キャリア20年超。ずっとプログラマで生き延びている女のコラム。

失敗を手懐ける

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 手塚さんのコラム『頑張るのはカッコ悪く、失敗は死ぬほどカッコ悪いのか?』を読ませていただきまして、いろいろと思うところがあったので、コメントを書き込ませていただこうとしたんですが、迷惑な感じの長さになったので、コラムの方に書くことにしました。多分、手塚さんが伝えたかったことからはずれている内容だと思うんですが、そこは目をつぶってあげてください。

 わたしは新人の頃に、「プロっていうのは失敗しないヤツのことじゃない。失敗をうまくごまかせるヤツのことだ」と教わりました。

 「ごまかす」と言うとなんか誤解を招きそうですけど、これは要するに、「どこかで失敗するのは仕方ない。でも、リカバリーできれば失敗じゃないんだよ」という意味なんだろう、とわたしは解釈しています。

 つまり、「失敗」には二種類あるんですね。「リカバリーできた失敗」と「リカバリーできなかった失敗」です。「リカバリーできた失敗」は外部からみれば「成功」です。内部の人間にとっては「失敗」なんでしょうけど(少なくともわたしは失敗として記憶し続けます)。

 仕事で重要なのは、失敗しないこと、ではなく、失敗した時にリカバリーできる能力を身に着けること、だと思います。なぜなら、一度も失敗せずに仕事を続けるなんて、不可能だからです。

 でも、失敗を極端におそれる人は、安全策をとりすぎてあまり失敗をしないので、失敗した時にリカバリーする能力が身に着かないんですね。そうすると、失敗をしてしまった時に「リカバリーできなかった失敗」側に傾く可能性が上がるわけです。いわゆる、「リスクを取らないことがリスク」状態です。

 極端な人になると、「失敗した!」と思った段階ですべてを放置して逃げてしまいますからね。あれは本当に困りました。せめて、どういう経緯で失敗に至ったのか説明してから逃げろよ、と思います。

 それでも失敗するのがどうしてもこわい人は、失敗してもちょっとした痛手ですむところから、チャレンジをしてみたらどうですかね。あんまりおいしそうにみえない飲食店に入ってみるくらいのイメージの(笑)。

 失敗した際の、メンタルへのダメージコントロール能力と、リカバリーに関する技術力を、少しずつ鍛えて、少しずつ自信をつけていければ、失敗とのうまい付き合い方もみえてくるんじゃないかと思います。

 とにかく、失敗するのは絶対にイヤ、では技術職の世界で生き延びるのはむずかしいです。かといって、なんでもかんでもやるだけやってみて失敗するのは、ただの迷惑な人です。世の中なんでもバランスが肝要、というよくある結論で申し訳ないですが、失敗への対応力の高い人が、一番、平穏に生きていけるんじゃないか、とわたしは考えています。

 そんなわけで、失敗がカッコ悪いかどうかはさておき、失敗を手懐けることができる人はめっちゃカッコいいと思いますよ!

Comment(3)

コメント

仲澤@失業者

あ~、そういえば
「試してみる前に、誰かに質問してしまう人」
ってのもいますね。

特にプログラムコードなんぞ、
やってみればすぐにわかるだろ・・・
失敗しても誰にもめーわくかからんし。
とか、言ってしまいます(vv;)。

んで、そんな時には次のように説明を始めます。
「やってみればすぐにわかることですが・・・」
(笑)

夢夢

俺の場合、実験で考える限り全てのエラーを試してみる。
これをしておかないとテスト駆動開発を実施できない。
それにセキュリティホールも見つけないとならない。
昨今の開発者は何が正しいかだけではだめだ。
何が正しくないのかまで学ばないとならない。

Jitta

同じ失敗を同じ方法で繰り返さない、とか。
努力するのがカッコ悪いのかなぁ?
努力が報われないことを怖がっている?それを「努力はカッコ悪い」と言っているような。
まぁ、努力していることをアピールして、実はしてなかった努力が足りずに失敗したらカッコ悪いだろうな。

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