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日本語がわかれば英語はできる

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■2015年を振り返る

 2015年も今日で終わりです。皆様にとって、今年はどんな1年だったでしょうか。

 筆者は2014年7月に独立したので、1年を通じてフリーランスだったのは今年が初めてでした。まだまだ自分のスタイルができていないので、いろいろな仕事をやらせていただきましたが、今年は合計50日ほど海外で過ごしたことが印象に残っています。

 外資系企業(入社時は外資50%、退職時は25%)に27年あまり勤務した割には、サラリーマン時代の海外経験はないに近く、1週間程度の海外出張が5~6回あっただけで、それも行き先は米国西海岸のみでした。海外旅行も3回しか行っていません。

 対照的に、今年は、UAE、マレーシア、ブルネイ、セネガル、ベトナムと、5カ国に出張しました。とくにベトナムには、一時帰国をはさんで約1カ月滞在しました。ベトナムには来年3回行くことが内定していて、少しはベトナム語ができるようになりたいと思っています。もっとも、ベトナムでも仕事は英語なので、ベトナム語を学びたい理由は日常生活のためですが。

■日本語がわかれば英語はできる

 「日本語がわかれば英語はできる」は、書籍の題名です。70の文例を、省略、凝縮、特有、慣習・文化の4つのカテゴリーで紹介していて、各文例は「和文和訳」した上で英訳を考えているのが特徴です。

 和文和訳については過去のコラムでも何回か話題にし、以下で説明しました。

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 何でもそうですが、「和文和訳」も実際にやってみないと、やり方が身につく以前に、効果が実感できないと思います。「日本語がわかれば英語はできる」では70の文例について和文和訳を行っているので、どうやればよいのか、どんな効果があるのかを実例で見ることができます。

 ちなみに、同書では「和文和訳」は「読み替え」と表現されていますが、字面ではなく意味の領域で検討して文章を書き換えているので、「読み替え」という言葉から連想するほど単純な作業ではありません。

 なお、和文和訳の段階で原文とニュアンスが変わってしまっているものや、できあがった英文がひどくくどいと感じるものもありましたが、そういう点について考えてみるのも、よいトレーニングになると思います。

■日本語は難しい

 書籍の題名は「日本語がわかれば英語できる」ですが、「日本語がわかれば英語できる」や「日本語がわかれば英語できる」にしなかったのはなぜか、と尋ねられたら、答えるのはそう簡単ではないでしょう。

 「英語はできる」だと「他の言語はさておき」というニュアンスなので、「書き手は他の言語にはあてはまらないと考えているのかもしれない」という解釈もあります。

 「英語ができる」だと、そもそも他の言語のことは話題にしていない、というニュアンスです。英語についてしか言及していないので、「英語ができる」でもよかったのかもしれません。

 同書では英語しか取り上げていませんが、和文和訳のあとで目的とする言語で表現しているので、少し抽象化すれば翻訳全般で取り得るアプローチです。したがって、題名は「日本語がわかれば英語もできる」でもよかったかもしれません。

■母語が基本

 筆者が中学校に上がった頃だったか、大学教授だった父が「外国語ができないのは、国語能力が低いからだ」と言ったことがあります。暗記が大嫌いな筆者が英語の授業についてぼやいたときだったか、学生の英語について言っていたのかは忘れてしまいました。

 いずれにせよ、そのときは「そんなものなのかな」と、深く考えてみませんでしたが、今になってみると、母語を使いこなすことが第二言語を学ぶための必要条件のように思います。「日本語がわかれば英語はできる」を言い換えれば、「英語ができないなら、日本語がわかっていない」ですし。

 「僕はウナギだ」や「象は鼻が長い」という文例はあまりに有名ですが、これらが不思議だと思う気持ちがなければ、適切な英文が出てきません。不思議だと思わなければ、機械翻訳の結果を鵜呑みにして"I am eel."としてしまうでしょう。(左は、Google翻訳で「僕はウナギだ」を英訳した結果です。) 適切に訳すには、まず意図を汲んで和文和訳することが必要です。

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