第18話 アナタは必要とされていますか

2009/12/25 19:52:13

 今年も残すところあとわずかですね。仕事をする面においては、IT業界に限らずどの業界も低迷していてなかなか厳しく、この状況はまだまだ続くと思います。しかし、いつまでもこのままということはおそらくないので、来年は少しでも改善できるよう現場からも努力したいものです。

 ところであなたは、自分が会社やプロジェクトの人から本当に必要とされているエンジニアかどうか考えたことってありますか?

 普段はあまり考えなくてもリストラされたり契約解除もしくは契約更新しないと言われた時には否応なしに考えると思います。もっともそれでは遅いのです。その前に自分が必要とされるエンジニアになるために必要なことを考えてみましょう。

■「慣れ」が最大の敵

 エンジニアに限りませんが、同じ社会(環境)に長くいればいるほど緊張感が薄れてきます。仕事があって、給料があって、それなりの立場があって……というのが当たり前に感じてくると人間、なかなか進歩しません。ある程度惰性でやれるならわざわざ面倒なことをしなくても済むからです。面倒なことは部下(後輩)、手柄は自分というのもあるかもしれません。

 会社の売り上げがそこそこあって、社員の新陳代謝があまりない(辞める人もあまりいないが、新しく入ってくる人もいない)中小企業では雰囲気自体が「なあなあ」になってきます。社内で開発するエンジニアはこういう状態だと周りの環境が変わらないので出世や降格もなく、ただ毎日をルーチンワークのようにこなすだけになります。

 勉強しても資格を身につけても評価してもらえないと勉強する意義すら見失う時があります。本来勉強とは「自分」のためにするものですが、勉強してもそれを発揮できる場もなく評価もされなくなると、勉強するだけ「ムダ」と感じて段々と余計なことはやらなくなります。若いうちは興味だけで頑張れますが、年齢も30歳後半を過ぎ、家族もいるとその興味すら薄れてきます。特に今の時代は給料もなかなか上がらず、ボーナスも減っているため家計のやりくりで余裕がなくなると楽しみも減り、ますますやりきれなくなってきます。

 こんな状況が続くとエンジニア本人はもちろん、会社や業界にとってもマイナスとなります。本当はある程度新陳代謝や世代交代があった方が良いのですが、大企業ならともかく、中小零細企業になると新人を教育する余力すらなくなっているためこの状態はまだしばらくは続くと思います。

■スキルアップの誤解

 ソフトウェア業界は、特に技術の移り変わりが他の業種に比べ早くて激しいため、常に情報を仕入れて勉強することを求められます(もっともどんな仕事でも基本は同じでしょうが)古い事柄に固執しすぎて気が付いたら新しいことに対応できなくなって……ということも冗談ではなくあり得る話です。転職する時も「アプリケーション」「C/S」「Web」など同じソフトウェアでも求められる経験とスキルが枝分かれしています。個人的には基本さえ押さえておけばどこでも対応できると思いますし、事実、わたしは対応してきました。余裕のある頃はそれも通用しましたが、今は特に採用側が経験がないと採用できない雰囲気があります。それだけ教える余裕がないともいえます。

 「勉強しないエンジニアには将来がない」

 他のコラムニストの方も書かれていますが、わたしはこれだけではダメだと考えています。そもそも、勉強しない人にエンジニアは務まらないと思いますので将来がないのは当然ですし、勉強は当たり前です。だからこそ専門職なのだと思っています。

 好きな人はとにかく熱心に勉強します。勉強会もありますし、資格も公的なものやベンダ固有のものまで幅広いです。特にベンダ製品の資格はその製品を使って開発している人(開発しようとしている人)にとっては最大の武器だといえます。

 でも、悲しいかな、スキルや資格で頑張っても、エンジニアとしての将来があるかといえば、実はあるともいえません。もっと悲しいのは、その現実に気が付かないエンジニアが多いということです。

 仕事がないと「スキルがない」と短絡的に考えがちですがスキルがない(未熟な)ことも要因のひとつではありますが、それだけではないことも多いのです。同じ資格でも、たくさんの人が持っているとその価値は相対的に低くなります。極端にいえば普通自動車の運転免許証と同じで「持っていることが当たり前」状態になります。どれだけ頑張って資格を取得してもそこが「スタートライン」であり、そこからいかに付加価値を持つことが重要となります。業務経験もこの付加価値に当たると思います。

 あとは、IT業界の資格は基本的に「認定」なので資格がないと仕事ができない訳ではありません。ある一定の基準でスキルのレベルを「認定(担保)」しているだけです。ありがちな話ですが、資格があるからと言ってその仕事ができることはイコールではありません。逆にできないと「資格があるのにできない(知らない)の?」と言われてしまいます。わたしもよくこの言葉を言った記憶があります。これがある意味勉強し続けないとダメな理由かもしれません。

 誤解を招きそうなので釈明しておきますが、資格取得が悪いことではなく、できるならどんどんチャレンジするべきだと思います。ただ、システム開発を行う以上は、資格を含めた自分のスキルを正しく使えるようにすべきです。使えないスキルや資格はないのと同じですから。

 エンジニアとして生き残りたいのならまず「スキルアップ」の方法から考え直す必要があると思います。

■会社は「スキル」が高い人だけを求めていない

 スキルが高い方が良いのはありますが、スキルが高いだけで評価することはまずないと思います。まわりのエンジニアでスキルが非常に高くてもその分給料も非常に高い人っていうのは社員ではあまりないでしょう(ボーナスでたくさん出す所は時々あります)

 経営者として一番理想なのは「都合の良いエンジニア」です。極論を言ってしまえば社内でも社外でも円滑な人間関係が築け、決して出しゃばらず、高スキルでどんな仕事にも対応できて、文句も言わず、給料をそんなに払わなくても良いエンジニアです。

 エンジニア側からすると「ふざけるな!」と思うでしょうが、本音はこうだと思います。もちろん、そんな都合のいい人がいると思ってる経営者はあまりいないでしょうが、理想は別として、実際にはどんなエンジニアを会社は求めているのでしょうか? わたしの経験を一例として挙げてみます(あくまでも一例で全体がそうとは限りませんのでご容赦下さい)。

 わたし自身は、資格に関してはある一定の努力をしたんだな、と考える程度です。エンジニアでさえこう思うのですから、技術に疎い経営者になると「ふーん、そうなんだ」程度にしか実は思っていません。一番見るのはやはり経験でしょう。あとは転職回数。これは就職・転職情報などに良く掲載されていることと同じです。試験と面接でふるいにかけて知りたいのは以下の点です。

  • 基礎学力(考える力)
  • 一般常識
  • 人柄
  • 経験(どんな仕事で何を担当したか)

 ここに、「スキル」というあいまいな言葉はあまり登場しません。資格と言うのはある意味学歴と同列に考えて、「学歴不問」であれば資格は参考程度にしかなりません。むしろどれだけ考える力があるのか、どれだけ常識があるのか、ということの方が重要になってきます。

 人柄と経験は面接などで情報を拾い集めます。わたしはその人がどれだけ柔軟な考えを持っているかと前向きに取り組めるかを観察します。あと、攻撃的か否かでしょうか。攻撃性は組織に軋轢を生みます。かといって引っ込んでばかりでもダメなのですが、このあたりをバランスよく持っているかを見抜けるかが重要だと考えています。経験上、成功体験だけを自慢げに語る人や遠慮がちに「大したことはしていませんが……」と言ってしまう人はあまり長続きしません。また、前向きに「頑張ります」と強調して言うのも実は難しく、やる気満々な分、目の前を壁を乗り越えられないとすぐに挫折します。

 結局、自分をある程度客観視できる人の方が実力を発揮してくれます。転職理由だけは聞くようにしています。転職と言うのは前向きな理由と後ろ向きな理由があります。後ろ向きな理由の方が多いような気がしますが、人間関係で転職が多いと感じる場合は(あまり正直に言う人は少ないですが、何となく分かります)やはり考えます。スキルをあまり優先にしないのはある程度考える力と経験があるとそれで埋め合わせができるからで、性格的なものはいい大人がいまさら言ったところでどうにもならないからです。

 もっともある規模以上の会社だと少し事情は異なり、資格や学歴もそれなりに重要になります。高学歴が優遇されてたいていの場合は給与のベースも良いです。理由は偏差値の高い大学に入るのと例えば専門学校に入るのでは同じ年齢でも努力して勉強した過程が違うとの認識があります。努力して結果を出した分、そこに格差があるのは当たり前だと言います。

 何にしても会社は単純な「スキル」だけでエンジニアを見てはいないでしょう。逆にエンジニアとしての能力だけでは会社はうまく回って行きません。エンジニアはそのことを常に頭に置いておく必要があります。

■エンジニアの前にまず社会人である

 当たり前すぎて、書くのもどうかと思うのですが……。

 例えば、身だしなみや言葉遣いなどです。勤務態度も、遅刻が多いとか無断で休むとかは厳禁です。時々、病気の兼ね合いで朝起きられない人がいます(わたしが会社をやっていた頃にいました)が、そういう人は診断書を持ってきちんと折衝すべきです。単純に病気で朝起きることがつらいでは怠けていると思われても仕方ありません。その上でどうするべきかで、隠して頑張っても絶対に続きません。開き直って「朝が弱い」と言う人は問題外です。

 身だしなみは特別なことではなく、清潔感があるかどうかです。意外に無頓着なのが足元です。靴などはけっこう見られていると思った方が良いです。毎日接しているとそれなりに人となりは分かりますが、そうでないとやはりこういった所から人は最初に判断します。おしゃれである必要はないですが、無頓着では困ります。時々優秀なのですがあまり清潔でなくて近づくと臭う人がいます。技術だけではダメな典型例でしょう。

 言葉遣いについては最近は昔よりはやや寛容だと思います。でも、いきなり目上の人にタメ口はダメです。初対面だったら年上だろうが年下だろうが同じように敬語を使いますよね(仕事以外なら別ですが)昔は時々言葉遣いで怒られましたが、今はあまり見かけませんね。最近の子供は親があまり躾をしないからか、先生でも親でも友達でも同じような口調で話す子が多いですが、違和感を感じるのは歳を取ったからでしょうか。ちなみにわたしは親にタメ口で話すとよく殴られました。「親に対してなんて口のきき方だ!」と。時代が変わったとは言え、社会に出たらそれでは通用しません。怒られない分、自分で気が付かないといつの間にか淘汰されかねません。

 スキルが立派でも社会人として失格ならほとんどの現場ではおそらくダメでしょう。スキルだけで勝負できるところは多くはないでしょうが、あるとは思います。そこで勝負するのも良いですが、そこがダメになったら他につぶしがききません。まずは実際にどうするかは別としてどこに行っても仕事ができるぐらい社会人としてのマナーは身につけましょう。わざわざ書くのはそれだけきちんとした人が減っていると感じるからです。

 余談ですが……

 社会に出てある程度年齢も上がってくると仕事でもそれ以外でも少しずつお付き合いの範囲が広がってきます。この時痛感するのがマナーを知らないと恥をかくのと、字がきれいな方が良いということです。特にソフトウェア開発では、字を書くのは自分のメモ書きぐらいで、書類はワープロということが多いです。若いうちに、字を書く習慣をつけきれいな字を書く練習をしておいた方が良いと思います。

■「価値」のあるエンジニアを目指せ

 エンジニアと言うのは技術的なスキルだけでも社会人としての常識だけでもダメで、それを上手にアピールして自分が「価値」のあるエンジニアだと相手に思わせることが重要だと思います。相手と言うのは上司であり同僚であり取引先(顧客)のことです。

 エンジニアは内向きの人が多いです。つまり勉強してスキルを上げることは熱心に取り組みますが、それを使ってアピールすることが下手です。どんなにすごい技術を持っていても使わなければ(使えなければ)宝の持ち腐れもいい所で、積極的に使える手段を考えることも必要だと思います。そうではなくて普通に仕事をするだけならばどんどん埋もれてしまいます。

 わたしは自分の「価値」をある程度知ってもらう努力はしてきました。そのおかげで今でも過去に一緒に仕事をした会社やユーザー企業の方から誘われたり仕事を頂いたりしています。こういう状況になればある程度好きに仕事ができるようになります。求めることも大切ですが、求められるようになることもこれからは大切だと思います。

 これを読んだエンジニアの方々には自分なりの方法で「価値」を見つけ生かして欲しいと思います。正社員でもフリーでも起業するにしても基本的なことですから。

■今年はこれで終わりです

 今年は所属した会社も倒産し、世の中の不況もあっていろいろ考えさせられる1年でした。実は、ソフトウェア開発という仕事は辞めて違うことにチャレンジしようかな、と思っていました。先々を考えると決して明るいとは思えないからです。でも、ここのコラムを読むうちに、自分も書いてみていろいろ振り返ろうと考えました。それでも遅くないかなと思ったからです。

 業界に絶望はしてませんが、正直希望はあまりないと今でも思っています。でも、それはこれから現場のエンジニアが声を上げて覆して行けるようになれば希望もあると思います。わたしはこの先どこまでエンジニアをするか分かりませんが、もう少し若いエンジニアを育てながら頑張ってみようと思います。

 今年はこれで最後です。来年も同じような感じでいろいろ書こうと思います。暗い話題が多かったですが来年こそすべてのエンジニアが幸せに向かっていけるようになれば……と祈りつつ読んでくれたりコメントくださった方に感謝申し上げます。

 ありがとうございました。そして来年もよろしくお願いします。

第17話 エンジニアはイバラの道か

2009/12/14 20:00:43

 お久しぶりです。

 ようやく一息つきました。ここ数週間は本当に仕事詰めでコラムもあまり読んでいなかったのですが、ゆとりができたのでまた再開。忘れられていないようにと思いつつ、忘れ去られてるんだろうなぁ……。

 今回は12月のお題も少し兼ねています。

 わたしのまわりの友人や前に所属した会社の人と話すと、みんな「リストラされそう」とかいっています。現実にリストラに近い配置転換もあったようです。特に派遣関係の連中は行き先(仕事)がなくて、給料が半減したと嘆いてます。転職しようにもその転職先すらままならないとか。

 わたしは幸い来年の計画(何を作ってどのぐらい予算を使ってどのぐらいの売り上げを目指すか)が社長に了承されたので、よほどのことがなければ来年も忙しそうです。まぁ、昨年末からの様子を見ていると決して安泰ではないんでしょうが。

 そういった状況の中では先々のことをいろいろ考えると思います。場合によっては転職やエンジニアから別の仕事に変わることもありというか、それを余儀なくされるケースもあるでしょう。新卒の就職内定率も6割前後と言う現実もあり、会社員だけでなくフリーランスでも同様に厳しいと思います。

■ソフトウェア開発に幸せな未来はあるのか

 わたしのコラムのタイトルですが、わたしなりの答えは今のところ「ノー」です。もっとも「現在のような」という言葉が頭につきますが。

 以前のコラムにも書いていますが、ソフトウェア産業のビジネスモデルが変わりつつある中で、旧来と同じビジネスモデル、とりわけSIerのような職種はなくならないとは思いますが、徐々に減ってくると思ってます。同時にソフトウェアを作って販売する形態も単価が下がって薄利多売が顕著になるので同じやり方ではいつまで持つか疑問です。場合によってはフリーソフトやオープンソース、Webサービスなど利用者のコストがかからない形態がライバルになる恐れもあります。もっとも日本の企業は「安かろう悪かろう」という考えがあるのと、インターネットでダウンロード出来るおかげで物流コストは下げられるため、そういうところではやや救われますが。

 現状のソフトウェア開発で、わたしが感じることが2点あります。1点は「技術のすそ野が広がりすぎ」ということと、もう1点は「エンジニアのスキルの差が激しい」ということです。

 「技術」と一言で書きましたが、具体的には言語、ミドルソフトウェア、データベースなどの選択の幅が大きくなってきたことです。OS自体はWindowsかUNIX/Linuxで大別できますが(メインフレームなどはとりあえず置いておきます)言語やフレームワークなど、いったいいくつあるのか? と思うぐらいたくさんあります。

 仕事で使うのはせいぜい1つか2つ程度でしょうが、状況によっていろいろな選択肢があるためにこれから先も同じとは限りません。オープンソースもそれなりに根づいてきたのもあり、途中からプロジェクトなどに参加するといろいろなものがごちゃまぜになっているケースも珍しくありません。新しい技術は嫌いではないのですが、こうもあれこれ出てくるとさすがに食傷気味になってきます。もっとも仕事上においてはあれこれ身につける必要はないのでしょうが。

 エンジニアのスキルについても以前からコラムに書いていますが、差が激しいです。スキルの中には「考え方」も含まれますが、最近ホット? な「ググる」という行為ひとつとってもそうです。

 情報処理業界自体は、わたしが就職した20年前から人材不足といわれ、当時はとにかく未経験でも人を入れて教育し、現場に投入することが普通でした。パソコンも今みたいに普及してなくて、家にパソコンがある所もそんなに多くありませんでした(おもちゃみたいなものは別として)。

 最近は、パソコンがあることも珍しくなく、開発環境も無料で手に入り、雑誌でも書籍でも初心者向けにプログラミングの方法が書かれたものが多くなり、むしろ一昔前のホームページを作ろう、みたいな感覚でプログラムができるので、就職する頃はかなり知識がある人も全然珍しくありません。それこそ現場に投入してもある程度はできる人の方が多いと思います。

 これだけ考えると今の若いエンジニアの方がスキルは上のような気もしますが、ところが基礎の部分は置き去りなので、アルゴリズムの考え方が非常に未熟です。特に最近の言語はエラーがあっても止めずに動かすことが容易なので、昔以上にエラーが少ないプログラムを組めると錯覚します。

 昔はちょっと変なコードを書くとすぐに「暴走」しました。今は暴走すらあまり見かけません(これは良いことすが)コードが分からなくてもググれば大抵のコードは見つかります(つまづくところは割とみんな同じなので)ちょっとニッチなことも英語のページを探せば見つかりますし。小手先のテクニックだけが磨かれるので見た目には優秀でも、コードのメンテナンスするとあちこちに潜在的なバグが潜んでいるので管理している方からみると非常にヤバい状況だと感じています。技術を知らない上司、営業、顧客からは「こいつはデキる」と思われるからです。わたしも時々若いエンジニアの実力が計れない時があります。

 ただ悪いことばかりではなく、逆にいえば小さいころから慣れ親しんでいるので我々の世代よりもはるかに「スーパーエンジニア」が誕生する可能性は高いと思います。こういうスーパーエンジニアが自力でたくさんオープンソースなんか作ると、本当にソフトウェア開発という産業が生き残れるのか考えてしまいます(儲からない、という意味で)。

 「作ったものを売る」時代から、「作ったものを使っていかに便利なサービスを提供するか」に軸足が確実に移っていると感じます。作って売るにしても単価はかなり低くなるでしょう(人月単価は確実に安くなっていると思います)。

 現状を悲観しても何も始りませんので、これからどうするべきかを3つのケースで考えてみました。内容は個人的な主観ですが、一度それぞれ自分に当てはめて考えることをオススメします。

■ケース1:エンジニアにしがみついて頑張ってみる

 今まではそれぞれの役割にあったことができれば、エンジニアとして食べて行けたと思います(例えばPGならプログラミングする技術、SEならシステムを設計する技術など)。しかし、これからはそれが難しくなると考えています。今はわりとPGとSEの境界がボーダーレスになってきている部分もありますが、こういうのはより鮮明になってくると思います。極論すると、「プログラマやSEだけではダメ」ということです。

 そう考える理由は、いろいろな単価が徐々に落ちていることにあります。例えば、携帯アプリ(コンテンツ)を考えてみます。単価はせいぜい数百円です。まぁ高くても千数百円でしょうか。当たれば単価が安くても売り上げはそれなりにありますが、見込みであまりないと開発費にお金をかけることはできません(赤字が確実なので)。お金をかけずにソフトを作るには開発期間を短くして開発メンバーを極力減らします。そう考えるとPM、SE、PGと分担するよりは1人で全部やった方が良い、と経営する側は考えます。その分だけ人件費も減らせますし、何より打ち合わせなどの時間も開発に当てられます(1人だけなので)。

 大きい企業で開発してきた人には、あまりピンとこないかもしれません。「そんなバカな」と思うかもしれませんが、末端ではこんな感じです。現にわたしも、ほぼ全工程で関わってます。エンジニアとして生き残るには、全部の工程が1人でこなせて、なおかつ完成まで早くこぎつけることが求められていると実感します(ただ、本当に1人でやるかどうかは当然、規模によって異なります)。

 よく、コミュニケーションスキルのようないわいる「営業的なスキルもこれからは必要」、といわれます。個人的には当然そういうスキルはあった方が良いと思いますが、スキルというよりは「営業」や「経営者」的な考え方は必要だと思います。サラリーマン的な考えだけではいずれ立ちいかなくなるでしょう。

 とにかくソフトウェアを「作る」だけではなく、「質」や「サービス」も自ら考えていくことが求められると思いますし、そうなっても生き残るんだという覚悟が必要でしょう。本当に好きでないと、エンジニアという職はつらくなってくると思います。努力することや頑張ることは当たり前で、そのうえで当然のように結果を求められ、結果が伴わなければ給料だって減るでしょう。行き過ぎた実力主義は良くないと思いますが、さすがに売り上げあっての報酬なのでそれも仕方のない流れかもしれません。

■ケース2:エンジニア以外も視野に入れてみる

 この不景気、どの業界も決して良いとはいえませんが、それでも職種を問わなければ生きていくことは可能だと思います。わたしは常にそう思って生活していますし。その上でエンジニアというキャリアを将来捨ててみることも、考えとしてはあると思います。

 転職市場を見てみれば分かると思いますが首都圏はともかく、地方都市になるとソフトウェア関係の転職は非常に厳しいです。その理由は言わなくても分かると思いますが、当然派遣も同様なので、人によっては生きるために他の仕事に就かざるを得ないでしょう。これは明日は我が身だと思っています。

 わたし自身はソフトウェア業界でこれからも頑張って行こう!……と、実はあんまり思っていません。むしろ飽き性なので他のこともしたいな、とよく考えます。とはいうものの自分のキャリアや生活を考えるとソフトウェア開発の現状がベターだとも考えています。

 わたしは、リスクヘッジも兼ねて他の仕事も視野に入れておいた方が良いと思っています。あれはイヤ、これもイヤでは希望の仕事が見つからなければ、ニートしか道がなくなります。ニートでもできるならまだ幸せですが、家族がいたりするとそれもままなりません。それこそバイトだろうが何だろうが……になるでしょう(わたしはそうです)。

 「手に職」ではないのですが、わたしは履歴書にあまり書かない資格を2つ持ってます。1つは以前に書きましたが「電気工事士」です。ソフトウェア開発にはあまり関係ないので今は履歴書に書きません。ただ、電気工事の仕事は資格がないとできないので持ってるとその手の就職には絶対有利です。取得も筆記試験と実技試験があり、1年ぐらいかかります。

 もう1つは調理師です。調理師は昔、母親が飲食店をやっていたので、その兼ね合いで取りました。飲食店をやるには調理師は必須ではないのですが、あると例えば食品衛生責任者は申請だけで取得できます。先ほども書きましたが、調理師は飲食店をやるのに必要ではありませんが、食品衛生責任者は必要です(もっとも講習受ければ良いので日数も費用もそんなにかかりません)まぁ、こっちはないよりはあった方が有利でしょう(多分)でも、さすがに今から料理人を目指す気はないですけど。

 「ソフトウェア開発だけ」を楽しくやるんだったら、仕事は別で仕事以外でやるのが幸せだとわたしは思います。自分の好きなことを好きなように誰にも文句言われずできるのですから。ただ、張り合いはないでしょうけど。

 仕事によってはコンピューターを使うので、ソフトウェア開発からの転職が有利に働く場合があります。特に中小零細企業はコンピューターを使える人が少ない場合がありますので、ちょっと使えるだけでも結構重宝されます。そう思うのはうちの奥さんが勤める会社がそんな感じで、多少知ってるだけで相当頼りにされているようです。

■ケース3:思い切って起業(独立)してみる

 リストラされて、転職先も決まらないから仕方なく起業する……っていうのはなかなか後ろ向きですが、少し考え方を変えて起業もありだと思います。不景気ですが、就職先はなくてもビジネスに関してはそうではなく、不況なら不況なりにどこかで利益が出せる所ってあると思います。そうでないとさすがに世の中回って行かないので。

 ここを前2つと別にしたのはエンジニアに関係することも関係しないこともあり得るのであえて別選択としました。

 エンジニアとして独立して生計を立てるには、技術的な面だけでは多分無理だと思います。自分を商品として売り込むためにプレゼンテーション技術も必要ですし、それこそ営業トークも必要です。後はコネと言うか、人間関係も大切になってきます。いくら自分のスキルに自信があって実績を積んでいても、それだけで「じゃあ、お願いします」とは絶対なりません。いかに人脈を築くかがポイントになります。

 わたしの知り合いには思いつきでいろいろ画策し、わたしに「これってどうだろう?」と聞いてくる友人がいます。何となく怪しい雰囲気が漂うこともあるのですが、よほど強固にダメ出ししないと「取りあえずやってみるわ」と言って、本当にあちこち飛び込みで営業してきます。ダメなことも多いですが、それで利益を上げることも結構あります。向き不向きもありますが、それぐらいやれば何でもビジネスになるのかなと思います。

 エンジニア的に考えるなら自分でWebサービスの構築っていう手もあります。2番煎じもあり。ビジネス用途に向くなら、値段を下げて中小企業を回ると意外と契約が取れます。その上で「アフターフォロー」を必ず宣伝して実行します。我々エンジニアは日頃いろいろな情報を見ているので同じサービスでも安いか無料のものを個人では選択すると思います。でも、企業でなおかつ中小企業で取りあえずパソコン使ってるような所は意外とそういう面倒を全部見てくれる人を探しています。で、高い金額なら難しくてもサービスを細分化して安くすれば「それなら……」という方も多いです。多少、営業的なセンスが必要ですが、わたしはこの方法で何社かお客様を持ってます。

 エンジニアで「営業は向いていない」「接客は苦手」と言う人は結構いると思います。こういう考えの人は基本的に仕事を「できるかできないか」で決めています。雇用されているならそれでも問題ないと思いますが、自分でビジネスをするならそれではダメです。「やるかやらないか」で考え、営業だろうが接客だろうが何でもやるようにしないと成功はあり得ません。

■道は違えど……

 去年の暮れから今年にかけては「派遣切り」が話題になりました。最近では「早期退職」という名のリストラも始まり、来年はおそらく正社員の解雇も含めてもっと厳しいものになると予想されます。IT関連の投資も最小限になっているでしょうし、世の中がデフレなら当然、この業界もデフレの傾向は続くと思います。

 どの業界でも必要な「スキル」は存在します。ソフトウェア開発のような、どちらかといえばクリエイティブに属する職業は専門職でした。それぞれ役割があり、己の役割を果たしチームで協力して成果を出すことが求められてきました。しかし、これからは何人かでやっていた役割を、1人でこなすことも求められてきます。今は人が減った時に減った分は新たな人ではなく今いる人でやることを要求されます。昔のように猫の手を借りるようなとにかく人をつぎ込むことも最早なく、どちらかといえば「エンジニア」ではなく「スーパーエンジニア」を求めていると感じずにはいられません。

 どこも同じではないでしょうが、厳しい状況はしばらくは続くでしょう。それが何年か先に好転するかしないかは…神のみぞ知る、でしょうか。今は踏ん張り時なので頑張るしかないんですよね。

第10話 エンジニアは独立すべきだ!

2009/08/24 19:28:50

 まぁ、正社員のわたしがいうのも何ですが、基本的にエンジニアには「正社員」と言う雇用形態はそぐわないと思っています。理由は後述しますが・……。

 ところで、わたしがなぜこのコラムで匿名の「にゃん太郎」と名乗っているかと言えば、正直いって素性が会社にバレると少々面倒だからです。決して会社の悪口を言うためではない……はずです(笑)。

 実は会社で働きながら、別口で「フリー」としても仕事をしています。副業ですが、昔、会社を経営していた時のお客様が今でもいろいろ相談してくれます。内容的にはシステム開発やコンサルティング、ネットワーク設計やアドバイス、パソコン修理やサーバ保守などです。お客様に紹介されての新規案件というのもけっこうあり、このままいくとどっちが本業か分からなくなる可能性もあります(苦笑)。

 税金とかの兼ね合いもあるので、家族を代表者にした会社で受ける形にしています。こっちをメインにしない理由は「借金」です。とにかくマイナスをゼロにしないとどうにもならないと思ったので。本業での収入は生活費、副業での収入をわたしの小遣い+借金返済にあてています。ただ、あくまでも副業なので本業に差し支えないようにやっています。今は会社にカミングアウトするか、それとも辞めて独立するか少しだけ悩んでいます。

■正規雇用と非正規雇用

 日本では「正規雇用(正社員)」が、ある意味当たり前な感覚があります。これは保険にしろ年金にしろ、いろんな意味で優遇されているからです。逆に非正規社員でも派遣社員、パート、アルバイトなどはどちらかといえば不安定で、あまり優遇されていません。親も世間も正社員として就職しないと「いつまでフラフラしてるの?」なんて勝手に思われます。

 昨年末から「派遣切り」なんて言われて、製造業の派遣社員が大量に、それもほぼ同時に解雇(契約打ち切りもしくは満了)されて話題になりました。契約を更新しない、なんて話は今でもあります。

 社会的な道義はともかく、個人的にはある程度は予想していました。なぜなら、人手が足りないから派遣社員を雇用しているのではなく、何かあった時に簡単に人手を減らすために派遣社員を雇用しているからです。人手が欲しいなら正社員でも良いわけですから。

 日本の法律では、正社員は簡単に解雇できませんが、派遣社員は契約満了を理由に解雇できます。2年以上継続して雇用していたら正社員にしなければならない、という決まりはありますが、いくらでも逃げ道は用意できますし、実際にやっている会社も多々ありました。

 企業活動の中で経費に占める人件費の割合は、決して少なくありません。そのために会社の業績が悪くなると「リストラ」という人減らしが始まります。お金の話については、また次のコラムで書きますが、仕事が減って余剰人員が出ることが一番負担になるからです。製造業の下請け会社もかなり余剰人員は出ていますが、雇用調整助成金と休暇や一時帰休で何とか解雇せずに済んでいるのが現状です。そのため、実際は潜在的失業者はかなりいるんじゃないかと思います。

 前のコラムにも書きましたが、ソフトウェア開発はほとんど「人件費」です。高い単価で人月単価を設定できれば問題ありませんが、人月単価が安くなると利益率はかなり落ちます(人件費などの経費は安くならないから)。正社員で雇用し、派遣で利ざやを稼ぐ会社は技術者の派遣先がないと利益は減る一方で、それが経営を圧迫します。

■ブラック企業

 労働者の権利を守るために「労働基準法」という法律があります。労働基準法は、経営者が一方的に不当行為をしないように定められたものであることはご存じだと思います。一度雇用したら理由なく解雇できない、やむを得ず解雇する時は30日前に予告する、30日に満たない場合は「解雇予告手当」を支払わなくてはならないなど。残業手当や有休、社会保険など(労働基準法以外もありますが)もわりと労働者側に有利となっています。普通に考えると雇い主(経営側)の方が力関係は強いため、それは仕方ないのかもしれません。

 ただ、ソフトウェア業界に限りませんが杓子定規に全部守ってますよ、という会社は中小企業に関しては少ないと思います。これが極端になると「ブラック企業」といわれますが……。

 わたし自身も、ブラック企業っぽいところに1年半ぐらい勤めていました。今さら蒸し返す気もないのですが、健康保険は入社3か月後(建前上は試用期間。でも本当は違反です)、偽装請負、残業代は時間あたり300円程度(それも30時間以上で初めてつく)などです。SEで30代後半でしたが年収は400万円に満たなかったです。これは地方都市なのでまぁ仕方ないかな。一番腹が立ったのが、入社前に会社までの1カ月分の定期券を購入してくれといわれたので、素直に行きやすい方法で購入したら「認められません」といわれてしまったことです。後から基準を聞いて「聞いてない」と抗議したのですが結局認められず、差額は自腹でした(だったら初めから指定しろよ)。

 派遣先が良かったので取りあえず続きましたが、キリの良いところで辞めました。辞めるといったらそこから、上司も会社の人もみんな冷たくなって、悲しいを通り越して笑ってしまいました。ちなみに給与の計算違いも数回あり、最後の最後も今までの手当の計算が間違っていたらしく余計に引かれていました(涙)。

 退職時に「顛末書」を書かされました。客先の契約(正確には客先の客先で二重派遣でしたが)が残っているためにどうして辞めるのかを書けということでした。バカ正直に書いても良かったのですが、ここは堪えてもっともらしく書いておきました。客先の担当者には本当のことを言ってありましたけど。これに良い悪いをいうつもりはないですが、初めての経験なので驚いたと同時に辞めて良かったと思いました。

■病気について

 ソフトウェア業界はメンタルな病気(うつ病や神経症)が多い業種だそうです。こういう病気は自分を追い詰めたり、内向的でなかなか自分の考えを表に出せない人がかかりやすいと言われています。ソフトウェア業界はそういう性格の人も多いので相対的に多く感じるのだと思います。それ以前に、長時間残業や休日出勤が当たり前だと誰だって体調が悪くなると思いますが。

 ただ、残念なことに、なかなか周りに理解されないのが現状だと思います。風邪とかケガならわかりやすいですが、見かけは何ともなく、メンタルな部分は理解しようと思ってもなかなか理解できないからです。これは人間が物事を判断する時の基準が「自分」だからです。自分がうつ病などにかかれば理解できるのでしょうが、そうでなければ心のどこかで「本当?」みたいな猜疑心が常につきまとい偏見につながります。

 わたしが経営者だった頃、1人だけうつ病になりかけた人がいました。実家から1人で出てきて会社の寮に住んでいました。残業が多かったり、休日出勤があったわけでもないのですが、普段から神経質な所があるなぁ、とは思っていました。ある日の朝4時過ぎに携帯に電話が掛かってきて「金縛りにあって動けないので今日は休ませて欲しい」と電話がありました。これで何となく「まずいな」と思い、その人および家族と話し合った結果、退職して実家に帰って行きました。仕事よりは孤独感(家族に会いたい)と責任感がその人を追い詰めたようです。

 メンタル以外の病気もあります。わたしの会社では、ネフローゼ症候群という病気の人がいました。薬の副作用でだるくなったり血圧が下がり、なかなか起きることができないなどの症状があるのですが、やはり周りに理解されない(サボっていると思われる)ので「どうしたら良いでしょう?」と良く相談されました。結局、入院治療が必要になってしまったので退職しました。

 最近は大企業では、メンタルヘルスも含めサポート体制が充実していますが、ほとんどの中小企業はあまり充実していません。個人的には会社もですが、それ以上に自分で予防・ケアすることも大切だと思います。わたしのように、あまり自分で自分を追い詰めない性格なら問題ありませんが(たぶん)、マネージャは余裕を持ったスケジューリングを行なうように心がけ、SEやPGは仕事を残業で片付けないのが当たり前、ぐらいの感覚で仕事をすることが大切だと思います。

 よく「病は気から」といいますが、ストレスを含めて気合だけでは病気は治りません。投薬は必要ですが、なによりその原因を取り除かないと。慢性の病気はうまく付き合わなければならないので、少なくとも上司や経営者はどういう病気でどんな副作用があって……というのを正しく理解すべきです。人材の優劣は病気では決まりません。

■エンジニアに正社員は合わない

 これは制度の問題が絡んでくるので、正社員の部分だけ切り出して論じるのはあまり意味がないのですが、ここではあえてそのことを書きたいと思います。

 高度成長時代、企業の雇用形態は基本的に終身雇用でした。経済も給料も消費も右肩上がりを前提に会社を定年まで勤め上げて退職金を受け取り、余生は年金で暮らすという一種のライフモデルです。ところが、給料もほとんど上がらない、雇用(正社員)もあまりない、働いても生活に窮する(ワーキングプア)、退職金もあてにできないなど、今の時代では「正社員」という考え方そのものが古いとわたしは思っています。

 そもそも、企業が人件費節約のために正社員の採用を減らし、非正社員を増やそうとする現実は、年金や健康保険の未払いを増やし、結果的に将来の年金や健康保険などの制度の破綻を招きます(というか、すでに招きかけている)。年金支給年齢も今は65歳(かな?)ですが、わたしの時はいつになるのか、それ以前にもらえるのか心配になってきます。企業の論理として派遣社員などの非正規雇用を認めて欲しいというのは、経験があるので理解できますが、それは健康保険や年金などの制度も合わせて変更しないと社会全体がおかしくなります。

 エンジニアの価値というのは、本来経験とスキルに裏打ちされた実力だとわたしは思っています。最近の正社員エンジニアは、プロがあまりいないと感じます。要するに「素人」です。設計やプログラミングはある程度できるけど、そこから踏み出せる人が少ないと感じます。まず、やったことがない言語をやれといわれると「やったことがないからわかりません」「自信はないですが……」という人が多いです。

 わたしはこの言葉を言ったことは一度もありません。そもそも「言語の習得」って言葉に違和感を覚えます。コンピュータやOSの仕組み、アルゴリズムの考え方を知っていれば後はそれぞれの環境に当てはめるだけなのでやったことがない言語でも2、3日試行錯誤すれば、たいていは事足ります。(成果物が)「簡単に動く」ことに満足して、自分はエンジニアだと勘違いしている人が少なくありません。

 このような現状は正社員と人月単価の副作用だと、わたしは考えています。厳格にスキルで単価を出しているわけではないので会社も教育しないですし、ある程度動く物ができれば顧客の所に出せます。顧客が気に入らなければすぐに返されてくるでしょうし、顧客の所で揉まれてスキルが上がれば儲けもん、そうでなくても顧客の元でプログラムを組むぐらいなら何とかできるでしょう。これで良しならわざわざコストをかけてまで教育する必要はありません。またコストをかけて教育し、スキルが上がっても転職とかされたらかけたコスト分だけムダになります。お金をかけるのは(教育コストも給料も)将来の幹部候補生ぐらいです。素人みたいなエンジニアが増えてもそれで利益が上がるなら何も問題ありません。

 実際、わたしが見積りを出す時は、開発期間を自分ではなく「一番スキルが低そうなメンバーのレベル」に合わせて考えます。単価は給料が一番高い人が基準、期間は一番スキルが低い人が基準、これでは適正な価格を出せるわけがありません。また、優秀なエンジニアが増えるわけでもありません。業界にとっては間違いなくマイナスです。

 環境が変わらない、ある程度頑張っていれば解雇されることもない状態(それでも最近はうかうかできないでしょうが)ではしょうがないと思いますが、エンジニアはいろいろな環境下で開発を行い、もっと荒波に揉まれるべきだと思います。

 それにはエンジニアの流動化が不可欠です。自分の経験とスキル、資格などで報酬を決め自分自身を売り込んで行き、いろいろな職場で活躍できるような環境ができればエンジニアの淘汰が進み、人月単価も少しは意味が出てきます。「エンジニア総フリー化」になれば、それこそスキルの上昇と共に報酬も上がるでしょうし、逆に契約より短期に納品できれば、その分儲かります。何も考えずエンジニアをやっていれば、そのうち生活ができなくなるでしょう。頑張るのは当たり前で、エンジニアの自分に付加価値がないなら淘汰されても仕方ないのです。

 実際は難しいのですが、建築士や弁護士みたいにエンジニアも独立した職種になれば業界が再編できて、活性化すると思いますが……どっちが良いのでしょうか。

 正社員でさえ明日は解雇(倒産)もあり得ます。実際、わたしもいろいろ経験しているので自分なりにセーフティネットを張りながら働き、生活しています。正社員が悪いとはいいませんが、正社員でなくても生きていけるスキルと心構えは必要だと痛感しています。

■営業スキルもこれからは必要

 唐突ですが、わたしは自分が「エンジニア」であるとあまり思っていません。やろうと思えば事務だって経理だって営業だってなんだってやりますし(っていうかやってた)、「サーバ増設に電源工事が必要だけど……」と相談されれば「わたしで良ければ」と言って電源工事もやります(わたしは資格を持ってます)。システム化の相談をされても、必要ないと思えば業務提案だけで終わったりすることもあります。予算が1万円と言われ、考えた挙句にExcelのマクロ(VBA)でお客さんのところで1日かけてシステムを作ったこともあります(この時は1万5千円くれた)。

 その場に応じて好き勝手? にやっているのでエンジニアというよりはサービスマンの方が近いかな、と思っています。またPMでもSEでもPGでもTE(テストエンジニア)でも与えられた役割があれば、そのポジションで最大のパフォーマンスを発揮する自信があります。どれもプロジェクトの中では重要だと思いますし、そこに選り好みする気はないです(でも、大抵はいくつか兼業になります)自分でできる範囲ならエンジニアの範疇外でもやりますし、それが「プロ」だとも思っています。

 これからはエンジニアといえど「営業スキル」が必要だと思います。あいさつすらロクにできないでは問題外ですが、自分をアピールし、自分を売り込み、ビジネスとして人と接することができなければ淘汰されてしまう、と考えた方が良いと思います。エンジニアはただ黙々と設計・コーディングをすれば良いと言うわけではありません。エンジニアとしてのスキル以外にビジネススキルがないと仕事の幅が広がりません。「営業は苦手です」「営業は向いていません」ではこれからは厳しいと思います。

 わたしは、仕事に関しては「できる・できない」ではなくて、「やるか・やらないか」だと考えています。駆け引きも重要だと思うので、わたしはやったことがないことでも、やったことがあるような顔をして「できます」と言います。

 時には後悔もしますが、それでも試行錯誤しながら当たり前のように納品してきました。これがスキルを磨くチャンスでした。また、このようなチャンスをものにしてきたことで、信頼を得てきたのだと自負しています(時々危なかったことはありましたが)せっかくチャンスが巡ってきても、尻込みしてしまったらもったいないと思うのは、わたしだけでしょうか?

 次はお金の話です。給料や報酬、単価、コストなど。正社員とかだと年末調整とか会社がやってくれるのであまり気にしない人も多いのではないでしょうか。そんなエンジニアに読んで欲しい話です。

第9話 ソフトウェアビジネスの曲がり角

2009/08/20 19:47:12

 今回から新しいシリーズです。視点をエンジニアから少しずらして、働く「環境」を中心に話しを進めたいと思います。

 中にはエンジニアだけでなく、働く人全般にいえることも出てきますが、基本はエンジニアとして働く人に考えて欲しいです。大体3回から4回ぐらいになる予定ですのでまたお付き合いいただければ幸いです。

 今回はソフトウェアビジネスです。日本では「情報処理産業」のひとつとしてカウントされています。情報処理産業と言うと少し範囲が広いのですが、ここではソフトウェア開発を「ビジネス」として捉えた上での話をしたいと思います。

注意!
 以下の記述には違法コピーなどの記述がありますが、あくまでもわたし自身が感じていることを書いてあります。決して肯定する訳でも推奨する訳でも、またわたし自身が行っている訳でもありませんのでご了承下さい。いうまでもなく、違法コピーは犯罪です

■ソフトウェアビジネスの抱える問題

 今更ですが、ソフトウェアには明確な「形」がありません。また単体では何の意味も持ちません。それはプログラムだけではなく音楽や映像などのコンテンツも同じです。

 形がないため、金銭的対価と言うのは基本的に「人件費」となります。物といえばせいぜいメディアと印刷物ぐらいでしょうか。最近はインターネットのおかげでメディアすら必要ありません。完全に「電子データ」として取引可能です。

 ソフトウェアも人件費のため、価格の基準というのは存在しません。値段もピンからキリまでありますが、人気のソフトはライセンス違反や違法コピーの問題があり、思うように売上げが伸びません。ゲーム機でもマジコンやカスタムファームウェア等で同様な問題があります。これは映画のDVDや音楽ソフトでも同様です。着うたなどは正規ダウンロードよりも違法ダウンロードの方が多い(らしい)ぐらいですから単価が安いとはいえ、被害額はバカにならないと思います。

 ソフトウェアは例外なくデータのため、基本的にコピーは可能です。プロテクトなんかはわたしがパソコンを触りだした20数年前からありました(言い換えればその頃から違法コピーはあった)。最近ではネットワークアクティベートやハードウェアプロテクトもあります。でも、例外なくクラックされています。完全にイタチごっこですし、これからも続くと思います。

 以前のコラムにも書きましたがソフトウェアの価値は一般の人にはなかなか理解されません。違法コピーを生む土壌の根本はモラルの問題ですが、そこに「お金」が絡んでくる以上おそらくなくならないでしょう。欲しい側はなるべく安く欲しく、できればタダが良い、売る側は安く、もしくは無料で提供する。恐ろしいほど完璧に需要と供給がマッチしています。

 音楽は基本的に販売だけではなく、著作権としてテレビ局や舞台、カラオケやレンタルなどからも収入があり、それを管理する団体もあります。映像も基本的に二次制作(一度テレビや映画として作成してある程度収入を得てからソフトとする)がメインなので最低限の収入はあると言えます。しかし、コンピュータープログラムは販売が基本的にすべてなので違法コピーをされてしまうと、その分収入が減ります。

■ソフトウェアは製品かサービスか

 日本では、ソフトウェアをひとつの「製品」として考える人が多いです。逆に欧米ではソフトウェアを「サービス」として考えている人が多いです。これはどういうことかといえば、日本ではソフトウェアを作って売って収益を上げることをビジネスにしていますが、欧米では作ったソフトウェアを使って収益を上げてビジネスにしています。作って売ることをビジネスにしない訳ではありませんが、あくまでもその先の「サービス」がメインとなります。

 業務ソフト1つとっても違いがあります。例えばERPのような統合型システムは、日本ではパッケージをベースに導入する会社の業務形態に合わせてカスタマイズすることがほとんどです。そのため、最終的にはパッケージと呼べないほど専用のシステムになります。欧米では逆に導入する会社がパッケージに合わせて業務を変更します。ナゼかといえば、それが一番コストが安いからです。業務の効率を上げるためのソフトウェアを業務に合わせていては効率が上がらないのではないかという考え方もあります。

 サービスという点ではGoogleが一番分かりやすいでしょうか。従来有料で売っていたデスクトップのオフィスソフト(ワープロ、表計算、プレゼンテーション)をSaaSとして無料でユーザーに開放しています。会社自体は検索結果とそれに表示する広告収入で利益を上げています。日本では「mixi」や「GREE」などがこれに当てはまると思います。マイクロソフトですらこれにつられたかのように次期オフィスソフトの個人向けはSaaSで無料解放するらしいです。欧米ではカスタマイズの考え方があまりないので先ほど書いたERPですらSaaSで当たり前のように提供しています。流行のクラウドコンピューティングも考え方のベースは「サービス提供」といえます。

 国が違えば……といえないこともないのですが、コンピューターに関してはこれだけネットワークが発達してしまうと、世界の潮流に飲み込まれるのが常です。日本ではコストよりも「瑕疵担保」の方が占める割合が大きいので「製品」として成り立ちますが、そのうちそれだけでは収益を上げるのは困難でしょう。国外の企業もそれは認識していて少しずつ日本の市場に参入してきています。また、OS(サーバー)、ミドルウェア、アプリケーションなど多岐に渡るオープンソースソフトウェア(OSS)により、今までSIerに丸投げしていた企業ですら自分たちでシステム構築を模索し始めています。長いスパンで見ればソフトウェア開発は専門職ではなくなると思います。

 ソフトウェアを作っても売れない状況がだんだん広がれば、エンジニアの職場も少しずつ減っていくことにつながります。

■人月単価の謎

 コラムでもたびたび出てくる「人月単価」の問題ですが、わたしがソフトウェア開発の仕事を始めた頃は、見積と言えば確か「ステップ数」でした。ソースコードの1行がなんぼ、というやつです。環境としてはメインフレームやミニコン、オフコンなんて時代で言語はCOBOLやPL/Iでしょうか。確か見積手法なんて本もあったと記憶しています。

 そのうち「ダウンサイジング」と言う言葉が流行になり、大型のコンピューターが順次PCサーバー(UNIX)などに置き換わっていきます。パソコンもMS-DOSなどのキャラクタベースのOSからWindowsなどのグラフィカルなユーザーインタフェイス(GUI)やマルチタスクになり、低価格化もあいまって一般に普及します。プログラム開発も敷居が高かったのですが、VisualBasic(VB)の登場により一気に低くなりました。

 VBもそうですが、わたしが初めてVC++を触った時、本に載っていた「ワープロもどきのリッチテキストエディタ」を試しに作ってみたことがあります。凝った機能を付ければキリがないのですが、最低限の機能はわずか10数行程度で完成します。感動したというより、あまりのコード入力の少なさに驚きました。この時のインパクトはいまでも忘れられません。

 開発環境が特定のOSに特化されているので(本来、コンパイラ言語はソースレベルではOSに依存しないはず)一度、それでシステムを作ってしまえばそのOSがそのシステムの標準システムになります。OSや開発環境のバージョンが上がっても言語仕様があまり変わらないか、変わっても変換支援する機能が必ずあるので、ユーザーは同じシステムを使い続けていくことになります。途中での変更は、費用も期間もリスクも増えるだけとなります。

 話を戻すと、生産性向上のために極力コード入力を減らして面倒な仕組みのほとんどをシステム側で行っているため、従来の「ステップ数」で見積りを行うと、極端にシステム価格が安くなります。また、Webアプリケーションのように画面、ロジック、制御(MVC)と別々に開発するものでもステップ数だけでは見積もることは不可能です。特に、画像の加工やイラスト、データベースなどプログラム以外の要素も絡んでくるため、単純にステップ数やページ数で価格を出すことができません。

 そもそもソフトウェアのような「無形」の物に対する正当な「単価」をはじき出すこと自体難しいといえます。そういう意味では「ステップ数」も理にかなった方法ですが、今のシステムでは利益が上げられません。ステップ数が少なくなり、生産性も上がっている「はず」ですが、結果だけ見るとそうとも言い切れない背景もあります。

 ソフトウェア開発におけるコストのほとんどは「人件費」です。

 開発環境を購入してもプロジェクト毎に買う訳でもないので長い目で見れば人件費に比べ遙かに安いでしょう。そうなると単純に必要人件費+アルファ(このアルファの方が多いでしょうが)を請求した方が手っ取り早く、会社も原価計算がしやすいということになります。おそらくこれが人月単価の実態だと思います。

 人月単価になると今度はエンジニアそのものが商品となりそこに単価が付きます。これだけなら個人的には問題はないように思いますが、そこの基準が非常にあいまいで、エンジニア個人の能力を測る尺度(基準)がありません。だいたい経験年数、こなしたプロジェクト数、所有する資格、学歴などが主でしょうがどれも基準にするには統一されたものではありません。唯一資格だけが基準に出来そうですが、プロジェクトによって取得した方が良い資格は変わるので(例えば組み込み機器のプロジェクトにOracleMasterは取得してもしなくても影響があまりない)単価を決めるにはやや弱いと考えられます。

 結局、会社単位で単価を決めるのですがだいたい「エンジニアの人件費+利益+何かあった時の保険」となります。人件費の基準は給料の高い方が基準になるので極端な話、月40万円もらっているSEも20万円もらっているSEも同じ単価になります。残業を払う会社ならそれも考慮していると思います。もし、初めから他の会社や人材派遣会社、フリーの人を使ってメンバーの穴埋めを考えたら基準なんて存在しません。あくまでも会社が赤字にならず適当な利益を上げられるだけの見積が出来上がります。

 大手SIならそれで利益を上げられますが、下請けや技術者派遣の会社ではそうはいきません。自分たちがエンジニアの単価を決めることができず、元請け会社のいいなりになります。良心的な会社なら手数料程度を引いた単価を提示しますが、そうでなければ結構な額を引かれます。今までは好景気に支えられ、3次請けや4次請けなどもそれなりにやって行けましたが、これからはまずやって行けません。

 実際にはもう少し複雑な事情があるのですが、単純に考えて同じ単価なら、スキルがある会社(納期が短いもしくは少人数)よりスキルがない会社(納期が長いもしくは大人数)の方が確実に利益が上がるという、わけの分からない構図になります。

■ソフトウェアビジネスのこれから

 今までの慣習を突き破ることは、ソフトウェア業界に限らず容易ではありません。でも、もう考えなければいけないところまで来ていると思います。

 パッケージソフトの場合は先ほど書いた通り違法コピーの問題はどうしても避けて通れません。

 金額が安いものは普通にプロテクトをかけておけばあまり問題ないと思いますが(クラックしても手間なだけで欲しいなら買った方が安いので。仮にクラックして売ってももともとが安いのでリスクの割に利益は上がりません)高価で人気のソフトウェアは基本的に現状のようなネットワーク認証やユーザー登録の義務化などで対応するしかありませんが、基本的にどんな方法でもクラック可能なのであきらめるかSaaS化する方向が一番だと思います。もし、絶対にクラックされない方法があれば特許取って売り込めば相当儲かるでしょう。

 人月単価の問題はSIのビジネスモデルの考え方から変えないと無理だと思います。基本的に子会社や他社に丸投げ、実際に作業するにしても開発メンバーのエンジニアの半数以上は他社からの派遣(それも2次、3次請けもある)やフリーでまかなうと考えるなら、人月単価にしないと利益は上がりにくいからです。本来は人月ではなく、人件費も含めた工期予測と原価予想をきちんとして見積にすべきですが、エンジニアの多重派遣構造が問題を複雑にしています。特に中小のほとんどはエンジニアを正社員として雇用し、他社に派遣する会社が多いため、作業内容に関わらず人月単価になるのでなかなか難しいと思います。

 結局、ビジネスモデルと業界構造の両方をどうにかしないと片方だけというのは無理があると思います。ただ、このままいってもいずれは行き詰まるのは確実なので(それだけ案件が減っている)会社もエンジニアもそれなりに淘汰されてしまうと思います(人月単価も含め、この話は次回にもつながります)

 「製品」から「サービス」へ、「フルスクラッチ(完全オーダーメード)」から「パッケージ」へ考え方も転換し、その上でエンジニアを上手に活用する方向に持っていかないと厳しいでしょう。残業に評価や価格を反映させるのではなく、いかに早く品質の良い物を作った方が評価や価格が上がるように会社も顧客も考えなければ、無駄な費用だけが増えて自分たちの首を絞める結果となるでしょう。

 次回はエンジニアの働く環境について書きたいと思います。人間関係や病気、雇用などエンジニアを取り巻く環境は、年々厳しくなっています。何が悪いかは一概にいえませんが、少なくともエンジニア1りひとりが真剣に考えるべきときにきていると思います。

第5話 エンジニアよ、もっと深く考えろ

2009/07/28 19:00:55

 今回はエンジニア側の問題点です。対象とするのはSEやPGで主に詳細設計から後の工程を担当するエンジニアです。ただ、テストエンジニアついてはちょっと方向性が違うので、対象としていません。上流のPMに関しては次の話の予定です。

注意!
 以下の文章はあくまでわたし個人で感じていることであり、大多数のエンジニアをいっている訳ではありません。それを理解して読んで下さい。

 一緒に仕事をしていて「最近のエンジニアは一昔前のエンジニアとは違うな」と感じることが結構あります。開発環境が随分変わってきたので一概にはいえませんが、一言でいえば「エンジニアとしての気質が変わってきたのでは」と推測しています。

 傾向としては、だいたい次のことが挙げられると思います。

  • あまり考えない
  • プライドが高い
  • コスト意識に乏しい
  • コミュニケーションしない

■恵まれすぎると……

 インターネットが当たり前になってきたのが一番なんですが、調べものをする時間がかなり短縮できています。本屋に行けば、雑誌も入門書もたくさんあります。検索すれば知りたい情報のほとんどは見つかり、ソフトだって自分が欲しいソフトを誰かが作っている可能性は非常に高く、ダウンロードすれば自分が作らなくてもすぐ使えます(有料・無料は別として)。OSですらオープンソースで公開されています。

 エンジニアならつまずいたり失敗する場所がだいたい同じなので、忘備録的にWebページやブログに書いてある確率が高いです。教えて掲示板も多い。おまけに検索した情報からソースをコピペするだけで問題が解決してしまう……そう、意味なんか分からなくても解決します。こんなことばっかりやっていると、あまり技術を掘り下げない(意味を深く考えない)エンジニアが増えていきます。

 昔はマニュアルが一番の資料でした。それこそ職場にはマニュアル専用の部屋もあるぐらいで、そこで探すのが一番早い選択肢でした。技術書専門の本屋でも本はありましたが、どちらかといえば玄人向けで、今のように誰でもできるように書かれた入門書は少なかったように記憶しています。確実にプログラムを組むという敷居が低くなっています。低いこと自体は業界の間口を広げる意味で良いことなのですが、そこから少しずつ掘り下げないので素人みたいなエンジニアが増えていきます。結果的にバグが増え、品質の低下やプロジェクトの失敗が多くなります。

 ただ、昔よりは今の方が技術の範囲は広くなっています。全部を深く掘り下げるのは確かに無理だと思うので、少なくとも一通りの浅い技術、自分の関係する業務の部分は深く掘り下げて欲しいと思います。

■動けば良いのか?

 最近のソフトウェアの開発環境はすばらしく出来が良いので、素人に毛が生えた程度の知識でも作ったプログラムは「動き」ます。PMの立場からすると「動けばいいのか、おい」と思うのですが、当人たちはナゼか「動くのに何が悪いの?」って開き直ります。たいした知識がなくても普通に動くので意外とみんなプライドが高いです。

 動くことにだけ主眼があるので(それはそれで大事だけど)それ以外の部分になかなか気が回らない。正常系はあまり問題なくても異常系の観点から見ると見落としが多い。だからちょっと変なパラメータとか入れてやると動作がおかしくなる。そうすると「そんな入力想定してません!」と逆に怒られる。いやいや、使うユーザーみんながこっちの思惑通り使ってくれるわけがないんだから……想像力があまりに乏しすぎる。

 以前、仕様書に「キャンセル」ボタンの明記をしてそれのテストをしてみたらキャンセルができない。作った担当者に聞いてみると以下のような会話に。

わたし:「これ、キャンセルボタン押しても何にも変わらないよ」

担当者:「キャンセルがうまくできないので押しても利きませんよ。利かなくても問題ないですし」

わたし:「なんで問題ないの?」

担当者:「ちゃんと動作しますから。それにそんなに長い処理じゃないですよ」

わたし:「でも、ケースによっては数分かかるよね?」

担当者:「大事な処理だから数分ぐらい待ってもらえば良いと思いますよ」

わたし:「……」

 もう、何が正しいんだかわからなくなってきます。完全に都合の良い解釈していますが、できないのはスキル不足です。でも、動いているから大丈夫という発想はエンジニアとしては失格です。想定外の処理を考えてそこにセーフティネットを張るからこそ、ソフトウェアが正しく動くわけで、単純に動く動作だけプログラム化してもそれは不完全なシステムでしかありません。

 「試行錯誤をあまりしなくなった」というのもあると思います。ネットや書籍で見つけたサンプルが結構動くのでその必要性が見いだせないのかも知れません。深く考えなくても動作すると言うのは便利な反面、エンジニア的な思考を低下させる原因でもあるといえます。

 Webアプリとかになるとプログラム以外の要因で障害が出ることがあります。サーバの設定値など。プログラムだけを責められないことはありますが、自分の作ったプログラムがどのような仕組みで動作しているかを知っていれば、たとえ障害が出ても早期復旧は可能です。メモリ管理とか割り込みとか、遠い昔の話になってしまったのだろうかとふと思ってしまいます。

 わたしだってこういうエンジニアに出くわすと怒鳴りたい衝動にかられます。でも、今は怒ったらダメ。うまいことおだてながらやんわり釘を刺します。昔は怒ると女性はたまに泣き出しました。今は男性の方もたまに泣き出します。気分的にはこっちが泣きたいです。

 最近はバグが出たらその症状と該当するソースコードを抜粋して何が悪いか、そしてどうすれば良いのかヒントを文章にして担当者に渡します。時間がない時は修正して、ヒントではなく修正結果となぜ「こうしないとマズイのか」を明記して渡します。闇雲に怒っても反発して聞き入れないか、ショックで思考停止になるケースが多いので、仕方なくこんな対応しています。

 でも、この対応は伸びるエンジニアと伸びないエンジニアを見分けることができます。伸びるエンジニアは、この結果からいろいろ考えて、次からバグが出ないように気をつけるようになります。逆に伸びないエンジニアは修正されると「もうけもん」と思うのか、何度も同じようなバグを繰り返します。管理する時はこの伸びないエンジニアを重点的に管理するようにするとテスト工程の前でかなりバグが減らせます。

■不幸が自慢ですか?

 あくまでもわたし個人の感想ですが、エンジニアは残業時間や徹夜仕事、デスマーチをことさら大げさに言う傾向があるように思います。誤解を恐れずいえば、それを乗り越えるのが自慢みたいな。世の中には確かに修羅場のようなプロジェクトがたくさんあると思いますし、わたしもこれらの人がいわんとすることは理解できます(もちろん経験してますし)でも、それは間違いだと気づくべきです。

 残業は、するよりもしない方が当たり前だと思います。わたし自身、しなくても良いように多少余裕を持ってスケジューリングします(それができれば苦労はしないと思う人はたくさんいると思いますが)。事実、わたしはここ数年ほとんど残業していません。ただ、最近はそうもいかないので逆に朝早く会社に来て仕事をしていますが、帰りは遅くても19時には会社を出ます。

 仕事の評価方法にも問題はあると思います。何事もなく普通に終わったプロジェクトより、火が噴いて何とかみんなでやり切ったプロジェクトの方が一見すると充実感もあり、「よく頑張ったなぁ」なんて思われがちですが、そんなのわたしからいわせれば、

 「頭悪いんじゃない?」

 と思います。よほどコスト計算ができないか潤沢な資金があるかのどちらかです。エンジニアは技術には向き合いますが、コストに向き合う人はあまりいません。残業代がつかないし、お客様からも追加料金取らないからいいじゃん、と思うでしょ? だからいつまでたってもこの業界は「3K/5K当たり前の劣悪な職場環境」なんていわれてしまうのです。

 コストは何もお金だけではありません(経営者からすると光熱費もあるので結構コスト増になります)。自分の体でもそのコストを負担しています。

 体を壊してからでは何にもなりません。プロジェクトの山場で体調壊してリタイアすることは非常に無責任です。おまけに無理して体調壊しても誰も面倒見てくれません。乱暴な言い方をすれば頑張り損です。

 同じ頑張るなら残業せずに、仕事をこなして帰る方を頑張って欲しいものです。

■エンジニアの前に社会人ですよ。

 昔から、エンジニアには内向的な人が多いと言われます。昔はメールなんかもなかったので、何かあれば会話するしかなかったのですが、最近では目の前や横にいる人さえもメールでコミュニケーションします。これが悪いとはいいませんが(相手が忙しそうな時は良いとおもいますし)、行き過ぎると本当に会話がなくなりますので、個人的にはほどほどが良いと感じます。

 ただ、「挨拶」ぐらいはしましょうといいたいです。そう思うぐらいこの業界の人は挨拶ができない(しない?)人が多いと感じます(小学生じゃあるまいし……)。朝とかこちらが挨拶しても知らん顔なのもけっこうあります。よほど相手にされていないかなと悲しくなります。挨拶は基本的なコミュニケーションだと思います。それすらできないならプロジェクトもうまく回って行かない気がします。

 前に書いた最近のエンジニアはプライドが高いって話ですが、あんまりガミガミいうとそのうち挨拶もしなくなります。あまりにあからさまなので逆に笑えるのですが、人としての器があまりに小さいと感じます。逆に「なにくそ!」って奮発して欲しいのですが、そういうモノではないのですかね。おっさんから見ると淋しいのを通り越して悲しいです。

■「モノ作り」ではない

 わたしはソフトウェアに関しては「モノ作り」ではないと思っています。理由は……モノじゃないから。

 こういってしまえば身も蓋もないのですが、入門書の最初によくある「Hello World!」を思い出してみて下さい。言語、環境なんかは何でもいいです。これで「モノ作り」といえるならエンジニアとして「どうかな?」といいたくなります。乱暴な言い方をすればソフトウェア開発はこの「Hello World!」の規模を大きくしたものだといえます。プログラムを言い換えればハードウェアの電気信号を制御する手続きのことです。そう、手続きなので正確には「製造」ではないと思ってます。よっぽどパソコンショップでパーツを購入して組み立てた方が「モノ作り」と思います。

 ただし、ソフトウェア開発は単純な「モノ作り」よりは、かなり複雑です。プライドを持つのも自信を持つのも悪いことではないと思います。でも、プログラムは自分が組んだ通りにしか動きません。しかも、プログラムというのは、通常、全体のシステムのほんの一部です。ほんの一部ではありますが、少しでも変な動きをしたら全体に影響が出ます。資格を取るのも言語を習得するのも大事です。いろいろな手法を学ぶのも大切な事です。でも、忘れないで欲しいのは言語や手法だけが大事ではなく、本当に理解してロジックを組む事が一番だということです。何事も基本に勝るものはなし、です。

 最後に後輩を持つ先輩に一言。後輩が質問してきても「ググれ(意味は分かりますよね?)」とは言わないで下さい。教えるのは答えでも調べ方でもありません。ヒントを出して考えさせるようにして下さい。後輩を立派なエンジニアにできるのは、先輩の接し方ひとつです。仕事の負担を軽くしたいなら後輩を自分のレベルまで引き上げてやるのが一番近道です。テクノロジ習得に王道はないですし、技術の進歩はそれこそ「日進月歩」ですが、地道に考えることのできるエンジニアに育てば生産性も上がるでしょう。切り捨てるのは簡単です。

 便利だからこそ、その上にあぐらをかくことなくエンジニアとしての本筋を考えて欲しいと思います。エンジニアを取り巻く環境は厳しいですが、それでも技術に対して深く掘り下げ、規則正しい生活を送ることがソフトウェア開発の明るい未来を作る第一歩だとわたしは確信しています。

第4話 ソフトウェアの価値

2009/07/22 18:00:00

 さて、今回からメインテーマである「ソフトウェア開発に幸せな未来はあるか」ということについて書きたいと思います。

 ソフトウェア開発という仕事は比較的新しい産業だと思います。そして、その発展の速度が他の産業に比べてかなり速いと思います。「発展」と書きましたが、実際は肥大化しているだけだと個人的には思っています。基礎技術はほとんど何も変わりませんが、規模だけは大きくなっていますから、今風に言えば「メタボ」でしょうか(あぁ、わたしも人のこと? 言えないかも)。

 わたしは、ソフトウェア開発という「職業」がこれから先どのようになっていくのかと、非常に不安を感じています。当然、ソフトウェア開発というものは絶対になくなることはありませんが、日本での「職業」としてはどうでしょうか? まったくなくなることはなくても、従事する人がかなり減るのではないかと予想しています。さすがに数年先ではないとは思いますが、状況的には一寸先は闇に近いと思えます。

 そう思う要因というのは1つではありません。いくつかの要因が重なり合っていると思います。そして、その兆候は徐々に大きくなっていると感じます。

 今回から何回かに分けてソフトウェア産業に対しての「問題」を書きたいと思います。このコラムを読んで下さっている中には「そんなことわかりきっている!」方もいらっしゃると思いますが、しばらくお付き合い下さい。今回は「産業としての問題点」です。

■不況だけでしょうか?

 昨年のリーマンショックを皮切りに、日本でも派遣切りに代表される就職環境の悪化が目立つようになりました。主に製造業ですが、ソフトウェア開発関係も同様に厳しくはなっていると思います。

 わたしの会社もその影響を受けた1つです。実は今年の初めに民事再生法を申請し、事実上倒産しました。幸なことに同業他社(今はこの会社の社員です)が救済合併してくれたおかげで、何とか無職にならずに済みましたが、他人事ではないと実感しています。

 日本の企業は不況で売上げが落ちると、まず経費削減を考えます。それはそれで大事なのですが、本来は無駄なコストを省いて、売上げを上げるための方法を考えるのが本筋です。でも、日本の企業はなぜか人を減らし、人件費をカットして利益を出そうとします。ビジネスの考え方としては非常に稚拙で、それで良ければ誰が社長になっても変わりません。IT業界、とりわけソフトウェア開発は人材こそ最大の商品ですが、目先の利益にしか目がいかないようです。

 設備投資も見合わせる企業が多いです。可能な限り、今の人員で今のシステムをメンテナンスして延命させようとしているようです。わたしの知る限りでも、結構な数の案件が止まっています。ソフトウェア開発、とりわけSIerやそこにエンジニアを派遣している会社は不況を実感しているでしょう。

 そうはいっても、必要な所には投資が必要です。世の中不況でも増益している企業も当然あります。ハードウェアもソフトウェアも昔ほどクローズしている世界ではないため、選択肢も多く、費用も(昔に比べれば)かなり安価に構築が可能になっています。これはIT業界の努力の賜物ですが、他方自分たちの首を絞めている結果にもなってます。

■ソフトウェアはハードのおまけ?

 歴史的にはソフトウェアはハードウェアの付属品、いってしまえばあって当たり前のものです。組み込みソフトなんかは付属品とは違いますが、あって当たり前の代表的な例だと思います。

 わたしはある自動車メーカーのスピードメーターやカーナビのソフトウェアを開発したことがあります。買う側からすれば、ほとんどの人がハードウェア(自動車やカーナビ)を買ったという意識はあっても、内蔵のソフトウェアも一緒に買ったと認識する人はまずいないでしょう。これが一般から見たソフトウェアの認識です。

 昔のコンピュータ(パソコンと呼ぶには少々高い時代)にも、最低限動かすためのソフトウェアが添付、もしくはROMで内蔵されていました。ハードウェアだけ購入すれば取りあえず動かす事はできたのです。今はハードウェア以外に別途ソフトウェア(OSやアプリケーションソフト)の購入が必要です。もっとも今は部品単位で購入可能なので、ソフトウェアも部品の1つと考えることはできるでしょうけど。

■ソフトウェアは高いのか?

 お客様から良く「ソフトって高いよね」って言われませんか? それぞれの立場で金額は異なるのですが、よく聞く話です。我々エンジニア側からすると、それなりの人数でそれなりに期間をかければ、やはり金額もそれなりと思います。ユーザーでも使う人(現場の人)やシステム部の人は割合理解してくれても、お金を出す人(経営者)からするとそこまで高いことに理解を示してくれないのが普通です(システム開発出身なら別でしょうが)。

 ソフトウェアは、一般の人には価値観が見出しにくい商品だといえます。数千円のソフトも数十万円以上のソフトもメディアとしてDVDに入れてしまえば、同じに見えるからです。極論すれば、数千円の映画のDVDとなんら変わりません。見た目で価格差が分かりづらいのです。昔みたいに分厚いマニュアルが何冊もあればそこに価値が見えますが(これも間違っていますが)、最近ではPDFなんかで電子化してしまうことも当たり前になり、ますます価値が分からなくなっています。

 昔より減っていると思うのですが(思いたい)、ソフトウェアの違法コピーも高いと感じる要因だと思います。パソコンソフトでもゲーム機でもたいていのものはコピーできるようです。何より、本屋さんでコンピューター雑誌のコーナーに行くとDVD(映画など)やゲーム機、パソコンソフトは無料でGETが当然、みたいな見出しの雑誌がたくさん出ていますこの状況も良くないのですが、無料で手に入り動作するなら例え数千円でもソフトウェアは高いと感じてしまうと思います。

 ゲームなんかは思い入れがあって好きなら購入するでしょうが(最近のドラクエみたいに)、アプリケーションソフトはどうでしょう? 知り合いにもこの不況下、新しいパソコン用にオフィスソフトをコピー(インストール)させてと普通にいってきます。当然断りますが、そこにあまり罪悪感がないところがコワイです。

■ソフトウェアのデフレスパイラル

 最近は、個人でプロ顔負けのフリーソフトや安いシェアウェアを作る人がいます。これは良いのですが、競争が激しい分野では値下げ合戦の引き金になってしまいます。近年ではオープンソースソフトウェアも無料のSaaS/ASPサービスも増えています。googleは無料OSを、マイクロソフトも、次期Officeをネットワークで個人向けに無料で提供するらしいです。

 そういう状況だけ捉えられると、「よそは無料なんでしょ?」って言われてしまいます。エンジニアとしてオープンソースを見ると有益なんですが、商売的に見ると完全にマイナス要素です(過去に、無料なのになんでお金取るの? って真剣に言われたことがあります)。特に最近ではコア技術に限らず、アプリケーションまで探せば何でもオープンソースでありそうで、安いハードウェアで安価にシステムが組めそうです(実際は自分たちの環境に合わせたカスタマイズが必要ですけど)。大企業なら戦略としてそういうこともできますが、そうでないところは確実に体力は減っていきます。

 GoogleやYahoo! などはソフトウェアを開発し、それを売って儲けているわけではありません。ソフトウェアを使って無料サービスを提供し、知名度を上げて広告収入で利益を上げます。ソフトウェアが「商品」ではなく「サービス」を提供するための手段になっており、日本人にはなかなかマネのできないビジネスモデルです。

 結局、「買う」ことに対しての付加価値が見いだせなくなり、無料や安価なものでも代替できるようになると段々ソフトウェア開発という「仕事」は成り立たなくなると言えます。人件費はかかるので、やればやるほど赤字のスパイラルになる可能性は否定できません。Googleにしても圧倒的なシェアを背景に可能なビジネスモデルであって、これを出来るのはほんの一部の会社だけです。組み込み以外のソフトウェア開発会社はなかなか難しい舵取りを迫られているのかも知れません。

■サービス化がもたらすもの

 Webアプリケーションも、使う側から見れば一種の「サービス」だといえます。ネットブックの売上げが増え、大企業ではシンクライアントの導入も行われています。ソフトウェアがネットワークの普及によって、クライアント側からネットワークの向こう側へ確実にシフトしています。

 Webアプリケーションを作っていて思うのですが、従来のプログラミング技術に加え、デザインセンスも必要になっています。これからはプログラマよりはデザイナーの方が有利かもしれません。

 今の状況が劇的に変わることはなくても、少しずつソフトウェア開発の仕事としての環境は厳しくなっていると思います。オープンソースやフリーソフトが悪いとはいいませんが、これからはソフトウェアを開発するだけではなく、その先のサービスまで見据えて開発することが求められるような気がします。ソフトウェアを組むだけで収入が得られる時代はそう遠くない未来に終焉を迎えるかも知れません。

 次はエンジニアの問題について書こうと思います。年齢的には「最近の若いもんは……」とつい言ってしまいそうなんですが、若いもんに限らなくなってきたと思うのはわたしだけでしょうか? 結構、頭が痛い問題です。

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コラムニスト プロフィール

にゃん太郎
中堅ソフトハウスの地方支社に勤務するエンジニア歴20年のおっさんです。長年やってきたいろいろな経験やこれからのソフトウェア業界についていろいろ語りたいと思います。

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