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日常と異常

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先日、とある会社を訪問した際、通された打ち合わせ室の外から女性の怒鳴る声が
聞こえてきた。言葉は丁寧だが、「前にもいったじゃないですか!」「それは違い
ます!」というきつい言葉が聞こえてくる。

「申し訳ないですね。いつもの事なんですよ」
私と打合せしていた担当者は、申し訳ないとうより自嘲のような微妙な笑みを浮か
べ、ぽつりと言った。打合せの話の腰が折れてしまったので担当者は小声で、怒鳴
られているのは実はこの会社の社長なのだ、ということを教えてくれた。怒鳴って
いるのは事務担当の女性職員で、もともとは彼女の上司に事務部長がいたのだが、
この上司と折り合いが悪くなり、部長の方がが調を壊して辞めてしまったため、
社長が事務部長を兼務しているのだという。
「今はまだマシな方で、前任者のときは毎日、日に何度も怒鳴っていたので、こちら
もたまったものではありませんでした。社長に対しては彼女も遠慮があるのでしょう」
そうなのか?すでに怒鳴り声は30分近く続いている。
この様な状は2年近く続いており、事務職員が居つかず、何名も辞めてしまったとの
こと。また怒鳴っている職員も体調を崩し、休みがちなため社内の事務手続きが滞り
困っているということも教えてくれた。

打合せ後、担当者とあいさつしながら事務所内を何気に見渡してみた。そんなに大き
くない事務所に女性の職員が2名いた。怒鳴っていたのは、どちらかであろう。でも、
いまは、その2名も含め、みな何事もなかったように仕事をしている。談笑している人
もいるくらいだ。
自社への戻りすがら、担当者には申し訳ないがこの会社とのお付き合いは少し考え直
そうと思った。このご時世、上司が部下を怒鳴ってもパワハラ問題となる。ましてや、
部下が上司や社長を怒鳴るというのは異常である。何が原因かは他所の会社の内輪の事
なので知る由もないが、この異常な状況が2年以上も続いているということは、この会
社に自浄能力が欠如している証拠であろう。それより何より、何事もなかったように
仕事をしている事務所の雰囲気も気になった。おそらく異常が日常になってしまって
いるのだろう。異常に鈍感になるのは危険である。気づいたとこには手遅れになって
いるのだから。

Comment(2)

コメント

iso

いやあこのオネーサンむしろ好感が持てますわ。
辞めた上長がいた頃から、上に何を言っても暖簾に腕押し馬耳東風だったんでしょう。
にもかかわらず(しかも相手は社長にもかかわらず)怒鳴り倒してるんですから。
オネーサンは正論をぶっているだろうというのは、いくらなんでも社長捕まえて怒鳴っても会社都合の馘首にならないということで想像できますが。

いい加減諦めて転職する・黙ってバカをせせら笑いながら給料だけもらう・指を咥えながら「指示通りにしか仕事しませんでしゅー」とバカのふりをするの3択を選べばいいのに。

お付き合いを見直すべきというのは同意ですが、
2年も正論を言われて続けても一向に態度を改めない、
あるいは改善を行わない、
おそらく極めつけの無能揃いの社長および担当者がいる会社という点でということですね。

しかしなぜかこういう上長って、ことITに関しては多いんですよねぇ・・・
ITの常識が中小企業経営の非常識って面が多分にあるのは仕方ないとはいえ・・・

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