2008年から上海のSIer勤務を経て、現在はIBM深センでDB2関連業務を担当。深センで感じたことなど紹介させていただきます。

独学ではわかりにくい中国語発音まとめ

»

 中国語はなんと言っても発音が難しいです。少しでも発音が違うとまったく通じません。以下に私が思う独学ではわかりにくい中国語の発音をまとめてみましたので、興味がおありの方は見ていただきたいと思います。

■ 変る声調

 声調とは、簡単に説明しますと「音の高低」です。入門編の本を買うと、どの本にも以下の図のような声調の図が載っていると思います。

220pxpinyin_tone_chart
※ウィキペディア参照

 この声調の規則に忠実に従って練習すると、案外早く習得できた感覚になるのですが、実は声調には色々と細かい規則があります。

※以下、本来発音に関してカタカナで表示すべきではないのですが、あえて解りやすくするため用いています。

- 音が変わる3声 -

 例えば「古 gu3 」(アルファベットの後ろの数字は声調を表しています)。「古」は第3声なので、第3声の発音に忠実に従って 「グゥ……ウゥ!」と発音します。

 第3声は思いっきりあごを引く感じでグゥ……と「溜め」てから急激に上にウゥ!っともっていく特長があります。ところが、後ろに付く声調によって音が変わるのです。

①後ろが第1,2,4声だったら、半3声として読む

「古代(gu3 dai4)」

 この場合は 「グゥ……ウゥ!ダイ」とは読まず「グゥ……ダイ」というような感じで、3声を一番低いところで溜めっぱなしにして次のdaiを発音します。

②後ろが第3声だったら、2声に変わる

「古典(gu3 dian3)」 ⇒ 「古典(gu2 dian3)」

 この場合は第3声+第3声と読まず、gu2 dian3 と発音します。3声+3声では読みにくいためでしょう。ちなみに教材等では、この場合あえてピンイン表示を「古典(gu2 dian3)」などのように、2声としては表示はしませんので、自分で見極めが必要になります。

■ 舌尖前音

 ch ,zh ,sh ,のような舌尖前音と呼ばれる発音(巻き舌のような音)があります。例えば以下のようなものです。

「是(shi)」、「只(zhi)」、「池(chi)」

「束(shu)」、「住(zhu)」、「出(chu)」

 私は独学で勉強していた時、これらの音についてある程度発音できるかなと思っていたのですが、ネイティブに聞いてもらったところ 「chiとqiの音を混同している。」と指摘を頂きました。

 chiなので、感覚で何となく「チー」と読んでいたため、qiの音と混同してしまっていたのです。chとiの音を分けて長い間練習をしたら、やっとOKをもらいました。(chiと表記があっても、実はchとiで音が分かれている、つまりそれぞれの音をはっきり発音する必要があります。その他の母音、chu、cha、zhu、zhiなども同じです。)

 以下のサイトの説明がとても解りやすいです。

http://dir.searchina.ne.jp/chinese/reading/3-4-18.html


■ nとng

 nはン!と言い切る感覚で、ngは鼻から気流を出すようなイメージです。nとngの違いについても、以下のサイトで紹介されています。

http://dir.searchina.ne.jp/chinese/reading/3-4-6.html

「担心(dan xing)」と「当心(dang xin)」
「反問(fan wen)」 と「訪問(fang wen)」

 ngはわざとらしく「ンフ~」というとそれらしくなりますが、nとngは聞き取りにおいても違いがわかりにくく難しいと思っています。

■ 日常風景

 「中国国内では、もちろんみんな普通語で話している」と思いがちですが、普通語でやりとりをしているのは実は沿岸部のみで、内陸の方では地方語で会話するのが一般的です。

 地方語というと、日本の場合では「訛り」、「方言」と表現し、イントネーションがある程度違うけれどもなんとなく意味は理解できるレベルだと思います。

 しかし中国ではそうはいきません。それぞれ完全に別の言語なのです。同じ中国人でも出身地方によっては、相手が何を言ってるのかまったく分からないそうです。現代の若者は普通語教育が行き届き、またテレビなどの普及により標準語を難なく話せるのですが、1980年以前に生まれた方々は普通語を話すために色々と苦労をされてきたそうです。

 今年30歳のとある中国人上司が以下のような話を聞かせてくれました。

 「私は田舎育ちだから小中学校の授業は全部地方訛りで勉強した。親が都会の高校に入れてくれたので、高校で標準語を勉強することができた。私の親はもちろん標準語を話せないし、私もいまだにrangとlangの区別ができない。これだけは何度も勉強してもできないのでもう諦めた。」

 さまざまな地方から人が集まる1つのオフィスの中でも、その多言語風習を感じることができます。もともと香港出身の方同士だと広東語で普通に会話していますし、エレベーター内で同僚同士で地方語で話してるのも見かけます。

 発音に関して「細かい違いがわからん」という方もいるかも知れませんが、さまざまな言語が入り混じっているのが中国ですので、それほど構えずに堂々と話してみるといいかもしれません。

■ 最後にオススメの講座

http://www.honshitu.com/1/

 単語記憶術を聴くだけでも、かなり大きな収穫になると思います。中国語勉強法など無料のメルマガも配布されています。私は中国にいるので、「学校には行かず独学で勉強してやる!」と意気込み1年くらい我流でやっていたのですが、文法は混乱しやすいし、発音は難しいので、まったく伸びませんでした。

 ところが、この講座を勉強しはじめてから文法がとてもクリアになり、新聞なども徐々に読めるようになってきたので、どんどん中国語が面白くなってきました。先生の丁寧な解説があるため、飽きずに継続して勉強ができます。

Comment(1)

コメント

hanako

自分で勉強して、感覚を通して、こんな纏めができるのはすごいです。頑張ってね。

コメントを投稿する