日々の活動で、感じること、思うこと、考えることを。

品質向上、トラブル削減への「手っ取り早い方法」とは……!?

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 ……そんなもの、ありません(笑)。

 あ……

 みなさん、そんな冷たい目で、わたしを見ないで……。そして、他のページへいかないで……(切実)。

 開発に携わっておられる方は「品質向上」について、運用に携わっておられる方は「トラブル削減」について。皆さま、興味を持ち、日々やいやい言われているのではないでしょうか?

 わたしはここ数年、会社のタスク活動として自部門の「QCサークル」をリードしています。

 「QCサークル」とは……

同じ職場内で品質管理活動を自主的に行う小グループのことで、全社的品質管理活動の一環として自己啓発、相互啓発を行い、QC手法を活用して職場の管理、改善を継続的に全員参加で行うもの……
(フリー百科事典「Wikipedia:QCサークル」より抜粋)

 Wikipediaには、後ろ向きな説明が続けられていますが、どんなツールであれ、どんなアプローチであれ、万能なものはないと思っています。

 そう、今回のコラムのタイトルにあるように、品質向上やトラブル削減のための「手っとり早い方法」なんて存在しません。

 でも逆に、

  1. ポイントを押さえて
  2. きちんと
  3. 地道に

進めることができたら、効果が出てくるものだと考えています。

◆ポイントを押さえて

 「現状の把握」と「真の原因の追求」をポイントとして抑える必要があります。

 まず、

  • 現状はどのような状態なのか?
  • なにが? どのように? 悪いのか?
  • どのような傾向があるのか?

などについて把握する必要があります。

 次に把握した現状について、そこに至った「真の原因」を探る必要があります。

 「真の原因」とは、現状に至った「表面的な原因」にとどまらず、その「表面的な原因」に至った「原因」、またその原因の原因に至った「原因」……と分析した結果、得られるものです。

 例えば、本番稼動しているシステムにおいて、間違ったデータ更新が行われた場合、

 あるプログラムにおける「仕様の実装漏れ」が「直接の原因」であるとすれば、「仕様の実装漏れ」がなぜ防げなかったのか? 何があれば防げたのか? と分析し、突き止めることができるのが「真の原因」です。

 例えば、同時並行で進めた案件が多すぎたのが「真の原因」で、結果として「設計者の多忙により設計に漏れた」のである、と判明するでしょう。

 原因は「限定」するのではなく、広く考えて「特定」することが大切です。

◆きちんと

 ポイントを押さえるためにも、実績のあるアプローチ、ツールを使う必要があります。 例えば 「QCストーリー」  「QC7つ道具」があります。

 課題解決を進めるためのアプローチが「QCストーリー」、ツールが「特性要因図(フィッシュボーン)」などを含む「QC7つ道具」です。

 もちろん、これらには課題があり、使い方の工夫も必要ですが、使うことによってやみくもに自分たちで考えて進むよりは、はるかにきちんと活動が進むでしょう。

◆地道に

 やはり、品質向上、トラブル削減に「王道はなし」だと思います。

 現状を少しでも変えるという思い、当事者意識など地道な発想が本当に重要だと思います。

 わたしの部門では、今年は「自部門の責任による影響障害数 0」を目標に活動を進めています。

 現在、「QCストーリー」でいうと「解析」「対策の立案」付近です。さらに有効な効果が出るように、PDCAサイクルを回したいと考えていますので、上期と下期にわけて、「QCストーリー」を進めようと考えています。

 このコラムでも、途中の状況や、活動を通して気づいたことや考えたこと、学んだことなどを書いてみたいと思います。

 余談ですが、Wikipediaで「QCストーリー」が「カテゴリ:思考」に分類されていたので、そのカテゴリに分類されているページのラインナップを見てみたのですが、かなり面白い!

 QCストーリーやMECEといった「ツール」に属するものから、呪術的思考、フレゴリの錯覚、ミラーニューロンといったアカデミックなもの、そしてジャイアニズムまで何ともいえない「ごった混ぜ感」があり、かなり好奇心をくすぐられます。

(フリー百科事典「Wikipedia:Category思考」)

 (こちらにもどうぞお越しください。ちあきの場所(ありか) http://nishi3.info/chiaki99/ )

Comment(3)

コメント

Jitta

> 例えば、同時並行で進めた案件が多すぎたのが「真の原因」で、結果として「設計者の多忙により設計に漏れた」のである、と判明するでしょう。

え?ここで終わりですか?切ないです。。。
この、「真の原因」を解決する手段は、なんでしょう?いや、人を増やすとか、仕事を減らすとか、「それはできない相談だ」と言われるから、それ以外の方法を知りたいわけです。
「一つの仕事を速く片付けられるように、スキルアップしましょう」と言われることも、多いです。で、それができたらそれに見合うだけの仕事の増量が待っているわけです。結果、「同時並行で進めた案件が多すぎた」という状況は、変わらないわけです。

ちあき(c_c).6

Jittaさん
はじめまして。こんにちは。
おっしゃること、理解できます。

「同時並行で進めた案件が多すぎた」ことに対するアクションが
「スキルアップする」ことだけではない ということなんでしょうね。

トラブルが無くならない 原因について、

わたしは私なりの「答え」は持っています。
うちのメンバーや上司も、それぞれの「答え」は持っています。

でも、まだ「真の原因」ではないと思っています。

その多くは、Jittaさんがおっしゃる「できない相談」かもしれません。
「スキル不足」や「個人の素質」なんてものも出てきます。

おそらく「真の原因」を全て洗い出すことなんて不可能でしょう。
でも、いくつかの原因が重なり合って障害が起こるわけですから、
全て洗い出せなくても、「真の原因」に近いものに対して、何かケアすれば少しは良くなると思っています。

・・・・・と、いいながら、不安だらけです。w

まだ、活動を始めたばかりですので、
経過については、またコラムに書きたいと思っています。

またぜひコメントいただければうれしいです!

choir

原因は・・・大抵の場合、「品質はタダである」と思っているか、
「品質なんてどうでも良い」と思っているのどちらかじゃないでしょうか。

もちろん、そんなことは無いと仰るお偉方がほとんどでしょうが
品質に対してどれだけの勉強をし、
どれだけのリソースを割いているか一度伺ってみたいものです。


#「品質は最重要」と説く我が社では目視を最重要とし、Excelを用いて・・・(略
#もちろん、テスト自動化やバグトラッキングシステムなどの導入はせず
#ましてエビデンスを残すなどという女子供のように軟弱なことはしておりません

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