「転職活動する暇があったらブログを書け」について

2009/09/28 21:30:44

 「転職活動する暇があったらブログを書け」についてです。

 わたしがブログ(コラム)を書き始めたのは、仕事が少なくなりそうというのを察知してからで、従来の顧客から仕事が確保できている間はそんな気にはならないものです。書き始めると分かりますが、実際にブログを見て声を掛けることはよくある。

 わたし自身、これほど煽って書いても、声がかかって仕事につながることもあるのですから、転職を考えているならブログを書くのは非常に良いアプローチだと思います。

 で、ブックマークのコメントを見ていると勘違いしている人が多いように思う。まず、小飼氏も書かれているとおり、ブログといっても漫画の書評や、食事の話の合間に技術的なことを書いていてもマイナスの意味しかない。転職活動の一環として書くのですから、技術に対する思いのたけを伝えたい人に向けて書かないと意味ないわけです。

 FizzBuzzを書けばよいというのも、当たり前の話ですが、FizzBuzzを必死で書いていた人が3カ月でどれぐらい伸びるか伸び率をアピールすればよい。ということが書いてあるのであって、決してFizzBuzzが書けたから仕事がくるのではありません。若い非プログラマがFizzBuzzを書いているなら、わたしも第二新卒として食指が動くかもしれませんが、しゃれではなく、わざわざFizzBuzzを書いているプログラマはちょっと厳しい。「伝えたい人(採用担当者)が、(最低限の足きりの)FizzBuzzを見たいと思っている」と思って、「どうだ~!」って、イタいとしか言いようがないでしょ。

 また、自分にはブログを書くなんてことはできないというなら、多分、会社に対して依存しようとしていると思います(個人的には、言い訳の多い指示待ち人間じゃないかと……)。そんな人を採りたいと思う会社というのは、「従順な社員を数多く集めたい」と考えるような、つまり、好景気のときに多かった派遣型の会社ですね。

 従順さや忍耐力をアピールしたいならブログを書いても意味がないです。しかし、逆に考えると、ブログを書いていることによって、強制されなくても(これだけのことが)できるというアピールになるのです。

 ちなみに、わたしは半強制で始めましたけれど、なぜ書いてなかったかというと「これ以上とんがってもな~」と思って避けていただけです。絶対コメント欄とかでぶつかるし(苦笑)。小飼氏もどちらかというとそうかもしれませんが、とんがっている人は日本の組織には向いてない。それでも、組織はカンフル剤としてであったり変革期には、そういうとんがった人を求めるので、一定の割合で仕事は常にある。安定してないのに安定できるのです。(社員を抱えるとちょっと違うけど)

 わたしは個人的に技術者ならとんがっていて欲しい、自立しないと技術者である価値がない(会社に依存するなら作業者じゃないの?)と思っているので、他の方法もあるけれど、「自分にはできない」と思う人にこそ、自分を変えるためにもやって欲しいと思う。もちろん、性格の問題ですから全員に適しているとは言わないけどね。

 また、ブログを書くからといって、Googleなどで技術的なキーワードで上位表示とか目指す必要は実はありません(もちろん、目指すことは良いことですよ)。

 以前、Find Job!のスカウトメールのことについて書きましたが、転職サイトに登録して、プロフィールに自身のブログのURLが書いてあると非常にポイントが高いです。転職サイトはFind Job!に限らず無料で登録できるところはいくらでもあるのですから、3ヶ月ぐらいブログに書き続けた後に、転職サイトに登録するぐらいの転職活動をすればよい。内容がマッチすれば、勝手に相手が見つけてくれます。

 スカウトする人は必ずあなたのブログを見ていますから、面接の会話も盛り上がるでしょうスカウトメールが来ても、プロフィールしか見てなかったり、話が盛り上がらない会社とは、そもそも志向性があなたとは合ってないのですから、その会社に入ってもうまくいくことはないですから、お互いに良いスクリーニングになり得ます。

 ちなみに@ITにもスカウト機能はあります。料金はウン十万~で、弊社では高くて使えなかったけど、ウン十万出しても使いたいという会社からのアプローチがあるかもです。この不況下にウン十万出すところはかなりまじめにプロフィールを見るはず(@ITはプロフィールは見れなかったっけな?)ですから、ブログは非常に効果があるはずですよ。

 以前は、スカウトメールを派遣型の会社が投網方式で機械的に出していたようですが、この不況下では派遣型の会社はほとんどスカウトメールを送らないでしょうから、そういう企業からのアプローチは相当減っているはずです。余談ですが、ちょっとした大きさの派遣型の会社なら仕事がたくさんあった2年ほど前なら、100万掛かっても1名採れたら元が取れる計算に……。100万掛けたら500通ぐらい送れるから、売れる言語でヒットした人全員に送ってたのでしょうね。

 それはさておき、頭数ではなく技術を求めている会社は、同じスキルなら確実に「ブログを見てください」とアピールしている方を採ります。ブログを書くことによっていろんなスキルもアップしますから、やった方が良いと思います。

◇    ◇    ◇    ◇

 FizzBuzzについて(世界のナベアツ……)半年で2割ですか……。

 中学から散々英語をやっても、できるようにならない(お前が言うなと……)ことに似ているなと思うけれど、これが実態なのでしょうか。

 剰余の計算方法が分からない(関数、演算子を忘れた)ということで詰まるのであればどうでも良いことです。わたしも使ってきたあらゆる言語で書けるかというと、PHPで剰余の計算って言われたらすぐにはわかんない。

 SQLではこの手のプログラムを苦手とするのですが、いくつか方法はあるけれど、0~9までのビュー(実テーブルでも良いけど)を作って、デカルト積をとって、CASE式で……、2分でできて欲しいな。※ しっかし、SQLは剰余ごときで方言が出るのは許し難いね。

 ともかく、FizzBuzzのアルゴリズムが秒単位で思い浮かばない人がプロを名乗っているとしたら、正直怖い。自称プログラマが15分って……、そんなものなのでしょうか? であれば、なおさらSQLを覚えた方が得ですよ(爆笑)アルゴリズムないし。

 SQLはさておき、弊社の入社試験に、「1から10までの自然数の合計を出すプログラムを書きなさい」というのがあるのですが、ほとんどの人はループで書けていた。足し算だからかな?ちなみに、もちろんわたしが望んでいる答えは、ガウスが8歳だか、10歳だかにあみ出したというあのやり方で、まぁ、いわゆる引っ掛け問題です。今まで正解者はいない(苦笑)

 ループができるかは「カレンダーを書く仕様書を書きなさい」という問題で見ています。けっこう癖が出て面白いはずですけれど、時間内にできる人はいない。FizzBuzzではあまりに簡単すぎて失礼と思って、そんな問題を10問出しています。

 難しすぎるのかな……。

 弊社の入社試験は単純ですが難しいです。どの辺が得意で、どの辺が不得手か見ているだけで、入社試験の成績で入社を決めているのではありません。

 いつか、「満点をとった者だけ採用」なんて上から目線で言ってみたいな~。

未経験をウリにするには

2009/06/19 19:00:00

 これも以前に書いたものの焼き直しです。

 『格差社会は「28の法則」で進む 』の続きのつもりですが、VBの話が続く予定じゃなかったので……。

 SEを1人育てるのに、教育コストは1~2千万掛かると言われていました。大手の計算ですけれど……。自分の会社は、教育システムもないし全くコストが掛かってないから、1千万円なんてとんでもないって思う人もいるでしょう。

 外部のセミナーなどに使ったコストだけでなく、上司や先輩が使った時間、一人前になるまで報酬分稼げてなかった期間の差額を合わせると、会社として稼げるSEに育てるまでには、1人に1千万ぐらいは楽に掛かっていることになります(外部のセミナーを使ったら、費用プラス人件費になりますね)。

 若者が辞めるという3年ぐらいなら、センスのいい人以外は、まだまだ教育期間中の位置づけ(=半人前)ではないかと思います。

 ですから競争の厳しい現在では、企業は教育コストの掛かる未経験者を採用したがりません。

 しかし、未経験者の採用を控えることが続くと、

経験者の価値が上がる → 教育コストを掛けても元が取れる → 未経験者の枠の増加

と遷移していきます。

 つまり、長期的には(この業界は動きが激しいので1、2年で)裁定はされていきます。それでも、若者の就職活動、転職活動の短い期間で、たまたま未経験の枠が少ない時期に卒業したなどの状況を考えると、運不運はありますね。

 いずれにしても資本主義に生きている以上、競争はあるのです。

 未経験の人は、経験者と競争しなければならないのですが、では経験者に勝つにはどうすればいいのでしょう。

 まずは、会社の考え方を知ることです。例えば、サッカーチームを想像してみましょう。

 サッカーチームでは道具やグランドの整備をする裏方も存在します。そのグランドの整備をする人の中には、サッカーのルールを知らない人もいるでしょうし、勝敗に興味ない人も、客入りに興味ない人もいるかもしれません。知らなくてもグランド整備の仕事はできるでしょう。

 しかし、サッカーのルール、チームの方針、観客の気持ち、親会社の目論見などが、知っているか知らないかで仕事の結果は違うでしょうし、必然的に周りの評価も変わるわけです。

 ということをこの業界に当てはめると、自分のコストを知ることは、サッカーのルールを知るぐらい当たり前のことでしょう。ですから、まず自分のコストを知りましょう。そうすれば会社が未経験者の自分を採用するために、何をアピールすればよいか分かるはずです。

 それは何か。評価が固まっている経験者より、未経験だからこその未知数の部分を強調するしかありません。

 例えばわたしは、大学や専門学校でプログラムを習ったという人には、

「どんな課題が出た?それについてどう思ったか?」ということを聞きます。

 「難しかったです」とか「がんばってできました」という答えは、即不合格ですね……。「成績が良かった」というのもプラスにはなりません。

 「この程度が出来たぐらいで、現場で通用するのか不安で……」

ぐらい言って欲しいものです。

 現在、プロとして活躍している人なら分かると思いますが、学校で教えているプログラムの大半は、レベルが低すぎて使い物になりません。会社側は微積分レベルを求めているのに、九九レベルぐらいのイメージでしょうか。話になりません。

 ですから、学校の成績をアピールするということは「学校に着いていければOKと考えている」とみなして自習能力がないと判断します。

 もちろん、これは弊社の様なベンチャーの場合の基準です。大手なら生意気なことを言うと扱いづらいと取られるでしょうから、型に嵌めやすい成績の良いおりこうさんタイプが喜ばれるかも知れません(プログラムなんてまったく触ったことない文系も採りますしね)。

 がしかし、教育コストをかけないがための中途採用ですから、似た基準になってくると思います。

 特に、会社を辞めて社会人向けの専門学校などに行く人は、気をつけた方がいいです。

 学校へ行くことは悪いことではありませんが、学校で習ったモノ以上のモノを作って面接に持っていってアピールするぐらいのことをしないと「九九を習ってきました!」って、自習能力のなさをアピールすることになりかねません。

 「教えてもらわないと出来ない人」と宣言してしまっているわけです。

 SE志望なら、それまでいた会社のシステムについて改善点のレポートを書いていくとかもポイントが高いでしょう(守秘義務には気をつけてね)。わたしなら「採用、今すぐ、営業に行け!」って言うね(笑)

 弊社に入った19歳の人たちは、みんな自分でプログラムを作っていました。わたしは、プログラムの出来云々ではなく自習能力の高さを評価しました。つまり、現時点の能力より「伸びしろ」を評価するわけですね。

 何も与えてないのにプログラムができるようになると言うことは、チャンスを与えたらどれぐらいできるんだろう? と思わせたら採用決定です。もちろん、そうならない会社もありますけどね。

  「オペレータの仕事をしているけれど、センスの良いプログラムを書いている」とか、「下流なのに、上流のことを良く考えている、顧客を見ている」というのも評価が高いですね。

 学校の成績を見て分かることは、教えてもらえばできる。成績が悪いということは教えてもらってもできないことの証明です。会社の実績でもそうです。

 経験者というのは、ある意味評価がはっきりしているので伸びしろはないです。

 つまり、未経験者は評価のはっきりしていないところで、小さな芽を見せることができれば「伸びしろ」が非常に大きく見えますから、経験者より高い評価になることはあり得ます。

 いずれにしても、入ってからは未経験者であっても経験者を追い抜いていかないといけません。経験者も入ってから伸びるのですから、未経験なら経験者の何倍も努力する必要はありますね。

 会社側は「がんばります」と言って入ってきて、「残業が多い」とか言ってすぐに辞めていく、という腹立たしい経験を何度もしていますから「未経験ですけれどがんばります」とか言われても「無駄な面接時間を使ったな」としか思ってないですよ。

 厳しいですけれどホンネです。

■ おまけ

 「下駄を履いて身の丈以上の仕事をするということ

 「ベンチャー系ITベンダ採用担当者(社長)のつぶやき

 この辺につながる話ですが、VB6を使い続けることについて、スキルシートの次の1行にVB6しか入らない。今までもVB6しかないというのは若い技術者は不安でしょう。

 フリーランサーであれば、VB6の専門家として勝負に出ているスキルシートともいえますし、かなりまずいスキルシートの作り方ともいえます。その人の戦略でしょうから、わたしは何とも言えません。

 サラリーマンとしては、会社に属していて(ある程度)守られているのですから、会社の方針に従わざるを得ないでしょう。守られてないとしたら、小さな会社であなた自身の会社に対するウェイトも大きいでしょう。自分の力で「会社を盛り立ててやる」って思わないとね。

 会社に対する貢献度が大きければ、会社はなんとしても守ろうとします。権利と義務は表裏いったいです。

 どうしても.NETがやりたければ、提案力を鍛える訓練に使った方が良い。とにかく会社を説得することです。自分のやりたいことですら会社を納得させることができなければ、顧客を納得させるのは難しいです。

 説得できれば、スキルシートの備考欄にでも、「会社に提案して変えさせました」と書けばいいわけです。次の1行に.NETが2カ月しかなくても、それまでVB6が並んでいるスキルシートなら、逆に高い評価が得られます(小さな芽と伸びしろを見せているわけですね)。

 会社に所属していたら、スキルシートは会社(営業)が書く? のかな。

 VB6と.NETなら、まっとうに評価する会社なら、VB6から簡単に移行できてしまう人と、.NETへの移行はできない人(.NET使っているけどVB6風に使う人)の両方を見ています。

 前者であるなら、VB6の経験しかなくても.NETの案件でも使えるということは知っています。だから、小さな芽を見つけようとします。後者でないことを見抜こうとします。それを見て反応してこないところなら、相手にあなたを評価する能力がないのですから、あなたが入っても幸せにはなれません。

 自分が「.NET使っているけどVB6風に使う人」だったり、自習能力がない人はどうすればいいかというと、残念ながらわたしには答えはない。「技術を磨いてください。自習能力がつくように努力してください」としか言えない。

 今は誰もが耐えるときですけれど、それでも、小さな芽は育てておかないといけませんね。

 大変な時代でわたしも必死で耐えてます。

なんだか今日いけそうな気がする~~!!

2009/05/25 17:30:00

 タイトルとは違って、IT業界のブラックな会社と業界経験についてです。

 ブラックな会社(案件)って、わたし自身には「ブラックな」という基準はないのですけれど……。

 わたしがこの業界に入った時の話です。

 まず、履歴書ではなく経歴書(スキルシート)が大事だということを知らなかった。業界経験はないので、ほとんど白紙の経歴書でこの業界に入りました。しばらくして、

営業  「お前、本当にやったことなかったの?」
わたし 「派遣で研究所に行ってた時、あんなことやこんなことやってました」
営業  「アホか、それ全部スキルシートに書け!」

ってことになりました。

 わたしも経歴書の書き方を知らなかったのです。その時点で、給料にして10万以上は差がついたらしいのに、契約しちゃったので2年は年俸300万(160-180hのやつね)。給料はどうでも良かったし、「それでは飲み歩くのには足らん!」と思ったから、土日にウェイターとかしていたし……。

 まぁ、そんな失敗をしたので、へたくそなスキルシートの書き方をしているのを見ると、直してあげたくなるのね。

 それはさておき、進学塾のシステムをやったことがあるのですが、本当に小学生が終電まで勉強していて驚いた。日本では(わたしの世代)、履歴書に

    東京大学卒業(XX大学で良いけれど)

の一行を書くために、親が多額の教育費をかけて、青春の貴重な時間を捧げている人が大勢います(もちろん学問を修めたい人もいるでしょうが、その割合は少ないというと怒られるかな? わたしは学歴はいらないから受験勉強はしなかったけれど、修めたかった学問はいっぱいある……)。

 一方で、わたしはアホなことをして、怠惰に青春時代を過ごしました。

 結果は履歴書に出て、その後は職に出ます。良い職に就けないことを怨む相手は、怠惰に青春時代を過ごした過去の自分しかない。

 しかし、何年かかけて経歴書を作り直せば、案外簡単に人生が開けることが分かったわけです。ですから、ツラいとか、給料が安いとかではなく、「経歴書の次の一行にこれを書きたい」と思うことを選んで仕事をしていました。

 しかし、次の一行に書きたいというのは、自分にない経験ですから、常にチャレンジです。おいしい仕事は当然、既得権を持っている人が取ることになりますから、チャンスをもらえるというのは、人が足りない一般的にいう「ブラックな案件」が多いのも、これまた仕方のないことなのです。

 ですから、スキルシートを作っている間は、常に苦しいことの連続(やったことがない上にキツい案件)ですけれど、それは東大へ行くほど努力しなかった過去の自分が悪いし、「経歴書の次の一行にこれを書きたい」という思いでやっていたので、相当ツラいことでもできました。「なんてブラックな」とか「搾取されている」と思っていたら、精神的にもたなかったと思う。

 学校へは金を払わないと行けませんが、少なくとも生活できるだけの給料をもらった上で、経歴書を充実させていけるのですから、本当にありがたいチャンスだったわけです。

 もちろん、安定したポジションを取らず、守られていなかったから仕事を選べたわけで、大企業で守られていたらほとんどの人は仕事を選べません。リスクを取るか安定を取るかの自由は、今の時代でもみんな持っていますが、両方を求めたら……ことわざのとおりです。

 で、タイトルに戻って。

 「なんだか今日いけそうな気がする~~!!」と、エロ詩吟という男心を詠むお笑い芸人がいますが、いやらしいことを考えていると何を見てもそう見えます。

 ネット上の評判では、この業界は大層ひどいらしく、ブラックだの、人身売買だの、奴隷だの、いろんなマイナスな言葉が踊っています。そんなマイナスのイメージをインプットをした状態で見れば、全部そう見えるでしょう。

 飢え切った男心で見れば、女性の何気ないしぐさも、誘っているように見えるのとまったく同じです。女性がエロいのではなく、エロく受け取る男性がエロいのです。

 しかし、前にも書きましたが、無理めの仕事(チャンス)を与えるということは、与えられた側ではなく、はるかに与えた側の方がリスクが大きい。経営者としては、はっきりいってそんなリスクは負いたくはないです。

 経営者は搾取しようなどとは思っていなく、ただ成長してくれたらと願っているのに、違う方に受け取るなら、受け取った方の心の内がエロいのではなく……。

 もっとも、会社は儲けるために存在していますから、「チャンスを与えるのも、結局は会社が儲けるためだ!」というのは間違っているとはいえません。

 しかし、少なくとも「搾取してやれ」とは思っていないのです。中には「搾取してやれ」というひどい経営者もいるかもしれませんが、それでも見方を変えた方が健全ですよ。

 健全な見方というのは、「スキルシートを作るために今はある」と思うことです。ひどい経営者であったとしても「利用してやれ!」って思えばよいわけです。

 もし、あなたがスキルシートを意識する必要を感じないときは、売れるスキルシートになっているということですから、回収の時期、つまりたくさんの報酬を得るための交渉をする時期ですし、転職のチャンスでもある。

 ただ、そこまで育ててもらった義理は意識した方がいい。教育だけを受けて、「ステップアップ」と称して転職をくり返す人が多いと、企業は他所で育った人を採る方が効率が良くなります。結果、新人を採らなくなってしまいます。

 そしてスキルシートの見栄えが悪くなってきた(つまり持っていた技術が陳腐化してきた)ら、またスキルシートを作る時期になるわけです。

 「俺は大卒だし」って思う人もいるかもしれませんけれど、それで思うようなポジションにつけないなら、「大卒」という資格は陳腐化しちゃったということで、スキルシートを作る時期ですよ。

 このようなスキルチェンジの時期は、他の業界では人生で何度もないですが、IT業界ではこのサイクルが非常に短いので、自分で考えて切り替えていくしかなく、サイクルが短い分チャンスも多いです。

 ネット上にこの業界の悪口が多いのは、この業界の人がネット上に生息している割合が多いだけの話で、愚痴っている人のモノの見方に、みんなが感化されているためではないでしょうか。

 チャンス、ラッキーと思っている人は、精神的には壊れない(体も精神から異常をきたすことも多いので、体もそうそう壊れない)。タフさも、スキルの伸びも、まったく違います。フリーでやっていた時は、時間ナンボの契約で、他人の仕事に手を貸して仕事を振られたら損という考え方を持つ人も多かったけれど、わたしはチャンスと思っていたのでさらに「仕事が振られたらいいな」と思いながら、いろんなところに顔を出していました。

 1年で普通の倍の仕事をして、倍の経験ができて得したと考えるか、半分の報酬しかもらえなかったと考えるかの違いですね。

 厳しいプロジェクトで、イヤでも倍の仕事が回ってくることはありました。そこで、一緒に苦労している中で「搾取されている」というような愚痴が出始める人がいましたが、そうなると一気に鬱などの危険な状態に向かいます(前兆でしょうね)。やってることは同じだったり、わたしの方が給料安かったりするのに……。

 重要なのは、ポジティブシンキングですな。ネガティブに考えたらどこまでも落ちちゃいます。どちらに考えても、やらなきゃいけない仕事量は変わらないのですから、ポジティブに考えましょう。

 まだまだ、チャンスの多い良い業界だと思います。今、わたし自身がネガティブモードなので反省を込めて。

◇  ◇  ◇  ◇

 みんな、社長をやってみたらどうでしょう。独立するとか、フリーランサーの法人成りなどは、不況の今が一番やりやすい時期です。

 優秀な人がいっぱいあぶれているから人は集めやすいし、助成金や公的サポートも、わたしが始めた頃よりもたくさんあります。弊社のような中途半端な実績より、まっさらな方がはるかに有利でうらやましい限りです。1回つぶして……というのは認められないし(苦笑)。

 たとえば、こんな助成金があります。http://www.ehdo.go.jp/gyomu/kiban.html

 あなたがどこかの会社の社員だったとして、フリーランサーを5名(自分を入れると6名)集めます(フリーランサーは創業と認められない可能性がある)。

  会社を登記します。

  改善計画を書き、助成金を申請します。

  250万円分の設備投資をします(事務所家賃の1年分を引く)。

  フリーランサーを5人を、基盤人材として雇い入れます。

 これで、700万円(疲弊している地方なら1050万円)、国からもらえます。

 フリーランサーの人ならすでに仕事を持っているでしょうが、不況で個人ではなかなか仕事が取れなくなっている。しかし、合わさって法人成りすれば仕事も取りやすくなり、それなりの力を持った会社になるでしょう。

 で、初年度に700万円は、かなりありがたいはず。癖の強いフリーランサーを5人もまとめるのは大変でしょうけれどね。

 他にもいっぱい助成金がありますから、本当にチャンスです。補正予算が通ったら、もっといろんな種類の助成金ができるかもしれませんし、額も増えるかもしれません。

 上のようなやり方で起業すれば、大概、特定派遣の認可を受けて、派遣型からスタートすることになるでしょう。ベンチャーじゃなく中小企業ですね。

 わたしは派遣型の会社も否定するつもりはないです。それだけになるのは良くないけれど、技術者にとっても、それを使う大企業にとっても必要なことだと思っています。

 とにかくやってみれば、今までとは違う、良い面も悪い面も見えることになる。

 多くの人にチャレンジしてもらって、この閉塞感を打破してほしい。でないと、せっかくのバラマキも無意味なものになってしまう。

 わたしが起業した頃は、今ほどの額は出なかったのですが、それでもめちゃくちゃ複雑で、手順を間違えて助成金がもらえなかった。助成金をもらうのはそれなりに知識が要るので、プロに相談するのが良いでしょう。弊社には、今ではプロ(行政書士)もおりますので、お近くでご興味のある方は、ご相談ください。 info@g1sys.co.jp

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コラムニスト プロフィール

生島勘富
株式会社ジーワンシステムの代表取締役。
新しいものを生み出して世の中をあっといわせたい。イノベーションってやつ起こせたらいいな。

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