言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

自分が説明下手だとお悩みの方へ

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自分が説明下手ではないかとお悩みの方、ちょっと落ち着いて考えて欲しいです。説明下手と思っている人をよく観察すると、むしろ説明を聞いている人の理解が追いついていないことの方が多いです。よくよく考えてみてください。ITエンジニアとして話す以上、ある程度の専門性が含まれます。専門性を排除したITエンジニアの説明は、あんこを抜いたアンパンと同じです。専門的な部分を噛み砕いて説明することはできますが、除外はできません。

よく、カタカナ用語を省けば大丈夫といいますが、それも違います。ITエンジニアの話を聞いていると、「冗長性」とか「認証機構」等、漢字を組み合わせた用語もけっこうあります。話を整理することは大事ですが、話そうとしている情報をどれだけまとめているでしょうか。もう一つ、システムというのはちょっとした条件の変化で大きく挙動が変わります。言葉や仕組みの難しさだけでなく、エンジニアの話を聞くには想像力も試されます。

説明下手を自称するエンジニアと飲み会などで話をしていて、話が通じなかったことは未だにありません。本当の説明下手は、同程度の能力の人に説明したときに通じない人です。能力の差や認識の差が大きいと、どんなに工夫して説明しても話が通じません。日本人の大好きな謙遜をする必要はありません。知識の足りない人、能力の低い人、思い込みの強い人には、どんなに説明しても通じないです。自分の能力不足ではありません。

もし、説明の通じない人がいたら、相手の知識を確認してみましょう。必ず相手にも説明の通じない原因はあります。それを説明する側が背負い込む必要はありません。説明が通じないことを理由に相手が「自分は正しい」と言い出したら警戒してください。説明を理解できる能力が無いのに自分は正しいと主張しているので、後々必ずトラブルが起きます。一見すると「説明ができないことは真実ではない」は正しいようですが、そういう落とし穴があります。

とくに仕事場の場合、優位に立ちたい人が意図的にあなたを説明下手に仕立て上げてくることもあります。そういう人の話は真に受けないようにしましょう。誰かの虚勢のためにあなたが自信を失う必要はありません。こういう人間関係の混沌に巻き込まれないためには、自分の技術と出力されたログを信じましょう。とにかく、簡単な技術を徹底的に固めること、コンピュータの出力を信じられるまでデータを読み解くこと。説明下手じゃないかと悩んだら、悩むよりもこの二つを徹底しましょう。相手の無知が見抜けます。

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