れる傾向がありますよね。

 「不健康なりたがり」を積極的に実践しているわけです。それが、「この業界に特化した」事情の1つです。

 世の中に出まわっているいわゆる「製品」が、すべて厳密なテスト工程を経て流通していると考えたら、(おそらく)大間違いです。

 それは、残念ながら我々の業界を見渡せばわかると思います……人間の体内に入る薬品や、食品についてもしかり、です。

 私がこのようにコラムを執筆する動機は、結果として「健康食品を買ってくれ」商法につなげるため、ではありません(一応、システム屋を自認してますから、健康食品の開発はできません……)。もちろん誰かに頼まれているわけでもないです。

 IT業界の方々が健康になってゆくことにより業界の生産性やシステム品質が底上げされ、他の業界からも一目おかれるようになり、さらには世界に伍してゆけるようになるための一助になれば、とホンキで考えています。今のところ、かなり滑稽にうつるかもしれませんが、動機はそれだけです。

 なんとなくほんわかとした感じの「みんなが幸せになれれば……」などといった考え方は持っていません。もっと具体的で、ビジネスライクなものです。この業界の生産性や品質がもっと上がってくれれば、私も具体的に助かります(早く家に帰れてもっと家族サービスできるかもしれない……)。

 まずは、とても重要なのはシステム屋がユーザーの言いなり、下請けに堕していかないこと。そのために、自助努力をして我々自身の品質を上げてゆくこと。

 「健康になる」というのはそのための1つのソリューションであり、私は、そのソリューションがもっとも効果的で即効性があると、信じています。

 そして将来的には、システム屋が日本を引っ張ってゆく。政治主導でも官僚主導でも民間主導でもない、「システム屋主導」(笑)になるのが理想です。

 この業界がこのままずっとこの「不健康なりたがり」体質をひきずっていってしまったらいつまでたっても世界に伍していくことはできないと感じています。それどころかいつまでたっても、日本のビジネスシーンの中で、ユーザーの下請けに甘んじ続けることになります。

 能力や人材は、十分なはずです。日本人にシステム屋はかなり向いていると思います。あとは、業界体質を少しずつ変えていって、もっともっと「健康的」な業界にしてゆくことが必要です(この場合の「健康的」というのは複数の意味があります)。

健康について第4回 100%の気の持ちよう。

2011/03/15 10:51:05

 お世話になります。龍澤と申します。

 前回は自分のワークスタイルについて、「間違いを認めましょう」と、そして、間違いを認めるというのは大変なことなのです、いったようなことを書きました。

 ただし、自分のワークスタイルが「一点の曇りもない」という方は、主観では間違っていないわけですから、間違いを認める必要もありません。

 とりあえずは主観がすべて、で問題ありません。傍目から見れば不健康そうな生活を送っているようでも、自身が一点の曇りもないと断言できる生活をしていれば、なんら問題ないのです。

 その自信が、すべてを凌駕してゆきます。定期健診の結果数値が悪い値が出ていても問題はありません。もしかしたらやがて、その自信でもって数値が好転してゆくかもしれません。

 いわゆる「健康」であるか否かの基準もほとんどすべては気の持ちようであり、なので、一般論として100%通用する健康法というのは存在しないのです。

 自分は健康である! と断言できる人間は、その自信の根拠として結局それなりに健康的な生活を送っているわけで、それが自信につながっているわけですから、自信(メンタル面)と健康的な生活の相乗効果で、ますます健康になってゆきます。

 自分が不健康な生活を送っているという自覚がある場合、そして「間違いを認め」てそのような自分を変えたいと強く願うのであれば、以下のどちらからのアプローチでもよいのです。

  1. 自分は健康である! と(半ばウソでも)100%思い込むことで健康になってゆく。(行動がついてくる)
  2. 分かりやすい健康法を実践し、リアルに(数値的に)健康になることで自信を持つ

 私は、この連載では1を強く推奨してゆこうと考えています。なぜなら、まず思い込む方が早いし、カンタンだからです(本当は、深く突き詰めれば1.の方がムズカしいのですが……)。

 

 前回書いた「ワークスタイル」についてですが、間違っていると認めることができれば、正しい方向へ舵を切るために、何かしなければならない、と思うようになります。そこが、スタート地点です。

 まず、スタート地点に立つこと。

 いわゆる一般的な「健康法」……何を食べましょうとかジョギングしましょうとか体操しましょうとか、そういうものはすべて、スタート地点にすら 立っていない人に方法だけを与えてもまったく意味がありません。

 そして、スタート地点に、他人にうながされて無理やり立たされてもダメなのですね。自らスタート地点に立たなければ……。

 たとえば、「楽してやせたい!」とか「好きなものだけを食べて健康になりたい」というのは、「スタート地点には立つ気はないけど(このオレ様を) ゴールさせてくれ」といっているようなものです。

 また、「楽してやせられます」といったようなダイエット法は星の数ほどありますが、それらは「スタート地点に立つ気がないあなたをゴールへ運ぶ努力はします(が、成功するかどうかは分かりません)」といっています。

 ダイエッターは、怠惰な自分を「ゴールへ運ぶ努力をしてくれる」というところまでで満足してしまってお金を払います。

 そのようなダイエット法は怠惰な(自分で動こうとしない)ダイエッターを、ゴールどころか、「とんでもないところ」に連れていってしまいます。

 極端にいえば「地獄の一丁目」のようなところへ……。

 

 自らの足でスタート地点に向かい、それなりの意志を持って走りださなければなりません。

 そうすれば、自分が思うゴールに、「到達」はできないかもしれませんが方向は間違わないのです。ゴール方向には、亀の歩みであっても、向かっていくわけです。

 方向性が間違っていなければあとは、「継続する力」をつけるだけでよいのです。

健康について第3回 間違いを認める。

2011/03/07 12:30:00

 お世話になります。龍澤と申します。

 前回の補足を2~3回にわたって書いていきます。しばらくお付き合いいただければと思います。

 前回は、「仕事しながら健康になりましょう」といったようなことを書きました。

 といっても、ほとんどの皆さんは仕事をしているわけです。

 「仕事しながら健康になりましょう」という呼びかけに対して、「それができたら苦労しねえよ」と脊髄反射的に感じる方も多いと思います。

 言い方を変えますと、今の仕事のやり方で、「健康になっていってる感」がないのだとしたら、それは、ワークスタイルが間違っている可能性があります。

 カンゼンに、間違っていると断言はできません。「現状維持」かもしれません。変化のない仕事。健康になっていってはいないものの、不健康にもなっていっていない、という……。

 我々エンジニアが、仕事が「現状維持」である状態を、長い期間キープしているのだとしたら、それはそれで大きな問題だとは思います(「健康」とは別な議論ですが)。

 なぜならば、我々は業界技術の進歩にあわせて、我々自身も日進月歩で(?※)進化していかなければならないからです。この業界で生きているのですから、それは受け入れるしかありません。

 考えようによっては非常に面白い業界で仕事をさせてもらっています(というふうに発想の転換をすべきだと思います)。

 ※日進月歩で、最新の技術を貪欲に吸収せよ、という意味では必ずしもありません(そういう進歩の仕方も否定しませんが)。我々が一介のエンジニアとして、ひいては独りのビジネスマンとして進歩してゆく手段は、他にもたくさんあります。

 脱線したので話を戻します。前々回に「我々が健康にならなければならない理由はすべて、仕事のためである」といったことを書きました。

 という基本的な考えに立つと、先ほど使った「ワークスタイル」という言葉ですが、これは私にとってはイコール「ライフスタイル」(そのもの)ということになります。

 皆様が自分のワークスタイルを振り返ったときに、いつも乗り気がしないとか、月曜の朝は特にツラい、目が疲れる、ストレスがたまって太ってしまった、仕事が夜遅くて自然と飲みに繰り出す時間も遅くなり、ますます夜型になってゆく、などなど……ネガティブなことばかり思い浮かんでしまうのであれば、ワークスタイルは「間違っている」。という自覚は、持たなければならないと思います。

 とりあえず、「間違っている」と認める勇気を持つこと。

 そこに一歩踏み出すのは、タイヘンなことです。そこで一歩踏み出せたら、いっきに進捗率0%⇒50%といったところ。

 「ワークスタイル」が間違っているということは、包括的に「ライフスタイル」が間違っているということです。

 ちょっと、強引ですかね。仕事を「押しつけられている」感が強い方は、被害妄想的に反論が次々と浮かんでくるかもしれません。「もしかしたら、確かに間違っているかもしれない。でも、俺(私)のせいじゃない!」と。

 私も以前は、そうでした。だからこそ、そこから勇気を持って一歩踏み出すのはタイヘンなことだというのは分かります。

 そもそも外部の要因で不健康な生活を強いられたり、不本意な仕事をさせられたり、つまらない(と思う)仕事で長時間労働させられたり、という状況が継続的に続いているのだとしたら、ライフスタイルはカンゼンに「破綻している」とさえいってよいでしょう。自分の人生なのに他人に支配されているのですから。

 そして、(多くの人は気づかないのですが)そういうライフスタイルは自らが引き寄せ、かつ(無意識のうちに)能動的に選択していることがほとんどなのです。

 健康のためには、自分がそういう選択をしていたという事実をまず認め、そういう生活から意識的に離れてゆくことが大事になってきます。それは、「意識」すれば可能です。無意識がやっていたことを、自分のコントロールに取り戻す(という「意識」を持つこと)。

 日本(東京)はそういうことが可能な国(都市)です。人生を自分のコントロールの下に取り戻すこと。

 うーん、「補足の結論」に達するまでもう少しかかりそうです……続けます。

健康について第2回 「ドライブ感」。

2011/03/01 12:00:00

 お世話になります。龍澤と申します。前回のポイントは以下でした。

  1. なぜわれわれが健康である必要があるか
    ⇒健康な生活を送っている方が仕事の生産性が上がるから
  2. われわれが健康でなければならない理由はすべて「仕事のため」である

 1.は自明ですが2.は意見が分かれるところかもしれません。それはいったん脇において、話を進めます。

 さて、仕事の生産性が上がるとどうなるか?

 といえば、良い面はたくさんありますが、まず自身で悪い気はしないですよね。仕事がはかどり、どんどん片付いていきますし。

 仕事をしていて爽快感、あるいは「ドライブ感」のようなものを感じることができます。これは、「快」に分類されるといってよいと思います。

 瞬間的にそういう状態になるのも、もちろん悪くはないのですが、できれば健康な状態を持続するようにして、継続的に自分が生産性の高い状態にしておいた方が、よいですよね。 

しばらくそのような状態をキープできていると、徐々にスイッチが入ったような状態に自身が移行してゆくことが分かります(人によってはある日突然突然スイッチが入るように感じられることもありますし、個人差はありますが)。

 ステージが変わるんですね。

 前回、そもそも働いているときに「体調が良い」という状態を経験したことがない方が多いようだ、と書きました。ということは当然、この「スイッチが入ったような状態」を経験することもないということになります。

 それが、もったいない! と、思うのです。

 皆様には、一度はこの状態を経験してほしいと思っています。

 ……いや、瞬間的には、あるかもしれないですね。「火事場の馬鹿力」の応用で……。

 例えば、徹夜明けに突然スイッチが入ることがあります。でも、それは瞬間的なものですし、その時期を過ぎると間違いなく体調に異変をきたして、しばらく使いものにならない状態が続きます。

 よって、ある程度のスパンでもし生産性を測定できるとするならば、その人の生産性は同じか、下がっているはずです。

 「健康」という意味では徹夜はまったくおすすめできません。

 徹夜明けのときと類似したドライブ感、あるいは「ランナーズ・ハイ感」を、そのような不健康な状態ではなく日常でつくりだすべき、というのが私の考えです。

 そして、(重要:これが、この連載の前半部分の結論になってしまうのですが、先に書いちゃいます)仕事でこのようなドライブ感を意識的にコントロールすることで、相乗効果で健康になってゆくのです。

 最初のとっかかりとして、その時々に世の中ではやっている健康法を試す、でもなんでもよいのですが、「とりあえず、体が健康になる努力をしてみる」。これは、やらなければなりません。第一歩を踏み出す必要があります。

 体が健康になってゆけば(その方向性が間違っていなければ)心の方が「すがすがしいなあ」と感じられる状態になります。

 そこまで到達したら、そのすがすがしさが持続できるような努力をします(そのやり方は、残念ながら万人共通のマニュアルはなく、人によって異なります)。

 すがすがしいと、自然と仕事がはかどります。ドライブがかかります。ドライブがかかると、精神が高いレベルで安定し、不安などがいったん消え去ります。

 そうするとその精神の安定が身体の方へ好影響を及ぼしていきます。

 つまり、まとめると、われわれこのギョーカイに棲息する人間は、「仕事しながら健康になる」のです。

 われわれがとるべき手段としてはこれがベストです。

 ……次回以降は、今回いったん結論を先に書いてしまいましたので、それを補足してゆきます。

健康について第1回 なぜ健康である必要があるのか。

2011/02/23 12:00:00

 お世話になります。龍澤と申します。 

 「健康診断で引っかかった、再検査だ!」という(半ば恥ずべき)ことがなぜかプチ自慢になってしまうような、相変わらずなこのギョーカイにおいては、「なぜ健康である必要があるのか」を明確にしておけばそれがモチベーションになります。

 どうやったら健康になれるのか、の議論(How)に入る前になぜ健康である必要があるのか(Why)を整理しておきたいと思います。

 なぜわれわれが健康である必要があるかといいますと、それは心身ともに健康な生活を送っている方が仕事の生産性が上がるからです。

 皆様におかれましては、「不健康がたたって仕事に影響が出る」という経験は必ずされていることと思います。

 二日酔いにより翌日の午前中は仕事にならない、というのは顕著な例です。

 非常に単純な図式ですね。

  1. 体調悪。⇒仕事がはかどらない
  2. 体調ふつう(いつもどおり)⇒いつもどおりの仕事
  3. 体調が良い ⇒いつもより仕事がはかどる感じ。いい感じ

 3番目の「体調が良い」という状態を、経験したことがない、という方が多いようです。

 あるいは、気付いていない。あるいは身体が、そもそも平日は体調が良くならないバイオリズムになっている……(休日のアソビは絶好調だけど! みたいな)。

 言い方を変えると、健康である必要性はすべて「仕事のため」と私は結論づけています。

 仕事で最高のパフォーマンスを維持するために、「戦略的に」健康である必要がある、といってもよいでしょう。

 なぜならば、仕事が順調であれば人生すべてが順調になるからです。

 確かに、プライベートが順調であれば、それが仕事に波及して仕事が順調になる、ということもあります。

 ですが、それは100%ではありません。プライベートにうつつを抜かして仕事がおろそかになる方が、人間というのは多いのかもしれません。

 先立つものはカネです。仕事が順調になるということは、ほぼイコールで安定した収入を確保できるということですから、人生が順調になってゆくのは自明なのです。

 平日に体調がすごく良い、という経験をしたことがない方、月曜の朝はいつも憂うつだ、という方には、まずはほんのちょっとでもいいから、「すがすがしい」という形容詞がぴったりな状態を、経験してほしいと思うのです。

 「すがすがしい!」という状態は、当たり前のことですが「すがすがしくない」という状態よりはより「快」です。

 人間は自然と、「快」の方向へ向かおうとします。ですので、いったんすがすがしい状態を経験すれば、毎日すがすがしい状態になりたい、と、身体の方が思うのです。そうなったらもう、しめたものですね(なかなか、そうはいかないものですが……)。

 春や秋の気候の良い頃に、平日、朝から快晴で気温もほどほど、という状況ですと、いやでもすがすがしい気分に「させられ」ますね。

 ですが、そんなときは得てして「こんな天気のいい日に仕事なんかしてらんねーよ……」と思ってしまい、事態はネガティブな方向へ進んでしまいます。

 ですので、われわれがやるべきことは、外的要因ですがすがしく「させられる」のではなく、自らの内的要因で常にすがすがしく「ある」ように、自分をコントロールすることです。

 どうやってコントロールするか? を一言で書いてしまうとこの連載は終わってしまうので……(一言で言い表すことは可能ですが、そこに至るまでの説明がある程度必要なのです)

 もう少し続けてみます。

IT業界を生き抜く健康生活<序論/ご挨拶>

2011/02/15 12:00:00

 お世話になります。龍澤と申します。

 CNETブログより若干の充電期間を経て、引っ越ししてまいりました。今後ともよろしくお願いいたします。CNETブログの頃から、タイトルも変更してみました。

 システムエンジニアおよび「IT業界」周辺の各職種の方向けに、健康法の確立および健康維持のための生活習慣について、フォーカスして書かせていただきたいと思っています。

 システムエンジニアの健康、といいますと、メンタルヘルスに特化した文章はいろいろなところで読むことができますが、フィジカル面の健康についてSE向けに特化して正面から論じている文章は(私のきわめて狭い情報取得範囲では)見たことがありません。

 私の持論では、SEの皆さんが大なり小なり抱えているメンタルの問題、ストレスというのは、フィジカルのほうを調(ととの)えることによって、ほぼ解決できるものです。

 一般的な健康論ではなく、この業界の特殊事情(基本的に夜が遅い業界体質や、不健康が礼賛される空気など……それはおいおい書いてゆきます)に鑑みた議論、健康法の確立が必要であると思います。

 つまり、一般的な健康論は、この業界においてはほぼ適用できません。

 例えば、ごく「一般的な」勤務形態のSEに対して「健康のために早寝早起きすべし」と大上段から指南してみたところで、ほとんど意味はないのです。

 (もし私だったら「んなこた分かってるよ!」と、年甲斐もなくキレてしまうかもしれません……)

 この業界に棲息しながら健康を維持してゆくための方法、解は、シンプルな二次方程式を解くような単純な問題ではないのです。

 SEに対して「早寝早起きしろ」という前に、本来論でいえばSIerの経営層に、抱えているエンジニアを早く家に帰すよう指導するのが先……(で、誰が指導するの? という問題はありますが……)。

 業界体質の浄化、抜本的改革のほうが先なはずなのですが、そうもいっていられません(業界体質は今後も変わらないと考えておいたほうがよい)。

 われわれは、自衛する必要があります。

 以前の私は、健康的な生活を実現するためには結局、この業界から離れるしかないのだろうな……と諦観していたのですが、最近は考え方を変えました。

 IT業界の最底辺層に棲息し、それなりにキツめな労働に従事しながら、そんな状況下であっても「健康で文化的な生活」を営む手段について常に考え続けてきた結果、おぼろげではありますが、ある種の光明は見えてきました(つまり、この業界に棲息していても健康な生活は実現できる、と……)。

 そもそも、この私ですら現在、毎日健康に日々を送れているわけですから、どなたでも実現できます。

 私の場合「健康」という観点では、残念ながら、この業界において手本となるべき先輩を見つけることができませんでした。

 エンジニアとして尊敬できる方はたくさんいらっしゃるのですが、多くの場合不健康を絵に書いたような生活をされていますね……。

 真似をする先輩を見つけられなかったのが幸いしてか、自分で模索しながら方法論を確立するしかないのだという結論に達しました。

 私の尊敬する人生の先輩(「この業界の」ではなく)の方々は、過酷なビジネスシーンをいったん離れていわゆる「スローライフ」を実践する方向に進んだりしていますが、私の場合どうも、「スローライフ」や「田舎暮らし」といったキーワードに若干の(いや、相当の)違和感があり……。

 自分はこの東京という大都会、デフォルトで汚れた空気がかなり気に入っているので、この高度に情報化された社会の底辺で(一応)センタンの情報産業に従事し、業界にどっぷり浸かりながらも健康に生きてゆく方法をこれからも模索してゆくのだと思います。

 これは、私の個人的な考え方なので、ヒトはヒト、ではあるのですが……。われわれ(この業界に棲息する人間)には田舎暮らしは似合いません。われわれには都会がお似合いなのです。

 都会に暮らしているからといって、健康を手放す必要はまったくありません。都会暮らしと健康、もっといえば都会暮らしとIT業界での仕事と健康、はすべて両立できます。

 その方法論はまだ私の中で(確信はあるのですが)体系的になっていないため、ここの媒体を利用させていただいて(すみません……)書いてゆきながら、そしてご意見や反論を承りながら、皆さまにもお役に立てるような理論を構築してゆきたいと思います。

 序論はこのへんにさせていただいて、このような感じでぼちぼち書いてゆきたいと思います。

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龍澤英暁
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