『シニア予備軍への警鐘』
2011/11/09 18:19:28
ITエンジニアのシニア世代が、悲惨だ!
世間一般に、シニア世代とは、何歳だろうか?
スポーツ界などを、別にすれば60代が普通だろう。
ITエンジニアの場合は、40代からである。
その根拠は、仕事のオファーの数にある。40代に入ると、途端に仕事量が少なくなる。
わたくしが、一番危惧するのは、働き盛りの40~50代に生活の基盤を失ってしまう様な職業に、良き後継者は育たないと云うことです。その傾向は、残念だが現実になっている。
なぜ、この様な、状況が起こっているのか?
1つには、イノベーションの「方向」が変わった。
多様化する社会的ニーズに対抗して、技術的トレンドをスピーディーにキャッチアップし、顧客が求める“以上”のものを“柔軟”に対応できる能力が必要とされる、いま。
仕様書通り、正確に、もの作りをしてきたエンジニアには、「善と悪」が、ひっくり返るくらいの意識のずれが起こってしまったのである。
2つには、人材情報「欄」にある。
「技術者名(イニシャル)」、「性別」、「年齢」、「最寄駅」、「スキル」、「区分(SE or プログラマなど)」、「経験年数」、「稼働可能日」、「希望単価」、「所属(社員か否か)」までは、違和感はない。
しかし、最後にある「備考」に書かれた内容が、実は、スキルや単価以上に、合否の判定を決める。
その内容は、「39歳まで」とある。この「39歳まで」のあとには、決まって「外国人不可」、「コミュニケーション力があること」とくる。
なぜ、「39歳まで」なのか?と尋ねると……返ってくる答えは、「現場リーダーが30代で若いので、年上は使いにくい」が、大多数である。
年下で、使いやすい人だけを使っていたのでは、いつまでたっても、力あるリーダーやマネジャーなど育つはずがない。それが証拠に、マネジャー不足で業界が頭を抱えている。自業自得である!
もちろん、仕事は、多種多様である。だから、若さが何よりも優先する場合もある。
しかし、専門的技能を生かして仕事をするエンジニアにとって「なにが、できるのか」、以前に「何歳か」で合否が決まるのは、不本意であり、不愉快である。
わたくしは、このような「人材情報」を頂いた会社とは、次のよう会話を交わす。
わたくし:「御社は、スキル以前に、年齢でエンジニアを決めるのですか?」
相手:「いや、そういうわけでも……」
わたくし:「若ければいい、などと言う、会社は、技術会社ではなく、人身売買会社ですね!」
相手:「……」
失礼だが、嫌味の1つも、言ってやりたくなる。
少子高齢化問題を引合いに出さずとも、エンジニアの絶対数が減少しつつある、現状から考えて、「39歳まで」などと、事の本質を解決するために、何の根拠にもならない、馬鹿げた条件が、恥ずかしくもなくまかりとおるIT業界に、「技術力」で仕事ができる環境(価値観)を、1日も早く整える必要がある。
3つには、エンジニア「自身」にある。
誰しも、年齢を重ねることに抵抗はできないが、見かけで言えば「年より若い」、「年相応」、「年より老けている」など、個人差がでる。特に、若い時より、中高年(シニア)には顕著に表れる。
この「差」は、先天的なものから、日々の健康管理(食事、スポーツ、生活リズムなど)、人生の生き がいなどが、大きく作用していることは、周知の事実である。
エンジニアにして言えば、「経験年数の割には、仕事ができる」、「経験年数、相応」、「経験年数のわりには、仕事ができない」と、なるだろう。
では、この「差」は、なにか?(見かけの例で言えば)
先天的なもの ⇒ 意志が強い or 弱い、好奇心が強いor 弱い、社交的 or 独善的、楽観的 or 悲観的など。
日々の健康管理 ⇒ 仕事や技術を好き嫌いではなく、自分にとっての価値・不価値で考える。自分の弱点を日々強化(勉強)する。できるだけ多くの人と出会い、多様な価値
観を知る努力をするなど。
人生の生きがい ⇒ わが人生において“必ず”実現したいこと。エンジニアとして“必ず”実現したいことなどが具体的にある or 漠然としている。
この「差」は、見かけと同じで、中高年(シニア)になるほど、顕著になります。
わたくしのところには、毎日のように、シニア世代のエンジニアから「仕事を探してください」との相談がある。しかし、一番、苦労するのは、「スキルはある」が、「キャリアがない」ことです。
シニアになると、「スキル(=なにができる)」だけでは、ビジネスチャンスが限られてしまうので、お世話するのに大変時間がかかります。
シニアは、「キャリア(=なにを、してきたか)」を“売り”にできるかが大事です。
だが、ITエンジニアの多くが、技術を習得する過程は、「スキル(=言語系)」から始めることが多いため、「スキルの塊」を抱えて、年齢を重ね、「なんでも出来ます(=なにも、できません)」の、落とし「穴」に落ちてしまう。
この「穴」は、エンジニア生命を失いかねない、危険なものである。
ここで、これからシニア世代を迎える「シニア予備軍」に警鐘を鳴らしたい。
さて、「シニア予備軍」は、何歳からか?
実は、わたくしも悩んだ。
あるとき、20代の若いエンジニアに「シニア予備軍は、何歳からだと思う?」と聞くと、彼は「自分自身が、将来に危機感を持ったときから、シニア予備軍ではないでしょうか」といった。
わたしは、「そうだ!」と思いました。(この定義をいただきました!)
自分自身の将来に危機感を持った、「シニア予備軍」の皆様に警鐘です!
<正社員のシニア予備軍へ>
ハッキリ申し上げます!会社は、社員の人生まで面倒を見る責任はありません。
……あとは、各自、考えてください。
<自立しているシニア予備軍へ>
ハッキリ申し上げます! ケガも病気も自分持ち、健康と現金が頼りです。
……あとは、各自、考えてください。
すべての、「シニア予備軍」の皆様。
「できること」と、「いくら貰える」か、だけで仕事を決めないでことです。
いいですか、自らの進むべき「道(目標)」も決めずに、焼き畑農業的な行動で、自らの可能性まで焼き尽くし、進むべき「道」を、見失ってはいけない。
わたくしは、皆様が、落とし「穴」に落ちず、進むべき「道」を見失わないために、これから、二つのことを始めます。
1つは、「シニア人財ビジネス・コーディネーター」です。これは、シニア人財を組織化し、シニアによるシニアのための仕事を、「探す」「創る」事業です。
シニアになって、仕事に困ったら、いつでも相談して下さい!
2つは、「シニア&シニア予備軍のためのセミナー」です。
これは、“シニアだから、できることがある”をテーマに、毎月開催します。
第1回目は、11月17日(水)19時、スタートします!(http://mcea.jp/archives/4628)
21世紀は、「人が、輝く時代です!」
それは、人間が生態系の頂点に立つことではありません。
人が人を大切にし、そして、人と自然環境が共存共栄することです。
もし、それができなければ、私たちの、将来は悲惨なことになるだろうと、多くの人たちが心で感じています。
「人が、輝く時代」とは、すなわち、「シニア世代が、輝く時代」でもある。
カッコいい「シニア人財」を、たくさんつくるゾーォ!(あなたも、その1人になってください!)
以上

篠原博
