キャリア20年超。ずっとプログラマで生き延びている女のコラム。

43歳未経験からプログラマになるルートを検討してみた

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 1ヶ月くらい前に「今43歳でプログラミングとは関係のない職業に就いているんですが、これからプログラマに転職することは可能だと思いますか?」といった趣旨のご質問をコメント欄にいただきまして、どうなんだろうなあ、とつらつらと考え続けていたんですが、案の定、考えた結果が長すぎてコメント欄に書くのもどうなの、という感じになったので、コラムにしてみました(なんか最近このパターン多いな)。
 回答に時間がかかりすぎてしまったので、ご質問くださった方が忘れ去っているんじゃないかと不安なんですが、せっかく考えたのであげときます。

 とりあえず、「趣味」ではなく「職業」としてプログラマをやりたい、ということで、話をすすめます。
 趣味なら「どうぞお好きに!」で終了です。

 まず、これからプログラミングを学んだとして、プログラマとして雇用されるのはかなりむずかしいと思います。
 なぜかというと、40過ぎた人がチームに入ってくることを好まない人が多いからです。未経験だと30でも厳しいと感じます。
 わたしが50過ぎてまだチームの中でプログラマとして受け入れてもらえてるのは、年がいってる分だけ経験を積み上げてるからで、年齢高くて経験がない、というのは確実にマイナス査定です。
 最近はプログラマが売り手市場になりすぎてて、若い人を探すのをあきらめて年齢不問になりつつある、という話もきいたりするので、ここらへんに関する問題は緩和しつつあるのかもな、という気配があるんですが、受け入れてくれる場があったとしても、未経験で開発現場に飛び込むのはかなりな忍耐を必要とすると思いますね。

 でも、ご質問をくださった方が現在、どんなご職業なのかは存じ上げませんが、それがIT化できるような職種でしたら、アドバイザ的な立場で開発現場にもぐりこむ、ということは可能かもしれません。
 たとえば、経理のお仕事をされているのでしたら、経理の仕事をIT化しようとしている開発会社さんに転職して、自分の経験を活かしつつ、アプリ開発の領域にちょこちょこ首をつっこんでいって、少しずつプログラマサイドに軸を移動させていく、という作戦ですね。
 プログラミング未経験でも、他のやり方でチームに貢献できるのなら、受け入れてもらえる可能性はあると思います。
 これはうまいこといけばうまいこといきそうな感じですが、そう都合よくはいかないだろうな、というのが率直なところです。
 ご質問くださった方の現在のご職業とか、持っているコネとかが、うまくハマればいける! って感じですね。

 というわけで「雇ってもらう」というルートはやはりむずかしいと言わざるを得ません。
 となると、フリーランスルートですね。
 マッチング系サイト経由で仕事を受注し、スキルレベル低めの依頼をこなしながら経験を積んでいく、というのはそこそこ現実的な案かと思われます。
 けれど、自分の生活を支えられるぐらい稼げるようになるのは大変なことだと聞き及んでいるので、これまた茨の道ですね。

 それに、実際の開発現場を経験せずに、いきなりひとりで始めるのは無理があるんじゃないかな、という気がします。
 ソフトウェア開発の現場には、技術書には載っていないノウハウがたくさんあります。
 きちんとしたものをつくるためには多くのめんどくさいことが必要で、それはだいたいの場合、無駄に終わるんですが、無駄に終わったからいらないものだった、とも言い切れません。
 そういった、無駄そうにみえるけど省くと危険なもの、を独学でみつけるのは意外と難しいのです。
 無料のスマホアプリとかなら、そこらへんまるっと無視しても、評価欄でボロクソ言われる程度ですみそうですが、セキュリティ的な問題を引き起こすと、最悪、訴えられるリスクがあります。

 というところまで考えて、自分でとってきた仕事のレビューを経験者にお願いすることでノウハウを得る、というのはどうかな、と思いつきました。
 お金を払ってプログラミングを習う、と、プログラミングでお金を稼ぐ、を同時進行させる、ということですね。
 元々少ないと思われる受注額をさらに減らすことにはなりますが(ていうか多分マイナスになる)、ひとりで暗中模索するよりは、ひとりでなんとかできるようになるまで誰かにサポートしてもらう方が、合理的な気がします。
 仕事を受注してきちんとこなした、という履歴は自分のものになりますしね。
 信頼できるレビュアーを探せるか、がカギになると思うんですが......これって副業としてアリな気がするな。実際、やってる人いるのかな。

 といった感じで、いろいろと考えてみたんですが、どのルートもいろいろ困難です。
 率直に言って「趣味にとどめといた方が良い」というのが、もっとも親切な回答かと思います。
 それでも、「そんなの不可能だ」とはわたしは言いたくないのです。
 これはわたしの意地みたいなものなので、とても無責任な発言と受け取っていただきたいんですが、「探せばどこかにルートはある」とわたしは言い続けていたいのです。

 わたしは自分の人生の責任をとるのでせいいっぱいで、ご質問くださった方の人生に対して、なにひとつ責任をとる気はありません。
 それを前提としたうえで言えることは、「どうしてもやってみたいのなら、まずプログラミングを学んでください」です。
 学ばないことには何も始まりません。

 というわけで、まずは転職云々ということはまったく考えずに、プログラミングの勉強をしてみることをお勧めします。
 「先のことをちゃんと決めてから動け」とよく言われますが、知識を得ずに思考するとろくなことになりません。
 プログラミングを学びながら、自分はどうしたいのか、を再考してみるのがいいんじゃないかと思います。
 一歩、踏み出してみて、さらに前進したい、という気持ちが湧かなかったら、撤退すればいいだけですしね。

 わたし自身は40過ぎてからも右往左往してた人なので、43でもまだいろいろ変えられる、という気持ちがあるんですが、「そんな無責任なこと言うもんじゃない」とよく言われるので、こういう話をするのはちょっとビビります。
 でも、20代の頃に選んだルートを定年まで突き進むのが一番安全、というのはなんか違う気がするんですよ。

 「夢見させるようなこと言うな!」と言われそうですが、最後にひとつくらいはポジティブな話をしましょう。
 43でプログラミングをはじめてそのまま続けたら、63になれば「キャリア20年のプログラマ」になれます。大卒でプログラミングをはじめて、43までプログラマやってる人はかなり少ないので、そこまで粘ればそこそこ上位陣ですよ!

 もっともその頃にはわたしは「キャリア50年のプログラマ」になってるかもしれませんけどね(ドヤァ

Comment(9)

コメント

仲澤@失業者

プログラムをやってみもせずに相談した可能性がありますね。
プログラムは特に大金が必要と言うわけでもないので誰でも始められます。
若宮正子氏は82歳からMacでSwiftを学び製品をリリースしました。
WWDCにも招待されてますよね。

そもそも論になっちゃいますが、やってみて好きなら仕事にすればよいし、
嫌いならやめれば良いという程度の話。
金になるかどうかは才能と努力次第といったところでしょうか。

社会人としての時間の大半をプログラマで過ごしましたが、
結局大好きな趣味の一種だと言い切れますし、
別の趣味でもお金もらってやってます
(副業と言えるほどの収入はありませんが)。

「好きにすれば」というのは実は正解といえるかもしれませんね。

むく

自分のアプリを作って稼ぐがいいと思います

匿名

いま、人手不足ですが、40代で、プログラミング未経験者を雇う会社は、皆無ですよ。

真っ赤なレモン

純正プログラマ(?)は難しいだろうと、部外者でも思います。
エンジニア(技術者)ですから、一人前になるために必要なものが多いので。
技術を勉強して(=理屈を知って)、
知識を蓄え(=ノウハウを知って)、
経験を蓄え(=泥臭い力技も知って)、
ようやくエンジニアは一人前になるのでは。


レビュアーの話も面白いですね。
エンジニアの周辺での仕事って、
「これは自分の仕事ではないと思う!でも、誰かにやってもらえると助かる!」という
ものが存在すると思うんですよ。
レビュアーも、そういう仕事ではないかなあ?
こういうニッチな仕事のニーズは、日本にはたくさん存在していそう。
そういうところから入っていくのも、「誰かのお役立ち(=食い扶持にできる)」として
良い選択に思えます。

むうみん

そんなの不可能だ
と言いたくない気持ちに同意します。
世間やここでのコメントがどうであれ
あきらめということばをしりたくない意地があります。
自分がポンコツだからかそうおもいます。

匿名

もうすぐ48です 45から独学してその後運用の仕事してからプログラマになりました sier とかは大変ですが公益法人とか厳しくない職場もあります

kaie

>それでも、「そんなの不可能だ」とはわたしは言いたくないのです。
とてもよくわかります。僕は質問者の人ともひでみさんと比べてもまだまだ若い方なので、焦燥感はまた違ってくるのかと思いますが、年齢だけで判断したくはないですね。
実際名だたる経営者様にも4,50代で畑違いの分野で起業されて成功されたりする方もいらっしゃいますので、それに比べるといくぶんハードルは低いのではないかと。
ただ現実的に考えて40代未経験がメンバーとして参加するメリットが会社側にあるかというと、それ以外の部分が評価されない限り難しいでしょうね。
妥当なのはやはりフリーランス。その上で身を削る思い(本当の意味で)で働けるかという精神の問題も必要でしょうね。なんだかんだ会社勤めは守られてる部分も多いですからね。
僕ならば別の業界にフリーで飛び込むなら、収入は度返しで他のフリーの方のアシスタントから始めるところでしょうか。もし自分にコネクションを作れる才能あるの思うなら、他のフリー方を誘って分業体制作ってみるとか、自分の技術と相手の技術を交換しつつ協力体制ができればなお働きやすいかも?などと考えてしまいます。そうそう甘くはないでしょうけど。

姜維伯約

曲がりなりにも約15年プログラマーをやっています。
やはりコードを読むんでデバッグしたりするのが好きになるかですかねー。
仕事ではゼロから書くことより現行コードを読んで変更したりすることが多いので。

しけたら

私も出来る限りソフトウェアの仕事を続けたいと思っている者です。
今回の方は軽いお気持ちで聞かれたと思いますが、実務に携わる側からすると重い質問ですよね。
私も社会人当初は何も知らず、今回ご質問された方と年齢は違いますが、同じでした。
現在は、プログラミングも知識だけではなく、経験を重ねて、
センス、テスト、効率、コミュニケーション等いろいろ必要かと思っております。
ひでみさんの否定したくないお気持ちが伝わりましたが、私も否定したくありません。
ご質問された方次第ではないでしょうか。

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