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不安にのまれたプロジェクトは失敗する

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もしエンジニアとして成功したいと思うなら、スキルもそうですが精神力も鍛える必要があります。そもそも、メンタルの弱い人は継続的に学習を続けるような意思力を保つことができません。また、上手くいこうがいくまいが、物事を冷静に見つめるだけの平常心も求められます。スキルがあっても、障害が起きた時にパニックになるとまともな対応ができません。そういう、メンタルの重要性を説いたコラムがあったような記憶もあります。

失敗したプロジェクトを振り返ると、そういうメンタルの弱さが原因で失敗したという心当たりが幾つかあります。プロジェクトの最中に頭を悩ませていた技術的な問題も、プロジェクトを離れて冷静になると、何かから解き放たれたかのように正解が見えることがあります。自身を振り返ると、プレッシャーで疲弊していたり、誰かの「本当にそれで大丈夫か?」という念押しに決断を躊躇したようにも思えます。

では、メンタルの強さはどうすれば鍛えられるのでしょうか。純粋にメンタルだけで言えば、ほどよく挫折経験を乗り越えることでしょう。ミスしても大丈夫な範囲でミスをして、キチンと心の痛みを受け止めて乗り越えていくことです。メンタルの弱い人ほどこれができていません。ノーミスを目指すのは、精神的な痛みに弱いことの裏返しでもあります。ダメージを恐れている内はメンタルは弱いままです。

そういう理論からいくと、適切なダメージコントロールが不安に対して有効かもしれません。単に我慢で痛みに対抗するのではなく、セーフティーネットを用意することです。ミスや間違いに対して対応できるクッションを入れておくことで、作業に余裕ができます。不安にのまれないためには精神的な訓練は必須です。しかし、常時張り詰めた状態で消耗するのは違います。メンタルを安定できる環境や手段は整えておく必要はあります。

メンタル云々の話が好きでない人は、正確なデータを揃えることをお勧めします。事実がハッキリすることで不安要素を解消していくことは可能です。感情に突っ走る人を止めるには、正確なデータとエビデンスを突きつけるしかありません。ただ、正確なデータは残酷です。プロジェクトの方針に反して「できません」という結論を裏付けてしまうこともあります。そうなると不安云々とは別問題なので、しかるべき対応をとりましょう。プロジェクトの成功には、正確なデータと平常心は必須です。

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