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“technology”と「技術」の違いを言えますか?-いい辞書をガジェットで常に持ち歩く!

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 本コラムの連載でお世話になってきた美人(一応)編集者OTさん©Anubisさんが異動になりました。

 これからは「ドSで優しいおねえさん(OTさん談)」のSMさんのお世話になって、コラムを続けます(ちなみに、Anubisさんの最近のコラムでは、OTさんは「美人だが珍獣」ということのようです)。

 それにしても、果たして「ドS」と「優しい」は同居できるものなのでしょうか? 筆者は大胆にも、先日の勉強会の打ち上げでSMさんご本人に直球でこの疑問をぶつけてしまいました。SMさんは、さらりと「ドSは合っているが『優しい』は余計」と回答。SMさん、どうぞお手柔らかにお願いいたします。

 さて、本題に入りましょう(アイスブレークが強烈過ぎて、読者の皆様の意識から本題が飛んでいなければよいのですが...)。

■“technology”と「技術」について考える

 「technology=技術だろ?」と言われそうですが、そうではありません。

 筆者は、理系のMBAと言われるMOT(management of technology)の日本語テキストを10冊ほどは読んだと思いますが、どれも「技術」を中心に捉えているので、「製品」の位置づけがどうもすっきりしませんでした。これは、MOT=技術経営と捉えていることが原因ではないかと感じています。

 managementには「経営」という意味がありますし、technologyには「技術」という意味があります。従って、management of technologyを「技術経営」と訳すことにはあまり問題がないようにも見えます(ofの意味を考えると妙な感じですが、ここでは置いておきます)。

■“technology”は「製品」を含む

 なぜか英和辞典にはありませんが、英英辞典を引いてみるとtechnologyには「製品」という意味があります。ビジネスモデルにもよりますが、多くの場合は「製品」が重要なので、technologyの訳としては、「製品」を含まない「技術」に限定してしまうのは、適切ではないと考えます。

 「技術経営」は日本語としても意味が分かりませんので、managementを考え直してみると、一般的な「管理」と捉える方がむしろよさそうです。そうすると、MOTの訳としては「製品管理」という案も出てきます。

 「製品管理」も「技術経営」と同様に一面しか見ていないように感じられるので、いっそのこと割り切って「MOT」と横文字のままにしてもよいと思います。

■“management”についても考えてみる

 経営者を英語で何と言うでしょうか? 幾つか候補はありますが、managerが一番素直な答えでしょう。

 では、managerを何と訳しますか? 機械的に「管理職」と訳していませんか。

 サラリーマンは「管理職」になると労働組合から「卒業」しますが、大企業の末端の管理職はさしたる権限もないので、引き続き労働組合に入っていたいのではないでしょうか。

 しかし、「管理職」は元来manager=経営者で、経営側の一員になった以上は労働組合からは卒業するのが筋だということです。

 次に、管理会計について考えます。会社法、金融商品取引法、法人税法に基づいて行う制度会計と違って、「管理会計」と訳されるmanagement accountingは、経営者が事業を見るための会計なので、「経営会計」の方が適切な訳だと思います。

 昨年末に亡くなった金児昭さんの著書でこの見解を読んだときには、思わず膝をたたいてうなずきました。

■日本語で突き詰めて考える

 MOTの件については、本や文献を読むにつけ、どうにも「技術経営」という言葉がしっくりこなかったので、あるとき英英辞典を調べました。

 ここで、疑問をもたなければ、そもそも辞書を調べることもなかったということにご注意ください。疑問をもったのは英語の力があったからではなく、日本語で考えていて「どうにも落ち着きが悪い」つまり「つじつまが合わない」という結論に至ったからです。

■英語ができる人ほど辞書を引く

 筆者が社会人になったときの上司でOJTトレーナーでもあったのは、のちにXMLの世界的な権威となったMMさんでした。MMさんには英語に関して散々いじめられみっちり鍛えられました。

 他人にも自分にも厳しいMMさんは、とにかくよく辞書を引いていました。論文を書いているときなどは、ひとつの言葉を推敲するのに幾つもの英英辞典を広げ、納得がいくまで、何10分もかけて推敲しているのを目にしたものです。

 英語ができる人ほど辞書を引くということを、MMさんを見て理解しました。

■スマートフォンで辞書を活用しよう

 筆者が新社会人だった当時、Websterなどは巨大な書籍でしたが、今はスマートフォンに収まっています(Websterと言えば、NeXTに搭載されていたDigital Websterを利用したサーバープログラムを作り、Smaltalk-80でクライアントプログラムを作ったことを思い出しました)。また、横断検索、孫引き、履歴、ブックマーク、単語帳など、電子辞書ならではの機能も数多く提供されています。

 以下のスナップショットは、筆者がiPod touchに入れている辞書です。

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 疑問に思ったときにすぐに調べることが重要で、そのためには実際に調べられる状況であることが必要です。物書きをするときにはハードウェアキーボードのある電子辞書が便利ですが、いつも手元にあって時折検索に使うという用途では、スマートフォンやiPod touchに信頼できる辞書を入れておくのがよいと思います。

 重要な用語の訳は慎重の上にも慎重を期したいので、国語辞典もよく調べます。英辞郎に搭載されているEDP辞書は、成り立ちからエントリーが玉石混淆なので注意が必要ですが、収録されている語数が多いので、すっきりした訳語が思いつかない場合は参考にしています。

 ちなみに、オンラインの辞書は、通信状況によっては利用できなかったり、応答が悪かったりするので、筆者はもっぱらオフラインで使える辞書を利用しています。

■次回はグロービッシュを取り上げます

 実は、今回はグロービッシュについて書こうと思っていたのですが、長くなってきたので次回にまわします。カタカナ語のグロービッシュだけでなく、オリジナルのGlobishについても思うところを書く予定です。

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