32歳、IT業界への挑戦_6-応用情報技術者

2013/01/16 11:44:35

【情報処理技術者試験】

 30代未経験で、IT業界への就職に挑戦する友人に関する記事の6回目となります。

 さて、先月12月に情報処理技術者試験の応用情報技術者試験(以下、AP)と高度試験の結果発表がありました。昨今の雇用情勢と30代で未経験ということを考えると、APはぜひとも取得したいところです。

 結果発表当日は、発表時間の12時からしばらくは情報処理推進機構(以下、IPA)のサイトは接続しづらくなります。

■発表当日

 まずはIPAの情報処理技術者試験のページで自分の結果を確認するとともに、統計情報などを見ていました。私はありがたいことにITサービスマネージャに合格していました。これで1つ目標をクリアです。

 ソフト開発が専門なので、ハードやインフラ寄りなことを知っておきたいと思い、NW、DB、ES、SMと取得しました。DBスペシャリストはDBAではなくDAの試験なので思い切りソフト寄りでしたが……。

 次に、気になるAPの統計情報を見てみると、合格率が20.5%と、前回の22.7%より下がっていました。もちろん一概に判断できませんが、難しかったのかな? と友人の結果が不安に。友人の結果を気にしつつも、同僚に話を聞くとAPに合格!次はDBが候補だそうで、あの試験の無茶振りについて語れるのが楽しみです。(注*1)

 果たして友人は合格できただろうか……。

 そう思っていたら、なんと合格したそうです! 点数も午前が80点で午後70点と十分! 未経験ながらも、ITパスポート(IP)、基本情報技術者(FE)、応用情報技術者(AP)とストレートに合格。この才気を生かせたらいいなと思います。

■こんな制度もあります

 APを取得したことで、あとは企業への応募のみ!

 と、その前に。

 雇用保険に入ることで失業時に期限付きで給付を受けられます。しかしその給付の期限が切れたら困ります。そこで、困らないように、努力している人には補助があります。期限が切れる前にハローワーク経由で2件応募することで少し期限の延長が可能なのです。

 早く決まればそれでいいですが、そうならなかったときのためにこういう制度があることも知っておきたいところです。

■意外と使える

 上記の制度もあるので、ハローワークの求人に魅力的なものがあればそれに応募するに越したことはありません。ハローワーク経由だと企業にも援助があるケースもあり、経験者の転職でもなければハローワークの求人が他のルートで探すよりも魅力的なこともままあります。

 ただ如何せん、以前にも書いたように未経験となると求人がありません。それでも月に何度かのペースでハローワークに顔を出すと、「未経験でも応募可能なソフトウェア開発の求人」もときどき出てきます。(この話は大阪です)

 その中で、未経験としてはいいと思われるところにまず2件応募するのです。うまくいけば良し、悪くともそれで失業給付の延長を得られるわけです。

 友人もその方法を取りました。

■生かすも殺すも自分次第

 応募の際は、ハローワークの職員が電話で会社に話してくれます。ここは良さそうだと思った企業への応募の際、先方から電話口で変わってほしいという話が?!(通常ありません)

 「未経験で応募ということですが、趣味でプログラムを組んだりしているのでしょうか?」

 そういった質問をされたそうです。未経験可として募集しているところには「趣味でソフトウェアを開発して個人でリリースしているような人材」を掘り出したいのかもしれません。当然今の友人はそこまでできず、趣味での開発はしていないと答えるしかありません。

 そうなると企業の担当者は「そうですか……」となり、これは残念ながらお断りされるパターンです。

 ところがここで持ち直します!

 友人「趣味で開発はしていませんが、資格持ってます。先日応用情報技術者を取得しました!」

 なんとか切り返しを狙います!

 「はぁ、そうですか……」

 そんなパターンも十分考えられます。しかし

 「え? 未経験で応用ですか?! 相当勉強したんじゃないですか? 講座とか通っていたんですか?」

 というような反応! 逆転のタイムリーヒットです。

 どうも応募(書類の送付)が適わないこともあるそうですが、今回は応募することになり、晴れて選考の土俵に上がりました。

 もちろんここからが本番ですし、こうした事の数をこなさねばなりません。しかし早速にAP取得の成果があり、まずは受かって本当に良かったです。

■自分次第な業界

 資格に絶対的な価値はありません。しかし、良いと思う人もいれば気にしない人もいます。学歴も同じでしょう。

 そのようなことを気にする人は、なぜ資格や学歴を見るか。

  • 自身がその内容を知っていて、持っていることに価値を見出す
  • 経験則から持っている人が求める要素(即戦力・潜在能力)を兼ね備えている確率が高い

 そうしたところだと思います、もちろん他にもさまざまあるかと思いますが。

 絶対はありませんが、空振りを恐れないこと、確率を上げること、そしてそれを生かすための意識、これらを持って突き進めば道は開けます。

 IT業界の資格、特に情報処理技術者試験は、個人的にとても良い試験だと思います。ですが、名称独占すらなく不遇であると感じていたことがありました。

 しかし他業種、私は介護・福祉系の友人が多いのですが、そうした業界では「持っているか持っていないか」といった基準となる資格はありますが、情報処理技術者試験のようなアピールできる試験がありません。その点自分次第でチャンスをつかめるところは恵まれているのかもしれません。

■注

 *1: DBスペシャリスト試験の午後1と午後2は時間が足りないことで有名です。最近は緩和されているようですが、私が受験した頃は午後1も午後2も、開始から即答に近いペースで解答を書き続けても、分量で7割~8割分しか解答できない人が大半でした。あまりに時間が足りず、自らの出来と相まって試験後には思わず笑ってしまいます。とはいえ、本職のDAであれば最後まで解答できるのだろうと考えると、良い試験といえるかもしれません。

32歳、IT業界への挑戦_4-挑戦開始

2012/11/20 14:44:40

 友人がIT業界への就職活動を開始しました。友人には許可を得ており、その実態に迫りたいと思います。

 10月で派遣先の仕事が終わるということで、会社都合で離職。7日間の待機期間の後、雇用保険から失業手当をもらえます。

 私のできることはサポートしますが、30代という影響も大きく、どうなるかは分かりません。

■プロフィール

  • 30代前半
  • 非IT系の専門学校卒
  • 居酒屋バイト時に店長打診を断り、その後派遣登録でバイト
  • 今年、ITパスポート、基本情報技術者、3級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得

 店長になっていれば経験としてプラスになったかもしれません。何が将来に影響するかは分からないものです。また、少しでも武器を、そして実生活に役立てられるということもあり友人にFP資格の取得を提案していました。

■本命の武器

 業務の経験を持たずに就職活動するには、強力な武器が欲しいところです。そして秋の情報処理技術者試験で受けた応用情報技術者(以下、AP)が、その本命でした。

 予定では、APに受かっていると思えたならば、発表後に活動を開始、そうではないならば、その結果の前から活動を開始でした。

 午前は問題なく合格点、ただ午後は結果を聞く限り確信できるほどには至らずというところ。悩ましいところです。

■活動

 失業手当をもらうには、就職活動をしていることが必要になります。企業への応募や必要な資格取得の活動などがポイントとなり、一定のポイントが必要となります。

 APの結果は未知であり、活動のポイントも必要であることから、まずは今ある武器で戦うことになりました。

 今後、ハローワークでの活動や転職サイトの利用を含めて、できる限りの挑戦をします。

 簡単には行かないかと思いますが、上手く行くように頑張ります。

システム指向とサービス指向

2012/10/16 14:21:07

 ごぶさたしております。皆さんご機嫌いかがでしょうか、溝渕です。

■最近のIT

 Googleのタブレット端末「Nexus 7」の登場や、発売がうわさされる iPadの小型バージョンなど、タブレット端末が話題になっています。

 タブレット端末が普及すれば、当然対応したシステム開発も必要となるため、それらの情報には注目しています。

 これから発売されるWindows OS搭載のタブレットも含め、どういったものが主流になるか非常に気になる点であり、開発の立場からも可能な範囲で分析を行っています。そうした中、私が受講した「CFPエントリー研修」に1つの気付きがありました。

■着眼点

 まず「CFPエントリー研修」とは何? と多くの方がお思いかと思います。

 これは国際CFP(R) 組織 FPSB とのライセンス契約の下に、日本 FP 協会が認定している CFP(R) として登録するために必要な研修です。試験科目をすべて合格後に受講することになっており、CFP(R) としては平成24年7月現在約1万8600人が登録されています。

 「CFPエントリー研修」ではファイナンシャルプランナー(以下、FP)として活動するにあたり、実務を想定したロールプレイを行います。

 そのCFPエントリー研修での気付きですが、ロールプレイで「FPへ相談に来る人はFPとは何かを知らない可能性がある」という話があり、だから相手の理解度によってはFPとは何をする者か説明することも重要であると伺いました。

 なるほど。

 なるほど、だがしかし、その説明に当たって気になったことがありました。

■似ている……が

 IT技術者というのも、今でこそ多少知られるものとなりましたが、場合によってはやはりどういうものか説明が必要です。

 こうした点で似ているなとは感じましたが、引っかかりがありました。

 ITにおいて、最近では「システム指向」から「サービス指向」への転換が図られています。

 独立行政法人情報処理推進機構でも、2009年に情報処理技術者試験の区分「システム管理」が、それを継承する形で「ITサービスマネージャ」試験に改められました。

 システムを管理する技術者という視点から、顧客が受けられる IT サービスをマネジメントする技術者という視点に変更されています。サービスマネージャも当然 IT技術者ですが、顧客はどういった ITサービスを享受でき、そのために技術者はどのようにあるべきかとなっています。

 ここで、FPについての説明はサービス指向であるべきなのかどうかといった疑問が浮かびました。

■その違い

 疑問は浮かんだのですが、私なりにはすぐ結論がでました。

 「ITに対して理解の差はあるが、認知は十分進んでいる。その結果、IT って何? ということよりも、それを利用して受けられるサービスに焦点が絞られている」

 「FPに対してはそもそも認知されておらず、受けられるサービスを強調すると、怪しさが際立つ」

 他人と心を通わせ仲良くなるには自己開示が必要だといわれます。現在ITは社会に対してある程度自己開示された状態と考えられますが、FPはまだ開示が不十分だと考えられます。

 これはどちらが優れているといったものではなく、どちらが適切かといった話です。

 現在が普及期と思われるタブレット端末においては、さまざまな製品が登場しています。そのコンセプトが分かりやすく前面に出ているものから、想像しかできないものもあります。

 しかしもし、どういった意図を持った製品かが分かり、現在タブレット端末に求められる開示の段階まで分かれば、「現在タブレット端末に求められる適切なコンセプト設定」をしている製品を判別できます。

 そうなれば、今後の端末シェア予想において有効な情報を1つ得たことになるかもしれません。

32歳、IT業界への挑戦_3――ここからはじまる物語

2012/06/25 12:42:57

【ここからはじまる物語】

 ご無沙汰しております。皆さんご機嫌いかがでしょうか、溝渕です。未経験でIT業界への転身を考える友人Hを追うコラムの三回目です。

○前回までのあらすじ

 30を過ぎて、未経験が転職するには何か武器が欲しい。業界経験がなく、即戦力をアピールするのは困難です。そもそも即戦力に成り得ることはほぼないでしょう。

 なので、適応力を高めることと、そもそも入社するためのアピールポイントを作ろう。そのために、国家試験であり、広範な知識と論理的思考力が問われる「情報処理技術者試験」を取得しよう。

 未経験ということと年齢から考え、ベースラインとして「基本情報技術者試験(FE)合格」を設定。活動は2011年の11月末から始まり、2012年2月にITパスポートを取得。4月のFEはどうなるか。

 というところでした。

■試験前

 私的な勉強会などを通じて進捗を確認したり、アドバイスをしたりしていました。

 ITパスポート試験に合格したあとであり、本人の実力・分かりやすい参考書(*後述)も影響してFEの午前はすぐに十分なレベルになりました。

 しかし、未経験でIT系に縁のなかった友人にとって、午後の問題は難しい様子。特に必須問題である、論理的思考能力を問う問題とプログラミング言語を1つ選択して解く問題。それ以外は午前をきちんと理解することで応用して対応できていました。

 論理的思考能力を問う問題とプログラムの問題については、数回の勉強会中に考え方を説明して練習してもらいました。

 これで範囲的にはカバーしているわけですが、ITパスポート試験から2カ月、平日は仕事もある中で十分な時間が取れたかは怪しいところです。

■当日~結果

 試験の日は、試験後に仲間内で恒例となっている飲み会でした。そこで感想を聞くと、「午前は手ごたえあり。しかし午後は難しかった。」と。

 私は教育に携わって来た者で、教えるということに多少の自信もあったのですが、まだまだ修行が足りないようです。

 その日は私と友人H以外にも集まっていて、受けた試験は違えどそれぞれに手ごたえを話していました。

 そこで私は、余裕で受かっているはず、などと調子に乗っておりました。ところが後日、資格試験予備校などが出す模範解答を見て驚愕しました。

 午後IIで1問目から2問連続で、点を稼げるはずの計算問題で間違っていたのです。

 一体これはどういうことかと確認しました。要約すると「15秒で400回転、1分間なら?」となる第一問目でしたが、私は「2400」と書いた記憶があったのです。どうも30秒時を止められるらしい……。

 続く2問目で、30回転1パルスなら「13.33……で小数第一位を四捨五入して13だ」などと自信満々に書いた記憶もあって、これも問題をよくみたら「30度で1パルス」でした(笑)。

 お分かりの方もいるかもしれませんが、私が受けたのはエンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)で、選択したのはソフトウェア系の問題です。

 しかしびっくりしました。点取り計算問題を、2問とも間違えるなんて。教える立場で、そしてテスト後も調子に乗って余裕だなどといっていてこの体たらく……。

○結果

 友人が受かっていました!

 午前・午後、共に60点で合格のところ、午前77.5点、午後75.1点、だそうでした。予想より高い点数に私も、友人も驚きです。だけどここまでやれるとは、友人Hには適性と実力があるように思います。

 この友人の結果に続きたいと思いつつ、翌月の応用情報技術者試験(AP)と高度試験の発表日。上記のような有様で、さらに他に細かなミスもあった私は心穏やかではありませんでした。

 しかし、7割は取れていたようで合格できました。「通信回線の故障に対する検出方法」など、それぞれの解釈が伴う解答も、与えられた条件(=問題)に合致してかつ筋道が通れば、点数をくれるのでしょう。

■ここからの選択

 FEに合格し、この時点でIT業界へ進むという現実的な道ができました。もちろん年齢平均の待遇はとても望めないでしょうし、入ってからしばらくは大変でしょう。

 当初から、こうなった場合にそのまま転身して進むのか、今の仕事で多少なりとも余裕を作れるうちにAPを取得するのか、話題にのぼっていました。

 APに1度で受かるならばAPを受けてから転職、というのが十分、選択肢に入るかと思います。転職時の待遇を少し良くしてさらに基礎が強くなり、その後の吸収にも役立ちますので。

 しかし、APに受かってからという選択は、1度で受かるならばいいかもしれませんが、年齢を考えると何度も受けて受かってからというのはむしろ逆効果かもしれません。しかも受験者の大半はFE合格者ながら合格率が20%台前半、応募者比較で言えば10%台であり簡単ではありません。

 今の段階で、友人は秋にAPに受かってから転職の予定です。そうなると最短で「33歳、IT業界への挑戦」になります。

 ここは大きな分岐点で、渡せる情報は友人に渡し、じっくり(じっくり過ぎるのも問題ですが)考えてもらいたいところです。

■あとがき

 30過ぎて未知の業界に入れば、異国の迷路に迷い込んだような気持ちになるかもしれません。

 入ってしまえば余裕がなくなるであろうことは想像に難くなく「入る前に詰めるだけの基礎を詰む」というのは1つの答えだと思います。

 しかし結局入らなければ分からないことがあり、また半年単位で入るタイミングがずれていくと影響は30代の身の振り方として大きいでしょう。

 今後どのように進展するか、注目です。

○参考書

 参考書として、きたみりゅうじさんのキタミ式イラストIT塾 「基本情報技術者」を使用しました。友人のITパスポート受験時も参考書は同シリーズの「ITパスポート」を使用しています。

 専門用語が飛び交い、概念の分かりづらいITを理解するに当たって、多様なイラストで分かりやすく解説されており、非常にすばらしい本でした。経験者が受験する際にも有用です。

 参考書としてはこの本1冊のみでした。「繰り返し」読み、過去問を練習、これが非常に効率的かと思います。

 それではまた。

32歳、IT業界への挑戦(その2)

2012/04/11 13:09:24

【いよいよ】

 Microsoft Windows Developer Daysに参加予定です、どうも溝渕です。みなさん、ご機嫌いかがでしょうか。

 情報処理技術者試験の受験票が届きましたね。受験票が届くと、いよいよという気がします。

 未経験ながら30代でIT業界への転職を検討している友人Hは、基本情報技術者に受かるのか。受ける意義についてはその1に記載の通りです。

■現状

 午前問題については、友人Hが2月に取ったITパスポート試験と似ているため、問題なさそうです。

 午後問題は、13問中7問を解くことになるのですが、「7問中5問の選択」と「必須が1問」と「5問中1問の選択」に分かれています。

 「7問中5問の選択」は午前の応用となるので、基礎がしっかり分かっていればある程度はできる問題です。

 しかし必須の1問は、擬似プログラム言語(仕様は問題文に記載有り)で書かれたアルゴリズムを読み解く必要があり、「5問中1問の選択」は5種類のプログラム言語(うち1つは表計算ですが)から1つを選択して読み解く必要があり、午前ができたからできるという類のものではありません。

 未経験だと、例えITパスポートに受かり、基本情報技術者の本を読んでいても、必須のアルゴリズム問題と、5問中1問を選択のプログラム問題は難しいでしょう。

 私は個人的に時々勉強会(と称した飲み会でもありますが)を開いているので、これらを踏まえて説明・解説しています。

 もともとの素質もあるのか、表計算がすんなりできたのは良かった。しかし調べみると、基本情報技術者が今の形になった当初は、表計算の難易度が低かったようで、最近は他の言語と合わせるためにある程度、難しくなったそうです。

 そうこうしていると過去問に目を通すのですが、失礼ながら意外と良い問題ですね。表計算ソフトを使った勤怠管理システムを作るために、必要な関数や数式など、実用的でした。

■経験者と未経験者

 友人Hにも頑張って欲しいのですが、後輩が受けるようなので、こちらにも受かって欲しいところです。

 後輩は仕事をしているので経験者ですが、どちらかというと午前が大変そう。

 「経験者は午前が、経験が少ないと午後が大変」とはよく聞くのですが、友人Hが「午前は知識を問う問題だから経験者だったら色々知っていて午前の方が簡単なのじゃないの?」という質問を受けました。

 なるほど、確かに最もな疑問です。この答えは「実務は想像よりも限られたことをやっている」ということでしょうか。そしてその限られたことは午前の範囲で言えばわずかですが、午後は範囲が少なくそれが実務でやるような内容に近いためでしょう。

 試験について調べる人はまず午前を見ることが多いですが、すると実務で使われる内容の少なさが目に付きます。それが「実務で役に立たない」と言われる所以でしょうか。

 午後の問題はIPネットワークやSQL(副問い合わせを含む)、先に書いたような勤怠管理システムで使われる表計算の関数、ある程度の経験者なら知っていて欲しい内容です。しかし即役に立つかと言われる午後もその一部だけでしょうけど。

 後輩はベンダ試験を受けて取得していますが、情報処理技術者試験は初めてのようでした。「もっと早く取っておけば良かった」と漏らしているのですが、それは評価のためという意味ではありませんでした。打ち合わせなどで出てくるさまざまな用語を試験勉強の中で見かけてタイムリーだと言っていたのが面白かった。

■活かし方

 さて、どうせ勉強するならば、これがどういうキャリアに繋がるか、知っておくのが良いかと思います。そうした思いで前回 「スペシャリストかゼネラリストか」を書きました。ゼネラリストには是非、スペシャリストを目指すにしても、そのほとんどの場合の「粒度」において基本情報技術者は内容を理解して欲しいレベルかと思います。

 「持っている人ができる」とは限らないけれど「できない人は持てない」のが資格試験一般に言えます。となると当然「持っている人の方ができる確率が高い」となり、一緒に仕事をしていない人のスキルを判断する一因になるのは当然です。ある程度できると思う人は、それならば取るための苦労も少ないはずなので取っておいて損は無いのではないでしょうか。

 スペシャリスト・ゼネラリストの概念、資格がどう見られるか、気にせずいたいものです。しかし、30代未経験で乗り込もうというからには、使えるものは何でも使って欲しい。

 フィクションですが、宇宙飛行士となった弟の影響で30代で宇宙飛行士を目指す、なんて話もあります。そういうのを見聞きするとできそうで、わくわくしませんか?

スペシャリストかゼネラリストか

2012/04/04 14:25:39

【スキルの粒度】

 「多様性」という言葉で思い浮かぶのはダイバーシティよりポリモーフィズム、どうも溝渕です。皆さん、ご機嫌いかがでしょうか。

■スペシャリストって?

 IT技術者と言ってもその実態はさまざまです。初めはゼロでも(現実には学生時代で相当な差はありますが)、徐々に特定分野のスペシャリストとなっていくのか、複数の分野に対応できるゼネラリストとなるのか。

 私は特化していることを格好良く思うので、スペシャリストという響きに憧れます。しかし何を持ってしてスペシャリスト、ゼネラリストと呼ぶか、さまざまです。

 IT技術者としてスキルを高めようと考え、まずはコードを書けるようになろう。ネットワークを知ろう。データベースを知ろう。サーバを立てよう。サービスを構築しよう。仮想化しよう。

 これらを1人で一通りこなすという意味ではゼネラリストの側面があり、テクノロジ・マネジメント・ストラテジといった分野で考えるとテクノロジに特化しているという意味でスペシャリストの方向となります。

 ならば、テクノロジの中の小さな分野のスペシャリストが必要ないのかといえばもちろんそんなことはありません。案件が大規模になればネットワークやデータベースの細かな仕様を知り設計・構築できる人が必要となります。

 しかし、案件によってはそうした突き抜けたスキルよりも、テクノロジ全般、またはマネジメントやストラテジーを横断したゼネラリストの側面が必要になる場合もあります。

 スペシャリストかゼネラリストか、それは1か0かのようなフラグではなく、スキルの粒度とその適正でとらえるのが適切なのかもしれません。

 その人の強みを「get強み()」というメソッドで引き出すならば、インスタンスによってさまざまなものが返って来ます。ああ、ポリモーフィズム(=多様性)だなと思ったのですが、多様性という言葉は一般にダイバーシティを意味することが多いそうですね。多様性と聞いてポリモーフィズムと返って来るようなら、その人はソフトウェア系の人なのかもしれません。

■FPに当てはめると

 FPはどうなのだろうと考えてみます。FPは次の6分野に通じています。

  • ライフプランニングと資金計画
  • リスク管理
  • 金融資産運用
  • タックスプランニング
  • 不動産
  • 相続・事業継承

 そしてそれぞれの分野には専門家が居て、専門家と連携を取りながら顧客への最適なプランニングを提供します。

 紛れもなく、ゼネラリストです。

 タックスプランニングなどは、その先の専門家として税理士を簡単に想像できるかと思います。

 では、この場合FPにタックスについて聞く価値とは何かというと、「多分野と比較した上で、最も効率的な選択をしてくれる」ということです。結果的に保険で解決するかもしれません。

 「FT-1_リターン15%」で述べたような税金対策と、他の分野の商品・サービス・制度などを比較して、顧客にとって最適なプランニングを行います。現実にこのようなリターン15%を超えるほどお得なものはそうそうありませんが、これにも条件があるのでそうした事を考慮します。

■見えてくる必要なもの

 ゼネラリストのような存在がいなければ、成り立たない側面があります。C言語しか知らなければ、システムの構築において不利なのは想像に難くありません。しかし、たくさんの言語の特徴を知っている人ばかりより、実際に使う言語を使いこなせる人がいなければ話になりません。

 スペシャリストは、ゼネラリストと連携する必要がある。つまり多少は広い知識を持とう。ゼネラリストはスペシャリストと連携する必要がある、つまり多少は基本技術を身に付けよう。中間的な性質で、とにかく最適な方法を模索して形を作れる、そういったことも考えられます。

 最近は、特に中間的な性質を持った人が増えてきたのではないでしょうか。西村賢さんがRails Hub情報局で書かれた「Rubyはイノベーション言語として選ばれている」などを読むと、「一通りできる」ことに格好良さを感じ、そのためには普段触らない言語も触ってみようという意識が生まれるのだと思います。

 一通りできる人というのは、往々にして広く深いスキルを持っていたり、むしろスキルがあるからそうなる、という面もあります。

 キャリア形成に当たって、意識してみるのもいいかもしれないということで、今回はスキルの粒度について考えました。

32歳、IT業界への挑戦(その1)

2012/03/13 10:28:56

 みなさまはじめまして、金融系SEの溝渕と申します。初コラムです。このコラムでは、FP(ファイナンシャル・プランナー)でもある私が、FT(ファイナンシャル・テクノロジ)を駆使し、FPの視点で見たIT業界について語っていきます。

■職業人的自己紹介

 まずは自己紹介。中学・高校で講師として数学・情報の授業を数年、担当。その後PG・SEとして数年、開発を担当しています。

 言語はJavaがメインで、C、VB.NETなども少し。自宅でVMware ESXiサーバを2台運用しており、プロジェクトでも仮想化をプッシュしています。

 担当プロジェクトの1つでVirtualBoxが採用され、環境周りを担当しました。インフラに興味を持っていますが、最も好きなのはロジカルな設計・コーディングです。

■趣味的自己紹介

 まずは愛犬! かわいくてかわいくて、人生における「かわいい」発言の9割以上を愛犬(生後6カ月)に対して言っていると言っても過言ではありません(笑)。

 次に草野球。のほほんとキャッチボールするぐらいですけど、それが楽しい。

 そして最後はこの業界へのイメージ通りかもしれませんが(失礼)、ご多分に漏れず人並みにアニメを観たり漫画を読んだりしています。

■32歳からIT業界へチャレンジ

 さて、今回お話するのはIT業界への転身を考えている友人のことです。

 転職を考えていた友人に私はIT業界を勧めました。

 それを聞いて正気を疑う人もいるかもしれませんが、もちろん理由なくそうしたわけではありません。

 友人が希望内容として重視しているのが「給与」だったため、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」から業種別の平均賃金などを調査しました。

 執筆時点で最新の「平成22年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況」の業種別調査より、産業別の全年齢平均の順位を参考にしました。

上から、

  • 金融業、保険業
  • 教育、学習支援業
  • 学術研究、専門・技術サービス業
  • 情報通信業

と続きます。

 情報通信業は一番ではないですが、まずまず良い位置です。もちろんこれが、単位時間当たり賃金順位ではないところは考慮しなくてはなりません。

 仕事の内容からすれば、とても勧められないと考える人もいますが、これが天職と思える人もいるのでその人次第でしょう。

 しかし勧めたからといって、情報通信業を含めてどの業界でも、未経験の30代がすんなり入れるような時代ではありません。

 それならばと、「その業界に向けての研鑽が比較的将来も役立つ」という点も考えて、IT業界を勧めました。

 昨今の情報技術の発展を考えれば、「詳しくなって損はない」という言葉は間違いなく通じると思ったからです。

 次に業界になじめるかの確認と、業界へ入る武器として、「情報処理技術者試験」を受けてみることを提案しました。

■まずはITパスポート

 「情報処理技術者試験」には数多くの区分が存在します。

 まったくの素人でありコンピュータの扱いに慣れているというわけでもなかったので、まずはITパスポートを受けることになりました。

 「情報処理推進機構」によると、ITパスポート試験の対象者像は

職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識をもち、情報技術に携わる業務に就くか、担当業務に対して情報技術を活用していこうとする者

となっています。

 ここはクリアしたいところ。

 そして32歳未経験という条件を考えると、ITパスポートの上位にあたる基本情報技術者試験は持っていたい。

 まったくの未経験で、ITアレルギーを起こさずに、基本情報技術者試験を取れたならば、適正はそれなりにあると思います。

 また、能力的な適正と転職の取っ掛かりにもなるはず。

 これら試験で学ぶ内容で即実務に通じる部分は数%あるかどうかだと思いますが、実務をこなす上で、知っている言葉や考え方が増えることは間違いありません。

 その結果として、直接的ではないけれど、間接的に広く役立つことになります。また、上位試験の基礎となり、その上位試験は比較的、実務に役立ちます。

 私はNWとDBスペシャリストを持っていますが、なかなか役立っていると感じています。

 さて、その友人の話ですが、基本情報技術者へ向けてまずはITパスポート。

 ITパスポート試験に向けて11月末頃から勉強を開始しました。

■現在

 友人はITパスポート試験に合格しました。現在、2012年4月の基本情報技術者試験へ向けて勉強中です。

 友人は基本情報技術者を取得できるのか。IT業界へ入るのか、今後を追っていこうと思います。

■おわりに

 初めて実名でこうした文章を書きました。インターネット上では匿名で、という思いが強かっただけに緊張しました。

 しかし30代になり、自分が培ったものを、自分とわかる形で出してみるのも良いかもしれないと思い、本コラムの掲載に至りました。

 これから、友人のIT業界への挑戦に限らず、さまざまなテーマでコラムを掲載します。

 以後、よろしくお願いします。

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コラムニスト プロフィール

溝渕 匡
株式会社キャピタル・アセット・プランニング勤務、日本FP協会所属。金融系SEとして主に計算周りの設計開発をしています。犬が好きです。

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