IoT技術開発者が、IoT技術について、コラムを書いていきます。

#5 IoTシステムを「構築するための投資」について

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こちらは「IoT技術開発者のコラム」です。今回から、やっと「IoTシステムを、運用を含め、どう構築していくか」について書くことができます。これまで、IoTプラットフォームの話に終始しておりましたが、それらは前振りで、いよいよここからが本題というところです。


前回示した結論「問題が起こったら、そのIoTシステムは捨てましょう。その時点で用意できる技術で素早く作り直しましょう。」ですが、この根底にあるのはサブスクリプションという考え方です。

サブスクリプション方式はビジネスモデルの1つ。利用者はモノを買い取るのではなく、モノの利用権を借りて利用した期間に応じて料金を支払う方式。コンピュータのソフトウェアの利用形態として採用されることも多い。
英語の「サブスクリプション」(英語: subscription)には雑誌の「予約購読」「年間購読」の意味がある[1]。そこから転じて「有限期間の使用許可」の意味となった。
従来のソフトウェアはCD-ROMといった記録媒体によって販売され、購入したエンドユーザーは、ソフトウェアのバージョンアップやサポートに追加料金を支払うこともあるが、永続的に使用することができる「買い取り形式」「買い切り方式」が多かった。
サブスクリプション方式は、月ごとや年ごとといった期間で契約し、利用料金を支払うことになるが、期間内のバージョンアップには追加料金が不要となる。エンドユーザーからすると、ソフトウェアを使用するための全ての費用がランニングコストに含まれており、イニシャルコストが不要な料金形態であるとも言える。(Wikipedia「サブスクリプション方式」より)

この考え方が、まさにIoTシステムにはふさわしいと考えます。「システムを置き換えていく」あるいは「システム自体が不要になったから捨てる」ということを自由に行うためには、プラットフォームを自分たちで「作ったり」「所有したり」すると圧倒的に不利になります。

「作っては捨てる」という考え方を成立させるためには、以下のように考える必要があります。

  • 先にいつ捨てるかの時期・周期を決める(その時期になった時に「捨てない、継続」と判断することはアリ)
  • 常に「次に買うもの」を探しておく(買うことを止めたら、捨てることができなくなる)

サブスクリプション型であれば、時期は決まっておりますので、それまでの間に次の手を考えておかないといけません。これはとても忙しいことですが、逆に言うと、常に最善手に乗り換えるチャンスを持っているとも言えます。IoTシステムのように技術革新が速い分野ですと「大型投資に見合うだけの価値が見いだせず着手できない」「ベンダーロックインを恐れ、システム構築が一向に進まない」「システム構築ができても、大型投資を回収するまで乗り換えできない」といった、従来ITシステムで見てきたような構図は、大きなディスアドバンテージです。

ところが、ニュースサイトでは。今日も「IoTプラットフォームで大型投資」といった記事がまたできております。何故なのでしょう? これは何かがズレていると考えております。何がズレているのか?

それは次回のテーマにしたいと思います。それでは。

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